映画『新・男はつらいよ』のネタバレあらすじ結末と感想 | MIHOシネマ

「新・男はつらいよ」のネタバレあらすじ結末と感想

新・男はつらいよの概要:男はつらいよシリーズの第4作目となる作品。前作『男はつらいよ フーテンの寅』で山田洋次と宮崎昇と共に脚本を執筆した小林俊一が監督を務めている。寅さんがマドンナの栗原小巻に恋する後半部分より、前半部分のハワイ騒動が印象に残る。

新・男はつらいよの作品情報

新・男はつらいよ

製作年:1970年
上映時間:92分
ジャンル:コメディ、ヒューマンドラマ
監督:小林俊一
キャスト:渥美清、倍賞千恵子、栗原小巻、三崎千恵子 etc

新・男はつらいよの登場人物(キャスト)

車寅次郎(渥美清)
生まれも育ちも東京は葛飾柴又の渡世人。普段は迷惑ばかりかけているが、心の中では育ての親のおいちゃんとおばちゃんに感謝している。今回は競馬で大穴を当てて、2人にハワイ旅行をプレゼントする。しかし、思わぬ事件が起こり、寅さんの計画は台無しになる。
宇佐美春子(栗原小巻)
帝釈天の御前様が園長先生をしている柴又幼稚園の先生。御前様の紹介で、とらやの2階に下宿する。父親とは幼い頃に生き別れており、顔も覚えていない。明るくて可愛らしい女性で、寅さんに惚れられる。実は恋人がいる。
さくら(倍賞千恵子)
寅さんの異母妹。寅さんの良き理解者で、常に兄のことを気にかけている。夫の博とまだ幼い息子の満男と狭いアパートで暮らしている。賢明で思いやりのある女性。
車竜造(森川信)
寅さんの叔父。寅さんやさくらからは「おいちゃん」と呼ばれている。寅さんが帰ってきたら優しくしてやろうと思っているのだが、必ず喧嘩になってしまう。
車つね(三崎千恵子)
竜造の妻。普段は着物を着ているが、ハワイ旅行のためにわざわざ派手なスーツをあつらえた。お茶目なおばちゃん。
博(前田吟)
さくらの夫。タコ社長の印刷工場で地道に働いている。義理の兄の寅さんのことは「兄さん」と呼んでいる。
梅太郎(太宰久雄)
通称タコ社長。とらやの裏手にある印刷工場の社長で、おいちゃんやおばちゃんたちとは家族同然の付き合いをしている。
登(津坂匡章)
寅さんの舎弟だったが、今は足を洗って旅行代理店に就職している。登の会社の社長が旅行代金を持ち逃げしてしまい、寅さんたちはハワイへ行けなくなる。

新・男はつらいよのネタバレあらすじ

映画『新・男はつらいよ』のあらすじを結末まで解説しています。この先、ネタバレ含んでいるためご注意ください。

新・男はつらいよのあらすじ【起】

東京は葛飾柴又の帝釈天参道にあるだんご屋「とらや」には、寅さんの舎弟だった登が、ハワイ旅行の売り込みに来ていた。寅さんと一緒にフーテンをしていた登は、足を洗って堅気のサラリーマンになり、旅行代理店に就職していた。おいちゃんとおばちゃんは、登のセールスに協力してやりたかったが、30万円もするハワイ旅行には手が出ない。そこへ、名古屋へ出かけていたタコ社長が帰ってくる。

タコ社長は、名古屋の競馬場で寅さんと会ったのだと興奮して話し始める。寅さんは大穴を当てて大儲けしたらしいが、最終的にどうなったかはタコ社長も見ていない。そんな話をしていると、寅さんが名古屋からタクシーを飛ばして帰ってくる。

寅さんはタコ社長が帰ってからも大穴を当てまくり、100万円もの大金を稼いでいた。気の大きくなった寅さんは、その金でおいちゃんたちにハワイ旅行をプレゼントすると言い出す。この噂はすぐに柴又中を駆けめぐり、帝釈天参道はハワイ旅行の話で持ちきりになる。旅行の手配は登の会社に頼み、寅さんは前払いで代金を支払う。

出発当日。とらやの前には見送りのための人だかりができていた。最初は不安がっていたおいちゃんとおばちゃんもすっかりその気になり、初めての海外旅行を楽しみにしていた。ところが、寅さんは泣きっ面の登に呼び出され、旅行代理店の社長が金を持ち逃げしまったと聞かされる。社長は旅行会社に一銭も支払いをしていなかったため、寅さんたち3人はハワイへ行けなくなる。しかし、寅さんはそのことをみんなに言い出せないまま、空港行きのタクシーに乗る。

寅さんは博だけに全てを打ち明け、空港まで来てもらう。今さら近所の人たちに「金を持ち逃げされてハワイに行けませんでした」と言うのが絶対に嫌な寅さんは、このまま嘘を突き通すことにする。おいちゃんとおばちゃんは不安だった。

新・男はつらいよのあらすじ【承】

夜。人々が寝静まった頃、寅さんたち3人がコソコソととらやへ帰ってくる。寅さんはこのままとらやに身を潜め、4日後にハワイから帰った振りをして、みんなを騙し通そうと考えていた。この件はさくらにも内緒なので、博が極秘でとらやに食べ物などを運ぶ。

