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映画『赤々煉恋』のネタバレあらすじ結末と感想

映画『赤々煉恋』の概要:朱川湊人が執筆したホラー短編小説を映画化。今話題の土屋太鳳が3度目の主演を務める。主人公の樹里は高校時代に自宅のマンションから飛び降り自殺をする。その後、幽霊となって街を歩く樹里は人にとりつく怪物、虫男が見えるようになる。ファンタジーホラー映画。

映画『赤々煉恋』の作品情報

赤々煉恋

製作年:2013年
上映時間:83分
ジャンル:ホラー、ファンタジー
監督:小中和哉
キャスト:土屋太鳳、清水富美加、吉沢亮、有森也実 etc

映画『赤々煉恋』の登場人物(キャスト)

樹里(土屋太鳳)
順風満帆に家族に育てられ高校へ進学する。友達になったミドリから潤也へのラブレターを渡すように頼まるも、潤也に渡せずにいた。そのことから自宅に引きこもるようになり、マンションの屋上から自殺する。幽霊となった樹里には虫男と呼ぶ怪物が見えるようになる。
ミドリ(高校時代:清水富美加 / 大人:吉田羊)
高校時代に制服検査で樹里に助けられることから、樹里と友達になる。潤也とも仲良くなり、彼に恋心を抱く。
潤也(吉沢亮)
サッカー部。県大会に行くほど部活熱心である。樹里とは幼なじみで、ミドリに対しては優しいが樹里に対しては扱いが雑になる。
保子(秋本奈緒美)
樹里の母親。明るい性格で樹里に料理を教えるほど親子仲がいい。樹里が死んでからは元気がなくなり、ため息ばかりつくようになる。
虫男(声:大杉漣)
人の負を感じるとその人に擦り寄ってくる怪物。取り憑いた人を自殺させる。樹里が勝手に虫男と名付けた。
りんご(西野瑠菜)
幽霊になった樹里のことがはっきりと見える5歳の女の子。樹里にりんごちゃんとあだ名を付けられる。母親の洋子が大好き。
洋子(有森也実)
りんごの母。パチンコにハマり、娘のりんごを放置したりする。借金があり、常に不機嫌でいる。

映画『赤々煉恋』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)

映画『赤々煉恋』のストーリー(あらすじ)を結末・ラストまでわかりやすく簡単に解説しています。この先、ネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『赤々煉恋』のあらすじ【起】

高校生の樹里は、いつものように自分の部屋にご飯を届けてくる母親の保子を眺めていた。深いため息をつく保子に対して、機嫌が悪くなる樹里。そのまま外に飛び出てお気に入りの場所へ向かう。すると、樹里のことを見つめてくるベビーカーを押した女性がいた。見つめられていることが不快に感じた樹里はそのまま学校へと向かう。自分の席に着くと変わらない日常に退屈する。霊感があるクラスメイトがいつものように怪談話をするところを眺める樹里。怪談話は、数年前に学校近くのマンションの9階から生徒が飛び降り自殺したということだった。それを聞いた樹里はからかうように、「屋上ですよ」と言う。樹里はその話の生徒だった。

幽霊となった樹里は街を彷徨い歩き続ける。自分自身と対話をするように過去のことを思い出し、まだ樹里が高校入学した頃の回想に入る。
入学したばかりの樹里は、明るく学校生活を楽しんでいた。制服検査で引っかかりそうなミドリを助けて、樹里はミドリと友達になる。樹里は、幼なじみの潤也とミドリと昼食や学校帰りの時間を一緒に過ごすようになる。

ミドリは潤也に恋心を抱くようになり、樹里に潤也へ宛てたラブレターを渡すよう頼み事をする。樹里の本心は潤也が好きだったが、ミドリのために引き受ける。ラブレターを渡すために潤也を呼び出した樹里。後に樹里は、潤也にはミドリの気持ちが伝わらなかったことをミドリに告げる。

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映画『赤々煉恋』のあらすじ【承】

ラブレターの後、また3人で仲良く帰るようになるが、次第に樹里が不登校になり始める。宿題を家まで届けてくれるミドリに対しても顔を出そうとしない樹里。母の保子がご飯を作って部屋まで声をかけるも反応しない。しかし、一度だけ部屋から顔を出して保子に自分が変わってしまったかどうか聞いた。なだめるように声をかける保子だったが思いは届かず、樹里は自殺してしまう。
樹里の自殺から、ミドリと潤也の仲も疎遠になってしまう。

幽霊となった樹里は街を歩き続け、人々の流れをただ見る日々が続く。そのうち、笑っている人を見るのが安心するようになる。ただ一つ、樹里の中で疑問が生まれる。今まで自分と同じように幽霊になった人がいないことに違和感を覚える樹里。毎日どこかで誰かが死んでいるのに、見えるのは生きている人のみ。しかし、樹里には樹里が虫男と呼ぶ、生きている人には見えない怪物が見えるようになる。それは人の負を感じて擦り寄ってくる死神のようなものだった。樹里は虫男に擦り寄られた人はもうじき死んでしまうことを知る。

