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映画『ギリシャに消えた嘘』あらすじとネタバレ感想

映画『ギリシャに消えた嘘』の概要:ヴィゴ・モーテンセン主演の、ギリシャで詐欺師夫婦と殺人事件に巻き込まれた青年のサスペンス。共演は、キルステン・ダンスト、オスカー・アイザック。2014年の英国・仏・米国映画。ホセイン・アミニ初監督作。

映画『ギリシャに消えた嘘』 作品情報

ギリシャに消えた嘘

  • 製作年:2014年
  • 上映時間:96分
  • ジャンル:サスペンス、ラブストーリー
  • 監督:ホセイン・アミニ
  • キャスト:ヴィゴ・モーテンセン、キルステン・ダンスト、オスカー・アイザック、デイジー・ビーヴァン etc

映画『ギリシャに消えた嘘』 評価

  • 点数:65点/100点
  • オススメ度:★★★☆☆
  • ストーリー:★★★☆☆
  • キャスト起用:★★★★★
  • 映像技術:★★★★☆
  • 演出:★★★★☆
  • 設定:★★★★☆

[miho21]

映画『ギリシャに消えた嘘』 あらすじ(ストーリー解説)

映画『ギリシャに消えた嘘』のあらすじを紹介します。

ギリシャ。架空の株投資詐欺で追われている夫婦、チェスター(ヴィゴ・モーテンセン)と妻コレット(キルステン・ダンスト)。パルテノン神殿を観光中に、遺跡ガイドの青年ライダル(オスカー・アイザック)と出会う。意気投合した3人は、一緒にギリシャ旅行を楽しむ。
ところが、チェスター&コレット夫婦の泊まるホテルに探偵が現れて、チェスターは誤ってその探偵を殺してしまう。一方、ライダルは、コレットがタクシーに忘れた腕輪を渡すためにホテルを訪れ、事件に巻き込まれてしまう。

ホテルを移り、ギリシャを出国するためにチェスターは、ライダルを通じて偽造パスポートを手配します。こうして、共犯者となったライダルだったが、コレットに次第に惹かれてゆきます。そして、チェスターに対しては亡き父の面影を重ねるのだった。

クレタ島に偽造パスポートが出来るまで潜伏することになったが、長距離バスで移動中にコレットが突然下車。隣りの席の女の子が眼鏡を貸して欲しいと言ったため、殺人犯としてばれたと思ってしまう。3人は、近くの遺跡で一夜を過ごすことになるのだが、チェスターはライダルを殴って亡き者にしょうとして反対に妻コレットを死なせてしまう。

クレタ島から、イスタンブールへ。死んだと思っていたライダルは、船で逃亡しようとするチェスターを追ってきた。その後、飛行機で出国。チェスターがトイレに立ったすきにライダルは彼の元から逃げ出す。チェスターが、イスタンブールに着いて10日後。突然、黒電話が鳴り、ライダルからグランバザールのカフェで会いたいと連絡が。

ライダルは警察に協力し、チェスターを自白させた後逮捕してもらおうともくろむ。”なぜ、俺をはめた?”というライダルに対して、”ここではお金を渡せない。”というチェスター。2人はグランバザールを舞台に逃亡劇を演じた後、チェスターは最期に罪を告白して死んだ。

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映画『ギリシャに消えた嘘』 感想・評価・レビュー(ネタバレ)

映画『ギリシャに消えた嘘』について、感想・レビュー・解説・考察です。※ネタバレ含む

初老の魅力が炸裂!詐欺師役ヴィゴ・モーテンセン

ギリシャのパルテノン神殿から物語は始まります。サスペンスといえど、雰囲気はのどかで、遺跡に立つとまるで古代ギリシャへタイムスリップしたかのよう。ヴィゴ・モーテンセン演じるアメリカ人の詐欺師チェスターは、軽快さと暗さを持つキャラクターです。

年の離れた若い妻コレットを巡り、遺跡ガイドの青年ライダルと恋の火花を散らします。旅行中の恋というものは浮雲みたいで実態が掴めないものです。果たして、恋愛要素が必要なのか疑問です。本作は、「太陽がいっぱい」や「リプリー」などを書いたパトリシア・ハイスミスの小説を基にしているのですが、筆者はあまり好きになれません。

