1999年のアメリカ映画、アメリカに伝わる“ヘッドレス・ホースマン”の都市伝説を映画化した作品。監督は「チャーリーとチョコレート工場」のティム・バートン、主演は「シザーハンズ」のジョニー・デップ。
映画『スリーピー・ホロウ』 作品情報
- 製作年:1999年
- 上映時間:98分
- ジャンル:ホラー、サスペンス
- 監督:ティム・バートン
- キャスト:ジョニー・デップ、クリスティーナ・リッチ、ミランダ・リチャードソン、マイケル・ガンボン、キャスパー・バン・ディーン etc…
映画『スリーピー・ホロウ』 評価
- 点数:55点/100点
- オススメ度:★★★☆☆
- ストーリー:★★★☆☆
- キャスト起用:★★★☆☆
- 映像技術:★★★★☆
- 演出:★★★☆☆
- 設定:★★★☆☆
[miho21]
映画『スリーピー・ホロウ』 あらすじ(ストーリー解説)
映画『スリーピー・ホロウ』のあらすじを紹介します。
一台の馬車が薄暗い中を走っていると突然雷と共に黒いものが横切っていった。気味悪い雰囲気に怯える馬車の中の男は御者に声を掛けようと窓から顔を出す、すると御者の首がなくなっていた。パニックになった男は疾走する馬車から飛び降りて畑へと逃げ込む。しかし男は何者かに首をはねられてしまった。
イカボット・クレーン捜査官は市長に“19世紀を目の前にした今でも拷問で自白を強要するやり方はおかしい”と直訴するがそれを鬱陶しがった市長はイカボットに2つの道を示しどちらかを選べと迫った。1つは市長に敬意を払えるようになるまで独房で監禁される、もう1つは馬車で2日行ったハドソン川沿いの丘にスリーピーホロウというオランダ移民の辺境の村がありそこで2週間に3人が首を切断されて殺害された、現地へ行って君の持論で犯人を逮捕するか。
イカボットはスリーピーホロウに行き大地主のバルタス・ヴァン・タッセル邸に向かった。そこでヴァン・タッセルから4人の人物を紹介され話し合いが持たれ、事件の概要がイカボットから語られた。そして単刀直入に「容疑者のあては?」と尋ねるイカボットに一人がこう答えた、首なし騎士の仕業だと。そんな迷信を・・というイカボットに“首は見つかっていない、首なし騎士(ホースマン)が奪い去って地獄へ持っていった”と話す。
その夜また人が襲われた、ジョナサン・マスバスという人物だった。彼の葬儀後判事がこっそりと「ジョナサンは4人目ではない、5人目だ、5人が4つの墓に眠っている」と教えてくれる。判事は何かを知っている、そして今度は彼が狙われた。
一体何がこのスリーピーホロウで起こっているのか・・イカボットは真犯人を見つけこの連続殺人を止めることができるのか。
映画『スリーピー・ホロウ』 感想・評価・レビュー(ネタバレ)
映画『スリーピー・ホロウ』について、感想・レビュー・解説・考察です。※ネタバレ含む
首なし騎士の伝説とは?
