映画『戦火の中へ』の概要:1950年、朝鮮戦争に学徒義勇兵として戦争に駆り出された年若い学生達。中隊長に任命された主人公は、不良グループのリーダーと対立しつつ要衝でもある駐屯地の防衛をすることになる。
映画『戦火の中へ』の作品情報
上映時間:121分
ジャンル:アクション、ヒューマンドラマ、戦争
監督:イ・ジェハン
キャスト:チェ・スンヒョン、クォン・サンウ、チャ・スンウォン、キム・スンウ etc
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映画『戦火の中へ』の登場人物(キャスト)
- ク・ガプチョ(クォン・サンウ)
- 不良グループのリーダー。両親を朝鮮軍に銃殺されたことで、深い恨みを抱いている。命令されることを嫌い、何かとジャンボムに反抗する。命知らずなところがあり、強い言動にて人を率いる能力がある。
- オ・ジャンボム(T.O.P.)
- 学兵隊の中隊長。真面目で心根の優しい人物であったが、ガプチョとの対立によって成長。中隊長としての威厳と責任を持つようになる。カク大尉を慕い、ポハンを死守することを決意する。
- カク・ソンテ(キム・サンウ)
- 韓国国軍大尉。ジャンボムを中隊長に任命した人物。人情に厚く学徒兵を常に心配している。歴戦の軍人であり、大尉としての能力に優れている。
- パク・ムラン(チャ・スンウォン)
- 朝鮮人民軍の少佐。766部隊大隊長。自らの指揮に絶対の自信を持ち、上層部よりも党首からの命令を優先。プライドが高く傲慢な面が目立ち、常に上から目線。
映画『戦火の中へ』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)
映画『戦火の中へ』のあらすじ【起】
1945年8月15日。日本から解放された朝鮮半島は北緯38度を境に南をアメリカ、北をソ連の影響下に置かれることになる。
1950年6月25日。北の人民軍は南へ侵攻を開始。40日後には江東江以南を除く、全領域を占領した。韓国軍の兵力は人民軍より数的に劣勢で、学生も学徒義勇軍の名で参戦を余儀なくされる。
1950年8月8日、ヨンドク。朝鮮人民軍と韓国軍は市街地戦へ突入。韓国軍大尉であるカク・ソンテの指揮の元、兵と学徒義勇軍が奮闘していたが、援軍は来ず撤退しろとの命令が下っていた。オ・ジャンボムもまた学徒義勇軍の一員として戦地を駆け回っていたが、戦況は劣勢に追いやられ今や韓国軍は風前の灯であった。
やがて、朝鮮人民軍の師団が到着。ヨンドクを占領すべく韓国軍の残党狩りを命じる。そうして、圧倒的な兵力によってヨンドクは間もなく、占領されてしまうのであった。
その頃、ヨンドクから撤退した韓国軍はひしめく避難民を切り捨て、橋を破壊した後にポハンの駐屯地へ。ジャンボムは窮地を救ってくれた中隊長を助けることができず、打ちひしがれていた。彼は爆破のせいで左耳の鼓膜が破れ、左腕を負傷。看護師により手当を受けるのだった。
朝鮮人民軍は韓国軍の本拠地である釜山を目指し、洛東江戦線に師団を集結させている。韓国軍の師団も残り少なく、援軍を送ることも難しい。そこで、カク・ソンテ率いる第3師団もまた洛東江戦線へ配備されることになった。だが、そうなるとポハンを防衛することができなくなる。韓国軍上層部はポハンを見捨てるつもりなのだ。
そこで、大尉は新たにやって来た学徒兵と生き残ったジャンボムを含める学徒義勇軍に、ポハンを守らせようと考える。そして、中隊長としてジャンボムを指名。義勇軍の中には不良グループのボスであるク・ガプチョも含まれていた。