物語の展開は緩いが、いつ犯人とばれるのか逃亡劇に緊張感があります。また詐欺師のチェスターとライダルの間には父子のような情があるのも面白い。詐欺師チェスターは、旅行中、飲んだくれてばかりいるが、初老の色気や子供のような一面も覗かせます。根っからの悪人ではないところに魅力があります。

ギリシャに恋して

青い海と古代遺跡。劇中でもパルテノン神殿やクレタ島のクノッソス遺跡が登場します。なぜ、サスペンスには風光明媚な土地が選ばれるのでしょうか。例えば、遺跡など名所では観光客の数も多いし、遺体を隠したとしてもすぐ見つかってしまいます。犯行は不可能な気がしますが、それでも必ず起きてしまう。

それは、殺人の演出として選ばれるのではないかと思います。そうだとしたら、ギリシャはぴったりですね。ただあまり有名な遺跡だと隠せないでしょうけど、古代人と共に現代人の遺体があってもおかしくないのかも。ギリシャ人は常に死を身近に考えていました。有名な言葉に”メメント・モリ”(死を想え)があります。

本作では、ギリシャの古代遺跡も見どころのひとつです。冒頭で遺跡の前で帽子を隠してみたら、横からだと消えたように見えると2人で遊ぶシーンがあります。これから起きる殺人事件を予感させますね。


旅行という誰もが心躍るイベント。特に海外旅行ともなれば、異国の地へ向かう解放感と、非日常的な生活に「いつもと違う自分」を見たくなってしまうことってありませんか?
今作では、そんな解放感や非日常感から来る、ほんの些細な「嘘」によって人生を大きく変えられてしまった男女の姿が描かれていました。
ヴィゴ・モーテンセンにオスカー・アイザックと大好きな二人の共演で、敵か味方か分からないハラハラするストーリーなのでファンにはたまらない作品になっています。
非常にスローなテンポで物語が進み、結末もなるほどな、と納得してしまうようなものなので刺激を求める方には物足りないかもしれません。(女性 30代)


オスカー・アイザックとヴィゴ・モーテンセンの共演目当てで観たのだが、想像以上にがっつり絡んでくれたというか、この二人の演技合戦はこの作品の見所の一つだと思う。
これといって派手なアクションやどんでん返しがあるわけではないが、ずぶずぶと言葉では言い表せない複雑な感情に囚われ、雁字搦めになってゆく三人の関係性が面白く、あっという間に観終わってしまった。
本編の内容とは裏腹にギリシャの景色がさわやかで美しく、旅行に行きたくなった。(女性 30代)


ヴィゴ・モーテンセン演じるチェスターの、紳士然たる姿が渋いです。実は彼は詐欺師であること、さらにはやきもち焼きの甲斐性無しであることが徐々に顕になる過程が堪らなく面白いです。楽しそうな旅から一転、種々なるハプニングが起こり一時も目が離せない展開でした。犯罪者の視点で描かれていますから、共に逃亡しているようなスリルがあります。現地のガイドを勤めるライダルと、妻コレットの微妙な関係も気になって仕方ありませんでした。(女性 30代)

映画『ギリシャに消えた嘘』 まとめ

ヴィゴ・モーテンセンは、本作について、”フィルム・ノワールのような映画だ。”と語っています。全体的にのんびりとした雰囲気で物語が進むからでしょうか。ギリシャという土地柄が、現実よりも過去で時が止まったかのような空間だからかもしれません。

誰かを殺すつもりでなかったのに1人、2人と殺すハメになってしまった。チェスターは深い後悔を酒で忘れようとしますが、忘れることができない。詐欺師だが、真の悪人になれない男の物語だと思います。ヴィゴ・モーテンセンは年を重ねるにつれて、渋みが増し存在感が輝いています。
遺跡ガイド・ライダルを演じるオスカー・アイザックとの演技の相性もいい。旅行中には、誰もが嘘をつきたくなり、違う自分を演じたくなるのかもしれません。

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