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映画『スターリンの葬送狂騒曲』のあらすじ・感想・評判・口コミ(ネタバレなし)

1953年、当時のソ連で絶対的な権力者だったスターリンの予期せぬ死を受け、彼の側近たちや大臣、さらには軍の最高司令官までが参戦し、最高権力者の座を奪い合う熾烈なイス取りゲームが始まる。実話を基にした抱腹絶倒の政界コメディ。

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映画『スターリンの葬送狂騒曲』の作品情報

スターリンの葬送狂騒曲

タイトル
スターリンの葬送狂騒曲
原題
The Death of Stalin
製作年
2017年
日本公開日
2018年8月3日(金)
上映時間
107分
ジャンル
コメディ
監督
アーマンド・イアヌッチ
脚本
アーマンド・イアヌッチ
デビッド・シュナイダー
イアン・マーティン
ピーター・フェローズ
製作
ヤン・ゼヌー
ローラン・ゼトゥンヌ
製作総指揮
ケビン・ローダー
キャスト
スティーブ・ブシェミ
サイモン・ラッセル・ビール
ジェフリー・タンバー
マイケル・ペイリン
ポール・ホワイトハウス
ジェイソン・アイザックス
アンドレア・ライズボロー
ルパート・フレンド
製作国
イギリス
配給
ギャガ

映画『スターリンの葬送狂騒曲』の作品概要

スターリンの死亡直後から、ソ連の政界で繰り広げられた姑息な後継者争いの実話を風刺したイギリス製作のブラック・コメディ。監督は、イギリスで大人気を博した政界コメディ・ドラマ『官僚天国!〜今日もツジツマ合わせマス〜』(05〜12)で英国アカデミー賞を受賞し、アメリカの女性副大統領の空回りぶりを描き、2年連続エミー賞コメディ部門の作品賞を受賞したTVシリーズ『Veep / ヴィープ』(12〜17)を手がけた政界コメディのスペシャリスト、アーマンド・イアヌッチ。キャストにも実力派の名バイプレイヤーズたちが顔を揃えている。

映画『スターリンの葬送狂騒曲』の予告動画

映画『スターリンの葬送狂騒曲』の登場人物(キャスト)

フルシチョフ(スティーブ・ブシェミ)
中央委員会第一書記。スターリンの死後、最高権力の座を狙うが、基本的に道化役で威厳がない。
ベリヤ(サイモン・ラッセル・ビール)
秘密警察(NKVD)警備隊長。冷酷非情な男。スターリンの死後、フルシチョフと同じく最高権力の座を狙う。
マレンコフ(ジェフリー・タンバー)
スターリンの腹心で、フルシチョフとベリヤと最高権力の座を争う。空気が読めないタイプで頼りない。
ジューコフ(ジェイソン・アイザックス)
ソビエト軍最高司令官。武闘派の陸軍長で、最高権力争いに参戦してくる。

映画『スターリンの葬送狂騒曲』のあらすじ(ネタバレなし)

1953年、モスクワ。「粛清」の名の下に大量虐殺を繰り返し、20年間もソ連を恐怖で支配してきた最高指導者のスターリンは、3人の側近と夕食を楽しんでいた。中央委員会第一書記長のフルシチョフ、秘密警察警備隊長のベリヤ、スターリンの腹心のマレンコフは、ボスの機嫌を損ねないよう細心の注意を払いながら、朝方まで宴に付き合う。

ようやく宴をお開きにして、スターリンは自室でクラッシック・レコードを楽しみ始める。その直後、スターリンは脳出血を起こして倒れてしまう。メイドの知らせで集まった3人の側近の中で、まずはマレンコフが「自分が代理を務める」と宣言。その後、スターリンは一瞬だけ意識を取り戻すが、後継者の名前は口にしないまま死亡する。スターリンの突然の死により、3人の側近たちと各大臣、さらにソビエト軍最高司令官まで加わった熾烈なイス取りゲームが始まる。果たして、ライバルを出し抜いて最高権力者の座を手にするのは誰なのか?

