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映画『スキャンダル(2019)』のネタバレあらすじ結末と感想

映画『スキャンダル(2019)』の概要:2016年、FOXニュースのキャスターであるグレッチェン・カールソンは、CEOのロジャー・エイルズからのセクハラ被害を告白し訴訟を起こした。同じくキャスターのメーガン・ケリーもまた過去にセクハラを受けていたが、正義感とキャリアを保ちたい気持ちの狭間で迷っていた。実際の事件を詳細に描いた社会派ドラマ。

映画『スキャンダル』の作品情報

スキャンダル

製作年:2019年
上映時間:109分
ジャンル:ヒューマンドラマ
監督:ジェイ・ローチ
キャスト:シャーリーズ・セロン、ニコール・キッドマン、マーゴット・ロビー、ジョン・リスゴー etc

映画『スキャンダル』の登場人物(キャスト)

メーガン・ケリー(シャーリーズ・セロン)
FOXテレビにて、自身の番組“ケリーファイル”でキャスターを務めるベテラン社員。正義感が強く歯に衣着せぬ物言いが評判だが、保守派陣営の大半が占める社内においてはしばしばフェミニストではないかと疑われる。グレッチェンが起こした訴訟を受け、自分が過去に受けたセクハラ被害を告白しようか迷う。
グレッチェン・カールソン(ニコール・キッドマン)
FOXに在籍するベテランキャスター。メーガン同様自身の番組を持っているが、かつてロジャーのセクハラを拒んだことで不当な扱いを受けている。ロジャーだけでなく、日常的にセクハラや女性軽視発言が横行する組織を正そうと訴訟を起こす。
ケイラ・ポスピシル(マーゴット・ロビー)
若いFOX社員。キャスターになりたいという夢を叶えるため上層部に媚びを売っている。念願叶ってロジャーへ直談判する機会を取り付けたが、性的な要求を受け、それに従ってしまう。
ロジャー・エイルズ(ジョン・リスゴー)
メディア王ルパート・マードックに雇われ、FOXニュースを創設したパイオニア。歴代の大統領選の裏で暗躍し、テレビを使ったネガティブキャンペーンで保守派を当選させてきた。公開討論会の発起人でもある。長年に渡り、キャスター志望の若く美しい女性達へ仕事を与える見返りにセクハラをし続けていた。

映画『スキャンダル』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)

映画『スキャンダル(2019)』のストーリー(あらすじ)を結末・ラストまでわかりやすく簡単に解説しています。この先、ネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『スキャンダル』のあらすじ【起】

2015年、共和党討論会前日。FOXテレビのニュースキャスターであるメーガン・ケリーは、自身の冠番組“ケリーファイル”の中で、大統領選に出馬するトランプについて「元妻をレイプした過去がある」と報道した。FOXのCEOロジャー・エイルズは彼女へ激怒したが、FOXの創設者であるルパート・マードックがトランプを嫌っていたため、ロジャーは態度を一転させた。翌日の討論会ではマードックの指示を受けたメーガンが、女性問題が絶えないトランプへ過去の女性軽視発言やレイプ事件について言及した。

メーガンに怒ったトランプは、討論会が終わって夜が明けるまで彼女の悪口をツイートし続けた。彼の支持者達もメーガンを誹謗中傷し始め、ロジャーは彼女に一週間の休暇を与えた。

同じ頃、FOXのキャスターであるグレッチェンは、ロジャーから受けたセクハラ被害をはじめ、彼による差別的人事を弁護士へ打ち明けていた。しかし、相談を受けた弁護士らは、大企業相手の訴えはすぐに揉み消されてしまうと忠告。グレッチェンはFOXそのものを訴えるのではなく、ロジャー個人を訴えることに決めた。

若いFOXアンカーのケイラは、上席副社長のビル・シャインへ取り入り、キャスターになりたいと相談した。若く美しい彼女に頼られて気を良くしたビルは、ケインをグレッチェンの番組スタッフから外し報道部へ異動させた。

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映画『スキャンダル』のあらすじ【承】

異動したケイラは、レズビアンであることを隠して在籍しているジェスと仲良くなり仕事を教わった。仲が深まる内、ジェスはビルによるセクハラ話をいくつも教え、それを聞いたケイラは信じられないと笑った。

FOXの広報部には、メーガンへの脅迫文が山のように送りつけられていた。ロジャーは休暇を終えたメーガンに護衛をつけると提案したが、マードックは自分の意に反してトランプの支持者の多さが浮き彫りになったことで掌を返し、メーガンを再びトランプと対談させ和解させると決定した。

一方のケイラは、露出の激しいタイトなワンピースで出勤しロジャーの秘書であるフェイに近寄ると、諦めたような口調でキャスターになりたいと打ち明けた。フェイは報道部にいる彼女に同情し、ロジャーのオフィスへケイラを通してやった。作戦通りロジャーと対面したケイラは、ここぞとばかりに自分を売り込んだ。そんな彼女へ、ロジャーは「忠誠心を見せなさい」と迫り、スカートを上げ下着を見せるよう強要した。ケイラは困惑し涙目になりながらも、ロジャーの指示に従った。

