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映画『佐藤家の朝食、鈴木家の夕食』のネタバレあらすじ結末と感想

映画『佐藤家の朝食、鈴木家の夕食』の概要:二人の母親と暮らす男子高校生の家。その斜め向かいに二人の父親と暮らす少女が引っ越してきた。ずっと抱いていた違和感が互いの家庭を見たことで刺激され、初めて親と真っ向から向き合う子供達を追う一作。

映画『佐藤家の朝食、鈴木家の夕食』の作品情報

佐藤家の朝食、鈴木家の夕食

製作年:2013年
上映時間:102分
ジャンル:ヒューマンドラマ
監督:月川翔
キャスト:山﨑賢人、ちはる、つみきみほ、三浦誠己 etc

映画『佐藤家の朝食、鈴木家の夕食』の登場人物(キャスト)

佐藤拓海(山崎賢人)
17歳の男子高校生。2人の母親と暮らしているが、思春期を迎え自分の家庭環境に疑問を覚え始めている。自分の性嗜好にも不安を抱える。
佐藤晴子(ちはる)
拓海の実母。突き抜けた明るさの持ち主で、専業主婦として家庭を支えている。思春期を迎えた拓海の変化を繊細に感じ取り、どう説明するべきか不安を抱いている。
平田彩(つみきみほ)
晴子のパートナーであり、拓海の母親。キャリアウーマンであり、外でバリバリと働く父親的役割。
佐藤圭一(三浦誠己)
晴子の弟であり、女性同士で子供を作るために精子提供という形で姉に協力している。拓海の良き理解者。
鈴木そら(小林涼子)
拓海の斜め向かいに越してきた少女。高校には行っておらず、自宅に籠って戸籍上は兄であるが父親の省吾と過ごしている。もう一人の父親・裕之と三人で暮らしている。
鈴木裕之(池田政典)
カメラマンとして多くのモデルを撮影してきた男性。仕事仲間のモデルが亡くなり、娘のそらを引き取って育てている。パートナーの省吾を戸籍上息子として迎え、養っている。
鈴木省吾(藤井宏之)
裕之のパートナーであり、そらの父親。ヒモ状態で家事を担っているが、そらの母親的存在でもある。

映画『佐藤家の朝食、鈴木家の夕食』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)

映画『佐藤家の朝食、鈴木家の夕食』のストーリー(あらすじ)を結末・ラストまでわかりやすく簡単に解説しています。この先、ネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『佐藤家の朝食、鈴木家の夕食』のあらすじ【起】

朝食の準備をしながら斜め向かいに新居が立ったと話す母・晴子。拓海の制服の第一ボタンが取れていると気にかける晴子の向かいに座るのは、もう一人の母・彩である。外でバリバリ働く彩を見送る晴子。まるで新婚のように見送りのキスをする二人を拓海は見守っていた。しかし、拓海はこの家庭環境について高校の同級生には話せていなかった。

拓海の家の斜め向かいに越してきた鈴木家。一人娘のそらと二人の父親で暮らしている。本来ならば高校生の年齢であるそらは、学校には通っていない。自宅でゲームに没頭するそらは、窓から風船を見かけ徐に拓海の家の方へ向かった。ちょうど晴子が帰ってきて、挨拶を交わした二人。父親の一人である省吾も様子を見に来て、晴子は協力して風船を取ろうとするのだった。

生物の授業で遺伝子の異変について学んだ拓海。自分の遺伝子は「組み換え」に当たるのではないかと拓海は不安を覚え始めた。晴子はそら達を夕食に招待した。彩を姉と偽り、食事を始めようとすることに違和感を覚える拓海。そら達もまた、父親の裕之を省吾のビジネスパートナーとして紹介する。

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映画『佐藤家の朝食、鈴木家の夕食』のあらすじ【承】

つい省吾を「パパ」と呼んでしまったことを機に、裕之と省吾は公私ともにパートナーであることを告白し、裕之は省吾を養子として迎えていることを伝えるのだった。

互いに「変な家族だった」と話す両家。拓海は自分の家庭のおかしさを訴え、父親の存在について晴子に問いかけるのだった。自分自身の性の悩みは誰にも打ち明けられずにいる拓海。放課後に町を歩く女性を見ながら査定する親友を見守りながら、距離の取り方を模索していた。偶然親友は若い女性と歩く父親を見かけ、複雑な家庭環境だと打ち明けた。それを聞いた拓海は、思い切って晴子の弟・圭一に自分の父親が誰のか聞く決心をする。

