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映画『大奥(2006)』あらすじネタバレ結末と感想

映画『大奥(2006)』の概要:『大奥(2006)』は、大奥誕生以来史上最強のスキャンダルと言われている「絵島生島事件」を元にしたストーリー。大奥の女の戦いと、愛情を描く。フジテレビドラマ「大奥」の完結編。

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映画『大奥』 作品情報

大奥

  • 製作年:2006年
  • 上映時間:126分
  • ジャンル:歴史、時代劇、ラブストーリー
  • 監督:林徹
  • キャスト:仲間由紀恵、西島秀俊、井川遥、及川光博 etc

映画『大奥』 評価

  • 点数:80点/100点
  • オススメ度:★★★★☆
  • ストーリー:★★★☆☆
  • キャスト起用:★★★★★
  • 映像技術:★★★★★
  • 演出:★★★★☆
  • 設定:★★★★☆

映画『大奥』 あらすじネタバレ(ストーリー解説)

映画『大奥(2006)』のあらすじを紹介します。※ネタバレ含む

映画『大奥』 あらすじ【起・承】

徳川幕府七代将軍・家継の時代。
江戸城大奥では、女たちの戦いが繰り広げられていた。今大奥で最も権力を持つのは、幼い将軍家継の生母である月光院。それに対立するのが、先代将軍・家宣の正室である天英院。この二人をトップに、女たちは対立していた。
政治の表舞台でも、幼い将軍を支える立場である間部越前守と他の老中間で対立しており、表と奥とはそれぞれを巻き込みながら対立を深めていた。

大奥総取締・絵島は、月光院の側室時代から仕えてきた。月光院との信頼関係から、不安定な立場の月光院を守るべく奮闘していた。
月光院は、間部越前守と情を通じていた。天英院はこれを知り、対立する月光院と越前守を失脚させるために老中らと協力して考えを巡らせ、まずは月光院の側近である絵島を陥れる計画を進めるのだった。

大奥の女が将軍以外の男性と通じるのは御法度。天英院は、人気歌舞伎役者の生島を絵島に近づけ、スキャンダルを起こそうとする。

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映画『大奥』 結末・ラスト(ネタバレ)

天英院の策略通り、絵島と生島は接近する。絵島は月光院のためだけに生き、一生彼女を支え大奥で生涯を送る覚悟を決めていた。しかし、生島と接するうちに彼に惹かれていく。同様に、生島も絵島に惹かれ始めていた。

一方、天英院らの策略に気付き始めていた越前守は、月光院から遠ざかる。一心に越前守を想う月光院は会えない辛さからふさぎ込み、倒れてしまう。
生島と出会い、恋心を初めて知った絵島は、月光院の辛い恋心を理解する。

絵島が芝居を見ている最中、芝居小屋が火事になってしまう。生島に助け出された絵島は、火事の混乱に紛れて生島と一夜を過ごし、天英院の策略に気付きながらも想いをとげる。
絵島は密通の疑いをかけられた。天英院は、月光院と越前守の関係を告白すれば罪に問わないと持ち掛けるが、絵島は口を割ろうとはしなかった。
月光院は絵島を救うため越前守に助けを求めるが、何よりも地位を優先する越前守は拒否する。

絵島は死罪となり、同じく罪に問われ拷問を受けていた生島も死罪となる。
しかし、絵島を慕う幼い将軍・家継の一言で、絵島は減刑されることとなった。絵島は流罪となった。
生島の死刑に立ち会った後、絵島は信州へと旅立っていった。

映画『大奥』 感想・評価・レビュー(ネタバレ)

映画『大奥(2006)』について、感想・レビュー・解説・考察です。※ネタバレ含む

大奥で実際に起こったスキャンダル

「絵島生島事件」は、七代将軍家継の時代に実際に起こった事件である。当時将軍生母として大奥内で優位に立っていた月光院に仕える御年寄・絵島(江島とも)が、月光院の名代で寺に参詣した帰りに観劇し、その後生島を伴った宴会に興じたため大奥の門限に遅れ、この出来事が広まってしまったというもの。
月光院と天英院の対立から、この出来事は天英院側の陰謀であるとし、実際は密通などなかったが、絵島が策略に嵌められてしまったという説がある。
映画の中では密通があったと描かれているが、真相はわからない。
ドラマ版の頃から「大奥」は愛憎を描く作品。ゆえに「愛」をテーマとしてこのような展開になったということだろう。

この事件は、絵島・生島の当事者二名だけでなく、風紀粛清のために関係者千人以上が処罰された大きな事件。そんな大スキャンダルがこうして「大奥」の映画になったということで、「大奥」らしい脚色もあるものの、興味深い作品であると思う。

豪華な衣装が見どころ

撮影に使われたセット・衣装は豪華絢爛で、かなりお金をかけているらしい。役者も有名どころをそろえていて豪華。同じ大奥を描くといっても、大河ドラマ『篤姫』はコストを抑えた作品と言われていて、対照的である。
家継の時代は、江戸中期。政治も経済も安定した時代で、江戸が一番盛り上がっていた頃である。次の将軍である吉宗は贅沢を嫌い、倹約しまくり財政再建を図った。大奥でも大勢がリストラにあった。だから、この映画の時代は大奥がのさばり贅沢を極めた最後の時代といえる。そういう意味で、セットや衣装が豪華なのも納得できる。


いくら、歴史上の有名な出来事で史実に基づいていると言っても当の本人たちの心の内までは記されていないはずです。それをここまで魅力的に、リアルに描けるのは本当に凄いなと感じました。
実際にこんな恋慕があったかのようなストーリー。策略に嵌められてしまった絵島は可哀想でしたが、生島の行動は本当に彼女を愛していたのだなと感じられるものでした。
女のドロドロした世界というイメージが強い『大奥』ですが、女性目線で見ると、比較的ありがちな潰し合いかもしれません。(女性 30代)


着物や小物に徹底的にこだわっています。絵島が着ていた金魚柄の着物に一目惚れしてしまい、胸がときめきました。嫉妬や足の引っ張り合い等、女性陣が放つ陰湿さに少々気疲れしましたが。意地悪さや悪巧みを言葉ではなく表情のみでしっかり示していて、過不足無く伝わりました。今作のテーマとなる江島生島事件について、さらに詳しく調べようと思います。樹木や空、雲などの風景から、夏、秋の移ろいを巧みに表現していて、大変癒されました。(女性 30代)

映画『大奥』 まとめ

ドラマ版の続編という位置づけの映画なので、女の愛憎渦巻くドロドロ展開というのは予想していた。歴史の記録としての「絵島生島事件」は単なる出来事。そこにあった人々の心情は歴史からは読み取れない。だから絵島に恋心があったのかなかったのか、真相はわからないが、映画の中ではうまく機能していると思った。月光院と越前守の関係も同じで、この二組の愛を組み合わせることで、絵島と月光院の信頼関係がより際立ったと思う。

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