映画『先生と迷い猫』のネタバレあらすじ結末と感想 | MIHOシネマ

「先生と迷い猫」のネタバレあらすじ結末と感想

先生と迷い猫の概要:学校の校長先生だった森衣は偉そうな態度を取り続けていたため、近所から浮いた存在だった。家には亡き妻が大事にしていた野良猫のミイがやって来るのだが、森衣は可愛がることなく冷たい態度を取り続けた。そんなある日、ミイが行方不明になってしまう。

先生と迷い猫の作品情報

先生と迷い猫

製作年:2015年
上映時間:107分
ジャンル:ヒューマンドラマ
監督:深川栄洋
キャスト:イッセー尾形、染谷将太、北乃きい、ピエール瀧 etc

先生と迷い猫の登場人物(キャスト)

森衣恭一(イッセー尾形)
元学校の校長先生。亡くなった妻のことを忘れられずにいる。堅物で真面目な性格なため、近所から嫌われている。カメラを撮るのが趣味。
小鹿祥吾(染谷将太)
市役所職員。猫アレルギー。痴呆症を患い、会話も儘ならなくなった祖母と一緒に暮らしている。飄々とした明るい性格。
松川真由美(北乃きい)
森衣の教え子。大学を休学し、実家のクリーニング屋を手伝っている。現状に悩みを抱えており、野良猫の“ソラ”を可愛がる時間が、息抜きできる大切な時間だった。
松戸大志(嶋田久作)
小鹿の知人。自動車修理工場を経営している。寡黙で実直な性格。猫が好き。
森衣弥生(もたいまさこ)
恭一の妻。野良猫を可愛がり、今は亡き飼い猫のミイと同じ名前を付ける。
井上容子(岸本加世子)
弥生が懇意にしていた美容室の店主。店にやって来る野良猫を“タマ子”と名付け可愛がっていた。豪快によく笑う、明るい性格。

先生と迷い猫のネタバレあらすじ

映画『先生と迷い猫』のあらすじを結末まで解説しています。この先、ネタバレ含んでいるためご注意ください。

先生と迷い猫のあらすじ【起】

森衣恭一はいつも購入しているパンの味が変わったため、パン屋(店名リリー)に文句を言いに行った。すると、店主は落ち込んだ様子で、物価の高騰で材料を安価の物に変えたことを打ち明けた。店主は自分が作ったパンの味を覚えていてくれたことに感動しながらも、費用について悩む生活に疲れ果てており、森衣の言葉をきっかけに店を畳む覚悟を決める。店主は森衣に、最後に店の写真を撮ってくれと頼んだ。

森衣が家に帰ると、亡き妻の弥生が祀られている仏壇の前に、妻が可愛がっていた野良猫(ミイ)が鎮座していた。森衣は忌々しそうにミイを追い払うと、妻にパン屋がなくなることを報告し、最後に購入したパンを供えた。その後、森衣が書斎で物を書いていると、縁側から猫の鳴き声が聞こえたような気がした。窓を開けて縁側を見るが、そこには猫の姿はなかった。森衣は悲しそうに表情を曇らせた。

市役所に勤める小鹿祥吾は、森衣が撮った古い写真を使わせてもらうため自宅を訪ねた。小鹿は森衣の写真を気に入っていたため、外に出ることを勧めるが、森衣は頷かなかった。森衣は小鹿のために珈琲を入れようと立ち上がり、台所へと向かった。珈琲に何を入れるか聞かれるが小鹿が答えなかったため、森衣は拗ねてカメラの手入れを始めてしまう。小鹿はそんな森衣に呆れながら、珈琲豆を挽くために台所に向かった。

先生と迷い猫のあらすじ【承】

森衣は学校を定年退職した後、暇を持て余していたため、知人からロシア文学の翻訳を勧められていた。夜分、その経過を報告するために知人に電話を掛けたのだが、とても迷惑そうにされる。そして、話が終わる前に電話を切られてしまう。森衣は悲しそうに肩を落とした。

森衣がパン屋の写真を撮った後家に帰ると、再びミイが仏壇の前に座っていたため、声を荒げて追い返した。その後、森衣は散歩に出かけ、雑貨屋の前で元教え子である松川真由美と出会う。松川の近くにはミイの姿もあった。松川はミイのことを“ソラ”と名付け、可愛がっていた。森衣は密かに驚いていたのだが、そんな事情を知らない松川は怯えた様子で、大学を復学する予定であることなど自分の近況を必死に森衣に説明していた。だが、森衣の耳に松川の話は入っておらず、猫のことを確認した後、何も言わずに去って行ってしまう。

森衣は小学生の男の子(北斗)が、道路で瀕死の猫を発見した現場に遭遇する。学校に登校する時間だったため、自分が猫を病院まで運ぶと言って北斗を学校に行かせようとした。しかし、北斗は森衣の後をついてきた。森衣は猫を放置することもできず、とりあえず病院まで猫を運んだ。猫はナイフで切られ出血が酷かったが、一命を取り留めた。

松川が客の家からクリーニングの服を回収して車に戻ると、道路に寝転んでいる不審な人を発見する。声を掛けると、森衣だった。森衣は車の下に隠れていた猫を撮っていた。しかし、松川が声を上げたせいで、猫が逃げてしまう。2人は車の後部にある荷室に座り、松川が閉店前に購入したリリーのパンを食べた。森衣はやはり味が変わってしまったことを指摘するが、閉店したせいで二度と食べられなくなってしまったパンを、心なしか嬉しそうに頬張った。その時、松川は卒業の際に森衣から貰った色紙に書かれている言葉(「愛感同一」)の意味が分からなかったため、どういう意味か尋ねた。だが、森衣はなぜか激しく動揺し、その場を去って行ってしまう。松川はただただ困惑した。

