この記事では、映画『サイレントヒル リベレーション3D』のあらすじをネタバレありの起承転結で解説しています。また、累計10,000本以上の映画を見てきた映画愛好家が、映画『サイレントヒル リベレーション3D』を見た人におすすめの映画5選も紹介しています。
映画『サイレントヒル リベレーション3D』の作品情報
上映時間:95分
ジャンル:ホラー、サスペンス、アクション
監督:マイケル・J・バセット
キャスト:アデレイド・クレメンス、キット・ハリントン、ショーン・ビーン、キャリー=アン・モス etc
映画『サイレントヒル リベレーション3D』の登場人物(キャスト)
- へザー / アレッサ(現在:アデレイド・クレメンス / 幼少期:エリン・ピット)
- ヘザーの本名はシャロン。幼い頃に“サイレントヒル”に迷い込み、母ローズに助け出された女の子。現在は18歳。父クリスからは、交通事故のショックで記憶を失い、母ローズがどうなったのかも忘れてしまったと聞かされていた。引っ越しの度に、サイレントヒルの悪夢にうなされ続けている。クリスとローズの養女で、アレッサの善の部分だけで生み出されたアレッサの分身。
アレッサは、幼い頃に火あぶりにされた女の子。火あぶりにされても生き残ったため、教団の救世主として利用されそうになったが、怒りの力で教団をサイレントヒルに閉じ込めた。教団の人間からは、悪魔として恐れられ、忌み嫌われている。
- ヴィンセント・クーパー(キット・ハリントン)
- ヘザーと同じ日に転校してきた男の子。実は、教団がシャロン捕獲のために送り込んだ人間であり、監視役も付いている。母クローディアは教団の教祖で、祖父レナードは病院の独房に閉じ込められている。シャロンに想いを寄せ、力になろうとする。
- ハリー(ショーン・ビーン)
- 本名はクリストファー。妻ローズに頼まれ、教団からシャロンを守りながら逃げ続けている。シャロンの養父。正当防衛だったが、ポートランドで教団の人間を殺している。
- クローディア・ウルフ(キャリー=アン・モス)
- ヴィンセントの母で、ヴァルティエル派という教団の教祖。教団の人間を町に封じたアレッサを憎み、アレッサを殺すために分身のシャロンを探し求める。クリスタベラという姉がいた。
- レナード・ウルフ(マルコム・マクダウェル)
- ヴィンセントの祖父。娘クローディアによって、病院の独房に閉じ込められている。頭に大きな傷があり、両目が見えない。かつては教団の指導者だった。メタトロンの封印の片方を隠し持っている。もう片方は、娘を助けようとした母親に盗まれたらしい。
映画『サイレントヒル リベレーション3D』のネタバレあらすじ(起承転結)
映画『サイレントヒル リベレーション3D』のあらすじ【起】
サイレントヒルでの悪夢にうなされ、目覚めたシャロン。
18歳の誕生日を控えたシャロンは、身を隠すためにヘザーという偽名を使っていた。
養父クリストファーも、ハリーという偽名を使っていた。
養母ローズは、出られない場所にいた。
ローズは、シャロンが追われていると教え、そしてシャロンとクリスは逃げるようになった。
新しい学校に転入したヘザー。
もう一人、ヴィンセントという転入生がいた。
不審な男性に尾行されていると気付いたヘザーだったが、恐ろしい白昼夢の中に入り込んでしまう。
そこで、尾行していた探偵のダグラスから声をかけられる。
幼い頃、サイレントヒルに入り込んだシャロンは、母ローズに助け出された。
しかし、ヴァルティエル派という教団が、シャロンを連れ戻そうとしているのだという。
ダグラスは怪物に殺され、逃げ切って現実に戻ったヘザーは、ヴィンセントに会う。
ヴィンセントに送ってもらい、家に帰ったヘザー。
そこには父が攫われた痕跡と、サイレントヒルへの呼び出しの血文字があった。

映画『サイレントヒル リベレーション3D』のあらすじ【承】
悲鳴を聞いたヴィンセントが、ヘザーのもとに駆け付けた。
ヘザーは、父が集めていたサイレントヒルの資料から手がかりを得ようとする。
その中に隠されていた父からの手紙には、サイレントヒルには行くなという忠告があった。
車の運転をヴィンセントに頼み、護身用の銃を持って、ヘザーはサイレントヒルへ向かう。
