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映画『シン・ゴジラ』のネタバレあらすじ結末と感想

映画『シン・ゴジラ』の概要:監督、脚本、庵野英明による12年振りのゴジラ映画。海中に廃棄された核を摂取し、急激に進化を遂げ続けるゴジラの出現に、対策を講じる内閣府の様をリアルに描く。ちょい役でも出演したいと名乗り出る俳優が続出したという期待の作品。

映画『シン・ゴジラ』の作品情報

シン・ゴジラ

製作年:2016年
上映時間:120分
ジャンル:SF
監督:庵野秀明、樋口真嗣
キャスト:長谷川博己、竹野内豊、石原さとみ、高良健吾 etc

映画『シン・ゴジラ』の登場人物(キャスト)

矢口蘭堂(長谷川博己)
内閣官房副長官。巨大不明生物特設災害対策本部、事務局長兼任。逸早くゴジラの出現に気付く。実直な性格で正義感に溢れている。少し型破りな面もある。
赤坂秀樹(竹野内豊)
内閣総理大臣補佐官。矢口とは旧知の仲で、型破りな矢口を制しながらも期待している。
カヨコ・アン・パタースン(石原さとみ)
米国大統領特使。ハーフのバイリンガルで野心家。日本語の会話中によく英語が混じる特徴的な話し方をする。政治的な面ではかなりのやり手。
志村祐介(高良健吾)
内閣官房副長官秘書官。矢口の補佐をする。

映画『シン・ゴジラ』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)

映画『シン・ゴジラ』のストーリー(あらすじ)を結末・ラストまでわかりやすく簡単に解説しています。この先、ネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『シン・ゴジラ』のあらすじ【起】

東京湾、横浜沖で一艘の船が発見。船名はグローリー丸。船内は無人だったが、遺留物は残されていた。そこへ突如、爆発したかのような勢いで海水が噴き出る。東京湾アクアライン、アクアブリッジ内トンネルでは、血のような赤い液体がトンネル内へ浸水。

その報せは、早々に内閣府へと通達。同、地下の危機管理センター、オペレーションルームには官房副長官である矢口と秘書官の志村がいた。様子を見た後、幹部会議室へ。状況を詳細に確認。海底火山に類似した現象が海中で起こっているようだが、矢口は違和を感じていた。東京湾、人工島からも濛々とした水蒸気が目視出来る。内閣府は東京湾、海ほたるパーキングエリア付近一帯に避難勧告を発令した。水蒸気内には何かがいるようだ。矢口はその動画をスマホで見ていた。

首相官邸5階、総理執務室では東京湾における、水蒸気爆発等複合事案に関する総理レクチャーが開始。大臣達を集めて今後の対策が講じられる。矢口はそこで水蒸気中心部に何者かがいる可能性を示唆。ネット上にも巨大な生物が映された動画が上がっている事を進言。だが、他の大臣達は信用せず。レクでは海底火山を前提とした対策が講じられ、早々に解散した。内閣総理大臣補佐官、赤坂が退室した矢口へ苦言を呈する。彼は矢口に期待して、その身を案じていた。

その後の会議中に水蒸気が沈静化したとの報告が上がる。海上では赤い液体が一帯に流れ出ている様が見られた。矢口は再び会議で巨大生物の存在を提言するが、総理からきつくお叱りを受ける。その頃、海上には矢口が示唆した通り巨大生物が出現。会議は中断され報道を見た。巨大な尻尾のようなものがうねる。想定外の状況に大臣達は大騒ぎ。駆除か、捕獲か、排除かで意見が割れる。矢口はすぐさま3つの対策案を制作するよう指示した。巨大生物と思われる生き物は、鴨川河口へと移動を開始。赤い液体を道のように垂れ流しながら進んでいる。

東京都大田区、呑川の旭橋へ遡って行く巨大生物。数多の船と橋を破壊しつつ進み続ける。矢口は志村を通して環境省の課長補佐を呼び寄せた。生物の動きを分析。頭を水面下へ入れたまま背中をむき出し、歩行で進んでいる様子を指す。足があるなら上陸の可能性もある。大臣達は国民を安心させる為、総理へ記者会見を開く事を提言。総理は記者会見を開く事にした。

そうしている間にも巨大生物は進み続ける。僅かに頭部が見え始めるが、その目はまるで魚眼のようだ。記者会見では総理が上陸は有り得ないと報告。その矢先、巨大生物が大田区蒲田に上陸したという報告が入る。謎の生物は異様な相貌で道路を撃侵。巷では逃げ惑う人々で阿鼻叫喚の様子だった。生物の首には鰓のようなものがある。そこからは赤い液体が大量に噴出された。

