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映画『サンドラの週末』あらすじネタバレ結末と感想

映画『サンドラの週末』の概要:ジャン=ピエール&リュック・ダルデンヌ兄弟が描く、社会派ドラマ。サンドラは復職か、仲間のボーナス削減か。出演はマリオン・コティヤール、ファブリツィオ・ロンジョーネ。2014年のベルギー、仏、イタリア映画。

映画『サンドラの週末』 作品情報

サンドラの週末

  • 製作年:2014年
  • 上映時間:95分
  • ジャンル:ヒューマンドラマ
  • 監督:ジャン=ピエール・ダルデンヌ、リュック・ダルデンヌ
  • キャスト:マリオン・コティヤール、ファブリツィオ・ロンジョーネ、クリステル・コルニル、オリヴィエ・グルメ etc

映画『サンドラの週末』 評価

  • 点数:65点/100点
  • オススメ度:★★★☆☆
  • ストーリー:★★★★☆
  • キャスト起用:★★★★☆
  • 映像技術:★★★★☆
  • 演出:★★★★☆
  • 設定:★★★★☆

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映画『サンドラの週末』 あらすじネタバレ(ストーリー解説)

映画『サンドラの週末』のあらすじを紹介します。※ネタバレ含む

映画『サンドラの週末』 あらすじ【起・承】

うつ病で仕事を休んでいたサンドラ(マリオン・コティーヤール)は、復職する数日前に突然、電話で解雇通知されてしまう。

その解雇を不服として、会社に訴えると、社内で解雇するかしないかの再投票をしてもいいと言う。しかし、条件があった。まず、従業員16名が1000ユーロのボーナスを辞退すること、過半数の賛成を得られれば復職を認めるという。

サンドラは、調理師をしている夫(ファブリツィオ・ロンジョーネ)と共に、再投票が行われる月曜日までに従業員16名の家を訪問したり、電話で復職への支持を訴えます。
“私の復職に賛成して欲しいの”と。

ところが、賛同してくれる同僚以外からは、皆、生活が苦しくボーナスを当てにしているので無理だと言われてしまう。

サンドラは、絶望的な思いになるが、夫に励まされ、根気強く訪問するのだった。
そのおかげで、同僚のカディールや、週末にサッカーのコーチをしているティムールらが、サンドラの復職に賛成してくれると言う。

彼は、はじめの投票で、“ボーナスを選んで後悔していた”と話してくれた。
最初の投票では、ボーナス14票と復職2票だったらしい。月曜日の再投票まで、あと2日かと時が迫っていた。

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映画『サンドラの週末』 結末・ラスト(ネタバレ)

サンドラは、主任のジャン=マルク(オリヴィエ・グルメ)からの一方的な圧力によって、解雇が決められたのだと思っていた。そのため、同僚のイシャムを訪ねた時、主任から電話があったと聞いて怒りに震えてしまう。

イシャムの妻に、“私の失業が、主人の選択にかかっているんです!”と脅して、ようやくイシャムに会ったのだ。彼は、工場勤務の他に、週末だけスーパーで働いていたのだ。

同僚たちの厳しい日々を知るが、サンドラだって簡単に復職をあきらめられない。
サンドラは、片時も精神安定剤が手放せなかった。そして、思うように賛成が得られない状況に悲観して、夫と別れ話をしてしまう。

また、親子で働いている同僚を訪ねた時は、サンドラの復職話からこじれて、親子で殴り合いのケンカになってしまう。サンドラは、負傷した父親の姿に胸を痛めた。

月曜日の投票まで、あと1日。残り3人の支持を得るため、サンドラは訪ねた。
同僚のジュリアンからは、“ボーナスがないと暮らせない。16人で足りているのに・・。”と不満を言われてしまう。
一方、ボーナスでリフォーム代金を支払うことを考えていたジュリエットは、夫の反対もあったが悩んだ末に賛成に入れてくれると言う。
だが、精神状態が不安定なサンドラは、薬を大量に飲み、緊急入院することに。

そうして迎えた、運命の月曜日。同僚たちに16枚の投票用紙が配られた。ここにボーナスと書くか、サンドラの名前を書くかによって決まるのだ。

別室で見守るサンドラは、主任のジャン=マルクへ、“人でなし!”と言って強く詰め寄るのだった。

再投票の結果は、ボーナス8票に対して、サンドラへの票が8票だった。残念ながら、1票足りず、復職の夢は消えた。
それでも、サンドラは微笑みながら同僚に伝えた。“本当にありがとう。一生、忘れないわ”と。

最後に社長に呼ばれ、“少し休んで、9月から働けるようにしてあげるよ。”と言われます。
それには、臨時雇いの2名を解雇することになるらしい。

サンドラは、“誰か1人でも解雇にするつもりなら、復職はお断りします!”と伝えるのだった。

映画『サンドラの週末』 感想・評価・レビュー(ネタバレ)

映画『サンドラの週末』について、感想・レビュー・解説・考察です。※ネタバレ含む

自己のエゴはどこまで許されるのか?

