映画『シュレック フォーエバー』の概要:子供も生まれ、素晴らしい日々を送っていたシュレック。しかし、そんな彼にはとある不満があった!?子供だけでなく、大人にも愛された『シュレック』シリーズ。とうとう完結。
映画『シュレック フォーエバー』の作品情報
上映時間:93分
ジャンル:アニメ、ファンタジー、コメディ、アドベンチャー
監督:マイク・ミッチェル
キャスト:マイク・マイヤーズ、キャメロン・ディアス、エディ・マーフィ、アントニオ・バンデラス etc
映画『シュレック フォーエバー』の登場人物(キャスト)
- シュレック(マイク・マイヤーズ)
- 全身緑色の怪物。子供も生まれ、すっかり大人しくなってしまった自分の日々に、やや退屈を感じている。
- フィオナ(キャメロン・ディアス)
- シュレックの妻。3人の子供達の世話に、日々てんてこ舞い。しかし、彼女と喧嘩したシュレックがとんでもない行動に出てしまい…?
- ドンキー(エディ・マーフィー)
- シュレックの親友であるロバ。お調子者でややビビりな一面があるが、しかし、友達のためならやる時はやる男。
- 長ぐつをはいたネコ(アントニオ・バンデラス)
- ドンキーやシュレックと数多くの冒険をこなしてきたネコ。シュッとしたスタイルの、クールなネコだったが…?
- ランプルスティルスキン(ウォルト・ドーン)
- 悩めるシュレックの前に突如現れた。彼の望みを叶えるため、とある提案をシュレックに持ちかける。
映画『シュレック フォーエバー』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)
映画『シュレック フォーエバー』のあらすじ【起】
フィオナとの間に、とうとう3人もの子供に恵まれたシュレック。子供達は可愛らしく、最愛のフィオナとの仲も良好。愛する家族に囲まれ、シュレックは毎日賑やかで楽しい日々を送っていた。しかし、シュレックは生まれながらの怪物である。怪物として周囲から恐れられていたものの、何も気にすることなく自由に生きていた時代を、シュレックは懐かしむようになる。今のシュレックの生活は、すっかり子供達が中心になっていたのだ。
そして、そんなシュレックのフラストレーションは次第に蓄積されていき、とうとうシュレックは、子供達の誕生日パーティで怒り出してしまうのだった。そんなシュレックに対して、フィオナも怒りを露わにする。そして、思わずシュレックは家を飛び出してしまうのだった。一人外を歩いていたシュレック。そんなシュレックは、一人の人物と出会うことになる。それは、魔法使いのランプルスティルスキンだった。ランプルスティルスキンは、シュレックの悩みを聞き、とある提案を持ちかけてくる。
映画『シュレック フォーエバー』のあらすじ【承】
それは、シュレックの過去1日分を提供する代わりに、1日だけ昔の生活を体験できるという魔法だった。この魔法があれば、独身時代のあの素晴らしい気持ちを味わえる、そう思ったシュレックは、訝しみながらもその契約書にサインをするのだった。
すると、その瞬間、シュレックは別世界に飛ばされてしまう。気がつくとシュレックは森の中に立っていた。そして、そこでは皆がシュレックのことを怪物だと恐れるのだ。久しぶりのその感覚にシュレックは大喜び。しかし、自分の家があるはずの沼に向かうと、そこには荒れ果てた家があるのみ。さらに、そこになぜかフィオナの指名手配書が貼られていたのだった。
そして、訳の分からぬまま、シュレックは飛んできた魔女達によって捕らえられてしまったのだ。そして、シュレックは城へと連れていかれる。すると、なんとそこにランプルスティルスキンの姿があったのだ。ランプルスティルスキンは、なんとこの国の王の座に就き世界を牛耳っていたのである。
映画『シュレック フォーエバー』のあらすじ【転】
