映画『親愛なるきみへ』の概要:ジョンは軍隊の特殊部隊に所属していた。2週間の休暇中に実家に帰っていたが、近くの海で大学生のサヴァンナと出会い、一目で恋に落ちる。2人は2週間しかない貴重な時間を使い、愛を育んだ。
映画『親愛なるきみへ』の作品情報
上映時間:108分
ジャンル:ラブストーリー
監督:ラッセ・ハルストレム
キャスト:チャニング・テイタム、アマンダ・サイフリッド、ヘンリー・トーマス、スコット・ポーター etc
映画『親愛なるきみへ』の登場人物(キャスト)
- ジョン・タイリー(チャニング・テイタム)
- 軍隊の特殊部隊に所属している。若い頃は喧嘩っ早く、町の人達からも恐れられるほどの人物だった。軍隊に入隊後は、精神的に落ち着いてきている。サヴァンナに一目惚れする。
- サヴァンナ・リン・カーティス(アマンダ・サイフリッド)
- 大学生。春休みの帰省中に、ジョンと出会い恋に落ちる。明るく陽気で優しい性格。
- ティム・ウェドン(ヘンリー・トーマス)
- サヴァンナの実家の隣人。自閉症の息子(アラン)を1人で育てている。
- ランディ・ウェルチ(スコット・ポーター)
- サヴァンナの友人。サヴァンナのことが好きだが、ちっとも相手にされていない。
- ジョンの父(リチャード・ジェンキンス)
- 軽度の自閉症を患っている。子供の頃にジョンが手に入れたエラーコインをきっかけに、コインを収集するようになる。無口で穏やかな性格。
映画『親愛なるきみへ』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)
映画『親愛なるきみへ』のあらすじ【起】
ジョンが銃で撃たれた後、意識を失う前に思い浮かんだのは、8歳の頃に行った造幣局の見学ツアーのことだった。係員の説明を聞きながら、金属板がコインの形に抜かれていくのを見ていた。不良品が出回らないように、コインは1枚ずつ丹念に検査される。そのことを思い出していた。ジョンは自分のことをコインに見立て、2つの穴が開いた自分は不良品だと感じていた。そして、意識を失う前に最終的に思い浮かんだのは、“あなた”のことだった。
サヴァンナは友人達と海に遊びに来ていた。橋の上で話をしている最中、サヴァンナの鞄が海に落ちてしまう。それを近くで見ていたジョンが橋から海に飛び込み、サヴァンナの鞄を拾い上げた。
2001年の春。ジョンはサヴァンナに誘われ、ベンチでビールを飲んでいた。サヴァンナの友人のランディはサヴァンナのことが好きなため、ジョンのことが気に入らず、嫌味な言葉を投げかけた。サヴァンナはランディの気持ちに気づいていたが答える気はなかったため、やんわりとランディを窘めた。
ジョンは2週間の休暇が終わったら、軍隊に戻ることをサヴァンナに話した。サヴァンナは戦うのは怖いだろうとジョンの気持ちを思い遣った。ジョンはたまに怖いときもあると素直な気持ちを交えながらも、日々退屈なだけだと言葉少なに答えた。サヴァンナは月を見上げながら、真上にあると小さく見えると呟いた。だが、ジョンはそれを思い込みだと一刀両断し、月はどこにあっても片目を瞑って見ると、親指に隠れるほど小さいことを教えた。ランディはサヴァンナ達の仲睦まじい様子を悔しげに見ていた。
ジョンはサヴァンナと明日会う約束をして別れた後、サヴァンナの友人のティムに家まで送ってもらった。ティムはサヴァンナの父親代わりとして、サヴァンナを傷つけたら許さないとジョンに忠告した。
映画『親愛なるきみへ』のあらすじ【承】
ジョンはサヴァンナと夕食を食べに出かけた。サヴァンナはジョンの家族に興味があったため、今夜家に行きたいとジョンに頼んだ。ジョンは戸惑いながらも、サヴァンナを連れて家に帰った。ジョンの父はコイン収集が趣味で、サヴァンナにコインを見せ、逸話を話して聞かせた。サヴァンナは楽しそうに聞いていたが、ジョンはどこか気まずそうな顔をしていた。
