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映画『シークレット・オブ・モンスター』のネタバレあらすじ結末と感想

映画『シークレット・オブ・モンスター』の概要:2015年に公開されたミステリー・ドラマ映画で、アメリカの俳優ブラディ・コーベットが監督を務めた。原作はジャン=ポール・サルトルの『一指導者の幼年時代』で、独裁者の幼少期を描く作品となっている。少年プレスコットを演じたトム・スウィートの美しさが話題を呼んだ。

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映画『シークレット・オブ・モンスター』の作品情報

シークレット・オブ・モンスター

製作年:2015年
上映時間:116分
ジャンル:ミステリー、ヒューマンドラマ
監督:ブラディ・コーベット
キャスト:トム・スウィート、ベレニス・ベジョ、リーアム・カニンガム、ヨランド・モロー etc

映画『シークレット・オブ・モンスター』の登場人物(キャスト)

プレスコット(トム・スウィート)
美しい容姿を持った少年。髪形はセミショートの金髪で、服装も中性的なため、よく女の子に間違えられる。両親と共にフランス・パリの屋敷にやってくる。癇癪持ちで、周囲の環境に日々苛立ちを覚えている。
母親(ベレニス・ベジョ)
プレスコットの母親。信心深い性格で、教会に通うことを好む。英語以外にもフランス語など多言語を流暢に話すマルチリンガル。プレスコットを厳しく躾ようと努めている。
父親(リアム・カニンガム)
アメリカ政府の国務次官候補。プレスコットの父親。仕事の関係でパリに派遣され、屋敷を持つ。仕事人間で、家に帰ることは少なく、家庭の問題にはあまり関与しようとしない。
アデレイド(ステイシー・マーティン)
プレスコットの家庭教師として雇われた若い女性。美しい容姿をしている。英語が堪能で、フランス語に不慣れなプレスコットにフランス語を教えている。
モナ(ヨランド・モロー)
中年の穏やかな女性。プレスコットが住む屋敷に給仕兼世話役として働いている。プレスコットの唯一の理解者であり、彼を孫のように可愛がっている。
チャールズ(ロバート・パティンソン)
記者の若い男性。プレスコットの両親と親しく、屋敷にも時折訪れている。

映画『シークレット・オブ・モンスター』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)

映画『シークレット・オブ・モンスター』のストーリー(あらすじ)を結末・ラストまでわかりやすく簡単に解説しています。この先、ネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『シークレット・オブ・モンスター』のあらすじ【起】

第一次世界大戦の混乱が収まらない1918年。少女のような美しい容姿を持つ少年・プレスコットは、政府関係者の父親、信心深い母親と共にアメリカからフランス・パリへ渡り、慣れない土地での生活を送っていた。

プレスコットの母親は、教会を見つけると、すぐに通い始め、息子を連れて頻繁に教会を訪れるようになった。教会では、子供達による演劇の稽古が行われており、天使役に任命されたプレスコットは、母語ではないフランス語で台詞を言う練習をしていた。

稽古が終わると、プレスコットは外に出て石を集め始める。石が溜まると、彼は不満げにそれを教会側へ投げつけた。

それに気がついた大人達は、森へ逃げ込むプレスコットを追い、彼を捕まえるが、その日は特にお咎めはなかった。

その頃、プレスコットの父親は、記者の若い男性・チャールズとビリヤードに興じ、お互いのことを話しては、酒を嗜んでいた。チャールズが帰ろうとすると、そこにプレスコットの母親が訪れ、チャールズとの別れを惜しんだ。

教会に石を投げたその晩、プレスコットはひどい悪夢にうなされ、おねしょをしてしまう。

翌日、ベッドの上をぴょんぴょん跳ねて遊ぶプレスコットの前に、給仕の中年女性・モナが姿を現し、2人はハグを交わす。プレスコットにとって、モナは唯一の理解者だった。

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映画『シークレット・オブ・モンスター』のあらすじ【承】

モナと会えて嬉しかったプレスコットだったが、その後母親に連れられ、再び教会へ赴くことになる。昨夜、プレスコットが教会に石を投げたことを恥じた母親は、神父の部屋まで息子を連れていき、神父に謝罪の言葉を述べる。プレスコットは終始静かだったが、反抗的な態度を取ってしまい、神父から「日曜のミサで人々に謝りなさい」と命令されてしまう。

教会を出た後、プレスコットは逃げるようにその場から走り出し、母親を困惑させる。途中で足を止めたプレスコットは、突然思い出したかのように母親に謝罪すると、母親は悲しげな表情を見せ、息子を抱きしめた。

プレスコットがフランス語を流暢に使いこなせるようにするため、母親はアデレイドという若い女性に、フランス語の家庭教師を依頼していた。プレスコットとアデレイドの仲は良好で、プレスコットは彼女のことを「アダ」と愛称で呼んでいた。

プレスコットは、アデレイドとたわいもない会話をしていると、「髪を切った方がハンサムになれるわよ」と言われてしまう。プレスコットは不機嫌になり、彼女から少し離れて歩いたかと思うと、歩く速度を上げていった。

日曜のミサが終わると、プレスコットは神父の命令に従い、教会の出入り口付近で「石を投げました。ごめんなさい」と人々に何度も謝罪を続けた。女性から「お嬢ちゃん」と呼ばれ、プレスコットは「女じゃない!」と声を荒げるが、途端に具合が悪くなり、帰宅すると同時に嘔吐してしまう。