映画『戦火の中へ』のあらすじ【承】
義勇軍の大半は戦争経験がなく、銃の扱い方も知らない。彼らはまるで遊びに来たかのように軽口を叩くが、まさかこの数日後にポハンへ朝鮮人民軍が襲撃して来るとは夢にも思わない。
朝鮮人民軍766部隊を率いる大隊長の少佐パク・ムランも洛東江戦線へ招集命令を受けていたが、彼は命令に背き戦地の要衝であるポハンへと進軍していた。ところが、大河を渡る橋を韓国軍が破壊していたため、足止めをくらってしまう。そこで、少佐は兵達に川を泳いで渡れと命令するのだった。
一方、韓国軍第3師団を送り出したジャンボムは早速、学徒兵を統率しようとするが、自信がないせいでガプチョに舐められてしまう。ガプチョと対立することになったジャンボムだったが、奴は他の学徒兵とは心意気が違っていた。ところが、ガプチョ率いる不良グループのせいで、食糧の大半を失ってしまう羽目に。ジャンボムは統率の難しさに思い悩むが、彼らを信じて中隊長として心を強く持とうと決めるのだった。
そんなある深夜。とうとう朝鮮人民軍の1小隊が到着。学徒兵は10人に満たない隊を銃撃し撃破。翌朝、ジャンボムは学徒兵数名を連れ駐屯地の外へ。周辺を探り使えそうな物を収集した。だが、こんな時にも関わらずガプチョがまた勝手な行動をし、潜伏していた朝鮮人民軍の兵士に狙撃されてしまう。そのせいでガプチョの仲間が殺され、奴は激情に駆られ命令を無視し銃を手に追跡。一同も群れとなって1人の兵士を追いかけたが、草原へ誘い込まれ待ち伏せていた小隊により反撃されてしまうのだった。相手は訓練を経た軍人である。対してこちらは戦闘に参加したこともない学徒兵。作戦の何たるやも理解していない。
学徒兵の半数は負傷しながらもどうにか生き残り抵抗。朝鮮人民軍の小隊を追い返したが、最後の兵士を追いかけたジャンボムとガプチョ。だが、最後の兵士は年端も行かない少年兵。ジャンボムは撃つなと命令したが、ガプチョは無情にも少年兵を銃殺してしまう。少年兵であっても朝鮮人民軍に従軍する兵だと、ガプチョは主張するのだった。
映画『戦火の中へ』のあらすじ【転】
両親を朝鮮人民軍に銃殺された経歴を持つガプチョは、深い恨みの念を抱いている。故に、銃を持って攻撃してくる朝鮮人民軍は何者であろうとも、殺すべきだと思い込んでいるのだった。ガプチョの勝手な行動により71人の学徒兵の内、16名が死亡し5名の負傷者が出た。
帰還後、ジャンボムはカク大尉へ通信し状況報告を行ったが、大尉も前線にて命の危機に晒されている。そんな中でも彼は学徒兵からの通信に対応し、援軍を送ると返信をくれる。だが、洛東江戦線はそれどころではなく、混戦の真っただ中。援軍は来ないものと考えるべきだとジャンボムは判断した。
そんな折、逃げ出した1人の学徒兵を捕縛した朝鮮人民軍少佐、パク・ムランが堂々とポハン駐屯地へと乗り込んで来る。彼は学徒兵を返還し隊長のジャンボムと対面。パクは2時間後に総攻撃をかけるため、投降するなら助けると言う。学徒兵はまだ学生である。パクは未来を担う若者を無暗に殺そうとはせず、無血開城を打診したのだった。
同じ頃、カク大尉は上層部と掛け合って、どうにかポハンへ援軍を送ろうとしていた。カクの懇願に負けた上層部は、米軍から新型のバズーカ砲を借り10名程度の援軍を送る許可をくれるのだった。
一方、学徒兵はガプチョとジャンボムとでまたも意見が対立。2人はとうとう激しい殴り合いを展開した。しかし、一番若い少年兵が命を落としたことで、一同は抵抗への意識を統一させることになる。ジャンボムは死を覚悟して学徒兵へ武器を与え、敵を迎え撃つ準備をできる限り行うのだった。