サヴァンナは春休みを利用して、友人達とハリケーンで壊された家を建て直していた。サヴァンナとジョンが建築途中の家を見ながら話しをしていると、雨が突然降ってきた。2人は雨宿りをしながら話しをしていたが、ふとした拍子に見つめ合いキスをした。その後、ジョンは家の建て直しを手伝うようになった。2人はデートを重ね、ジョンの父と共に食事をするなど、楽しい時間を過ごした。
別れのときが近づいており、サヴァンナは不安に襲われた。ジョンは1年後には軍隊を除隊し、卒業を祝いに行くことを約束した。サヴァンナはジョンの父が自閉症だと気づいており、特別クラスの先生になりたいと感じるようになっていた。そのことをジョンに漏らしてしまい、2人は喧嘩になってしまう。ジョンは父が自閉症であることを受け入れていなかったのだ。ジョンがむしゃくしゃした気持ちでいるときにランディにしつこく声を掛けられ、咄嗟に殴ってしまう。そして、背後から止めにきたティムの鼻も肘打ちしてしまう。
映画『親愛なるきみへ』のあらすじ【転】
ジョンはサヴァンナの家を訪ねるが留守だった。ティムに声を掛けられ、サヴァンナへの手紙を託すことにした。ジョンが父と食事を食べていると、サヴァンナが訪ねてきた。2人は謝罪をし合い、仲直りをした。そして、サヴァンナはジョンへの返事を渡した。手紙には、どんな些細なことでも日々のことを伝えて欲しいというサヴァンナの願いが書かれていた。
休暇後、ジョンはすぐに任務地へと派遣された。そこは、郵便制度が整っておらず、ネットも使えない場所だった。ジョンはサヴァンナへの手紙を航空便で送ることを決め、仲間に託した。派遣先などは機密事項でサヴァンナに知らせることはできなかったが、恋しい気持ちなど、感じたことを素直に手紙に書いた。
サヴァンナは夏休みを利用して、両親の農場を手伝っていた。そこに、ティム親子が遊びに訪れる。ティムの子供のアランは自閉症だったが、初めて乗馬を体験し、とても楽しそうにしていた。それを見たサヴァンナは、自閉症専用のサマーキャンプの開設を思い立つ。サヴァンナ達の手紙のやり取りは、33通にも及んでいた。ジョン達は月を見上げながら、お互いのことを思い遣った。
サヴァンナは夏休みが終わるため、ジョンの父に挨拶をしに行った。その時に、ジョンの父が一番気に入っているコインを見せてもらう。だが、ジョンの父はなぜ好きなのか理由を話そうとはしなかった。そのため、サヴァンナはジョンに手紙を書き、どんな逸話があるのか尋ねた。
ジョンの父の一番お気に入りのコインは、ジョンが子供の頃に釣り銭でたまたま手に入れたものだった。買い取り業者は20ドルの価値しかないと言ったが、不審に思ったジョンの父が別の買い取り業者に見せに行った。すると、4000ドルの価値があることが判明する。買い取り業者はそのコインを家宝にし、代々子供達に託していくことを勧めた。それからジョンと父はコイン収集を共通の趣味にした。だが、10代の頃ジョンに反抗期が訪れ、父とあまり話さなくなっていった。
映画『親愛なるきみへ』の結末・ラスト(ネタバレ)
アメリカで大きなテロ事件が起こる。ジョン達は任務を継続するか決める前に、2日間の休暇が与えられることになった。ジョンはサヴァンナに会いに行った。
ジョンはサヴァンナと共にホームパーティーに参加し、サヴァンナの両親に挨拶をした。そこで、任務を継続する意思があることを話した。サヴァンナはジョンが相談をしてくれなかったことにショックを受ける。だが、ジョン自身も任務とサヴァンナとの間で気持ちが揺れ動き、どうするべきなのか分からず悩んでいた。サヴァンナはジョンを抱きしめ、一緒に来て欲しいと頼み、一夜を共に過ごした。
ジョンはサヴァンナと離れることに不安を覚えるが、いつものように“すぐに会おうね”と言い合って別れた。だが結局、ジョンはサヴァンナの元に戻らずに、任務を継続することを決断する。サヴァンナに手紙を送り続けていたが、返信は来なかった。2か月後、サヴァンナから手紙が届くが、別の男性と婚約したことが書かれていた。ジョンはショックを受け、今まで残していたサヴァンナからの手紙を燃やした。
