映画『コーチ・カーター』の概要:20年前にバスケの名門を誇った高校は、刑務所行きが確定した生徒の吹き溜まりになっていた。そこに現れた嵐を呼ぶ男の実話の映画化。
映画『コーチ・カーター』 作品情報
- 製作年:2005年
- 上映時間:136分
- ジャンル:青春、ヒューマンドラマ、スポーツ
- 監督:トーマス・カーター
- キャスト:サミュエル・L・ジャクソン、リック・ゴンザレス、ロブ・ブラウン、ロバート・リチャード etc
映画『コーチ・カーター』 評価
- 点数:80点/100点
- オススメ度:★★★★☆
- ストーリー:★★★★☆
- キャスト起用:★★★☆☆
- 映像技術:★★★☆☆
- 演出:★★★★☆
- 設定:★★★★☆
[miho21]
映画『コーチ・カーター』 あらすじ(ストーリー解説)
映画『コーチ・カーター』のあらすじを紹介します。
ケン・カーター(サミュエル・L・ジャクソン)は、’70年代半ばにリッチモンド高バスケ部に在籍時に優勝し、その後オールアメリカに選ばれた事から伝説のプレーヤーとカリスマ視されていた。
それから20年たち、彼の母校リッチモンドは、貧困と犯罪の温床となり、生徒の進学率は5割に落ち込み、刑務所行きも珍しい事ではなくなっていた。
生徒が大学に行く事はおろか、高校生としてだけでなく人間として当たり前の礼儀すら身につけていなかった。
カーターは、母校から呼ばれ、かつて所属していたバスケチームのコーチになる。
彼は、このまま生徒がバスケだけが出来る様になったとしても、社会的に通用する人間になれるわけがないのではないか、と悟る。
カーターは、生徒に誓約書を書かせる。その内容は、学業は平均2.3以上の成績を残す事、授業は全て最前列で出席する事。試合の日には正装する事。これを敗れば即退部というスパルタで挑む事となる。
彼の強引なやり方は、荒廃したリッチモンドに諦めていた保護者や自治会からも反感を買うが、カーターは諦めない。
そこに名門校に在籍していたカーターの息子息子ダミアン(ロバート・リチャード)が加わり、チームの面々も変わる兆しを見せ始めるのだが・・。
映画『コーチ・カーター』 感想・評価・レビュー(ネタバレ)
映画『コーチ・カーター』について、感想・レビュー・解説・考察です。※ネタバレ含む
スポーツよりも人間として素晴らしくあれ
何故カーターはここまでして、生徒たちの人間性を高め、部活より先に学業に専念する様に、生徒に誓約書まで書かせたのでしょうか。ここにスポーツ選手の扱いの温度差があります。
欧米各国では、スポーツ選手は全てに置いて尊敬の対象でなければいけません。スーパーヒーローの設定1つをとっても、大企業の社長というアイアンマンや、財閥の息子というバットマンなど、国民の憧れとなる人間に全てを求めるのが諸外国です。
日本はスポーツさえ出来ればそれでいいと言わんがばかりに、スポーツが出来れば学業や職務が免除されます。その結果、野球などがそうですが、時々スポーツをやめればただの人になってしまうというニュースも見受けるのです。
スポーツなど、特定の事が出来る以前に、人間として素晴らしくあれという事がカーターの理念です。
わざと生徒に無理難題をふっかける真意とは
無論カーターのスパルタ教育に、ドロップアウトして帰ってこない生徒も出てきます。それはそれでカーターは本当にバスケをしたい訳ではなかったのだとあえて引きとめません。
そんな中、試合で勝利を収めるチームを目の当たりにして、クルーズ(リック・ゴンザレス)が帰ってきます。彼に罰則として腕立て伏せ2500回、ダッシュ1000本という無理難題をカーターはふっかけます。
カーターが、クルーズを試した理由は、まず彼が取り組むかどうか、そして本当にチームメイトが彼の復帰を望んでいるかです。
案の定、彼の無理な回数をチームメイトが負担すると次々名乗り出てきます。カーターは全員が彼の復帰を望んでいるかを、わざと無理難題をふっかける事で見分けるのです。
チームも勝ち続けると有頂天になり、勉強が疎かとなって成績が落ちてきます。このままでは練習をさせて貰えないと悟った彼らが自主的の勉強をしている所をカーターが目にする所も見物です。
カーターが、叱らなくても生徒たちが自発的に自分自身を見つめなおし長所を引き出していくようにすること。これが目標だったのではないでしょうか。
豪華メンバー勢ぞろいのサントラ
MTVが監修しているサントラは、未使用のものも含めてもメンバーは豪華。
カニエ・ウェスト、シアラ、トゥイスタ、フェイス・エヴァンス、レッド・カフェ、50セントなど。
サントラと共に盛り上がりたい人にもお勧めです。
スポーツだけ出来れば良い訳では無いのだと感じた今作。スポーツ選手はどんな場面においてもお手本のような「人間」でなければならないという考え方に物凄く共感しました。
周囲から憧れられるような選手になるためのカーターのやり方はとても過酷で、挫折してしまった選手もいました。しかし、それは本当にバスケをやりたかった訳では無いのだと受け入れるカーターの姿を見ていると、彼のやり方は間違っていないし、選手を自立させる方法なのだと納得できると思います。(女性 30代)
映画『コーチ・カーター』 まとめ
実在した高校のバスケチームの話だけあり、エンディングテロップではチーム全員の行く末を追う事ができます。
大学に進学して有名なチームに入った人もいれば、そうでない人も。
彼らの共通して言えるのは、あの時間を共有してカーターから生きる大切さを学べたことではないでしょうか。
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