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映画『シン・ゴジラ』のあらすじ【承】

生物は大田区から品川方面へ。家屋を破壊して進み続けていた。歩行時速は13キロと遅いが、およそ3時間で都内を縦断する事は出来る。次々と車を吹き飛ばし、団地へよじ登って崩壊させる。オペレーションセンターでは、ついに自衛隊の出動を進言。だが、総理は防衛出動を渋る。大臣達の説得により、総理は災害緊急事態の布告を宣言した。戦後初の武力行使命令だった。

自衛隊幕僚長会議では駆除目的での攻撃を決定。木更津の駐屯地からヘリが出動した。巨大生物は東京都品川区、北品川まで来て突然、停止。そして、体を震わせながら起き上がり咆哮する。矢口はそれを目視。その様子はまるで進化したかのように思われた。起き上がった生物は、ふらつきながらも自立歩行を始める。そこへ自衛隊のヘリが到着。総理は射撃を指示。だが、踏切に人がいるのを発見。総理は射撃を中止した。生物は咆哮後突如、東京湾へ走り出して姿を消した。

被害は甚大だったが、翌日からは普段通りの日常が戻った。矢口と赤坂は災害現場の調査へ来ていた。2時間強もの時間があったにも関わらず、初期対応が至らなかった為、甚大な被害を及ぼしたのである。巨大生物は東京湾へ潜航したと思われ、いつ再来してもおかしくない状況であった。内閣府は迎撃作戦を立てた。矢口は巨大不明生物特設災害対策本部、通称巨災対の事務局長へと任命され、政調副会長と電話会談をする。対策本部への人員選抜の為だった。本部は首相官邸、二階会議室へ設置。ありとあらゆる方面から選別されたエキスパートが揃った。

液体のサンプルを理研が分析。残りは米国が全て回収。粘液等は酷い腐敗臭から焼却処分された。巨大生物のエネルギー源についても謎である。放射性物質が高いルート調べると、奴が移動したルートであった事が判明。エネルギー源は核分裂によるものと確定。矢口は長官へ報告した。赤坂から米国より特使が来る事を知らされる。それも、矢口とのアポを取ったと言うのである。

米国大統領特使として来日したのはカヨコ・アン・パタースン。傲慢な態度で、特定の人物の捜索を指示する。槙五郎は生物の発現を約5年前から示唆していた。日本人で元大学教授だ。その見返りとして、米国が保持する生物についての情報を貰う事になった。

矢口はすぐさま教授の行方を捜査。情報をカヨコへ渡す。そして、米国からは資料を貰った。資料には米国エネルギー省のコードネームとしてGODZILLAと明記されていた。名付け親は教授だそうだ。ゴッドジーラとは、荒ぶる神という意味が込められているらしい。呼び難いとの理由で、巨大生物はゴジラと名付けられた。

映画『シン・ゴジラ』のあらすじ【転】

志村は矢口の指示で教授の調査を更に依頼。その調査により詳細が分かった。今から60年前、各国の放射性廃棄物の無秩序な海洋投棄の資料を入手。太古からの生物が、投棄された放射性物質を摂取。生き残る為、急速に進化したのがゴジラ。それが教授の仮説だった。だが、ゴジラは米国の推測を遙かに超えた進化を遂げていた。カヨコからの情報はここまでが限界。そして、最後に謎の資料を机に広げる。構造レイヤーの解析表らしい。対策本部でも解析を進める事で同意した。

赤坂は東洋原子力研究所へ来ていた。そこで、ゴジラの体内には未知の新元素が存在している事が判明。世紀の大発見だと言う。米国の素早い動きはこれが事由だったのだ。ゴジラは一個体で進化し続ける。前回の進撃では、すぐに海へ戻った。恐らく、奴の体内には核融炉のようなものがあり、冷やさなければ長時間の活動は不可能と推測。血液循環により発熱を冷却しているに違いない。その循環を止めれば沈黙せざるを得ないだろう。そこで巨災対では血液凝固剤の投与を決定。この作戦を矢口プランと命名した。

