映画『サイレン FORBIDDEN SIREN』の概要:2006年に公開されたホラー映画で、ベースはホラーゲームの「SIREN2」。堤幸彦監督、主演は市川由衣。島民全員が一晩にして忽然と姿を消した歴史が残る島に越してきた少女が体験する恐怖を描いた。
映画『サイレン FORBIDDEN SIREN』 作品情報
- 製作年:2006年
- 上映時間:87分
- ジャンル:ホラー
- 監督:堤幸彦
- キャスト:市川由衣、森本レオ、田中直樹、阿部寛 etc
映画『サイレン FORBIDDEN SIREN』 評価
- 点数:50点/100点
- オススメ度:★★★☆☆
- ストーリー:★★☆☆☆
- キャスト起用:★★★★☆
- 映像技術:★★★☆☆
- 演出:★★☆☆☆
- 設定:★★★☆☆
[miho21]
映画『サイレン FORBIDDEN SIREN』 あらすじ(ストーリー解説)
映画『サイレン FORBIDDEN SIREN』のあらすじを紹介します。
かつて、サイレンの音と共に島民全員が一夜にして姿を消した、という伝説が残る夜美島。
天本由貴はフリーライターの父と、病弱な弟の英夫の3人で、英夫の病気療養のために夜見島に引っ越してきた。
引越しの片付けの手伝いに来た隣人の里美から「サイレンが鳴ったら決して外へ出てはいけない」という忠告を受けた由貴は、独特の雰囲気のある島での生活に不安を感じるようになる。
はしゃぐ英夫を追いかける由貴は、謎の取材メモと赤い服を着た少女、そして儀式めいたことを行う住民たちを見てしまう。
その日の夜1度目のサイレンが鳴り、父は写真を撮りに森に入ったまま行方不明になる。
しばらくして戻っては来たものの、別人のようになってしまった父。
由貴が姿の見えなくなった飼い犬を探していると、父のカメラを偶然発見する。
カメラの内容と取材メモのことを英夫の主治医、南田に相談する。
インターネットを使い、島に伝わる人魚伝説と、島民全員消失の歴史を調べた由貴は驚きを隠せなかった。
英夫を探して外へ出るとサイレンが鳴り、謎の化け物に襲われる。
命からがら家に逃げ帰り、逃げ出す準備をしている途中で、隠してあった何十年も前に撮影された島民たちの姿を写した写真を発見する。
そして3度目のサイレンが鳴り、おかしくなった父や島民たちが襲い掛かってくる。
サイレンを止めるため、鉄塔に登り始める由貴と英夫。
だが、追いかけてきた南田医師から、英夫に関する真実を聞かされる。
そしてサイレンに関する本当の言い伝えが明らかになる。
映画『サイレン FORBIDDEN SIREN』 感想・評価・レビュー(ネタバレ)
映画『サイレン FORBIDDEN SIREN』について、感想・レビュー・解説・考察です。※ネタバレ含む
ツッコミどころ満載のホラー映画
人気ホラーゲームの実写映画、「トリック」などの名作を生み出してきた堤幸彦監督作品、という魅力的なキーワードはあるものの、いまいち締まりのないストーリー展開。
赤い服の少女は何者なのか、儀式めいた祭壇や犬がいなくなる理由は何なのか、それらが全く解明されないままエンディングを迎えるという、ツッコミどころしか存在しないようなストーリー。
弟の死から逃げるために精神的に病んでしまった主人公の由貴は、弟がまだ生きていると思うために幻覚を見ていたのだが、やがて自分を襲う島民たちがゾンビになった姿、サイレンの音という幻聴が聞こえるようになってしまった、というオチ。
主人公が病んでいたのが原因のエンディングは多くあるため、こちらも面白味が無い。
取材メモの最後のページ「4度目のサイレンが鳴ったら皆殺し」が明らかになり、ナイフを持って南田を殺害しようとする由貴の姿が鏡に写るのにも、怖さやどんでん返しのような驚きは全く存在しない。
並みの演技力のキャストと低いゾンビ力
人魚伝説の血肉によって不老不死になった島民たちがサイレンの音をきっかけに生者を襲いだす、という設定には納得がいくが、そのゾンビの外見は驚くほどクオリティが低い。
低予算映画でもないのに、顔色が悪くて目から血を流すだけで動きなどもオリジナリティが無く、ただ出来が悪いだけというありさま。
アイドル映画にありがちな、主演の市川由衣の演技力の低さは見受けられないが、飛びぬけた演技力があるわけでもない。
可愛らしさでカバーしているような感覚だ。
芸人のココリコ田中直樹の演技も、平凡としか言いようが無い。
最初のサイレンによる島民消失の生き残りで犯人の男を演じた、阿部寛の鬼気迫る演技は、心を病んでいる犯人とわかっても切迫したものが感じられる。
映画『サイレン FORBIDDEN SIREN』 まとめ
ロアノーク島の島民が全員失踪した事件、大西洋沖でのマリー・セレスト号の船員消失の謎、有名な事件に加えて「夜美島で起こった島民消失の謎」という出だしは惹かれるものがある。
しかし全体的な完成度は低く、ゲームをプレイした事が無くても、残念な出来だったとわかるほどだ。
全ては主人公の幻覚や幻聴だったという、主人公の病気オチはミステリーに多く見られるものだが、この作品では意外性が全く無いうえに完成度の低さに拍車をかけている。
襲い掛かってくるゾンビのような島民の姿も、アメリカの超低予算ゾンビ映画「コリン LOVE OF THE DEAD」のほうがゾンビらしいと言ってしまえるほど。
ただし、足の数が異様に多い虫(ゲジゲジと思われる)が登場するシーンは、虫嫌いの場合は強烈な場面になっている。
みんなの感想・レビュー
ラストで早送り(かけあし)でもいいから、主人公幻想目線ではない現実の島での出来事をもっとしっかり見せればいいと思う。ほんの一部分しか描写がなかった。
謎解きまでやってこそじゃないか。もったいない。
原作で赤い水ってのがあるんですね。だとしたら、主人公が見ていた屍人は現実?
主人公は幻想幻聴持ちなら、なんか話が繋がらないんだが・・・
原作を見ろ言われたらそれまでだが、原作はちゃんと完結してるの?
原作やってたので、試写会まで行ってしまいました。会場では堤監督達が懐中電灯で照らしながら舞台に登場する演出がありましたが、指示がうまく伝わっていないようでグダグダだった思い出があります。
期待してたんですが、内容は…。わざわざ行ったことを後悔しました(>_<)
一番の見所は阿部さんのシーンのみが流れる予告編だったと思います。
原作のファンとして言わせてもらうと、島民たちが変化したのはゾンビでは無く、屍人(シビト)という、あの映画には一切登場しない「赤い水」を体内に入れ、サイレンを聞く事でなってしまう不老不死の存在。もしもゲームのバイオハザード4を知っていたら、あれの村人が不老不死なった存在というのが一番わかりやすいかもしれない。(あの村人と違い、自我があるが)
故に、顔色が悪く、目から血を流しているだけで、動きなどにオリジナリティがなく、「ゾンビとして見たら」とてつも無くクオリティの低い、ただの出来の悪い存在となっている。
因みに、目から血が出ているのは、血管内に「赤い水」が流れ込み、それに押し流される感じで、血が外に流れ出ているから。
そのゾンビの部分を除けば、完全に同意見。あれは酷い作品だった。