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映画『スカブロ』のあらすじ・感想・評判・口コミ(ネタバレなし)

東京に出ていた海野龍助は、地元の横須賀市に戻ったのだが、ひょんなことから弟の虎太が続けていた「便利屋」の仕事を手伝うことになる。すると、ナオミという名の女性が、亡き父の友人を探して欲しいと依頼を持って現れる。

映画『スカブロ』の作品情報

スカブロ

タイトル
スカブロ
原題
なし
製作年
2017年
日本公開日
2018年7月21日(土)
上映時間
101分
ジャンル
ヒューマンドラマ
監督
矢城潤一
脚本
矢城潤一
製作
今井聖
製作総指揮
不明
キャスト
窪塚俊介
RUEED
AISHA
福永マリカ
武史
原田佳奈
武藤寛
ボブ鈴木
製作国
日本
配給
トンネルフィルムズ

映画『スカブロ』の作品概要

映画の舞台が神奈川県横須賀市で、横須賀市出身の俳優が多数登場する、横須賀への愛が溢れた作品になっている。主人公の海野龍助を演じた窪塚俊介と、弟の虎太を演じたRUEEDは実の兄弟である。そんな本当の兄弟が、離れ離れに暮らして疎遠になってしまった兄弟を演じる。そして、依頼人からの調査依頼を行う過程で、距離が縮まっていく様子が描かれている。ヤクザやチンピラなど個性の濃いキャラクター達が多数登場しており、一風変わったヒューマンドラマになっている。

映画『スカブロ』の予告動画

映画『スカブロ』の登場人物(キャスト)

海野龍助(窪塚俊介)
32歳。東京に出て俳優になろうと頑張っていたが、上手くいかず地元の横須賀へと戻る。
海野虎太(RUEED)
28歳。龍助の弟。地元の横須賀に残り、ストリートミュージシャンとして活動している。その一方で、兄と共に始めた「便利屋」の仕事も続けていた。
ナオミ(AISHA)
大学生。「便利屋」に依頼を頼む女性。父は横須賀米軍基地の軍人。母はジャズシンガーだった。母は既に他界していると聞かされていた。

映画『スカブロ』のあらすじ(ネタバレなし)

海野龍助は東京に出て俳優になろうと頑張っていたが、中々実を結ばず苦労をしていた。弟の虎太は地元の横須賀に残り、ストリートミュージシャン活動を行いつつも、兄と共に始めた「便利屋」の仕事を細々と続けていた。そんな弟の元に、兄が久しぶりに帰ってくる。

ナオミというハーフの女性が、龍助兄弟の前に依頼を持って現れる。亡くなった父の友人であるマックスを探して欲しいと言うのだ。彼女はマックスに父からの手紙を届けるため、わざわざロサンゼルスから探しに来ていた。龍助兄弟はナオミの依頼を引き受け、マックスの捜索を開始した。

龍助兄弟とナオミは無事にマックスを見つけることができたが、マックスからナオミに関することで思わぬ事実を告げられる。それは、ナオミの母親が日本にいる可能性があるというものだった。ナオミは母が死んだと聞かされていたため、マックスの話に衝撃を受ける。そして、母に会いたいと気持ちを募らせていく。龍助兄弟とナオミは、次にナオミの母の行方を追うことになった。

映画『スカブロ』の感想・評価

神奈川県横須賀市の俳優達が多数登場する

映画の舞台になっているのは、神奈川県横須賀市。横須賀市出身の俳優がキャストの大半を占めており、監督の矢城潤一自身も横須賀市出身である。そんな横須賀を愛する者達で作られた映画が、この『スカブロ』である。『スカブロ』のスカは横須賀の略で、ブロは兄弟や仲間を表している。まさに、龍助兄弟やそれを取り巻く仲間達のことを表している。

今作品には、横須賀市出身の俳優として小泉孝太郎や上杉昇も出演している。小泉孝太郎はTBS系連続テレビドラマ『ブラックペアン』やテレビ朝日系連続テレビドラマ『エイジハラスメント』に出演していた名俳優である。また、上杉昇はWANDSというロックバンドのボーカルとして活躍していたアーティストである。

疎遠になっていた兄弟が共に立ち向かう問題

龍助兄弟は昔は「便利屋」を共に立ち上げるほど仲の良い兄弟だった。だが、龍助が東京に行ったことで、次第に溝ができてしまう。そんな2人がナオミから依頼された仕事をこなしていく内に、次第に距離を縮めていく様子が描かれている。海野龍助の弟を演じているRUEEDは、窪塚俊介の実の弟であり、兄弟間で生まれるリアルな空気感が作品に生かされている。