映画『シークレット・オブ・モンスター』のあらすじ【転】

フランス語教師・アデレイドとの勉強は続き、プレスコットは次第に彼女の体に興味を示すようになる。ある日、プレスコットはアデレイドの胸を触り、彼女から怒りを買ってしまう。それ以後、プレスコットは彼女との勉強を避けるようになり、自分の力だけでフランス語の勉強をするようになる。

ある日、プレスコットが住む屋敷で、政府関係者が集う会議が開催され、父親は閣僚や関係者と共に世界情勢の討論を行っていた。プレスコットは討論中の男性達の前に姿を現すと、すぐにその場から立ち去り、自分の部屋へ戻っていった。

会議は続き、父親がふと部屋の扉側を覗くと、そこには薄い布だけを纏い、肌を大きく露出させたプレスコットが立っていた。父親はプレスコットに「服を着ろ」と注意するが、プレスコットは言うことを聞かず、自室に閉じこもってしまう。

母親は、服を着ようとしないプレスコットを躾けるために、給仕のモナに「服を着るまで食事を与えないように」と命令するが、優しいモナは、母親には内緒でプレスコットに食事を提供し続けていた。しかし、それが見つかり、モナは給仕の仕事をクビになってしまう。

「全ては息子のため」と言う母親だったが、モナがいなくなったことで、プレスコットは余計に心が荒み、悲しみに暮れる。

その後も1人で勉強を続けたプレスコットは、母親とアデレイドの前で、フランス語の文章を流暢に朗読し、これからも自分だけで勉強することを告げる。

それを聞き、母親は躊躇なくアデレイドを解雇する。世話役だった給仕のモナと家庭教師のアデレイドを失ったプレスコットは、母親と一緒にいることを強いられた。

映画『シークレット・オブ・モンスター』の結末・ラスト(ネタバレ)

父親が屋敷に帰ってくると、母親の隣には何故かチャールズの姿があり、父親は軽く問い詰めるが、母親がその話をはぐらかしたため、父親はバツが悪そうな声を出し、話を息子の話題へと転換させた。

プレスコットがまだ部屋に閉じこもり、服を着ていないことを知ると、父親は激怒し、無理矢理ドアをこじ開けると、プレスコットの上に跨がり、服を着るように怒鳴りつけた。

おかしな教育方針を取る厳しい母親、不在しがちで会う度に関係が悪くなる父親、プレスコットは、両親に対して好意的な感情を抱くことができなくなっていた。

その後、ヴェルサイユ条約が締結され、それに伴う祝賀会が、プレスコットの住む屋敷で行われることになり、屋敷は準備で追われていた。

プレスコット、両親、来賓全員がテーブルに着席すると、母親がプレスコットを見つめ、食前の祈りを皆の前で披露するように促す。しかし、プレスコットはそれに従わず、「もう祈りを信じていない!」と癇癪を起こし、母親の頭を石で殴ってしまう。母親の頭からは血が流れ出していた。

プレスコットは、大勢の大人から追われ、屋敷内を逃げ回り、階段の踊り場まで辿り着くと、その場で倒れてしまい、苦しそうな声を出した。

時代は移ろい、新しい時代がやってきた。国の指導者となったプレスコットは、民衆から崇められ、多くの支持者を得ていた。指導者あるいは、独裁者となった彼は、民衆の前に姿を現し、「プレスコット万歳!」という言葉を聞きながら、期待に応えるように軽く手を上げるのだった。

映画『シークレット・オブ・モンスター』の感想・評価・レビュー

タイトル通りシークレット(秘密)が多い映画で、一度観ただけでは、謎を解くことが難しい作品だと感じた。少年期のプレスコットは長い髪を好んだが、少女に間違えられることを嫌った。長い髪=女性と考えるのも安直だが、プレスコットの考えは難解なものが多い。映画の画面に「私生児プレスコット」と書いてあること、母親とチャールズがやけに親しげにしていること、プレスコットが父親に反抗的なこと、これらの点から、プレスコットは母親とチャールズの間に産まれた子供だったと推測できる。本当か否かは制作者のみぞ知るといったところだろう。謎が多い作品だが、美少年のプレスコットを見るだけでも価値があり、その美しさに魅了される。(MIHOシネマ編集部)


本作は、サルトルの『一指導者の幼少時代』を映画化したミステリー作品。
美しい容姿の少年プレスコットが独裁者になるまでを描いている。
古い屋敷の雰囲気、不穏さや不気味さがじわじわと迫って物語全体を包み込む感じがとても好みだった。
プレスコットは元々癇癪持ちで人格が歪んでいて、彼の家庭環境にも歪みの要因となるポイントが沢山あったように見えた。
そして彼の感情が最高潮に達し、独裁者になった彼の姿が現れて終わるラストが印象的だった。(女性 20代)


『一指導者の幼少時代』という原作から、プレスコットが将来指導者となる展開は予想していましたが、そんなことを忘れてしまうほど不穏な空気が漂う作品で、自由や自分らしさを制限され、雁字搦めのプレスコットの生活は窮屈で可哀想で仕方ありませんでした。
母親からの愛は厳しい躾という歪んだ形となり、父親からもあたたかい愛情は感じられませんでした。心の拠り所をなくし、どんどんと歪んでいくプレスコットの心。彼の行動を咎める大人もいましたが、彼の心のバランスが崩れてしまったのは大人たちの責任では無いでしょうか。(女性 30代)

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