映画『戦火の中へ』の結末・ラスト(ネタバレ)
時間まであと30分を切り、パク少佐は進軍を開始。ポハンでは準備が進められる中、ジャンボムは国旗に血文字をしたためハチマキにした。そして、皆へカク大尉が来るまでを耐えるのだと鼓舞。
その頃、ガプチョは人民軍へと近づき、タイヤを取られ立ち往生していたトラックの手伝いをすることで、荷台に積まれた武器諸々を偵察。
いよいよ、ポハンに朝鮮人民軍第3師団が到着した。まず、手始めに迫撃砲をお見舞いしてやると、パク少佐は恩を仇で返されたと激怒。総攻撃を命令する。
学徒兵はそれぞれの配置につきつつ、ジャンボムの合図にて地中へ埋められた手榴弾を爆発させた。そして、そこを狙って銃撃戦を開始。出だしは順調だった。
だが、数では相手より劣る上に武器や弾数も圧倒的に少ない。学徒兵は次々に命を落としていく。ジャンボムは建物内への撤退を命令。そんな時、敵兵のトラックを奪ったガプチョが現れる。彼らは奪ったトラックの荷台から武器を運び入れたが、戦車の登場で戦況は一変。
だが、1人の学徒兵が命を懸けて戦車の前に砲弾を転がしたお陰で、戦車のキャタピラが故障する。
建物内へ避難したジャンボムとガプチョはここでようやく互いを認め合う。そして、手を取り合って抵抗。最早、五体満足で動ける兵は残り少ない。ジャンボムとガプチョは建物の屋上へ。
その頃、ようやくカク大尉が少数の兵と共にポハンへ。彼は早速、バズーカ砲を放ち僅かながらに抵抗している学徒兵の救助を開始。
建物内へ突入したパク少佐が屋上へ向かう中、カク大尉は屋上でジャンボムとガプチョが奮闘している姿を目撃する。だが、2人は既に虫の息でガプチョがパク少佐によって銃殺されてしまう。ジャンボムは息絶えた戦友の死を看取り、密かに銃へと弾を込めた。そして、奴へと反撃。だが、同時にジャンボムも撃たれてしまう。カク大尉が到着したことで、辛うじて生き残るものの、彼は大尉の腕の中で息を引き取るのであった。
1950年8月11日。学徒義勇兵がポハンにて抵抗したことで、朝鮮軍への援軍到着を11時間遅らせることに成功し、戦況に大きく寄与したと後に称えられた。
映画『戦火の中へ』の感想・評価・レビュー
実際にあった史実に演出を加え制作された作品。朝鮮戦争中にあった出来事を描いている。当時、アメリカもソ連と敵対状態にあり、韓国と朝鮮の南北に別れそれぞれに支援を行い、激しい戦いを行っていた。朝鮮は韓国を救うという名目で戦争に赴いていたらしいが、韓国側からしたら全くの見当違いだったに違いない。作中でもそのようなセリフが出てくる。
兵の少ない韓国軍は兵士として学生をも駆り出さざるを得ず、戦争に出たこともない彼らはまるで遊びに来たかのような気軽さである。最終的に年若い彼らは儚くも散ってしまうのだが、その壮絶な戦闘の様子は目を覆いたくなる悲惨さだ。(MIHOシネマ編集部)
戦争に向かう16歳の学徒兵はこんなにも危機感がなくて、戦争に対する恐怖や不安が無いものなのかなと思って見ていましたが、彼らが少しずつ成長していく姿を見ると、安心すると同時に「まだ16歳なのに」と可哀想に思ってしまいました。
キャストがとにかく豪華なのが今作の魅力で、私もT.O.P目当てで鑑賞したのですが初主演映画とは思えないほどの演技力に驚きました。
実話を元にしているということで、歴史を知るという意味でも見るべき作品だと感じます。(女性 30代)
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