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映画『しわ』あらすじネタバレ結末と感想。無料視聴できる動画配信は?

映画『しわ』の概要:認知症を患う老人たちが集まる介護施設。そこに入ったエミリオはかけがえのない友と出会う。互いがそれぞれの事情を抱えながらも、最期の時を過ごす日々。だが病は確実に彼らを蝕むのであった。

映画『しわ』 作品情報

しわ

  • 製作年:2011年
  • 上映時間:89分
  • ジャンル:ヒューマンドラマ
  • 監督:イグナシオ・フェレーラス
  • キャスト:タチョ・ゴンサレス、マベル・リベラ etc

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映画『しわ』 評価

  • 点数:90点/100点
  • オススメ度:★★★★★
  • ストーリー:★★★★☆
  • キャスト起用:★★★★☆
  • 映像技術:★★★★☆
  • 演出:★★★★★
  • 設定:★★★★☆

[miho21]

映画『しわ』 あらすじネタバレ(ストーリー解説)

映画『しわ』のあらすじを紹介します。※ネタバレ含む

映画『しわ』 あらすじ【起・承】

銀行の支店長としてとある夫婦への融資を断るエミリオ。

突如目の前に座っていた男は苛立ちながら立ち上がり、エミリオを父さんと呼び食事を摂るように言う。

場面は代わりベッドに横たわるエミリオ。彼は認知症を患い始めていたのであった。

とうとう自分たちの手では面倒を見ることは難しいからとエミリオは養護老人施設に預けられる。

施設で1番初めにあったのはオウムのように同じ言葉を繰り返すラモンであった。

部屋に案内され、エミリオは同室のミゲルと出会う。

施設を案内しようというミゲル。ところが彼は管理手数料と適当な理由をつけエミリオから10ユーロ求める。

施設案内中もミゲルは他の老人たちから適当に話をあわせお金を巻き上げるのであった。

夕食時、エミリオは調味料ばかり集めるアントニオや夫婦で入居したドローレストとモデストに出会う。

味気のない食事と共に薬が支給される。

娯楽も必要最低限のものしか備わっていない施設での生活を不安に感じながらエミリオは眠りにつく。

映画『しわ』 結末・ラスト(ネタバレ)

施設で過ごすうちにクリスマスがやってくる。当日の朝エミリオが目を覚ますと置いてあったはずの時計が消えている。

以前にも寝ている間に財布がなくなっていたこともあり、ミゲルが盗んだと疑うエミリオ。

ミゲルのクローゼットを漁るが出てきたのは大量のお金と薬だけであった。

次第にアルツハイマーの症状が現れ始めるエミリオ。実は身の回りのものが無くなるのはエミリオ自身が無意識に隠していたのだ。

そんな矢先ミゲルから自力で動くことのできない者が行く場所、2階部屋の存在を知らされる。

その話を聞き終え俯いたままエミリオは施設のプールへ向かう。慌ててとめに入るミゲルであったがエミリオはただ泳ぐだけであった。

水面に浮かぶ二人。ミゲルは二回に行くことはありえないとエミリオを励ます。

以来ミゲルは症状の進むエミリオを献身的に支える。

ある晩エミリオは施設を突如抜けだそうとする。仕方なく協力するエミリオ。

なぜかアントニオもやって来て、三人で車に乗って外に出るがその途中事故にあってしまう。

施設に戻される三人。ところがこの事故が原因でエミリオの病状は悪化してしまう。

2階で過ごすエミリオ。以前の面影はまったくない。だが彼は一人ではなかった。エミリオのそばにはミゲルがいた。

映画『しわ』 感想・評価・レビュー(ネタバレ)

映画『しわ』について、感想・レビュー・解説・考察です。※ネタバレ含む

社会問題でもある「認知症」

アニメではあるがこれほど現実的で重いテーマを扱った作品は少ないであろう。日本でも認知症、そして老老介護は大きな社会問題となっている。

私たちはどれほどこの病について知っているのだろうか。作品内では認知症を患う老人たちは、家族からまるでお払い箱のように施設に入れられてしまう。

主人公のエミリオもその例外ではない。クリスマスの日老人たちの元に年に1度、家族が訪問にやってくる。

彼らは思い思いの方法で家族に愛情を示すが必ずしもそれが届くとは限らないのだ。そしてエミリオは息子夫婦に気を遣い、施設の暮らしは快適だと嘘をつく。

施設は老人たちにとって監獄に等しい。たいした娯楽もなく食事を摂り寝るだけの場所なのだから。

これが大病を患ってしまった人間の最後であろうか。

献身

本作品のキーマンと言えるミゲル。彼はラストでエミリオのそばにいる事を選ぶ。これは以前の彼ならありえない事であった。

認知症の進む老人から金を巻き上げ、いざという時のために薬をストックしていた彼が、エミリオとのプールでの体験を経て変わっていくのだ。

以前の彼ならば自分を犠牲にしてまで献身的な介護を行うことを冷ややかに思っていたはずだ。

だがしかし彼はエミリオのために隔離部屋と呼ばれ疎まれている2階に自ら足を運ぶ。ここからどんなに記憶をなくしても大切な事は覚えているとミゲルがエミリオに話しかけ、微笑むエミリオで幕を閉じるラストの流れは必見である。

確かなつながりがそこにあるのだ。


自分の親が歳をとって、自分のことを自分でやるのが難しくなってしまった時、私はどんな決断をするのだろうか、どうするのが正しいのかを嫌でも考えてしまいました。
大切な親の面倒を見てあげたい気持ちはもちろんありますが、実際はそんなに上手くいかないのは分かっているんです。お互いに上手くいかないもやもやを感じるのなら施設に入れてあげるのが正解なのかな…なんて思ったり。
現実はどうなるかわかりませんが、自分の親のこと、大切な人との未来を考えておくことは大切だと思います。(女性 30代)

映画『しわ』 まとめ

手放しに素晴らしいと褒めることのできる作品である。人はどのようにして生きて行くのか、そしてどのように最期を迎えるのかを真剣に考えさせられる。

死ぬ時は誰しも孤独であるが、一方で人間は1人では生きていけないというジレンマを抱えているのだ。

とりわけこの物語ではミゲルの変化がそれを如実に語っている。利己的であった彼がエミリオとの出会いを通し変わり、そしてあのラストシーンへつながると思うと感慨深いものがある。

アニメだからと軽んじず様々な層の方に見ていただきたい一本である。

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