シュレックは、ランプルスティルスキンに騙されたのだった。契約では、シュレックの『なんでもない日』を奪う約束だったにも関わらず、なんと、ランプルスティルスキンはシュレックの生まれた日を消してしまったのだ。勿論、今のシュレックはフィオナとも出会わず、子供達も誕生していない。
なんとかして現実世界に戻ろうと、シュレックは城を飛び出した。この世界ではランプルスティルスキンの部下であったドンキーも、シュレックのことは覚えていない。しかし、シュレックがただの怪物ではないことを判断したドンキーは、彼についていくことにしたのだった。
そして、ドンキーは、契約を解除する唯一の方法をシュレックに伝える。それは、愛する人と真実のキスを交わすこと。しかし、明日までにそれが果たせない場合、なんとシュレックは消えてしまうという。シュレックは、慌ててフィオナが捕らえられているという塔へと向かう。しかし、そこに彼女の姿はなかった。なんと、フィオナは革命軍のリーダを務めていたのだった。
映画『シュレック フォーエバー』の結末・ラスト(ネタバレ)
勿論フィオナはシュレックのことを覚えていない。シュレックはフィオナに全てを話し、フィオナとキスを交わすことになる。しかし、キスをしても何も起こることはない。実は、フィオナは長年塔に閉じ込められていたことから、愛が運命を変えるという『おとぎ話』を信じられなくなっていたのだ。それが真実の愛のキスではなかったため、魔法が解けなかったのである。
そして、ランプルスティルスキンがとある御触れを出した。それは、シュレックを差し出せば、どんな願いでも叶えるというものだった。絶望したシュレックは、自ら出頭すると、捕らえられた怪物達を自由にすることを望むのだった。しかし、ランプルスティルスキンはフィオナを解放しようとはしない。
フィオナ達を助けるため、シュレックはこの世界のドンキーや長ぐつをはいたネコと共に、最後の戦いに挑む。そんな中、フィオナのシュレックに対する感情に、少しずつ変化が生じてくるのだった。そして、夜明けがやってきて、シュレックの身体は消えかかっていく。そんなシュレックに、フィオナはキスをするのだった。
そして、次に気がついたシュレックは、誕生日パーティをめちゃくちゃにしてしまう前に戻っていた。何気ない日々の大切さを学んだシュレックは、家族でパーティを楽しむのだった。
映画『シュレック フォーエバー』の感想・評価・レビュー
当たり前の日常が一番の幸せであるという事を、パラレルワールドを用いた「もしもの世界」で描いたシュレックシリーズの完結作。家庭を持ったシュレックが刺激が足りないという不満から生まれる物語なのだが、これを見て世の男性は、色々と感じる事があるのではないかと思う。全てがうまくいっているような時でも、無いものねだりというのは生まれてしまうものであり、シュレック作品は一人の男性が、結婚し、子供を作り、家庭円満に暮らすという単純な展開に織り込まれた紆余曲折が面白い作品であった。また一つお気に入り作品のシリーズが完結してしまったのは、少し残念である。(男性 30代)
満ち足りた生活に贅沢すぎる無いものねだりをしてしまうシュレックが起こすとんでもない悲劇。ルンペルシュテルツキンの狡猾な提案に乗ってしまったシュレックは1日で全てを失い、持っていたものの大切さに気づく。
だが、実は運良く契約書に抜け道があり、その抜け道を利用して契約を反故にしようと奔走する。
現実世界でここまで大きく失うことはあまり無いと思うが、全部無かったことにするような抜け道も無いだろうし、「うまい話」の誘惑に負けて大事なものを失う、というのは現実でもよくある話だ。
上手い話には裏がある、それと同時に贅沢な無いものねだりは身の破滅を招く可能性がある、という厳しい現実世界を体現したテーマだなと感じた。
今一度自分の持っている豊かな環境を大事にしたくなる、そんな話だった。
ちなみにあの長靴を履いたネコがおデブちゃんになったところは可愛すぎた。(女性 20代)
平凡な毎日に嫌気がさし、苛立ちを覚えていたシュレックは、魔法使いのランプルスティルスキンと契約を交わし過去に戻り、変わる前の生活を満喫していた。
