この記事では、映画『水曜日のエミリア』のあらすじをネタバレありの起承転結で解説しています。また、累計10,000本以上の映画を見てきた映画愛好家が、映画『水曜日のエミリア』を見た人におすすめの映画5選も紹介しています。
映画『水曜日のエミリア』 作品情報
- 製作年:2009年
- 上映時間:102分
- ジャンル:ヒューマンドラマ
- 監督:ドン・ルース
- キャスト:ナタリー・ポートマン、スコット・コーエン、チャーリー・ターハン、ローレン・アンブローズ etc
映画『水曜日のエミリア』 評価
- 点数:70点/100点
- オススメ度:★★★☆☆
- ストーリー:★★★☆☆
- キャスト起用:★★★★☆
- 映像技術:★★★☆☆
- 演出:★★★★☆
- 設定:★★★★☆
[miho21]
映画『水曜日のエミリア』 あらすじネタバレ(起承転結)
映画『水曜日のエミリア』のあらすじを紹介します。※ネタバレ含む
映画『水曜日のエミリア』 あらすじ【起・承】
エミリアにとって、毎週水曜は憂鬱である。その日だけは、夫と前妻との間の息子ウィリアムの世話をしなければならないからだ。
ウィリアムは前妻で小児科医のキャロリンと暮らしているが、水曜日は父親の家に泊まりに来る。彼を小学校に迎えに行くのがエミリアの役目だった。しかしウィリアムは全くエミリアと打ち解けず、母親であるキャロリンの口出しも煩わしかった。
エミリアはエリート新人弁護士で、上司であるジャックを好きになった。ジャックの方でもエミリアを気に入り、やがて肉体関係を持つようになる。ジャックには妻子がいたが、エミリアの妊娠をきっかけに離婚し、エミリアと再婚。二人の間にはイザベルという女の子が産まれるが、生後間もなく亡くなってしまったのだった。
エミリアはイザベルの死を引きずったままで、「ベビー用品はいらないから売ったらいい」などと無神経なことを口にするウィリアムに苛立っていた。
妊娠したからジャックと結婚できたのに、娘を失ってしまいどうしていいかわからない。ジャックとも会話が減っていった。

映画『水曜日のエミリア』 結末・ラスト(ネタバレ)
エミリアにはまだ家族にまつわる悩みがあった。彼女の父は度重なる浮気で母と離婚していたのだが、そんな父を母が許していることがエミリアには気に入らなかった。
いろんなことが上手くいかず、とうとうジャックにイザベルの死は自分のせいだとぶちまける。イザベルは乳児突然死症候群で亡くなったのだが、エミリアには自分の不注意で死なせたという思いがずっとぬぐえなかった。イザベルを胸に抱いたままうたた寝してしまったことで窒息死させたのではないかと思っていたのだ。
二人はついに別居する。
そんな時、エミリアはキャロリンに呼び出される。ジャックに相談されたキャロリンは、イザベルの死について専門医として調べてくれたのだ。結果、イザベルは窒息死したのではないとわかる。それを聞いてエミリアはやっと罪の意識から解放される。
エミリアは結局ジャックと離婚した。
キャロリンは新しい恋人との間に子供ができ、再婚することになったらしい。不安がるウィリアムをエミリアは励まし、二人はここにきてやっと心を通わせるのだった。
映画『水曜日のエミリア』 感想・評価・レビュー(ネタバレ)
映画『水曜日のエミリア』について、感想・レビュー・解説・考察です。※ネタバレ含む
自己中心的なエミリア
エミリアは、妻子がある男性と知った上でジャックと関係を持ち、略奪している。若く綺麗で、ハーバード卒のエリート。おそらく今まで敗北を味わったことはないのだろう。自身に負けず劣らず美人で優秀な医者であるキャロリンに対して全く引くことなく好戦的だった。そんなエミリアが娘を失い、元妻やウィリアムによってプライドをずたずたにされ(?)意気消沈するのが始まりだ。
そこからどう立ち直っていくかがストーリーの中心なのだが、主人公なのに同情できるところがほとんどない。エミリアには自分の不幸しか見えておらず、周りの事などお構いなしなのだ。
エミリアの父は彼女と同じ弁護士で、愛人を何十人も持って母と離婚した最低な男。父に対する憎しみは大きいのだが、同族嫌悪といっていい。自分も不倫し、あんなに嫌った父と同じ弁護士で妻子をないがしろにする男を好きになったのだから。
その辺の事に気付いているのかいないのか。この嫌な女がどう変わっていくかが主軸で、彼女を変える人物がこれまた他人の痛みが分からないウィリアムなのだ。他人の心の機微が分からない者同士反発していたが、次第に家族として思いやるようになり、ウィリアムは成長する。母の再婚にショックを受けるウィリアムを見て、エミリアはやっと他人の気持ちに寄り添うことを覚えたのではないだろうか。
主人公と同じく略奪愛で結婚したナタリー・ポートマン