サイレントヒルを目前にして、ヴィンセントはモーテルで休む事を提案する。
ヴィンセントは、自分が教団の人間だと告白する。
町から出られない教団の人間は、体に教団のマークを入れることで、一時的に外に出られるのだという。
教団の人間を町に閉じ込めたアレッサを憎み、アレッサの呪縛から解放されるために、分身でもあるヘザーを呼び戻そうとしたと聞かされる。
しかしヴィンセントは、ヘザーはアレッサの善の部分だと感じていた。
再び白昼夢の世界が訪れ、ヴィンセントは消えた。
翌朝、モーテルの外には深い霧が立ち込めていて、灰が降っていた。
印を持ったヘザーは、サイレントヒルへ向かう。
映画『サイレントヒル リベレーション3D』のあらすじ【転】
アレッサの母に出会ったヘザー。
アレッサの分身であり、善の部分がヘザーなのだと言うアレッサの母。
サイレンが鳴り、ヘザーは屋内へと逃げる。
マネキンだらけの部屋には、体がマネキンになっていく少女がいた。
捕らえられていたもう一人の少女を助け出すが、マネキンの顔を持った怪物が襲ってくる。
逃げる途中で、その少女は再び捕まってしまう。
一方、母クローディアに捕まっていたヴィンセントは、ヘザーやアレッサをかばった事で、病院送りにされてしまう。
ヴィンセントの祖父レナードを探し、病院にやってきたヘザー。
そしてレナードと会う。
印を渡せば力になるというレナードは、それをメタトロンの封印と呼んだ。
それがあれば、人間の本性が見えるのだという。
片割れはレナードの体内にあり、レナードは印を完全なものにした。
襲ってきたレナードを銃で撃つが、効果は無い。
怪物と化したレナードから封印を奪うと、レナードは消滅した。
病院の中を逃げ回っていたヘザーは、連行されていくヴィンセントを見かける。
追っていったヘザーは、音や動きに反応するナースの怪物たちからヴィンセントを助け出す。
映画『サイレントヒル リベレーション3D』の結末・ラスト(ネタバレ)
ヘザーとアレッサがひとつになれば、サイレントヒルが変わると言うヴィンセント。
クリスは聖域に捕らえられていて、遊園地の地下に聖域はあると言う。
遊園地に案内するヴィンセントだったが、教団の信者“ブレスレン”からヘザーを助けるために囮になった。
ヘザーはそこで、夢と同じ光景を目にする。
そしてアレッサと対峙する。
アレッサとヘザーはひとつになり、教団の聖域へと入っていった。
そこには捕らえられたクリスやヴィンセント、そしてクローディアがいた。
封印を手渡し、正体を見せるよう促すヘザー。
クローディアは怪物へと変化した。
ヘザーに襲い掛かるクローディアだったが、大きな鉈を持った巨大な怪物が助けに来る。
そしてクローディアは倒され、教団は滅びた。
町に降る灰は止み、シャロン、クリス、ヴィンセントはサイレントヒルから脱出しようとしていた。
しかしクリスはローズを探すため、その場に残った。
シャロンとヴィンセントはサイレントヒルを出ると、ヒッチハイクをして、可能な限り遠くへ向かうことにした。
映画『サイレントヒル リベレーション3D』の感想・評価・レビュー(ネタバレ)
前作からのストーリーを引き継いでいる為、前作を見ていないと基本的には何がなんだか分からないような内容なので注意。
サイレントヒルシリーズでは有名なクリーチャーバブルヘッドナースや、レッドピラミッドなどはしっかり登場してくれる。
とはいえ、全体的にホラー要素がいまいち物足りない印象。
サイレントヒルといえば、あまりアクション的な要素は無いはずなのだけれど、アクション映画の様な展開もあるので、ゲーム先行の場合はとても違和感を感じてしまう作品となっている。(男性 30代)
前作のファンは少し残念に感じるかも知れません。『サイレントヒル』は『バイオハザード』などと違い、娘を救うために、普通の母親が敵と戦うストーリーでした。そのため共感度も高く、自分がこの状況に陥ってしまったら…とハラハラしながら見られたのですが、今作はかなりアクション要素が強くなってしまいホラーの部分は物足りなさを感じました。
前作に続くストーリーなのでキャストも続投していて分かりやすかったですが、必ず前作を見てから鑑賞することをおすすめします。(女性 30代)