現実に戻ると、ランプルスティルスキンによって変えられた、シュレックが存在しない現実が待っていた。自分の運命を知らされたシュレックは契約をしたことを後悔するも、悪に立ち向かう決意をする。
何気ない日常の大切さは失ってみないとわからないのかもしれない。今という現実の大切さを、改めて感じさせられる作品ではないだろうか。(女性 30代)
ドリームワークスって本当に凄いなと思ってしまうこのシリーズ。ピクサー作品だと思っている方も少なくないようですが、ディズニーとは関係ないドリームワークスの作品なんです。1作目から褒め続けている声優陣は、今作でも最高の掛け合いを見せてくれました。4作目ともなるとネタも尽きてくるのでは無いかなと思いますが、このシュレックシリーズは毎回前作を超えてきます。
今作の悪役はグリム童話に登場するランプルスティルスキン。童話の世界のキャラクターというテーマが一貫しているのが素晴らしいです。今作も大満足の面白さでした。(女性 30代)
シリーズ最終作にして、これまでの集大成と言える名作だ。シリーズを通して勢いが衰えず、安定して面白さを保ってきたことが素晴らしい。
そして、子供のみならず、大人の視聴に耐えられる物語を構築しているのも素晴らしい。結婚した大人なら誰もが一度は考える、独身時代の楽しい思い出。出来るなら戻ってみたい。そんな気持ちに寄り添ってくれるお話で、大切なことを考えるきっかけにもなった。非常に共感できるテーマを扱っているからこそ、この作品は大人にも人気があるのだと改めて思った。(男性 30代)
関連作品
前作 シュレック3
みんなの感想・レビュー
今作で『シュレック』シリーズ堂々の完結である。4作も続いたので、当然マンネリ化もしたが、面白さは変わらなかった。おとぎ話の外側を走るアウトローな作品も、最後はやっぱりハッピーエンドの大団円。いいエンディングだった。
ところで、今回初めて登場したキャラクター・ランプルスティルスキンの日本語吹き替え版を担当したのは、劇団ひとりだった。観ている最中は全くそれと気づかなくて、後で調べて驚いた。元がゴブリンなど悪魔をイメージしたキャラクターだが、そのイメージにピッタリな演技で、劇団ひとりの声優としての才能には驚いた。
①シュレックがもしいなかったら
シリーズ完結編は、シュレックがいない世界である。ハロルド王はフィオナを救う者がなかなか現れないために、ランプルスティルスキンと契約をするところだったが、その直前にフィオナがシュレックに救い出されたことを知るのである。
王になる計画を邪魔されたランプルスティルスキンによって、シュレックとフィオナの出会いはなかったことにされてしまう。
シリーズ3作目で完結したか、と思わせておいての続編だったので、これ以上どうするのかと思ったが、幸せな生活があることが前提の「もしもの世界」だった。この設定はうまい。
②ランプルスティルスキン
今作の悪役であるランプルスティルスキンは、日本ではあまりなじみがないキャラクターではないだろうか。一応グリム童話に登場するキャラクターである。ドイツ語なので、「ランプルスティルスキン」には他にも「ルンペルシュティルツヒェン」や「ルンペルシュティルツキン」などの表記がある。「ルンペルシュティルツキン」は、ドラマ『ワンス・アポン・ア・タイム』シリーズを知る人にはなじみ深いと思う。
あまり他の作品に登場することはないので、あの悪役が、同じように『シュレック』でも契約書を交わして魔法をかける様は、興味深かった。
③大団円
ストーリーはシンプルで、幸せになれ過ぎたシュレックがそれがありがたいものだとも気付かず、幸せを奪われて初めて失ったものの大きさに気付くというもの。
出会いは変わってもシュレックとフィオナは愛し合うということも分かり、二人の運命も確かなものだとあらためて証明された。
シュレックの望んだ冒険はこれからもうないのかもしれないが、最高のエンディングだと思った。