相模湾沖にゴジラが再び出現。鎌倉へ上陸するという情報が入った。奴は既に進化を遂げ、立派な二立歩行で向かって来る。前回と比べて体は更に巨大化。頑丈な鎧を着たかのようだ。すぐさま避難勧告を放送。ゴジラは街を掻き分けて進む。奴は都内へ向かっていた。総理は自衛隊を出動。都内侵入前に駆除を目的とする。持てる全ての戦力でもって待ち受けた。射撃開始。中隊ヘリが射撃するも傷1つ残せない。総理が武器の無制限使用を許可。誘導弾が発射。戦車からの砲撃も開始され全弾命中。レーザー砲にて向きを変えた。しかし、ゴジラには傷1つ、つける事すら叶わなかった。攻撃作戦は失敗に終わる。

ゴジラは世田谷区から東京都目黒区へ侵入。米国へ協力を要請する事になった。陽が暮れる。暗闇の中、赤黒く光る奴の様子は不気味で異様。米軍の攻撃が広範囲に渡る為、総理は官邸を放棄して退避する。至急、退避準備が行われ総員が退避。矢口は志村と車で向かう。酷い渋滞だった。外に出て徒歩で向かった方が早いと判断。降車した矢口はゴジラを肉眼で捉えた。米軍の攻撃が予定より早く開始。地中貫通型爆弾が投下。爆弾はゴジラの肉を削り、大量の出血が確認された。総理はヘリで避難する予定だった。しかしその時、ゴジラの背中が赤から紫へ変色。奴は大口を開けてスモークを吐き出す。スモーク発火後、ビームを放射。更に背部より複数のビームを放射し、ジェット機と爆弾を破壊した。それから開口にてビーム発射、都内を火の海へ。その様は正に荒ぶる神の化身だった。その後、ゴジラは東京駅付近で沈黙した。

映画『シン・ゴジラ』の結末・ラスト(ネタバレ)

総理を含めた官僚達の安否は不明。巨災対は立川へ移設。矢口と志村はそちらへ向かった。放射線の濃度は広範囲に広がる。除染の問題もあった。内閣府は早々に臨時の総理と閣僚を選定。赤坂は先行して横田へ居た為に無事だった。この事で矢口は内閣府特命担当大臣へと昇格。巨災対所属の半数以上が助かり本部へ集まる。チームは早速、矢口プランの履行へとかかった。血液凍結の凝固剤生成を急ぐ。

カヨコは特使として総理と会談。米国はゴジラのコントロール権を渡せと言うが、赤坂はそれを断り、巨災対は日米合同のチームとなった。ゴジラ偵察の為、無人偵察機を発進させるが、一定距離で消滅。恐らく、奴には沈黙中、接近する物体を本能的に迎撃する器官があるのだ。カヨコからワシントンの国防長官が、ゴジラの処理に熱核兵器を使用するべきと主張しているとの情報が入る。米国へゴジラが上陸する可能性が13パーセントあると報告された為だ。各国は核爆弾での攻撃を準備している。日本のゴジラへ向けて。

ゴジラに対し、多国籍軍の結成を国連安保理が決議。日本もそれへ参加する為、その指揮下へと入る事になる。それは核の保有をしない日本に核爆弾が使用される事を容認するという事だった。矢口と赤坂は日本の未来について語り合う。日本は熱核兵器の使用を承認。出来れば核の使用は避けたいところだ。やるならば、都民の避難が完了するまでの間に、凍結プランを完成させて実行する。巨災対は急いで準備を進めた。

ゴジラはあと15日程で活動を開始するだろう。日本に残された時間は住民避難の為の2週間のみ。都民のおよそ360万人が地方へ疎開する事となった。巨災対は教授が残したデータの分析を続けていた。誰かが折り紙と呟いた言葉に生物学者がひらめく。世界各国へ協力を要請、解析表の分析を完遂。それは細胞膜の活動を抑制する、極限環境微生物の分子構造だった。これらを使用すれば、ゴジラの活動を停止する事が出来る。矢口はそれをカヨコへ報告。そして、総理へも報告が成された。これらによって総理は、国連安保理へ核の使用を待ってもらう事にする。矢口は自衛隊と協力。矢口プランはヤシオリ作戦と改名。残すところ実行あるのみとなった。カヨコも政治生命を賭け、核の使用停止を進言するよう米国へ手配。準備は着々と進められた。

ヤシオリ作戦開始。まずはゴジラを陽動し覚醒。米軍よりミサイル発射。熱源放射が終わるまで攻撃を続ける。ゴジラは口と尻尾の先端から熱源放射。停止を確認後、ビルを倒壊させてゴジラの動きを止める。転倒。その隙を狙い、口腔より血液凍結材を注入。だが、ゴジラが再び立ち上がる。しかし、凍結材の作用で動きは鈍い。更に攻撃開始。ゴジラ再度、転倒。凍結材の投与再開。投与量100パーセント突破。計算通りであれば凍結するはずである。だが、ゴジラは活動開始。あわや作戦は失敗かと思われた矢先、瞬時に凍結。奴は完全に沈黙した。作戦は成功したのだ。