最終的に龍助兄弟は、死んだと思われていたナオミの母の行方を探すことになる。20年以上も前の出来事のため、龍助は無謀ではないかと、捜索の開始時は若干諦めている気配が感じられた。弟はそんな兄を窘めながら、母の行方を追った。しかも、そんな2人に次々と問題が起こる。龍助を恨んでいる元親友のチンピラや、横須賀を牛耳っているヤクザが現れるのだ。疎遠になっていた兄弟がこの困難にどう立ち向かっていくのか、注目のポイントである。

多種多様な登場人物

龍助兄弟の両親や虎太の恋人・情報屋・謎のアジア人・元アメリカ軍人などなど、物語にどうかかわっていくのか、相関図を見ながら想像するだけでも面白い作品である。龍助兄弟が街の人に聞き込みをしながらナオミの母の捜索を行うため、本当に多種多様な人が登場している。そのため、場面の展開にスピード感があって、飽きさせない映画になっている。

ヤクザやチンピラに絡まれたら普通は怖いと感じるのだが、この作品はどこかふっと笑える部分が残っている。登場人物達のキャラが濃く、一度見ただけでも印象に残る人ばかりである。ぜひ、映画を見ながら、この人面白いとかこの人好きだなと思う人を見つけながら、見るのも楽しいのではないかと思う。

映画『スカブロ』の公開前に見ておきたい映画

映画『スカブロ』の公開前に見ておきたい映画をピックアップして解説しています。映画『スカブロ』をより楽しむために、事前に見ておくことをおすすめします。

アメイジング グレイス 儚き男たちへの詩

窪塚俊介の初主演作品で、主人公の片桐蓮を演じている。片桐蓮は父と兄がヤクザ者で母が既に他界しており、愛に飢えた孤独な青年。そして、蓮の幼馴染役で神田沙也加が出演しており、主題歌を担当している。彼女が歌う『Amazing Grace』が、必死に生きようとしている少年達の無骨な姿にぴったりと合い、胸にぐっとくるほどの感動を与えている。

1997年、城南市に5人の不良少年達(片桐蓮・宮城大成・藤田秀人・高崎慎哉・大林裕亮)がいた。彼らは育った環境が皆それぞれ異なっていたが、暴走族『城南一家』の26代目のメンバーとして、絆を深めていった。そんなある日、秀人の死という出来事が、蓮達の身に降りかかる。彼らはそれをきっかけにバラバラになり、それぞれの道を歩み始めた。

詳細 アメイジング グレイス 儚き男たちへの詩

ある探偵の憂鬱

矢城潤一の初監督作品であり、脚本・製作・脚本・編集も担当している。北野武監督や原田眞人監督の下で修業を積み、映画監督としての知識と経験を蓄えていった。その後、自己資金で『ある探偵の憂鬱』(00)を制作し、「バンクーバー国際映画祭 ドラゴン&タイガーアワード」にノミネートされるまでに至っている。

とある探偵が、老紳士からマンションの一室を見張って欲しいと依頼される。探偵は向かいの部屋に機材を設置し、監視を行った。そこに住んでいたのは、1人の老婦人だった。老婦人は居間で刺繍を嗜むなどして、どこも変わった様子もなく平穏に暮らしていた。1か月もその状態が続いたある日、老婦人の部屋に若い女性が訪ねてくる。探偵はその女性に心を奪われる。

詳細 ある探偵の憂鬱

ゆれる

ある兄弟の身に降りかかった事件について描かれている。「2006年・カンヌ国際映画祭」の監督週間に出品された作品。主人公の猛をオダギリジョーが、猛の兄の稔を香川照之が演じており、「第21回高崎映画祭』の最優秀主演男優賞や「第30回日本アカデミー賞」の優秀主演男優賞・優秀助演男優賞など、数々の賞を受賞している作品である。

猛は東京で売れっ子カメラマンとして活躍していた。稔は独身で、家業を継いで父と共に暮らしていた。その兄弟には、智恵子という名の幼馴染がいた。猛は智恵子と思いを通わせ体を求め合うようになる。そんなある日、智恵子が橋から川へと転落し、死亡する事件が起きる。その橋には稔がいたため、逮捕されることになった。果たして、これは事故なのか、事件なのか。

詳細 ゆれる

映画『スカブロ』の評判・口コミ・レビュー

映画『スカブロ』のまとめ

題名に横須賀のスカがつくほど、横須賀市への愛に溢れた作品である。そんな横須賀を舞台に、「便利屋」の仕事を行う兄弟が奔走する。純粋にナオミの母はどこにいるのだろうと物語を追うのもいいし、横須賀の街並みってこんなところなのだと楽しむのも一興だと思う。横須賀の街で有名なスカジャンも多数登場するため、おしゃれ好きにはたまらない作品だと思う。おしゃれな刺繍が入ったスカジャンを見て、思わず購入したくなるかもしれない。

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