主演のナタリー・ポートマンは、結婚して子供を産んでいる。結婚は『ブラック・スワン』がきっかけなのだが、略奪の末の結婚だったらしい。そこがエミリアに似ているし、ハーバード卒のエリートというのも重なる。何かと似ていることが多いこの役を、どう感じて演じたのだろうか、気になる。
主人公エミリアが既婚男性と恋をし、愛に発展し、子どもを授かり家族になるもその子はすぐに天使となってしまいます。前妻との間の子どもを育てながら、成長しお互いに適切な距離感を見つけて家族になっていく物語です。
自分の子どもを失った悲しみ、終盤で明かされる罪の意識を抱えたままの生活。自分なりの愛し方が受け入れられない苦しみや、過去の家庭環境を許せない自分。人は様々な経験を積み重ねて成長していくことを教えてくれる作品です。エミリアを演じたのはナタリー・ポートマンで、等身大の女性の役がとても素敵でした。(女性 40代)
ナタリー・ポートマン演じるエミリア。頭が良くて容姿も最高に可愛いのにとにかく残念ポイントが多くて共感できません。彼女に起こる災難も、この性格じゃ仕方ない、こんな行動をしていたら当たり前だと感じてしまうようなことばかりで勿体ないなと思ってしまいました。
しかし、ストーリーが進むにつれて彼女が抱える悩みや苦しみが少しずつ理解出来てきて、いつの間にか応援していました。
頑張ることは大事だけど、頑張りすぎずに少しずつでいいんだよと声をかけてあげたくなりました。(女性 30代)
不倫、再婚、死別、継子関係と、複雑な人生の断片が絡み合う中で、エミリアという女性の孤独と再生が丁寧に描かれていました。特に、実子イザベルを失った悲しみと、義理の息子ウィリアムとの不器用な関係性が胸に刺さります。最初は自分勝手に見えるエミリアが、ラストには深く共感できる人物へと変わっていく過程がとても自然で、ナタリー・ポートマンの演技が素晴らしかったです。(30代 女性)
ナタリー・ポートマンの演技に惹かれて観ましたが、ただの恋愛映画ではなく「家族」というテーマを深く掘り下げた作品でした。エミリアが心を閉ざしながらも義理の息子と心を通わせていく姿には静かな感動があります。イザベルの死が実は自分の過失ではなかったと知るラストは涙が止まりませんでした。感情のリアリズムに溢れていて、静かだけど濃厚な人間ドラマでした。(40代 男性)
恋愛、母性、喪失という女性の生き方に関わるテーマを詰め込んだ作品で、正直最初は重く感じました。でも、徐々にエミリアの内面が描かれていくにつれ、彼女の不器用さや痛みに寄り添えるようになっていきました。自分を責めて苦しみ続けた末に、事実と向き合うことで救われていくプロセスは、静かだけど深く感動的。ナタリーの表情がすべてを物語っていました。(20代 女性)
父親の立場として観ると、非常に複雑でリアルな作品でした。前妻との関係、子どもの気持ち、新しいパートナーの苦悩…どれも痛いほど共感できました。エミリアが自分の気持ちばかりで周囲を見れていない姿にはイライラもしたけど、最終的に心を開いていく姿に救われました。子どもを失うという絶望が、ようやく解き放たれるラストシーンには思わず涙しました。(50代 男性)
母としての未熟さや人間関係の葛藤がリアルに描かれていて、何度も自分に置き換えてしまいました。義理の母としてどう接すればいいのか、息子にとっての「居場所」ってなんだろうと、考えさせられることばかりでした。エミリアがウィリアムとの距離を少しずつ縮めていく姿にホッとし、最終的に抱えていた罪悪感から解放されていくラストは本当に温かかったです。(40代 女性)
正直、不倫から始まった関係という点でエミリアに対して共感しにくい部分もありましたが、それでも彼女の心の痛みや迷いがリアルに伝わってきて、観終わる頃には応援したくなる存在になっていました。ウィリアムとの関係を通して彼女が成長していく姿がとても自然で、あの無垢な少年の存在が、彼女にとっての救いになっていく展開には胸が熱くなりました。(20代 男性)
物語は静かに進むのに、心の奥をぐっと掴まれる映画でした。子どもを亡くすということが、これほどまでに人を変えてしまうのかと衝撃を受けました。エミリアの怒りや哀しみが剥き出しになる場面では息が詰まりそうになったし、それでも前に進もうとする彼女の姿には力をもらいました。ナタリー・ポートマンの演技が繊細で、本当に素晴らしかったです。(30代 男性)
女性同士の感情のぶつかり合い、特に前妻との関係の描き方が非常にリアルで見応えがありました。エミリアは一見わがままで自分勝手に見えるけれど、彼女なりに精一杯愛そうとしている姿には共感しました。イザベルの死の真相を知った時の表情や、そこから前を向く決意が見えるラストがとても良かった。優しいだけじゃない、現実的なヒューマンドラマです。(50代 女性)
映画『水曜日のエミリア』を見た人におすすめの映画5選
ブルーバレンタイン
この映画を一言で表すと?
