映画『呪怨 ザ・グラッジ3』の概要:人気ホラー映画「呪怨」の、ハリウッドリメイク版3作目。伽椰子の怨念が潜むアパートに住む姉妹が、伽椰子の妹と共に恐怖を味わう様子を描いた。ハリウッド版1、2作目を手掛けた清水崇は製作総指揮に回った。
映画『呪怨 ザ・グラッジ3』 作品情報
- 製作年:2009年
- 上映時間:90分
- ジャンル:ホラー
- 監督:トビー・ウィルキンス
- キャスト:ジョアンナ・ブラッディ、ギル・マッキニー、ジェイディ・ホブソン、ボー・マーショフ etc
映画『呪怨 ザ・グラッジ3』 評価
- 点数:60点/100点
- オススメ度:★★★☆☆
- ストーリー:★★★☆☆
- キャスト起用:★☆☆☆☆
- 映像技術:★☆☆☆☆
- 演出:★★★☆☆
- 設定:★☆☆☆☆
[miho21]
映画『呪怨 ザ・グラッジ3』 あらすじネタバレ(ストーリー解説)
映画『呪怨 ザ・グラッジ3』のあらすじを紹介します。※ネタバレ含む
映画『呪怨 ザ・グラッジ3』 あらすじ【起・承】
シカゴにあるアパートの一室で起こった一家惨殺事件。
その生存者である少年ジェイクが怪死した。
事件のあったアパートは出ていく人が増え、管理人のマックスは大家のブラスキーから解雇をほのめかされている。
そんなアパートに、東京から来たナオコという女性の入居が決まる。
彼女は、ボーイフレンドのアンディと一緒にニューヨークの大学に進学が決まった妹リサ、病気の幼い妹ローズと3人で暮らすマックスの隣人になることに。
やがて、事件後にアパートを出たブレンダたちが謎の死を遂げていく。
ある日、ジェイクの死に疑問を持つ医者サリヴァンがアパートへ調査にやってくる。
ジェイクが幽霊のような少年と女性におびえ続けていたこと、ローズも男の子がいると言い続けていることから、リサはサリヴァンに話を聞く。
そこから浮かび上がったのは、日本で起こった殺人事件の被害者、カヤコとトシオという親子の幽霊話だった。
自らもトシオの幽霊を目撃したリサは話を信じ、体調が悪くなる一方のローズを心配する。
その後、サリヴァンも怪死してしまう。
映画『呪怨 ザ・グラッジ3』 結末・ラスト(ネタバレ)
ニューヨーク行きの日が近づくリサは、ナオコから大切な話を聞かされる。
アパートを“呪怨”と呼ばれる不幸の場所にしている原因の、幽霊のカヤコは自分の死んだ姉で、死んだ人と話せる“イタコ”の母に悪霊を食べさせられた過去を持つというのだ。
そして、姉カヤコの呪いを断つため、リサとローズに協力してほしいと頼んできた。
ローズを心配して、申し出を断るリサ。
やがて、アパートの住人のひとり、グレチェンの変死体が発見される。
ブラスキーからクビを言い渡され、精神的に追い詰められたマックスは、カヤコとトシオを殺したカヤコの夫タケオの幽霊に取り憑かれてしまう。
ホテルに滞在中のナオコに助けを求めたリサ。
そしてナオコは、日本から持ってきた服と道具で儀式を始める。
だが、タケオの霊に取り憑かれたマックスによって儀式は中断され、ナオコは殺されてしまう。
逃げる途中で行方でアンディの遺体を見つけ、カヤコに襲われるリサを救うため、ローズがナオコの道具の中にあった液体を飲むとカヤコは消えた。
マックスは怨霊と化したナオコに殺されてしまい、ローズは発作を起こして救急車で運ばれることに。
リサとローズは無事を確かめ合い喜ぶが、ローズの中にはカヤコが潜んでいた。
映画『呪怨 ザ・グラッジ3』 感想・評価・レビュー(ネタバレ)
映画『呪怨 ザ・グラッジ3』について、感想・レビュー・解説・考察です。※ネタバレ含む
呪怨シリーズと切り離して見たほうが面白い
時間軸をバラバラにするという、呪怨特有の演出はされておらず、あくまでもアメリカのホラー映画の1作品として見たほうが面白い作品。
カヤコの妹ナオコが、前作「呪怨 パンデミック」で明らかになった幼少期のカヤコの秘密を語り、カヤコに対抗できる唯一の存在として登場するが、あまりにも簡単にマックスに殺害されてしまう。
しかし、新たな脅威として白塗りになって甦り、カヤコ同様に襲い掛かってくるのは意外性があって驚かされる。
お祓いで使おうとした液体を飲んだローズがカヤコになるというラストはイマイチで、完結編と言いつつ次回作を予想させるような終わり方は、ホラーでは使い古された手法のため斬新さは無い。
全体的にまとまりがなく、重要人物のナオコが序盤とクライマックスにしか出てこないので、イライラしてしまう部分もある。
日本人キャストを起用した珍しい作品
お祓いの時の衣装も、イタコのような巫女装束のような“らしさ”はあるのに、足袋ではなく靴下を履いているというツッコミどころがみられる。
日本人役に日本人を起用することはめったになく、日本文化なども“それっぽさ”があれば十分という、ハリウッド映画特有の雰囲気が漂っている。
ナオコ役には日本人キャスト、しかも加山雄三の娘で、NYを活動拠点としている池端えみを起用していて、見ていて安心できる。
白塗りで白いブリーフ姿がトレードマークのトシオが、黒いパンツを履いていたり、小学生には見えない成長っぷりはツッコミどころ。
カヤコが病院の廊下でサリヴァンを追い詰めるシーンは、次はどこから出てくるかとハラハラさせられて怖い。
また、アパートの廊下のビニールを破って出てくるシーンは、オリジナルビデオ版のオマージュのようで面白い。
ハリウッドリメイク版の3作目となる今作ですが、オリジナル版とは別物だと思ってみた方が面白いと思います。
伽椰子やとしおは出てきますが、『呪怨』にするために頑張って登場させているような感じで、繋がりもかなり無理矢理です。
外国映画特有のちょっと変な日本の描き方は今作にももちろん登場。としおらしくないビジュアルにちょっと笑ってしまいましたが、別物と考えれば楽しめるでしょう。個人的には同じことを何度も描くオリジナル版よりも好きでした。(女性 30代)
映画『呪怨 ザ・グラッジ3』 まとめ
呪怨シリーズの生みの親であり、ハリウッドリメイク版の「THE JUON/呪怨」「呪怨 パンデミック」とメガホンを取ってきた清水崇監督が製作総指揮に回り、トビー・ウィルキンスがメガホンを取った作品。
これまでの呪怨シリーズと違い、時間軸をずらしてオムニバス形式で描いた作品ではなく、ありきたりな1本のホラー映画に仕上がっている。
陰湿な雰囲気も描かれておらず、呪怨を見てきた日本人からすると納得できない部分は多いものの、ハリウッドのホラー映画のひとつとして見れば適度に面白い作品。
関連作品
前作 呪怨 パンデミック
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