任務途中、ジョンは撃たれてしまい、ドイツの病院に搬送される。3か月後、ジョンは病院を退院すると、任務の継続を希望した。上官から保養休暇を取るように勧められるが、ジョンの意思は固く、キャリアを積むことを優先した。
2007年、カタールの特殊部隊基地。ジョンは父が脳卒中で倒れたと連絡を受け、アメリカへと戻った。父の意識はあったが、会話が難しい状態だった。ジョンは家に帰ると、父への手紙を書いた。次の日、父にその手紙を渡すが、手が動かず手紙を広げることができなかった。そのため、ジョンは父に読んで聞かせた。その手紙には、数年前に撃たれて倒れたときに、見学ツアーのことが思い浮かんだことを書いていた。そして、最後に思い浮かんだ人物を父に伝えようとするが、涙が出て最後まで読むことができなかった。父はジョンの頭を優しく撫でた。
ジョンは父の葬儀後、サヴァンナに会いに行った。サヴァンナの家に飾られている写真を見て、ティムと結婚したことを知る。ティムはステージ4の癌に侵されており、1人残されるアランのために、2人は結婚していた。その後、ジョンはティムを見舞いに行った。ティムはサヴァンナのことを愛しているが、サヴァンナが愛しているのはジョンだと告げた。
その日の夜、ジョンはなぜ手紙だけで終わらせたのだと、サヴァンナを非難してしまう。サヴァンナは涙ながらに、電話で声を聞けば決心が鈍るからだと叫んだ。そして、ジョンのいない生活に耐え、ティム親子を支えなければいけない状態だったことを話した。ジョンは初めてサヴァンナの苦悩を知り、抱きしめることしかできなかった。サヴァンナから“すぐに会おうね”と言って見送られるが、ジョンは同じ言葉を返すことができず、“さよなら”を告げて家を出た。
ジョンはエラーコインを1枚だけ残し、後のコインコレクションを全て売り払った。その後、ジョンの元にサヴァンナからの手紙が届く。その手紙には、匿名で寄付金が届いたこと、ティムが家に帰りアランとの時間を過ごしたこと、そして亡くなったことが書かれていた。そして、“すぐに会おうね”という言葉で締め括られていた。
サヴァンナがカフェにいると、自転車に乗ってジョンがやって来た。サヴァンナは店から出ると、ジョンと抱きしめ合った。
映画『親愛なるきみへ』の感想・評価・レビュー
当時、私の大好きなアマンダとチャニング主演の映画だと知り、焦る気持ちを抑えながら映画館に足を運んだことを思い出す。
サヴァンナとジョンの織りなす空気や言葉はとても美しく、二人を見ているだけで満足だった。ただ、二人には遠距離恋愛であることなど、現実がそう簡単には幸せにしてくれない。
途中、二人に悲しみが訪れた時もあったが、最後は遠回りしてもお互いを見つけられたことに涙が出てしまう。とても純愛で大人な恋愛映画であったように思う。(女性 20代)
軍人の青年と女子大生が織り成す純粋な恋模様に、胸が苦しくなる作品だった。会えない時間も手紙を使い二人の関係を育んでいる様子が素敵だった。アメリカで同時多発テロ事件が起きたとき、きっと彼らと同じように不安を感じたカップルは多いだろうなと思う。すれ違い始めたときの二人の表情がとても苦しそうで、楽しいだけではないリアルな恋愛が描かれていたのが良かった。明るく他人を思いやることができるサヴァンナの性格は、とても好感が持てた。素敵なヒロインだと思う。(女性 30代)
「すぐに会おうね」という言葉のせいで、2人がすれ違い、離れて行ってしまうのが分かりきっていてこういう恋愛ものを見る時に粗探しをしてしまう私にはあまり合わない作品でした。
チャニング・テイタムとアマンダ・セイフライドのカップルはものすごくお似合いで、純粋で見ていて優しい気持ちになれました。しかし、その優しさやお互いを思うが故の行動がすれ違いに繋がってしまうというのがなんとも切なかったです。
ジョンのお父さんがすごく良かったと思います。彼の存在のおかげで作品に厚みが出ていたし、ストーリーの展開に違和感がありませんでした。
多くの人が感動できる作品だと思います。(女性 30代)
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