ゴジラが凍結された事により放射線量は激減。日本の復興は早々に始められそうだった。
復興後は新内閣府が確立されるはずだ。優秀な閣僚が選ばれるだろう。日本はきっと立ち上がれる。戦後もそうして立ち上がって来たのだから。カヨコと矢口は互いに大統領を目指す事を約束する。矢口はゴジラを眺めた。ゴジラの尻尾の先端からは、人型の分身が生まれ出ようとしていた。

映画『シン・ゴジラ』の感想・評価・レビュー

危機に瀕した際の日本政府の対応を、現実世界のそれと照らし合わせ苛立ちを感じたり、職務に当たるイケメン俳優たちの真剣な眼差しにニヤリとしたり。日陰者のオタクなスタッフたちが活躍するのは、痛快で胸がすく思いだった。

ゴジラがなぎ倒してゆく街が自分の生活圏内ということもあり面白さ倍増。セリフが多く、速いテンポで進むので情報量が多いので一度で理解しきれず、細かい設定を調べるとより楽しめるため、何度でも観たいと思わせられる作品だった。(女性 40代)


強面の悪役やちょっと情けない中間管理職など幅広く演じた、大杉漣さんが総理役でしたので、興味を惹かれ本作をDVDで観てみました。意図的だったのか、ゴジラの目が死んだ魚のようで気になりました。早口や数人のセリフがかぶっている部分が、聞きにくくはありましたが、緊迫感や混乱の様子がよく表れていました。「ゴジラ被害からもすぐに立ち直る」と、日本のタフさ、力強さを伝えたい作品なのかと感じました。

タイトルのシンがカタカナなのは、「神・真・新」3つの意味を込めてだったそうです。(女性 40代)


まず、本作は既存の「ゴジラ像」を打ち破ろうとした庵野秀明監督の思惑が窺える作品。

マンネリ化した展開に異を唱えた庵野秀明監督が仕掛けたリアルな日本政府の対応は、今までのゴジラ作品にはなかったアプローチである。

出現したゴジラに対応する日本政府は終始に渡って落ち着いている。
非常事態にも関わらず、段取りを重視した政治家たちの動きはリアルであり、そこで起きているマヌケな展開はどこか強烈な皮肉を臭わせています。

総理大臣というのは日本政府の代表でありながら、意見を出すよりも、まとまった議論を承認して国民に伝えるだけの存在というところも面白い。

そして、既存の「ゴジラ像」を最大限に壊した進化する姿は衝撃を受けます。
次第に本来のゴジラへと適応して進化する姿は、今まで持っていたイメージを大きく覆す結果となりました。

庵野秀明監督が目指した新たな解釈の「ゴジラ像」は、今後のシリーズに大きな爪痕を残したと感じさせる傑作だろう。(男性 30代)


エヴァシリーズで有名な庵野秀明が監督を務めた、従来のゴジラとは一線を画す作品。二足歩行時のフォルムや放射能の設定、光線を吐き出すなどの基本的な部分は今までのゴジラという存在をそのままに表現しているが、一個体での進化理論や、内閣府の描き方、カヨコ・アン・パタースンというキャラクター設定は、どこかエヴァを彷彿とさせ、まさに庵野ワールドといえるだろう。あえて、政府があまり機能しない組織という表現も、今の世の中への皮肉さも感じる所がなんとも面白い作品である。(男性 30代)


本当に日本に「ゴジラ」が来たらこうなるだろう、とそう思わされる映画だった。映像のクオリティだけではく、社会問題にもなっているSNSや人々の言動。良い意味でも悪い意味も、日本人らしさが露骨に出ていた。洋画であればすぐに戦闘になりそうな所を延々と会議をしたり、軍を動かすことを渋ったりと、慎重になっているところがそう感じた。正直言うともどかしく感じたが、逆にそれがとても良かった。

怪獣映画と言うよりは、ヒューマンドラマと言いたくなる内容だった。もし「ゴジラ」が現れたらどうなるか、リアルに体験したい方は是非とも見て欲しい。(女性 20代)


ゴジラがメインの映画だと思っていたが、巨大生物出現に伴う日本政府の措置や対策がこの映画の見所で軸であるのだ。まず、どこに報告してどこの部署がどんな措置や対策を行い、どういう風に日本政府が動いていくかという部分がリアルに細かく描かれている。

