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映画『サンローラン』あらすじネタバレ結末と感想

映画『サンローラン』の概要:ファッション界の帝王と称されたデザイナー、サンローランの半生を描いた伝記。出演はギャスパー・ウリエル、レア・セドゥ。「メゾン ある娼館の記憶」のベルトラン・ボネロ監督の2014年フランス・ベルギー映画。

映画『サンローラン』 作品情報

サンローラン

  • 製作年:2014年
  • 上映時間:151分
  • ジャンル:伝記
  • 監督:ベルトラン・ボネロ
  • キャスト:ギャスパー・ウリエル、ジェレミー・レニエ、ルイ・ガレル、レア・セドゥ etc

映画『サンローラン』 評価

  • 点数:65点/100点
  • オススメ度:★★★☆☆
  • ストーリー:★★★☆☆
  • キャスト起用:★★★★★
  • 映像技術:★★★★☆
  • 演出:★★★★☆
  • 設定:★★★★☆

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映画『サンローラン』 あらすじネタバレ(ストーリー解説)

映画『サンローラン』のあらすじを紹介します。※ネタバレ含む

映画『サンローラン』 あらすじ【起・承】

ファッションデザイナー、サンローランの1967年から最も充実した10年間をファッションと私生活から観てゆこう。

1974年。ホテルの部屋で、イブ・サンローラン(ギャスパー・ウリエル)は、電話でインタビューを受けていた。

軍に徴兵された時に受けた精神的ショックから立ち直り、恋人であり出資者だったピェール・ベルジュ(ジェレミー・レニエ)と共にディオールから1961年に独立した。

1968年、デザイン画を描くローランのもとに恋人ピェールが訪ねた。ローランは、秋冬のオートクチュールの準備で忙しかった。
そんな彼を癒すのは、ナイトクラブへ行き、酒とドラッグでつかの間の平安を得ることだった。

ある夜、ベティ・カトル(エイメリン・バラテ)というシャネルのモデルをスカウトし、専属のモデルにした。

また後に、彼のミューズとなるルル・ドゥ・ラファレーズ(レア・セドゥ)とも出会うのだった。

この頃、サンローランは、“映画・広告・音楽だけが刺激的だ!僕はアートには興味がない”と考えていた。

1968年から1971年は、最もサンローランの生み出すファッションが輝いた時代だった。
「モンドリアン・スタイル」とよばれる、絵画のデザインを取り入れたファッションなどが生まれた。

1971年に、新しい感性を取り入れたいとモロッコへ旅行に出かけた。舞台の衣装なども手掛けており、毛皮のコートや40年代風のドレスなどを取り入れたデザインを考えるのだった。

また、男性用の香水を売るために、自ら裸身をさらしたCMを作るなど、“ファッション・アイコン”としての存在感を魅せた。

1972年に、“解放コレクション”と名付けられたデザインを発表したが、オートクチュールや香水の売り上げは振るわなかった。
”我々は、イブ・サンローランを変えるべきだよ!“と幹部は話す。

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映画『サンローラン』 結末・ラスト(ネタバレ)

その後、不振が続いたが、1973年にカール・ラガーフェルドの恋人でもあった、ジャック・ド・バシャール(ルイ・ガレル)と電撃的な出会いをした。

彼との関係に溺れる中、体調を壊し、一時的に“死亡説”まで流れてしまう。ジャックとの仲に危機感を感じた恋人ピェールは、ジャックからサンローランを引き離すのだった。

また、ドゥーザ夫人(ヴァレリア・ブルーニ・テデスキ)に頼まれて、彼女の服をスタイリストした。

それは、男性的なフォルムを生かした、女性のパンツルック。フェミニンでとてもおしゃれなスタイルだった。ドゥーザ夫人も気に入ったようだ。

サンローランは、ジャックとの享楽的な日々や愛犬の死を経てもなお、自堕落な生活を繰り返していた。

ジャックが去ってしまうと、1976年にはデザイン画を描けなくなってしまう。彼は、蛇に巻き付かれるような幻想を見るようになり、一時入院するのだった。

数年後のサンローラン(ヘルムート・バーガー)は、年老いていた。彼は、ミューズであるルルが好んで着ていたジプシー風の服をデザインした。

ルルは、モデル兼アクセサリーのスタイリストとして、彼を支えていた。一方、愛人ジャックはエイズで亡くなっていた。

サンローランは、2002年にファッション界を引退した。

映画『サンローラン』 感想・評価・レビュー(ネタバレ)

映画『サンローラン』について、感想・レビュー・解説・考察です。※ネタバレ含む

サンローランの孤独と享楽の日々

ファッション映画というだけで、ワクワクするものだけど、この映画はファッションの歴史といったものにはほとんど触れられていない点が多く残念です。

主人公イブ・サンローランを演じる、ギャスパー・ウリエルは登場した時からゲイ・オーラが炸裂!といった感じでギラギラしています。

サンローランの私生活を語るには、時系列が飛び飛びに描かれており、観ている側としては不親切な印象が強い。彼を取り巻く恋人や愛人、ミューズに至るまで個性的だが、彼との関わりが希薄に見えます。

ポップなアート感覚に訴える映像はいいのですが、サンローランの半生やファッションに対する表現が深く掘り下げられていないためにただ享楽的な生活にしか見えないのです!

サンローランへの愛が感じられない!作品ですが、ファッション業界もまた華やかではあるが虚飾に満ちた世界であるゆえかもしれません。

サンローランのミューズ、ルル・ドゥ・ラファレーズ

レア・セドゥが演じた、サンローランのミューズに注目したいと思います。彼女は、長年、サンローランの友人であり、アクセサリーのスタイリストでした。

小悪魔的なファッションで魅了し、サンローランの事務所のスタッフとして彼を支えていたようです!またもう1人のミューズとして、モデルのベティ・カトルがいます。

ベティを演じるエイメリン・バラテも実際にスーパー・モデルということで、サンローランとルル、ベティと並べばとても華やかです!クラブでの出会いのシーンと共にこの映画を象徴するシーンではないでしょうか。

ルルのファッション・スタイルが、サンローランに多くの影響を与えたことはラストで描かれるファッションショーを観ると一目瞭然ですね!


サンローランを演じたギャスパー・ウリエルが素晴らしかったです。同性愛者だった彼のなんとも言えない中性的表情や仕草が本当に上手くてサンローランは本当にこんな雰囲気だったのかもしれないと感じてしまいました。
今も尚愛され続ける有名ブランド「イヴ・サンローラン」ですが、その輝かしい世界の裏には多くの苦悩や別れがあったのだと知りました。
男性からも女性からも愛されるブランドとなった理由には、サンローランの人柄も大きく関係していたのでは無いでしょうか。(女性 30代)

映画『サンローラン』 まとめ

ファッション業界を舞台にした映画は多くあるが、サンローランの人生をこれほど破滅的に描いた作品もないだろう。

ただ、もう少し、ファッションの歴史を描き、サンローランを知らない人にも興味を抱かせるような中身のある構成であれば良かったのにと思う。

サンローラン役のギャスパー・ウリエルは、映画「ハンニバル」でレクター博士の青年時代を演じており、本作でもセクシーな魅力があります。加えて、サンローランのミューズ、ルル役を演じたレア・セドゥにも注目したい。

ファッションは時代を写す鏡とも言われるが、サンローランが描きたかったオートクチュールに込められた美しさと儚さを感じてみたい。

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