先生と迷い猫のあらすじ【転】

森衣は家の隙間を塞ぎ、ミイが入って来られないようにした。ミイは窓を引っ掻き、鳴き続けた。森衣はそれを苛々した様子で聞いており、今までの鬱憤を爆発させ、窓越しにミイを怒鳴りつけた。ミイが家に来るせいで、亡き妻のことが忘れられずにいるのだ。ミイは森衣の声にびっくりしてさらに暴れた。森衣はその様子に驚き、心を落ち着かせるために煙草を吸った。

森衣は生前の妻の夢を見ていた。書斎から縁側を覗くと、妻がミイを可愛がっている様子が見えた。森衣は目を覚ますと、仏壇に飾られている妻の写真を眺めた。その後、森衣が散歩をしていると、散髪屋の前の電柱に張ってある、タマ子という猫の迷子チラシを見つける。その猫の絵は、ミイの姿にそっくりだった。迷子猫について散髪屋の店主である井上容子に尋ねると、度々来ていた野良猫が来なくなって心配しているということだった。森衣はミイのことが気になり、近所の雑貨屋や動物病院を探して回った。

森衣は家の窓を開けて、ミイが入って来られるようにした。カメラを持って近所を探して回るが、ミイは見つからなかった。道中、小鹿に会ったためミイについて尋ねるが、知らないと言われる。小鹿は不用意に、猫が死ぬとき1人でふらりといなくなる話をしてしまうが、森衣が落ち込んでいる様子を見て心配になる。そして、保健所に確認に行くことを勧めた。森衣は慌てて保健所に向かうが、ミイは見つからなかった。

森衣が井上と共に猫の捜索について相談していると、松川が訪ねて来た。森衣が猫を探していると聞いてやって来たのだ。そして、森衣達が探している猫が、1カ月前から自分が可愛がっている野良猫のソラだと知り、森衣達に協力することを決める。ソラとの時間が、自分にとって大切な時間だったと気づいたのだ。森衣達は意見を出し合いながら、猫の迷子チラシを作った。

先生と迷い猫のあらすじ【結】

森衣は自動車修理工場にたくさんの猫がいることに気づき、窓から確認した。すると、経営者の松戸から声を掛けられる。松戸のおっかない雰囲気に森衣は怖気づくが、松戸は森衣が猫を探していることを知り、捕獲用の籠を貸してあげた。そして、野良猫にエサをやってきちんと面倒を見ないのは無責任だと、森衣を叱責した。

森衣は川の中に入り、ミイを必死に探した。その様子を見て、北斗が森衣を嘲笑った。森衣は北斗にご飯をあげて交流を持とうとするが、“自分は猫じゃない”と言って怒鳴られてしまう。森衣は肩を落として落ち込んだ。その後、街の中でミイに似た猫を発見したため、電柱に登って確認していると、警察官が来て連行されてしまう。森衣は警察署で、猫の捜索を依頼している女の子(さぎり)と出会う。さぎりは猫の集会所の場所を知っていたため、森衣はその場所を教えてもらった。

森衣は小鹿に迎えに来てもらったのだが、その傍には松戸の姿もあった。2人は知り合いで、小鹿から話を聞いた松戸が一緒に迎えに来てくれたのだ。森衣は畏まりながら松戸の車に乗り込んだ。窓から見える景色を見ながら、森衣はさぎりとの会話を思い出していた。さぎりは学校で苛められており、先生は助けてくれず、親にも相談することはできず辛い日々を送っていた。道路に飛び込んで自殺未遂を図ったとき、猫の鳴き声が足元から聞こえた。その時、さぎりは自殺を思い留まったのだ。さぎりはその野良猫(チヒロ)に助けられたことに感謝しており、今度は自分が助けてあげたいと思っていた。

森衣は皆が名付けた“ソラ”“タマ子”“チヒロ”の名を叫びながら、夜遅くまで必死にミイのことを探した。ミイによく似た猫の姿を見つけたため後を追いかけるが、逃げられてしまう。疲労困憊になり道の上に倒れていると、同じように猫を探していた井上と松川が現れ助けられる。森衣はとつとつと、ミイを追っ払ってしまったときのことを話した。すると、井上は朗らかに笑い、森衣の変わった様子を指摘した。森衣はミイを通して、性格が丸くなっていた。井上と話した後、森衣は色紙に書かれている言葉の意味を松川に教えた。「愛感同一」とは「I can do it」のことで、森衣のダジャレだった。

森衣は隠れていた北斗の姿を見つけたため、猫探しを止めて北斗を家に送り届けることにした。北斗は不思議そうに、なんで猫を探しているのか尋ねた。森衣は“大切だから”だと教えた。北斗は話を聞いた後1人で帰ろうとするが、森衣はなんだか1人になるのが淋しかったため、北斗を呼び止め一緒に帰って欲しいと頼んだ。

森衣が家に帰ると、懐かしい妻の声が聞こえた。その声に導かれるように縁側に行くと、妻とミイが初めて出会ったときのことが思い出された。妻は“野良猫のミイ”に、亡くなった飼い猫のミイの姿を重ね合わせていた。だが、森衣は野良猫を可愛がる妻を叱った。生き物はいつか亡くなってしまうため、別れが悲しかったからだ。妻はそんな夫の言葉を気にせず、ミイを抱きしめながら微笑んだ。

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