映画『シンプル・シモン』の概要:個性の強いシモンは兄サムと共に暮らし、毎日一律のタイムスケジュールをこなしていた。サムの彼女も同居していたが、シモンの特性に耐えかねて家を出て行く。傷心の兄のためにシモンは新しい恋人探しを決行するが···。ポップな色調とサウンドに胸が弾む。
映画『シンプル・シモン』の作品情報
上映時間:86分
ジャンル:ラブストーリー
監督:アンドレアス・エーマン
キャスト:ビル・スカルスガルド、マルティン・ヴァルストロム、セシリア・フォルス、ソフィ・ハミルトン etc
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映画『シンプル・シモン』の登場人物(キャスト)
- シモン(ビル・スカルスガルド)
- 主人公。アスペルガー症候群で、人に触れられることと変化を嫌う。宇宙とドラムと数学が好き。毎日決まったスケジュールで動き、それを乱されるとドラム缶にこもる。
- サム(マルティン・ヴァルストロム)
- シモンの兄。シモンの最大の理解者で、シモンもサムが大好き。恋人フリーダとの仲は良好だが、何かとシモンを優先する。
- イェニファー(セシリア・フォルス)
- シモンが街角で出会った女性。ロマンチストかつ楽天家で、シモンとは正反対の性格。兄の恋人候補として、名前が挙がる。
- フリーダ(ソフィ・ハミルトン)
- サムのガールフレンド。同棲していたところにシモンが転がり込んできて、不服ながら受け入れる。クールで少々男勝りな性格。
- シモンの母(ロッタ・テイレ)
- シモンの扱いに頭を悩ませていたところ、サムが同居を申し出て、シモンを送り出す。シモンがサムの恋人探しを行っていることを知ると、止めさせようとする。
映画『シンプル・シモン』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)
映画『シンプル・シモン』のあらすじ【起】
発達障がい者のシモンは、パニックに陥ると自室のドラム缶にこもって宇宙空間を思い描く。両親はそんな次男に手を焼く。シモンの「扱い方」を唯一知っているのは、独立した兄のサムだった。
自室にこもりがちなシモンを見かねて、サムは自宅に連れていく。サムの恋人で彼と同棲中のフリーダは、渋々シモンを受け入れる。恋人たちの甘く幸せな時間は、シモンが加わったことで規則的な生活空間に変わる。フリーダはこだわりの強いシモンを理解しきれず、しかも弟と自分を天秤にかけるサムに失望する。いよいよ我慢も限界に達し、フリーダはサムとの破局も同然で家を出てしまう。
シモンはフリーダを連れ戻そうとするが、強く反発される。激怒したフリーダは、サムに見合う「バカ女」を探せばいい、と言い捨てる。が、シモンはそれをもとにアイデアがひらめく。シモンは脳内で兄の新たな恋人探し計画を練っていた。
シモンは兄の性格や嗜好を分析し、13個の質問リストを作る。これにすべてイエスと答えた女性が兄に最適な恋人だと仮定した。道行く女性にインタビューし、一人だけ兄に見合う女性を決める。しかし当のサムは、恋愛に正解はない、正反対の人間のほうが惹かれると主張した。
考えを改めたシモンは、「兄と真逆の価値観」の女性を集めたデータから導き出す。抽出されたのは、最近街角で出くわす、シモンの「気に障る」女性だった。
映画『シンプル・シモン』のあらすじ【承】
シモンは早速、「兄と真逆」の女性に会いに行く。シモンは彼女にサムの恋人候補として、彼に会ってくれと頼む。彼女は、まだ素性を知らないシモンに、ついていけないと返す。
二人は改めて自己紹介し、彼女―イェニファーは成り行きでシモンの仕事場の運動場についていく。しばらくシモンの仕事を眺めていたイェニファーだが、しびれを切らして早めの休憩を取ろうと促す。急な予定変更に対応できないシモンは嫌がるが、イェニファーはもう休み時間だと嘘をつく。シモンは騙されたことに気付かず、仕事を無断欠勤する。