ゲームの「サイレントヒル3」が大好きだった自分にとっては、ヘザー=シャロンの設定や病院、マンネキンモンスターの再現に感動!ただ、ストーリー展開は少し駆け足気味で、原作の深みには届かなかった感じ。けどピラミッドヘッドがラストで守ってくれる展開は、ファンとしては胸アツだった。(20代 男性)
1作目と比べるとホラー演出よりもビジュアルに重点が置かれた印象。怖さというよりはファンタジー寄りな雰囲気に。とはいえ、マネキンのシーンは本気でゾッとしたし、3D演出はなかなか効果的だったと思う。ストーリーにもう少し深みがあれば、もっと良かった。ヘザー役の女優さんの雰囲気はかなり原作に近かった!(30代 女性)
ゲームを知らずに観ましたが、世界観の独特さに圧倒されました。街が崩れ、異形の存在が現れ、現実が歪む感じは見ていて興味深かったです。ただ、物語の進行がちょっと急ぎすぎていて、キャラクターの感情がついてこない部分も。ピラミッドヘッドの存在感は圧倒的でした。(40代 男性)
娘と一緒に鑑賞。ホラーというよりは“暗黒ファンタジー”という印象。サイレントヒルの住人たちの狂信的な様子や、宗教的な要素はかなり不気味でした。ヘザーが自分の運命を受け入れながら戦う姿には、母として少し感情移入しました。個人的には1作目のほうが雰囲気は好みです。(50代 女性)
シャロンの中にアレッサの闇が宿っている設定はすごく面白かったけど、展開があまりに早くて、キャラクターの背景が薄く感じてしまった。とはいえ、ビジュアルはめちゃくちゃかっこよくて、遊園地のシーンとかは最高だった。ゲームの雰囲気を忠実に再現しようとしたのは伝わってきた。(30代 男性)
原作ゲームをプレイしていなかったけど、十分楽しめました。特にマネキンが襲ってくるシーンはトラウマ級…。映像がリアルだからこそ余計に怖かったです。ピラミッドヘッドが“守護者”として登場するのは意外でしたが、すごく絵になっていて満足。ストーリーは少し複雑でしたが、雰囲気で押し切る映画って感じ。(20代 女性)
正直ホラーとしての怖さは控えめでしたが、ビジュアルが秀逸。特にアレッサの登場シーンは見た目も演出も美しかった。ラストでの父親と娘の別れはもっと感情を掘り下げてほしかったけど、ヘザーが自分の過去と向き合うというテーマは伝わりました。ゲームファン向けのファンサービスが多くて好感。(60代 男性)
遊園地のシーンや、教会の内装など、アートディレクションがめっちゃ良かった!ただ、ストーリーがちょっと説明不足だったかな。宗教的な背景とかアレッサの設定がもう少し丁寧だったら、もっと感情移入できたと思う。ビジュアルを楽しむタイプの映画でした。(10代 女性)
映画『サイレントヒル リベレーション3D』を見た人におすすめの映画5選
ヘルレイザー(Hellraiser)
この映画を一言で表すと?
地獄の快楽と苦痛が交錯する、カルト的人気を誇る異形ホラー。
どんな話?
謎のパズルボックスを開いたことで異次元の“セノバイト”たちを呼び出してしまう男と、その秘密を探る女性の恐怖を描いた作品。宗教・拷問・異界というキーワードが深く絡むダークホラーの金字塔。
ここがおすすめ!
『サイレントヒル』同様、異形の存在や地獄的なビジュアルに強烈なインパクトがあります。特にピラミッドヘッドが好きな人には、ピンヘッドの存在感が刺さるはず。グロテスクで哲学的な恐怖が魅力。
ジェイコブス・ラダー(Jacob’s Ladder)
この映画を一言で表すと?
現実か幻覚か…戦争後遺症と死後の世界を描いたサイコホラーの傑作。
どんな話?
ベトナム帰還兵のジェイコブが幻覚と現実の狭間で苦しみながら、自身の記憶と正体に迫っていく。奇怪な映像や精神的恐怖が続き、ラストには衝撃の真実が待ち受ける。
ここがおすすめ!
『サイレントヒル』のように、主人公が歪んだ世界の中で己の真実と向き合う構造が共通しています。幻覚の描写や精神的に追い詰められていく展開が、静かに心を侵食する恐怖を生み出します。
インシディアス(Insidious)
この映画を一言で表すと?
異界に囚われた我が子を取り戻す、“霊的アクション”ホラー。
どんな話?