2日目の夜。薄暗い茶の間で博が差し入れてくれた晩御飯を食べていると、裏のガラス戸を割って泥棒が忍び込んでくる。寅さんが泥棒を捕まえたので、博はすぐに警察へ通報しようとするが、寅さんがそれを止める。警察を呼べば、ハワイへ行けなかったことがバレてしまうからだ。寅さんは、町中の笑い者になるのがどうしても嫌だった。

何となく事情を察した泥棒は、寅さんの弱みにつけ込み、1万円くれたら出て行ってやると言い出す。寅さんは悔しかったが、泥棒に1万円を渡して帰ってもらう。ところが、泥棒は帰り道で見回り中の警察に職務質問され、金はとらやでもらったと弁解し始める。この騒ぎで近所の人たちがとらやの前に集まってきて、寅さんたちはついに見つかってしまう。

大恥をかいたおいちゃんとおばちゃんは、最初から正直に話せば良かったのだと寅さんを責める。この件で1番つらい想いをしていた寅さんは、情けないやら悲しいやらで、おいちゃんと大喧嘩になる。そして、2度とこの家の敷居はまたがないと捨て台詞を残し、旅に出てしまう。その話を聞いたさくらは、親孝行の真似事がしたかった兄の気持ちを考え、寅さんがかわいそうになる。

新・男はつらいよのあらすじ【転】

1ヶ月後。寅さんは柴又へ帰ってくる。店に入りにくそうな寅さんを見て、おいちゃんたちは優しく声をかけてやる。気を良くした寅さんは、にこやかに店へ入ってくるが、自分が使っている2階の部屋に下宿人が入ったと聞き、またすぐに旅へ出ようとする。そこへ、下宿人の春子が帰ってくる。

柴又幼稚園の先生をしている春子は、御前様の紹介で、とらやの2階を借りることになった。寅さんは美しい春子に一目惚れして、旅に出るのをやめてしまう。

すっかり春子の虜になってしまった寅さんは、裏の印刷工場の工員たちが春子の部屋を覗けないようにするため、庭に巨大な壁を作る。その日、春子はどこかへ出かけて行く。

春子は、父親の古い友人のおじさんと会っていた。そのおじさんは医者で、春子の父親が深刻な糖尿病を患っていると話す。おじさんは父親に会ってやって欲しいと頼むが、春子は幼い頃に父親と別れたきりで顔も覚えていないからと言って、その申し出を断る。

春子への想いは募り、寅さんは幼稚園にまでついて行くようになる。例の壁の件ではタコ社長から人権侵害だと猛抗議を受けていたが、寅さんは聞く耳を持たない。寅さんが幼稚園で子供たちと一緒にお遊戯をしていたという話を聞き、おいちゃんたちは呆れ果てる。

幼稚園にいた春子におじさんから電話があり、父親が先ほど亡くなったと聞かされる。おじさんに「お父さんは罪の報いを十分受けましたよ」と言われ、春子は父を見舞わなかったことを後悔する。

同じ日、亡くなった寅さんの父親の命日だからと、御前様がとらやへやって来る。しかし、みんなそんなことは忘れていて、閉めっぱなしだった仏壇を開けると、中からネズミが飛び出してくる。その騒ぎを見ていた春子は、思わず吹き出してしまうが、そのうち泣き顔になって2階へ駆け上がっていく。

新・男はつらいよのあらすじ【結】

その日から春子はすっかり元気をなくし、以前のように笑わなくなる。寅さんはどうすればいいか博や工員たちと話し合い、女の人を慰めるためには「湖にボート」「美しい音楽」「悲しい恋愛小説」がいいだろうということになる。

さっそく寅さんは春子を公園に誘い、ボートに乗る。その周辺では工員たちが的外れな音楽を奏でていたが、春子には意味がわからなかった。夜、寅さんに頼まれ、おいちゃんは今まで最も感動した悲しい恋愛小説の話を始める。話しているうちにおいちゃんは悲しくなってきて、オイオイ泣きながら話を続ける。寅さんもすっかり感動して、オイオイ泣き始める。2人の様子を覗き見ていたおばちゃんと春子は、我慢しきれずに笑い転げる。ようやく春子が笑ったので、寅さんはとても嬉しかった。

寅さんが久しぶりに商売へ出た日。1人の青年が春子を訪ねてくる。その青年は春子の恋人らしく、おいちゃんたちは慌てる。「どうか寅さんと鉢合わせしませんように」というおいちゃんたちの願いも虚しく、帰ってきた寅さんは春子の部屋へ行き、仲睦まじい様子の2人を見てしまう。寅さんは黙って2階から降りてきて、そのままとらやを飛び出していく。

夜、寅さんが酔っ払って帰ってきたので、おいちゃんとおばちゃんは寝たふりをする。寅さんは狸寝入りをしている2人に別れの言葉をかけ、1人寂しく旅立っていく。

それからしばらくして。登は今でも責任を感じて落ち込んでいたが、旅先の寅さんはすっかり元気になっていた。寅さんは汽車の中であの泥棒騒動をおもしろおかしく語り、乗客たちを笑わせるのだった。

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