シモンはイェニファーの家に連れてこられる。イェニファーの部屋は散らかって物が多く、シモンの生活空間と違っていた。シモンは戸惑いつつも、「兄の恋人最有力候補」であるイェニファーを質問攻めにする。マイペースなイェニファーは曖昧に答えるだけ。完璧な結果が出せないシモンは、経験したことのない環境に目がくらむばかりだった。
運動場の管理者からサムに、シモンが遅刻して行方不明だと連絡が入る。女性を伴って姿を消したという情報に、シモンを一番知るサムは疑念を抱く。そして、最愛の弟を捜すのだった。
イェニファー宅には彼女の友人二人が訪ねてきた。イェニファーの友人らしく、陽気な彼女らにシモンは緊張する。だがあっという間に彼女らと馴染む。酒も入って高揚した雰囲気の中、電話を取ったイェニファーの表情が陰る。シモンは、なぜ急に悲しそうにするのかイェニファーに尋ねる。イェニファーは、シモンが好きな丸を用いて、恋の楽しさと辛さを説明してやった。そしてイェニファーは初めて、サムに会うことに興味を示した。
映画『シンプル・シモン』のあらすじ【転】
シモンを捜し続けるサム。思い切ってフリーダを訪ねるも、冷たくあしらわれる。サムは自分たちの別れについても触れる。だが、弟を選んだくせに、とフリーダに図星を突かれる。
イェニファーのことを報告するため、シモンは家に帰った。サムは何も知らない様子の弟を見て憤慨する。サムの心境を汲めていないシモンは、「完璧な恋人候補」に会うことを勧める。弟を最大限に気遣ってきたサムだが、怒り狂って実家へ帰ってしまう。
シモンは訳が分からずパニックに陥るが、重大な点を見逃していたことに気付く。それは、「イェニファーは会ってみたいけど、サムはその気がない」ことだった。正反対の男女だから真逆のことを思う。自分が二人を近づけさせてやれば、恋が生じると考えたのだ。一念発起したシモンは、仕事仲間と協力して素敵なデートづくりを計画する。
映画『シンプル・シモン』の結末・ラスト(ネタバレ)
デート本番。仲間たちは、仕事から上がったサムを拉致してイェニファーと出会う場所まで連れ去る。シモンは陰から見守り、偶然通りかかったイェニファーがサムを助け出すよう仕向けた。事は計画通りに進むが、サムとイェニファーの間には気まずい雰囲気があった。シモンは焦って、仲間にディナー会場へ二人を誘導させる。
バイオリンが奏でられ、イルミネーションと赤バラが飾られたそのテーブルは、ラブコメ映画のようだった。イェニファーは喜ぶが、サムはうんざりしていた。そんなサムにイェニファーは、シモンは兄が大切だからこそこのデートを企画した、と言う。サムは、シモンが自分以外の誰かに興味を持つなどあり得ないと思っていたので驚く。サムとイェニファーは、少しずつ打ち解けていく。
シモンは兄に結果を聞く。サムはイェニファーと友達にはなれると答えた。「恋人」にならなければだめだ、とシモンは大きく取り乱す。兄の静止も振り切ってシモンはイェニファーを探しに行く。
ドラム缶にこもった弟に、サムは変わらないものなんてない、と諭す。シモンはサムの恋の行方ではなく、イェニファーが消えてしまうのが嫌だったとこぼす。そこにイェニファーが現れ、シモンを好きだから消えない、と優しく言う。顔を出したシモンは、イェニファーが手に触れているのに気が付く。だが、シモンは拒絶しなかった。自分の変化に驚きつつ、シモンはイェニファーにはにかんだ。
映画『シンプル・シモン』の感想・評価・レビュー
シモンはアスペルガー症候群。
障害の名前が出るだけで、暗い展開を予想させるが、この話はそうではないのが良い。
アスペルガー症候群を、ちょっと考え方が違う人くらいの軽い認識でも気軽に観ることが出来、シモンの世界を演出によって可愛く、色鮮やかに表現しているのも楽しめる。
兄のサムが唯一の理解者として登場するが、どんな時も決してシモンを見捨てたりしない姿勢が一貫しており、兄弟の絆に感動した。
最後にはホロリと涙してしまうハートフルな物語だった。(女性 20代)
北欧のお洒落な感性を随所に感じる作品です。
北欧版アメリといった感じで、アスペルガー症候群でうまく物事を進められないシモンが、愛する兄に恋人を作ろうと奮闘する話です。
