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映画『ストレイト・ストーリー』のネタバレあらすじ結末と感想

映画『ストレイト・ストーリー』の概要:アイオワに住む老人は、長年絶交している兄に会うため、ウィスコンティンまでの560kmの道程を時速8kmのトラクターで進む。ディビッド・リンチ監督による、実話を基にした円熟味溢れるロードムービー。

映画『ストレイト・ストーリー』の作品情報

ストレイト・ストーリー

製作年:1999年
上映時間:111分
ジャンル:ヒューマンドラマ、伝記
監督:デヴィッド・リンチ
キャスト:リチャード・ファーンズワース、シシー・スペイセク、ハリー・ディーン・スタントン、ジェームズ・カダー etc

映画『ストレイト・ストーリー』の登場人物(キャスト)

アルヴィン・ストレイト(リチャード・ファーンズワース)
アイオワのローレンスで暮らす76歳の老人。妻に先立たれ、娘と二人暮らし。足腰が弱り、杖無しでは歩けない。
ローズ・ストレイト(シシー・スペイセク)
アルヴィンの娘。軽度の障害があるが、心優しく純粋な女性。
ライル・ストレイト(ハリー・ディーン・スタントン)
ウィスコンティンのマウント・ザイオンに住むアルヴィンの兄。10年前の口論がきっかけで、現在はアルヴィンと疎遠になっている。
トム(エヴェレット・マッギル)
ローレンスのトラックディーラー。
ダニー・レオダン(ジェームズ・ケイド)
アルヴィンを手助けする温和な男性。農機メーカーに勤めていた。
ヴァーリン(ウィレイ・ハーカー)
ダニーの友人の老人。歳の近いアルヴィンと懇意になる。
神父(ジョン・ローダン)
ウィスコンティンの神父。

映画『ストレイト・ストーリー』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)

映画『ストレイト・ストーリー』のストーリー(あらすじ)を結末・ラストまでわかりやすく簡単に解説しています。この先、ネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『ストレイト・ストーリー』のあらすじ【起】

76歳の老人アルヴィンは、アイオワ州のローレンスで娘ローザと共に穏やかに暮らしている。アルヴィンは、足腰が弱って杖無しでは歩けない上に、長年の不摂生がたたって内臓に疾患を抱えている。娘思いのアルヴィンは、ローザに持病について何も話さないでいる。
ある日、アルヴィンは、兄ライルが病気で倒れたとの知らせを受ける。些細なことがきっかけで、アルヴィンとライルは10年以上音信不通になっている。自分の余生が短いことを承知しているアルヴィンは、ライルに会いに行くことを決意する。

アルヴィンは、農作業用の小型トラクターで、ローレンスからライルの住むウィスコンティンのマウント・ザイオンまで行くことを決める。ローレンスからウィスコンティまでは約560kmもあり、トラクターの時速は8kmである。ローザの心配をよそに、アルヴィンは農作業用の古いトラクターを整備し、食料やガソリンをトレーラーに詰め込んでトラクターに繋ぐ。

出発前夜、アルヴィンとローザは夜空を眺めて語り合う。家族の重要さを知っているローザは、アルヴィンの旅に賛成する。

翌朝、街の住人達が好奇の目を向ける中、アルヴィンは意気揚々と出発する。一番近い街グロットの手前でトラクターが故障し、アルヴィンは立ち往生する。アルヴィンは、グロットの住人のトラックに乗せられ、壊れたトラクターと共に帰宅する。

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映画『ストレイト・ストーリー』のあらすじ【承】

アルヴィンは、壊れたトラクターを銃で撃って燃やす。アルヴィンは、トラックディーラーのトムに相談し、中古のトラクターを格安で譲り受ける。アルヴィンは新しいトラクターにトレーラーを繋ぎ、再び出発する。

アルヴィンは、昼はトラクターで移動し、夜は畑に入ってトレーラーで休む。ある日、アルヴィンは、家出中のヒッチハイカーの少女と出会う。焚き火を囲みながら少女の身の上話を聞いたアルヴィンは、何も咎めず、家族は一緒にいることが大事だと語る。翌朝、アルヴィンが起きる前に、少女は実家に向かって出発する。

アルヴィンは自転車レースの一団に遭遇し、選手達のキャンプ場に迎え入れられる。レースに出場している若者達は、アルヴィンの含蓄ある言葉に耳を傾ける。

ある街の手前で、アルヴィンは一人の女性が飛び出してきた鹿と追突する場面を目撃する。女性は、この道で不本意にも何度も鹿を撥ねており、自分の不幸を嘆いて車で走り去っていく。その夜、撥ねられた鹿の肉を焼くアルヴィンの周りに、鹿の群れが集まってくる。