観ていてとても勉強になる上、役所関係の友人もリアル過ぎて驚いたと感嘆していたほどだ。緊急事態でも政治を基盤に話が進められていく様は、絶妙にリアルで、巨大地震などが発生したら、こういう風に事が進んでいくのかと思えるほどだ。

ゴジラ映画ではあるが現代社会についてよく分析されている。(女性 20代)


ゴジラシリーズの中でも、日本の政治を全面に取り上げた作品だ。同時に起こっている問題を大々的に取り上げ、日本政府の対応の批判を公にしているように感じるのは、私だけではないだろう。誰が見てもおかしいと思う、でも日本政府は当然のようにしていることを、明るみに出した作品ではないだろうか。本当にこれでいいのだろうかと、深く考えさせられる。現実に起こっている出来事としてみると、複雑な思いも残る作品だ。一人ひとりが考えるべき課題なのかもしれない。(女性 30代)


「現代のリアルな日本にゴジラがもし現れたら」というシミュレーション映画として、良くできていると思った。混乱して遅々として対応が進まない責任者達。ゴジラが突如として現れたら実際こうなるんだろうな、と納得した。

覚えられないくらい沢山出てくる出演者達だが、「未知の襲撃に直面した時、本当のところ誰か一人がヒーロー的な役割を担うなんてことはないのだ。だから沢山の登場人物は主人公であり脇役なのだ」という演出だと思うと実に効果的だと思える。

ただ、石原さとみはどうみても米国の特使には見えないので、そこだけ違和感。(男性 30代)


庵野秀明がゴジラを作るとこうなるのかと、今までのゴジラ作品とは少し違った毛色の作品でした。
冒頭の会議シーン。かなり日本人らしさが出ていましたよね。しかも、熱量たっぷりの会議を下にもかかわらず何も出来ないところも日本らしいです。
ネットやSNSで未来を予知するような発言をする人がいますが、今作の場合は国民の読みは間違っていませんでした。歴代の作品へのリスペクトを込めつつも、現代社会を感じさせるようなシーンも盛り込まれていて、新しいゴジラを楽しませてもらいました。(女性 30代)

みんなの感想・レビュー

  1. 森田 より:

    メインの存在であるはずのゴジラの登場シーンは迫力があり、特に街中のシーン等では今まで見たことがないような映像も見られる。だが何故か存在感は薄く、そこにいるはずだけどいない感じがしてしまう。一方ゴジラ以外の人々の動きは「多分実際こんな感じなのだろう」と思えるリアルさでドキュメンタリー映画のようですらある。それはそれで面白いのだが一歩逸れるとプロパガンダ映画になりそうな危うさも感じた。それをエンターテイメントに引き留めてくれたのは石原さとみの英語発音交じりの振り切った演技だった。絶妙なバランス。

  2. 村山 より:

    単なる怪獣バトルを描いた特撮映画ではなく、どちらかというと突然現れた未確認巨大生物に対する政府の混乱と優秀な若者の活躍を描いた作品だった。特に日本の政治家たちの対応に関しては、震災や最近では新型コロナへの対策でも感じたものが垣間見え、色々考えさせられる。

    登場人物のセリフの速さや情報量の多さから見ていてなかなか疲れるが、その分見ごたえがあり約2時間の上映時間があっという間だった。「ゴジラ」や「怪獣」といった概念が存在しない世界観もリアルさが出ていて物語に入り込めた。

  3. tomo より:

    庵野秀明監督の『シン・ゴジラ』は2016年に公開されました。
    それまでゴジラにそこまで興味がなかったのですが、庵野監督のファンであったため観てみたらとても面白かったです。
    実際にある東京の街にゴジラが出没するのは、従来のゴジラの設定にならっているところでもあり、自分が住む街が襲われるだけでこんなにもワクワク感を駆り立てられるものかと感動しました。
    CGも駆使されリアリティが凄まじくのめり込んでしまいました。

  4. yuma より:

    この映画は大迫力のゴジラ作品であると同時に、痛烈な政治風刺作品のようにも感じた。
    ゴジラが出現した際の政府の初動や、様々な役所を通さなければならない政治システムをこれでもかというほど痛烈に描いていた。アメリカとの関係性や、日本の国際的な立場など、今この日本にゴジラが現れたら実際こうなるだろうと思えるほど、とてもリアルに描かれていた。もちろんゴジラも非常にリアリティがあり、質感や進化する様子など、今までにない新しいゴジラ像が誕生した点が印象的だった。