不思議な世界で、樹里はこれは自分に対する罰なのではないかと考え始める。街を歩いてるとパチンコ店の前で一人座り込んでいる女の子を見かける。思わず声をかけると、女の子が樹里のことが見えている素振りをする。しかし、そんなことがあるはずはなく、自分が馬鹿げたことを考えていると気分が落ち込む樹里。そんなときに母親の保子を街中で見かける。保子の後をつけていくと、自殺した人の遺族が集まる慰めの会だった。保子の他に、数名ほど身内で自殺した人がいる遺族がいて、思い思いに自分たちの抱えてる苦悩を吐き出す。そんな中、保子は樹里に対する気持ちを吐き出す。勝手に自殺してしまった樹里に対して怒りを表し、それでもなお自分が身代わりになれば良かったと、信じていたのにと口にする。幽霊になった樹里はその言葉に怒り、外へと飛び出す。

映画『赤々煉恋』のあらすじ【転】

外へ飛び出した樹里が向かったのは公園だった。そこで再び、パチコン店の前で座り込んでいた女の子が母親の洋子とともに現れる。洋子は暗い顔で借金の督促状を眺め、砂場で一人遊びをしていた女の子に、少しの間だけ一人でいるように言う。心配そうに見てた樹里は洋子が去ってから、女の子に話しかける。すると女の子は反応して、樹里のことがはっきり見えてることが分かる。女の子は樹里に髪型がりんごみたいでかわいいと褒めると、自分のことをりんごりんごと言う。樹里はりんごちゃんとあだ名を付け、少しの間だけ一緒にりんごと遊ぶことになる。

樹里は神様がいたんだと思い込む。一番欲しかったものをくれたと樹里が思っていると、洋子が帰ってくる。しかし、樹里が見たのは2体の虫男に取り憑かれた洋子の姿だった。それと同時にりんごも虫男の存在に気づき、愕然とした様子で持っていた花を落とす。洋子に手をひかれ、りんごと洋子はマンションの上階に向かっていた。それを止めようと、樹里は声を荒らげるが洋子には届かない。りんごだけでも説得させようとするが、りんごは樹里の言うことを聞かなかった。

何とかして止めようとする樹里の所に、今朝会ったベビーカーを押した女性がそばを通る。その女性の正体は、大人になって母親になったミドリだった。そのことに気づいていた樹里はミドリに救いを求めるが、実際はミドリには樹里のことが見えていなかった。そんなミドリに対して樹里は過去のラブレターの話をし始める。本当は潤也にミドリのラブレターを渡していなかったことを告白する。

映画『赤々煉恋』の結末・ラスト(ネタバレ)

ミドリに謝まることができた樹里。しかし、それでもミドリには樹里の姿が見えることはなかった。その間に、マンションの上階で洋子がりんごを抱えて飛び降りようとしている。樹里はミドリのことを諦めて上階へ向かう。飛び降りようとする洋子をなんとか止めようとする樹里。取り憑いている虫男を必死に払おうとするが、虫男は消えない。自分で死ぬことはダメだと、りんごに何度も何度も洋子を止めるように言う。しかし、りんごは笑顔のまま洋子に抱かれてマンションから地面のコンクリートへと落ちていく。落ちる瞬間、樹里は手を伸ばすも、その手はりんごの手をすり抜けていくだけだった。

樹里が家へ帰ると、保子が樹里のバースデーケーキに火をつけて誕生日を祝っていた。樹里が死んでからもなお、樹里のご飯を作り続けていた保子。そんな母の姿に、樹里は泣き崩れながら保子に謝る。すると、樹里の気配を感じたのか保子は樹里に語りかけるように寂しいと呟く。

次の日の朝、いつものようにミドリは樹里のお気に入りの場所に来ていた。ミドリもまた、樹里に語りかけるようにあの頃は楽しかったと呟く。

映画『赤々煉恋』の感想・評価・レビュー

主演の土屋太鳳がまだ若くて初々しい。見ている人に常に疑問を投げかけ、主人公と一緒に考えて物語が進んでいくような感じがした。自分に置き換えてみたときに、主人公と同じ答えにたどり着くのかどうかを考えさせられた。結末の展開は意外なもので、ハッピーエンドとは思えない。しかし、見終わったあとはバッドエンドだとも思えない不思議な印象を与えた。

切なくて悲しい、それでも家族や友人といったそばにいる人を大切にしようと思えるメッセージ性の強い映画だった。(MIHOシネマ編集部)


樹里の一生懸命な感じと悪く言えば「お節介」な雰囲気が土屋太鳳にぴったりで良くも悪くも土屋太鳳らしさが溢れた作品だなと思いました。
とても人気の女優さんなのは分かりますが、個人的には彼女の演技はあまり好きではありません。熱量が凄すぎて押し付けがましい気がしてしまうんです。今作で彼女が演じたのは自殺した樹里という女の子でしたが、そもそもの自殺の動機が弱く、自殺したあとの行動も「らしくない」ものが多かったのであまり共感は出来ませんでした。
ホラーと言うよりもファンタジーっぽい雰囲気の作品なので怖さが苦手な方でも見られると思います。(女性 30代)

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