映画『ストレイト・ストーリー』のあらすじ【転】

ある町に差し掛かる急勾配の坂で、アルヴィンのトラクターはブレーキが効かなくなる。トラクターはスピードを出して坂を下り、ようやく停車する。

町の住人ダニーや友人ヴァーリン達が、アルヴィンに駆け寄ってくる。トラクターの修理には時間がかかるため、アルヴィンはしばらくダニーの自宅の庭に野営する。

アルウィンはローザに電話をかけ、修理費のために、年金用の小切手を送るよう伝える。アルヴィンを心配するダニーは、マウント・ザイオンまで車で送ると申し出るが、自力で兄の家まで行くと決めているアルヴィンは、丁寧に辞退する。

ヴァーリンはアルヴィンをバーに誘い、二人は戦時中の思い出を語り合う。第二次世界大戦中に狙撃手だったアルヴィンは、誤って仲間を撃ってしまった秘密の過去を打ち明ける。
アルヴィンは、整備工のオルセン兄弟を言葉巧みに丸め込み、トラクター修理にかかる費用を値切る。喧嘩ばかりしているオルセン兄弟に、アルヴィンは兄弟の大切さを語る。

出発前夜、アルヴィンはダニーの親切に心から感謝する。ダニーもアルヴィンとの出会いを喜んでおり、二人は堅く握手する。翌朝、アルヴィンは夜が明けると同時に出発する。

映画『ストレイト・ストーリー』の結末・ラスト(ネタバレ)

ウィスコンシン州へ入ったアルヴィンは、酪農地帯を抜け、ミシシッピー川を渡る。

アルヴィンは、マウント・ザイオンに近い教会墓地の一角に野営する。アルヴィンは、夕食を差し入れた神父と焚き火を囲んで語り合う。ライルは神父の教区に住んでおり、ライルが倒れて病院に搬送されたとき、神父は偶然居合わせていた。

アルヴィンは、ライルとの幼少期の思い出を神父に語る。仲の良かったアルヴィンとライルは、10年前に些細なことから口論になりお互いに酷く傷つけあって以降、疎遠になっている。アルヴィンは、ライルに会いたいと切実な想いを口にする。

アルヴィンは町のパブに立ち寄り、10年振りにビールを飲む。アルヴィンはパブの主人からライルの家の場所を聞く。

マウント・ザイルの森の中で、突如、トラクターのエンジンが止まる。美しい紅葉の中で、アルヴィンはしばし足止めされる。一台の大型トラクターが通りかかり、再び動き出したアルヴィンのトラクターをライルの家まで案内する。

アルヴィンはライルの家の前でトラクターを停め、ライルに向かって呼びかける。歩行器で体を支えながら、ライルが家から出てくる。

アルヴィンとライルは、ポーチの椅子に腰掛ける。アルヴィンが古いトラクターで遠路はるばるやって来たことを知り、ライルは感極まる。

二人は、子供の頃と同じように一緒に空を見上げる。

映画『ストレイト・ストーリー』の感想・評価・レビュー

家族の大切さをシンプルに訴えかけるロードムービーでした。
長い旅の先々で出会う人々の人間模様、そんな彼らに真っ直ぐな言葉で伝えます。アルヴィンと偶然にも出会えた人たちは幸運だと思います。観ていて、聞いているだけでも心に響くものがありました。アルヴィンの頑固オヤジキャラもクスッと笑える良いスパイスです。なにがなんでもトラクターで自力で行く、その芯の強さは素晴らしいです。(女性 20代)


本作は、確執のある兄に会うため芝刈り機で500キロの旅に出るおじいちゃんの実話を基にしたデイビッド・リンチ監督によるヒューマンロードムービー作品。
兄との再会が近づくにつれて、おじいちゃんの思い出やこれまで歩んできた半生が垣間見えてきて、人生の重さや意味深いものを感じた。
また、アメリカの壮大な自然や、ノスタルジックのサウンドが心に沁みた。
そして、最後に再会を果たした2人が満点の星空を静かに眺める様子が素晴らしかった。(女性 20代)


実話を元に制作された作品ということに驚かされる。自分だったらきっとトラクターが故障して自宅に帰った時点で、挫折してしまっていると思う。トラクターは速く走るわけではないため、何度ももどかしい思いをしたのではないかと思う。それでも自分の覚悟を全うし、兄に会いに行ったアルヴィンには頭が下がる思いがした。喧嘩別れしてしまった後悔と、兄に対しての深い愛情が伝わってくる作品だった。
アルヴィンが道中で様々な人に会うのだが、彼らとの会話も興味深くておもしろかった。(女性 30代)


家族の大切さを教えてくれる素敵なロードムービーでした。長年疎遠になっている兄に会いに行く主人公のアルヴィン。頑固オヤジでひねくれ者っぽい一面もありますが、彼に起きた出会いや人との触れ合いによってこの作品は成り立っていました。
アルヴィンだから色々な人に出会えたし、アルヴィンだから兄と仲直りが出来たのだと思います。
2人で星空を眺めるラストシーンがものすごく素敵で、見終わってすぐにもう一度見たい!と思ってしまうような優しい気持ちになれる作品でした。(女性 30代)

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