本作は、主人公サンドラの、復職を求めるために会社と闘う物語ですが、私はちっとも共感することが出来ませんでした。観ながら、だんだん腹が立ってくるんですよね。

サンドラが復職するためには、16人の従業員のボーナスを削減するのが条件だと言う。
従業員はみな、厳しい生活の中、ボーナスを当てに生活しています。日本でも、同様な境遇があるでしょう。

しかし、サンドラの行動は、“自分の権利を勝ち取るため”であっても、従業員の生活を脅かしているわけだから、彼女自身のエゴなのではないか。

そう見えるのが、あまり夫が仕事をせず、妻の収入に頼り切っているように見えるからなんです!さぁ、サンドラの運命はどうなったのか?

気になる人はあらすじを読まずに、本編を観て下さい。自分だったらどう行動するか考えてしまいますね。

サンドラの最後まであきらめない努力を観ていたら、闘うことも“勇気”だと思えてきます。何度も観たい映画ではないけれど、自分が納得するまでやり遂げることの重要性も感じました。

ジャン&リュック・ダルデンヌ兄弟の世界~底辺の生活者への温かなまなざし

「ロゼッタ」(99)や「ある子供」(05)で2度のパルムドール賞に輝いた、ジャン&リュック・ダルデンヌ兄弟の作品を観てゆこう。

本作「サンドラの週末」でも、共通して描かれるのは、底辺の生活者へのまなざしと苦悩、
困難を乗り越えようとするヒロインの姿勢です。それは、パルムドール賞を受賞した2作品でも濃厚で、貧困にあえぐ子供や青年の姿が生き生きと描かれています。

ダルデンヌ兄弟は、労働者階級で育った経験と思いから、常に関心を寄せているのです!
ただ、本作を観ると、やや現実離れしている設定に思えます。再投票で、復職かどうかを決める会社があるでしょうか?

実際に会社で働いた経験があるなら、非現実的であるとしか思えないのですが、映画というファンタジーの中に組み込まれると何故か成立してしまう。

本作では、主役のサンドラを演じた、マリオン・コティヤールが高く評価されています。
ただ、サンドラの、下着の線が見えても平気な服装などが訪問する際や会社にゆくのに、はたしていい恰好なのか?と気になってしまいます。

ダルデンヌ兄弟は、女性の繊細な表情を捉えるのが上手いとは思いますが、観客に受け入れられない人物像や行動を描いても作品の魅力を下げるだけなんです!


自分の仕事と同僚のボーナス、どちらが大事ですか?自分が仕事を欲している立場だったら、もちろん仕事と答えるでしょう。しかし、他人の仕事と自分のボーナスだったらどうでしょう?きっと多くの人が自分のボーナスを選ぶと思います。今作の彼女の行動は全く共感できず、自分の復職のためだけに同僚を巻き込む姿は正直イライラしました。
あれだけ彼らを惑わせ、迷惑をかけておきながら、ラストは良い人ズラをして出ていく。彼女はそれでせいせいしたのかもしれませんが、残された同僚たちにはモヤモヤした気持ちしか残らなかったでしょう。(女性 30代)

映画『サンドラの週末』 まとめ

「サンドラの週末」は、復職かボーナス削減かというシンプルな闘いであるがゆえに重い現実を突きつける作品です。今、世界では、“貧困”や“雇止め”といった社会問題が山積するなか、私達に何ができるだろうか。

本作では、突然の解雇を言い渡されるヒロインが自分の権利を主張し、闘う物語です。
たくましいヒロインだと評価する声もあるが、エゴ丸出しの行動に思えて私は共感することが出来ませんでした。

もし自分が主人公の立場だったらどうするか?どう生きるかと、観る者に彼女の行動が厳しく映るでしょう。

ジャン&リュック・ダルデンヌ兄弟の作品には、本作のような貧しい生活を強いられる人々への温かいまなざしと力強いヒロイン性があります。

例え、無理だと分かっていても、行動することで少しだけ世界を変えることができるのならと勇気をもらえる作品でもあると思います。

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