帰宅が遅い拓海を心配する晴子と彩。その頃、拓海は圭一と会っていた。父親が誰なのか尋ねると、圭一は正直に自分が精子提供者だと告白した。彩が圭一との間で体外受精をした卵子を晴子が受け継ぎ出産したのだった。

母親が不在のそらの家では、金銭的なわがままは裕之に相談するが、女性特有の悩みは省吾が聞いてくれる。実はそらは裕之とは血が繫がっていない。そらの産みの親が若くして命を落とし、仕事仲間の裕之がそらを引き取ったのである。

映画『佐藤家の朝食、鈴木家の夕食』のあらすじ【転】

帰宅した拓海は圭一からすべて聞いたと晴子と彩に伝えた。どうしようもない衝動から家を出てしまった拓海にそらは声をかけた。互いの家庭はおかしいとふてくされた拓海を見て、そらは「おかしいのは君だ」と言い切るのだった。

再び拓海は圭一に連絡をした。「どうして精子を提供したの?」という拓海の問いかけに、好きな人との間で子供を作れない苦悩から晴子が闇に堕ちていく様子を見ていられなかったと答えたのだった。家に帰りたくない拓海だが、親友の家にも行けず帰宅する。20歳になったら話そうと思っていたという彩に対して、「20歳になったら全てを受け入れられるのか?」と拓海は疑問をぶつけ、同じ空間にいることを避けるようになるのだった。

彩が職場でもらってきたスイカをそらの家に届けるよう頼まれた拓海。そらに一緒に食べようと誘われ家に上がった拓海は、自分の不安や不満をぶつけてしまった。親の影響で同性しか愛せないという拓海に、そらは試してみたら?と煽り立て二人はキスをするのだった。

映画『佐藤家の朝食、鈴木家の夕食』の結末・ラスト(ネタバレ)

登校時裕之と会った拓海は、血の繋がりがない男性が娘と一緒にいることが不安ではないか?と尋ねた。きっぱりと「家族だから」と話す裕之。その会話を聞いていたそらは3人を本当の家族にしようと省吾の子供を産みたいと言い出すのだった。

拓海は晴子の反対を押し切り、家を出て圭一と暮らすことにした。偶然玄関先で目が合った拓海とそら。二人は裕之の車で遠くを目指す。その頃、両家の親たちは圭一の家を訪ねていた。「父親」として一緒に捜索しようとする圭一を突き放す彩。家族であるのは変わらないが、彩のプライドと無断で拓海に話したことが許せなかったのだ。

拓海とそらは家から離れた公園で親について話していた。性別なんてなければいいと言うそらに共感した拓海。どうしようもないと気づいた二人は家に戻ろうとする。そこへ駆けつけた両親たち。彩と省吾は拓海を責めたが、裕之は迷わずそらの元へ向かい頬を叩いた。裕之の冷静な言葉で、二家族は和解し一緒にスイカを食べるのだった。

晴子と彩、三人で朝食を共にした拓海は、進学について話題をふられ「二人の子供だから」と言い切る。その頃、そらはフリースクールに通うと宣言していた。両親と真っ向からぶつかり合った拓海とそらは、晴れ晴れとした表情で歩み出すのである。

映画『佐藤家の朝食、鈴木家の夕食』の感想・評価・レビュー

決して多くはない、いびつな形の家族像を見た。ある程度一定の年齢になると、他人の家庭との違いに気付くことがある。それはいたって普通のことだ。しかし今作は、あからさまに違いが見えている中で触れられずにいたことが、二家族の交流を持ち爆発する。ちょっとした日常の言葉が気にかかり、変に自分に当てはめてしまうのは相当悩んでいるときだ。山崎賢人演ずる拓海の繊細な葛藤がとても丁寧に描かれた一作であった。(MIHOシネマ編集部)


ジェンダーレスな世界を描いているのかと思いきや、作中には様々なハラスメントが溢れていて非常に不快な気持ちになりました。
この作品が観客に伝えたかったことは一体何なのでしょう。同性のパートナーを持つカップルでも考え方は様々なんだと言うことを伝えたかったのなら、大成功だと思います。しかし、その描写が浅はかすぎてとても熟考されたものだとは思えません。
最後まで晴子の言動に理解ができず、明るさとデリカシーのなさは紙一重だなとまで思ってしまいました。
人にはあまりオススメしたくない作品です。(女性 30代)

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