放心状態でオフィスへ戻ったケイラは、ジェスに今起きたことを打ち明けようとした。しかし、ジェスは「私たちが友達だって知られてる、巻き込まないで。ここは異常だから」とケイラを制した。さらに、オフィスにいる多くの人間が冷ややかな目でケイラを盗み見していた。

映画『スキャンダル』のあらすじ【転】

トランプとの対談を終えたメーガンとビルに呼び出されたグレッチェン、ロジャーに呼び出されたケイラは同じエレベーターに乗り合わせた。三人は同じフロアでエレベーターを降りたが、ロジャーのオフィスへ入って行くケイラを見たグレッチェンは、フェイに「相変わらずね」と声を掛けた。そのままビルのオフィスへ向かった彼女は、遂にクビを言い渡され弁護士へ連絡。訴訟を起こす準備を始めた。

2016年、7月6日。ルパート・マードックの息子達は、グレッチェンがロジャーに対するセクハラ訴訟を起こしたと連絡を受け、彼女の計画的な訴訟に対抗するため内部調査を始めた。NYタイムズは一早くこの件を取り上げ、記者から囲まれるロジャーは自宅に寄り付けない状態が続いた。

メーガンはこの問題を“ケリーファイル”で取り上げようと、自身のチームと共に秘密裏に情報収集を行った。その際、彼女は右腕のアンカーであるギルへ、10年前に「ロジャーにセクハラされたことがある」と打ち明けた。しかし、メーガンはロジャーに大役をチラつかされキスを求められた時、彼を拒んでいた。それにも関わらずキャリアを築けたことや、バレる危険性があるのに力を与えてくれたロジャーを裏切ることがいいことなのか、メーガンは悩んだ。そんな折、メディアでの沈黙を貫く彼女の元へ他番組のキャスターであり“チーム・ロジャー”の発起人、ジャニーン・ピロが近づき「私たちは彼からチャンスを貰った。恩を受けてるのよ」と釘を刺した。

映画『スキャンダル』の結末・ラスト(ネタバレ)

“ケリーファイル”を管理するビルは、メーガンのチームへ「関わるな」との通達を出した。さらに、内部調査はグレッチェンの周辺スタッフに対してのみ行われ、女性スタッフは5~6人しかいないと判明した。

2016年、7月9日。ロジャーがFOXニュースを築く以前に、仕事を与えられる代わりに体を求められたという6人の女性が声を上げた。これを受け、メーガンのチームは社内にどれだけの被害者がいるか調べるため、彼女達が声を上げられるよう促す手立てを考えた。

他番組の司会者や他のフロアに潜入したメーガンのチームは、天気予報担当のジャニスから、ロジャーの被害に遭ったという女性社員達の名簿を入手した。メーガンは番組で声明を出そうと意気込んだが、ギルをはじめチームのメンバー達は「あなたを狙う人はあなたの周りを対象にする」と、トランプを批判した際の経験から彼女を制した。

メーガンは、実際に被害にあった女性社員からの証言を集め出した。メーガンが足を運ぶことで彼女達はようやく真実を口にし、ケイラもまた、メーガンに自身が受けたセクハラを打ち明けた。

2016年、7月18日。メーガンは外部のポール/ワイス法律事務所へ、社内で集めた証言と自身のセクハラ被害を報告した。その際、他にも被害を報告している社員が多数いることを知った彼女は、グレッチェンと同じようにロジャーを告発した。

訴訟はグレッチェンの勝訴となり、ロジャー・エイルズはFOXを解雇された。

映画『スキャンダル』の感想・評価・レビュー

普段は自ら進んで鑑賞しないテーマの映画だが、実際に観てみると夢中になった。あくまで法律に則って行われる復讐劇であるため敗訴になったらどうしようとハラハラしたが、グレッチェンの用意周到な準備が功を奏した。

これまで、男性による無自覚なセクハラには「我慢」という対処法しかなかったように思う。今はかなり声をあげやすい環境にはなったが、本作のように、複数の女性達が手を組まないとやはり声はかき消されてしまう。男女の垣根も差別もなく、ステレオタイプに捉われず仕事ができる世の中になってほしい。(MIHOシネマ編集部)


かなり期待をして劇場で鑑賞した今作。実際に起きた事件をベースにしているだけあって、ストーリーが物凄くリアルで中には吐き気を催すほど不快なシーンもありました。
セクハラは絶対に許されることではありません。被害に遭っていることを我慢する必要は無いし、加害者はしっかりと罰せられるべきです。しかし、この作品を見ているとセクハラにあっても大丈夫と言うか、我慢できてしまう人の気持ちも理解出来る気がしました。
女性だけでなく、全ての人が平等に意見を言えて、その意見がしっかりと通る世の中に早くなって欲しいと感じます。(女性 30代)

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