映画『サイドウェイ』の概要:やもめ男2人がカリフォリニアワインの旅に出かける。1人は独身最後の旅、もう1人は新しい人生を探しに、人生の寄り道をする。そこで見つけたのは普段気付かなかった幸せな日々。
映画『サイドウェイ』 作品情報
- 製作年:2004年
- 上映時間:130分
- ジャンル:コメディ、ラブストーリー、ヒューマンドラマ
- 監督:アレクサンダー・ペイン
- キャスト:ポール・ジアマッティ、トーマス・ヘイデン・チャーチ、ヴァージニア・マドセン、サンドラ・オー etc
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映画『サイドウェイ』 評価
- 点数:85点/100点
- オススメ度:★★★★☆
- ストーリー:★★★☆☆
- キャスト起用:★★★☆☆
- 映像技術:★★★★☆
- 演出:★★★★☆
- 設定:★★★★☆
[miho21]
映画『サイドウェイ』 あらすじ(ストーリー解説)
映画『サイドウェイ』のあらすじを紹介します。
マイルズ(ポール・ジアマティ)は、小説家なる夢を捨てきれないまま、中学校で国語の教師をしている。
妻ヴィクトリア(ジェシカ・ヘクト)は、そんな彼に愛想をつかし三下り半をつきつけ、今の彼の話し相手と言えば、同じやもめで、売れないテレビ俳優のジャック(トーマス・ヘイデン・チャーチ)だけだった。
そんなジャックも、逆玉にのるチャンスが出来て、若くて美人で金持ちのクリスティン(アリシア・レナー)と結婚する事に。
マイルズは、独身最後の旅行として、ジャックに2人で旅をしようと、目的地を勝手に、カリフォルニアのワインの産地・ナパバレーに決める。
現地で2人が出逢ったのは、地元でワインをサービスする女性ステファニー(サンドラ・オー)と、ウェイトレスのマヤ(ヴァージニア・マドセン)。
口が軽く無責任なジャックは、自分はマイルズの出版する小説の祝いでここに来ているとオオボラを吹いてしまい、あまり乗り気でもないのにステファニーをひっかける。
一方マイルズは、知的なマヤに惹かれつつも、ジャックのオオボラにあきれ、マヤを前にすると、ワインのウンチクしか出てこない。
4人はワイナリーにピクニックへ行ったり、次第に打ち解けていくのだが、やがてジャックのついた嘘が明らかとなる日は近づいていた…。
映画『サイドウェイ』 結末・ラスト(ネタバレ)
ジャックのオオボラはマイルズがバラしてしまう事で明らかとなる。
当然の事ながら、弄ばれたステファニーは激怒し、フライパンでジャックの顔をボコボコに殴りつける。
が、マイルズは自分がジャックのウソをバラしているのに、言ったのは自分じゃないと、この後に及んで自己弁護をし、マヤにも嫌われ、男2人最後の独身の旅は散々な目に遭う。
そしてジャックは何食わぬ顔をしてクリスティンと結婚式を迎えるが、介添え人として出席したマイルズは結婚式で、元妻ヴィクトリアが、再婚しただけでなく再婚相手の子供を既に妊娠している事にショックを受けてしまう。
腑抜けになった彼の元に届いたのは、マヤからの手紙。
それは推敲だけだったマイルズの小説を読んだ彼女の感想と同時に、小説家への夢は諦めないで、また逢いに来てという彼女からの告白だった。
いてもたっても居られなくなったマイルズは、彼女のアパートを訪ねる所で映画は終わる。
映画『サイドウェイ』 感想・評価・レビュー(ネタバレ)
映画『サイドウェイ』について、感想・レビュー・解説・考察です。※ネタバレ含む
女性から見ると褒められたものではない2人
マイルズとジャックは性格こそ正反対だが、女性からみて両方ともろくでなしである事には変わりない。
マイルズは、ジャックの為と言って旅行の予定を立てるがその中身は自分本位のワイン旅行。
旅先でも1人でワインの蘊蓄を喋りちらかし、思い通りに事が運ばなくなったら、暴れる。