息子が原因不明の昏睡状態に陥ったことをきっかけに、家族が異世界“彼方”と繋がっていることを知る。父親が息子を救うために自ら“霊界”へ潜るというスリリングな展開が魅力のゴーストホラー。
ここがおすすめ!
『サイレントヒル』と同じく、現実と異世界を行き来しながら恐怖と対峙する構造。宗教的な要素や「呪われた空間」の演出も見応えあり。ビジュアル的にも不気味さ満点で、心霊ホラー好きに刺さります。
ミッドサマー(Midsommar)
この映画を一言で表すと?
光に包まれた“異常な祝祭”が崩壊していく、狂気のフォークホラー。
どんな話?
北欧の村で行われる美しい夏至祭に参加したカップルが、次第にその儀式の異常性に巻き込まれていく。明るい光と自然に包まれた中で繰り広げられる、“正気を失う恐怖”が斬新。
ここがおすすめ!
『サイレントヒル』のカルト宗教的世界観や儀式、選ばれし者としての運命を背負う女性主人公など、驚くほど似たテーマが満載。映像美と不気味さの融合で、観終わった後に強烈な余韻が残ります。
サスペリア(Suspiria / 2018)
この映画を一言で表すと?
バレエと魔女、血と儀式が交錯する、耽美でグロテスクな魔術ホラー。
どんな話?
西ベルリンの舞踏学校に入学した女性が、次第にその裏に潜む“魔女の儀式”に巻き込まれていく。ダリオ・アルジェントの名作をリメイクし、独自の美術性と恐怖を高次元で融合。
ここがおすすめ!
『サイレントヒル』と同様、女性が中心となり、秘められた宗教的・超常的な真実に迫っていく物語。アートと恐怖を融合させたビジュアル演出は必見で、宗教×女性×異界というテーマに惹かれる人に刺さります。
みんなの感想・レビュー
前作の「サイレントヒル」から時間が経ち、18歳になったヘザーことシャロンが父親をさらわれ、再びサイレントヒルへ向かうというストーリー。
しかし、前作のラストから現実世界に戻ることが可能になるアイテムがいきなり登場したり、クリスがシャロンを連れて逃げ回って生活している理由が不鮮明であるなど、序盤の展開に難がある。
そして、急に登場するサイレントヒルの宗教、いきなりサイレントヒルの世界に紛れ込むようになったシャロンなど、ストーリー設定にも急激な変化がありすぎて、ついていくのが困難になる。
出会ったクリーチャーが襲い掛かってくる、ゲーム的なホラー要素は健在であり、ナースたちや三角形の頭の怪力クリーチャーも登場。
しかし、サイレントヒルという町に入り込んで襲われる、という場面だけでなく、白昼夢のようにいつの間にかサイレントヒルの世界に入り込み、一緒に入り込んでしまった探偵が殺害される、という意味がわからない場面もあり、どこか安っぽいものを感じる。
サイレントヒルの遊園地での、シャロンとアレッサの対決シーンは見どころのひとつなのだろう。
善で作られたシャロンと悪の塊のアレッサが対面、どちらか一方が優位に立った状態でひとつになるというのは、ゲーム的要素もあり、映画としても期待できるものだ。
しかし、アレッサの見た目がひどすぎる。
シャロン役のアドレイド・クレメンスのメイクも雑で、リップを黒くして全身黒ずくめにしたようにしか見えないし、台詞も前作の使いまわし。
善と悪がシャロンひとりに統合されてから、三角頭のクリーチャーが見方になってくれるのは意外性があっていいが、ヴィンセントの母親で教団の指導者だというクローディアが、シャロンから印を渡されてクリーチャーに代わるなど、意味がわからない展開が多すぎて残念だ。
完成度としては、前作「サイレントヒル」が上であり、今作「サイレントヒル:リべレーション」は二番煎じといった域を超えることができなかった作品。
ゲームの世界観をそのまま映画にしつつ、18歳になったシャロンが自分の足で生きていくことになるという成長を描くのは素晴らしいのだが、全体的な設定やストーリーと演出が穴だらけになってしまっている。
ラストシーンでは、前作同様に「サイレントヒルへようこそ」というような看板を映すことで、次回作の存在を完全に否定しないエンディングにしているのだが、ここまで雑な作り方をした映画の続編に、あまり期待はできない。
近年、日本でもホラーゲームをベースにした映画が何本も公開されているもののハズレが多く、今作も見事に外れた作品のひとつに数えられる。