日本にもトイレの花子さんなどに代表される都市伝説がありますが、アメリカにも都市伝説があってその中のひとつが“ヘッドレス・ホースマンの伝説”です。これはヨーロッパ(アイルランド)に伝わる首のない騎士(又は男)デュラハンが元になっているといわれています。この映画はその都市伝説を元に書かれたワシントン・アービング著「スリーピー・ホロウの伝説」がベースになっています。
映画の中でその伝説はこう描かれています。
“彼はアメリカ独立戦争の時にドイツの王子が送り込んできた傭兵で、仲間は金のために戦ったが彼は殺戮を楽しんでいました。1779年の冬、馬を撃たれた彼は森の中へ逃げ込みそこで2人の少女に出会います。静かにするようにとジェスチャーするのですが少女がわざと薪を折った音で追っ手の兵隊たちに見つかってしまいます。必死に抵抗する彼ですが結局自分の剣で首をはねられて死んでしまいます。それから西の森に彼の亡霊が出るようになり人々の首を切り落とすようになったため誰もその森に近づかなくなったのです。”
アメリカでヘッドレス・ホースマンの伝説は実在の街の名前をスリーピーホロウに変更させるほど人気があるようです。確かに日本でも漫画やゲームに登場するほどデュラハンは認知度が高いほどですから納得ですね。
最初から最後まで薄暗いシリアスな世界観ですが、描写が素晴らしいためか美しく感じてしまう不思議な作品です。一部残虐なシーンはありますがホラーと言うには全く怖くないので、ファンタジーとサスペンスと言う方が正しいです。
珍しく、主演のジョニー・デップが良いところがないポンコツの役ですが、儚い雰囲気がこの作品とよくマッチしています。ゴシック調の衣装や小物がとても凝っていてすぐにファンタジーの世界に入り込めるのはさすがティム・バートンの作品です。(女性 30代)
本作は、市警の捜査官イカボッドが首切り殺人事件の犯人を追うというアメリカに伝わる首無し騎士「ヘッドレス・ホースマン」の都市伝説を描いたティム・バートン監督によるゴシックホラーサスペンス作品。
村全体に漂う異様な不気味さ、ティム・バートン特有のダークな世界観に浸れた。
想像していたようなグロテスクさはないが、スパスパと首が斬られていくのが爽快だった。ジョニー・デップ演じる市警の頼りなくオドオドした感じも好きだった。(女性 20代)
ティム・バートンが作り出す独特の世界観と、ヘッドレス・ホースマンの不気味な都市伝説、そしてスリーピー・ホロウの怪しい雰囲気。全てが良い方に影響してきてショッキングなシーンでさえも美しく思えてしまいました。キャラクター的にはいまいち見せ場のないジョニー・デップですが彼のビジュアルそのものがこの作品の世界観にマッチしているのでポンコツでも魅力的に感じました。
アメリカの都市伝説なので日本人には少し物足りないストーリーに感じてしまうかもしれませんが、首無し騎士の話を知っているとより面白く見られるでしょう。(女性 30代)
あらすじの頭の方を読んで犯罪捜査モノかと思って観たら、ファンタジー・ホラーな一本。いつものようにティム・バートンとジョニー・デップの紡ぐ不思議な世界が広がる。次から次へと首が飛ぶ部分はホラー的ではあるものの、どこか可愛らしい世界観とどこか抜けている役どころのジョニー・デップのお茶目さにより、過剰なグロさはない。ただファンタジーとしては申し分ないラストではあるものの、そもそも村に捜査に行くハメになったきっかけの回収がされていないのが気になった。そちらの結末も知りたかったのになぁ。(男性 40代)
映画『スリーピー・ホロウ』 まとめ
首がばんばん切られるシーンは何度見ても慣れませんがそれ以外は「アカデミー美術賞」を受賞したほどの美しい映像美に目が釘付けになってしまいます。ショッキングなシーンが多いにも関わらずあまり嫌な気持ちにならないのはこのゴシック調の幻想的な雰囲気とヒロインを演じたクリスティーナ・リッチの美しさのおかげだと思います。
犯人の婦人が犯した行為は決して許されるものではありませんが同情すべきところも多々あります。父親が死んだあと母親が魔女扱いされて追い出されたのに後からその家に入ったヴァン・タッセル一家の妻子も同じように魔術?を使い、なおかつ幸せに暮らしているのですから。幼い頃傭兵が兵士たちに見つかるようにわざと薪を折った時に私は悪魔に魂を売ったと告白しているシーンでは泣きそうになりました。こんなに小さい時にそんな決意をさせるなんて・・・でも人を呪わば穴二つの通り最後は生きたまま地獄へ連れてかれてしまいます。とても複雑な心境になってしまうラストでした。
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