上手くいかず、怒ったり泣いたり、それでも頑張るシモンがほほえましくなります。
北欧風のインテリアもかわいらしく、冒頭で家の改修を自分たちで行っているシーンも、手作り好きな北欧といったイメージを与えます。
驚いたのは、アスペルガー症候群であっても英語が完璧に話せるというところ。言語的に近いことも影響しているのでしょうか。二か国語が流暢に使えるのは羨ましいです。(女性 20代)
アスペルガー症候群のシモンと兄のサムの交流を描いた作品。
家族の苦労を感じるシーンもあるが、お互いを思いやる優しさに兄弟愛を感じた。
アスペルガー症候群とは言え、重たい話ではないところが本作の特徴である。
全体的に色彩豊かで、小道具やインテリアのセンスが絶妙で、明るくポップな雰囲気なので、とても観やすかった。
人間同士が心を通わせる様子が美しく描かれており、人を好きになるって素敵なことだなと思わせてくれた。(女性 20代)
アスペルガー症候群の主人公が恋を実感し始めるまでの物語。
主人公のシモンは障害を持っていて、日常での暮らしにくさが表現されているものの、重くなりすぎずポップで可愛らしい北欧の雰囲気が存分に生かされている。特に、ヒロインのイェニファーが前向きで明るく自然体だからこそ、全体の雰囲気が和らいだと思う。
また、障害を持っていると聞くとどこかそういう目線で見てしまいがちだが、作中に散りばめられたシモンの独白を聞くと少し身近な存在に感じられた。
作中では、恋の始まりを予感させたところでエンディングを迎えるので、その先の展開を覗いてみたくなった。(女性 20代)
主人公のシモンはアスペルガー症候群という発達障害をもつ。その特徴を、規則性のある生活のルーティンや丸いモチーフの嗜好など、可愛らしくポップに描いている。北欧のインテリアや色づかいもセンスに溢れていて、好きな要素が詰まった作品である。
変化を嫌って規則通りに生きていたシモンが、大好きな兄のために恋人探しに奮闘し、最後には自分の方程式を覆して変わってゆく姿が愛おしい。イェニファーのように、ありのままの自分を受け入れてくれる人の存在が、自分が前向きに変われるきっかけになるのかもしれない。(女性 30代)
登場人物それぞれの気持ちが理解できるため、とても楽しく作品を見ることができた。シモンの行動は身勝手だと思うが、兄のことを大切にしている気持ちが伝わってくる。また、シモンにぶたれてもめげない、イェニファーのキャラクターがとても好きだった。明るくて楽天的で、一緒に遊んでみたいなと思った。服や家の家具など、細かな部分がスウェーデンらしくてとても可愛い。ストーリーだけでなく、隅々まで楽しめる作品。最後はほっこりと、温かな気持ちになれる。(女性 30代)
アスペルガー症候群について考えさせられるというよりは、不器用ながらも兄を愛するシモンと弟想いの優しい兄、そしてその周りの優しい人たちのやりとりに心温まるという感じだった。
なので、この作品が一部では綺麗事だと言われてしまうのもいささか仕方がないような気もするが、映画なのだからこのくらいやわらかくてキラキラしていても良いんじゃないかと思う。例え、現実にはイェニファーのような女性はなかなか居ないとしても。
『イット』のピエロと同一人物とは思えないビル・スカルスガルドの繊細な演技も必見。(女性 30代)
ビル・スカルスガルドと聞くと1番に思い浮かべるのが『IT』のピエロですよね。残忍で邪悪なピエロを演じていた彼がこんなにもチャーミングでユーモアたっぷりのキャラクターを演じているなんて信じられません。
彼が演じるシモンはアスペルガー症候群です。病気や障害に対して、私たちはどうしても「可哀想」という目で見てしまいますが、可哀想じゃないんだよと教えてくれるような心が温まる本当に素敵な作品でした。
病気や障害もその人が持つ個性のひとつで、恋をするのだって当たり前のこと。私はとても偏った見方をしてしまっていたなと反省しました。(女性 30代)
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