旅の資金が足りないからと言って、道中で母親(メアリー・ルイーズ・バーク)の家により、誕生日プレゼントの花をサプライズで渡しておきながら、タンスの中にある母親のへそくりは、ごっそりネコババしているのだ。
ジャックは、一見マイルズの短所をたしなめつつ、受け入れるいい人に見えるが、女にはだらしない。
軽薄だからこそ、マイルズのいい加減な夢もかなうと言ってしまうし、婚約しているのに、どうでもいい女性に平然と手をだしている。
マイルズは何故ピノ・ノワールにこだわったのか
マイルズは、ワインの中でもピノ・ノワールからできたワインにこだわる。
ピノ種はロマネコンティの材料にもなる葡萄だが、皮は薄くデリケート、育てにくく、一部の地域でしか育たない繊細な味を持っている。
マイルズからしてみれば、大胆華麗な味だが、種として強いカベルネよりもピノが好きな理由を、マヤに語る。
その思いは、ワインに限らず、小説、生き方など、彼の人生哲学の全てに通じるからだ。
手間暇をかけたものこそ、この世に出る価値があるとマイルズは語る。
が、マイルズは、この手の『夢』ばかり語り具体的に何もしてこなかっ為、ヴィクトリアに逃げられた。
一方マヤもまた夢を語りつつ、全く違う事をする前の夫の元を離れた。
いい雰囲気にはなったものの、マイルズとジャックが、悪気なくオオボラを吹いたために、芽生えるはずの恋も散ってしまう。
劇中のワインはワインならず?
マイルズは、ヴィクトリアが、もう自分とヨリを戻す気はないと悟り、結婚10周年になったら飲もうとおもっていたとっておきのワインを、あろうがことにファーストフード店で一人ガブのみしてしまう。
その後にマヤの手紙が届くのだが、彼がマヤとうまくいったかどうかは、判らない、なんせマイルズの性格が性格なのだから。
劇中で、ワインを飲むシーンは、その大半がジュースだったらしく、出演者がかえって気分が悪くなったらしい。
その為『途中で本物のワインを飲まないとかえって体調が悪くなる』という笑えない話があったそうだ。
男の人が見たら、ある意味夢のある人生で楽しいと思えるのかもしれませんが、女性目線だとクズな男の勝手な旅にしか思えず苦笑いしてしまいます。しかし、ワインが好きな人にはたまらない作品でしょう。美味しそうにワインを飲んで、自由気ままにその時を楽しむなんてそんな素敵な時間、なかなか送れませんよね。
日本でリメイクされた『サイドウェイズ』と見比べてみるのも面白いかもしれません。オシャレな雰囲気を楽しめる素敵な作品でした。(女性 30代)
女性から観たら腹が立つか呆れるかもしれない。しかし主人公同様のちょっと冴えないおっさんにとっては、楽しいロードムービーだ。楽しいだけではなく、おっさんの「うまくいかない日々」の悲哀もたっぷり。その辺りもおっさんには優しい。どちらかというとだらしない男性陣に引き換え、女性陣の聡明で逞しいこと。特にマヤが人生をワインになぞらえて語るシーンは、味わい深く染み入る。かすかな希望の残るラストシーンも良い。
見終わったら現地をドライブしたくなるような1本。(男性 40代)
映画『サイドウェイ』 まとめ
ポール・ジアマッティは、他の共演者がオスカーノミネーションを受けていたにも関わらず、この作品では、インディ系映画賞でしか受賞していない事に批評家のみならずファンからも疑問の声があがっている。
これをバネにして、彼は後の主演作で、主演を喰う様な演技力を見せつける脇役や味のある主演へと転向していく所が面白い。
勝手すぎる男2人が、人生の寄り道をくりひろげるロードムービーだが、その合間合間に、下ネタあり、笑えるネタありと、観る側を楽しませてくれる演出がある所も密かな見どころだ。
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