愛の始まりと終わりを痛烈に描いた、現実的で切ないラブストーリー。
どんな話?
かつて深く愛し合った夫婦が、結婚生活の崩壊を迎える過程と、出会った頃の甘く輝いた時間とを交錯させながら描く。現在と過去が交互に描かれ、2人の関係性の変化と愛の儚さが浮き彫りになる。
ここがおすすめ!
ライアン・ゴズリングとミシェル・ウィリアムズの圧巻の演技は、観る者の心をえぐります。甘いだけの恋愛映画とは違い、愛することの難しさ、現実と理想のギャップを真正面から描いており、『水曜日のエミリア』で心を揺さぶられた人には響くはずです。
マイ・サンシャイン
この映画を一言で表すと?
喪失と向き合いながらも、愛を取り戻す希望の物語。
どんな話?
愛する娘を事故で失った女性が、その悲しみと向き合いながら、夫や義理の娘との新しい関係性を築いていく姿を描いたヒューマンドラマ。静かだが心の奥深くに響く作品。
ここがおすすめ!
“母”という存在の葛藤と、血のつながらない家族との関係構築が非常に丁寧に描かれています。静かな演出とリアリティある感情描写は、『水曜日のエミリア』に通じる部分が多く、心に沁みる一作です。
レボリューショナリー・ロード/燃え尽きるまで
この映画を一言で表すと?
理想と現実のはざまで壊れていく夫婦の物語。
どんな話?
郊外に暮らす理想的な夫婦が、平凡な生活の裏で抱える夢の喪失とすれ違いにより、次第に精神的に崩壊していく様子を描いた心理ドラマ。
ここがおすすめ!
ケイト・ウィンスレットとレオナルド・ディカプリオが再共演し、激しくも繊細な演技を披露。誰もが理想を描いて結婚するが、現実とのギャップがもたらす心理的衝突に共感すること間違いなし。エミリアの葛藤とも重なります。
クレイマー、クレイマー
この映画を一言で表すと?
親子の愛と別れ、そして成長を描いた珠玉のヒューマンドラマ。
どんな話?
突然妻に去られた父親が、幼い息子と向き合いながら成長していく姿を描く。やがて妻が親権を求めて戻ってきたことで、法廷での争いに発展していく。
ここがおすすめ!
父と子の絆、そして夫婦関係の再構築を通して、家族とは何かを深く問いかける作品。登場人物の成長と心の変化が非常に丁寧に描かれており、『水曜日のエミリア』と同じく“家族の形”に揺れる人の心を打ちます。
イン・ザ・ベッドルーム
この映画を一言で表すと?
息子を失った夫婦の静かな怒りと悲しみが胸を締め付ける。
どんな話?
息子を理不尽に殺された夫婦が、犯人に適切な罰が下されないまま日々を過ごす中で、復讐と赦しの狭間で揺れ動いていく重厚な心理劇。
ここがおすすめ!
感情を爆発させず、あくまでも静かなトーンで展開されるからこそ、登場人物の怒りや悲しみがより強く伝わります。ナタリー・ポートマン演じるエミリアの内なる苦悩に共鳴した人には、確実に刺さる作品です。
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