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映画『スターリンの葬送狂騒曲』のネタバレあらすじ結末と感想
映画『スターリンの葬送狂騒曲』のネタバレあらすじと感想。ストーリーを結末まで起承転結で分かりやすく簡単に解説しています。映画ライターや読者による映画感想も数多く掲載。

映画『スターリンの葬送狂騒曲』の感想・評価

冷酷な独裁者スターリンの死

ソ連の最高指導者であったレーニンの死後、第2代最高指導者となったスターリンは、自分の権力を守るためなら手段を選ばない独裁者として知られている。1934年にライバルだったセルゲイ・キーロフが暗殺されてから(スターリンが黒幕だという説あり)、党中央委員会の委員や党員を一方的な裁判で「人民の敵」と見なし、次々と処刑していく。1934年当時の委員や委員候補139名のうち98名、党大会の党員1956名のうち1108名が処刑されたというのだから驚く。1930年代にスターリンが行った「大粛清」で弾圧され、犠牲となった人の数は約200万人前後と言われており、その暴力的な独裁政治は彼が死ぬまで続いた。

『スターリンの葬送狂騒曲』では、そんな暴君のスターリンが急死し、側近たちが大喜びする様子が描かれている。機嫌を損ねたら殺されるという緊張感の中で、常に怯えながら生きていた側近たちが、あっけなく死んだスターリンの死体に向かって「あばよ!クソじじい」と言いたく気持ちはわかる。表向きは悲しむ振りをしていても、全員が腹の中では大笑いしていたことだろう。

ロシアでは上映禁止となった超ド級のブラック・コメディ

本作に登場するのは全て実在の人物であり、スターリンの死後、ソ連の政界で後継者の座を巡る壮絶な権力闘争があったことも事実らしい。スターリンの側近だったフルシチョフ、ベリヤ、マレンコフのみならず、当時の各大臣や軍の最高司令官までが参加しての醜い権力争いを痛烈に風刺した本作は、世界各国の映画祭で大きな話題となり、世界最大級の映画レビューサイトでも満足度97%の高評価を得ている。しかし、反響が大きすぎることを危惧したのか、それともあまりによくできた作品だからか、ロシアでは政府が本作の上映を禁止してしまった。その対応がさらに話題を呼び、本作はすでにヨーロッパ各地やアメリカなどの世界各国でスマッシュヒットを記録している。その話自体が、ブラック・コメディのようで面白いではないか。

アーマンド・イアヌッチ監督と個性派キャスト

日本ではあまり見かけなくなったが、アメリカやヨーロッパでは政治家を風刺するコメディ作品というのは普遍的に人気がある。本作で監督を務めるアーモンド・イアヌッチは、イギリスとアメリカで大ヒットした政界コメディ・ドラマを手がけた人物であり、いわばそのジャンルのスペシャリストと言っていい。政治家の腹黒さや卑劣さをどのように描けば笑いになるか、アーマンド・イアヌッチは熟知している。そのため、キャストの顔ぶれも実に渋い。

フルシチョフを演じるスティーブ・ブシェミは、コーエン兄弟やクエンティン・タランティーノといった個性的な監督に愛される俳優で、『レザボア・ドッグス』(92)、『パルプ・フィクション』(94)、『ファーゴ』(96)など、数々の話題作に名脇役として起用されている。マレンコフ役のジェフリー・タンバーも、『メリーに首ったけ』(98)や『ハングオーバー!』シリーズ3作全てに出演している実力派の名脇役。政界コメディに精通した監督のもとに、熟練工のような演技を見せてくれる個性派俳優たちが集結したとなると、面白くないわけがない。

映画『スターリンの葬送狂騒曲』の公開前に見ておきたい映画

映画『スターリンの葬送狂騒曲』の公開前に見ておきたい映画をピックアップして解説しています。映画『スターリンの葬送狂騒曲』をより楽しむために、事前に見ておくことをおすすめします。

帰ってきたヒトラー

史上最悪の独裁者として名高いアドルフ・ヒトラー(オリヴァー・マスッチ)がタイム・スリップして現代に蘇り、モノマネ芸人扱いでテレビに出演する。カリスマ性の高いヒトラーは現代の大衆にも受け入れられ、彼はあっという間に人気者になる。タブー視されてきたヒトラーを笑い飛ばし、現代社会や大衆心理の危うさに警笛を鳴らすドイツ発のブラック・コメディ。

原作はティムール・ヴェルメシュの同名風刺小説で、1945年に自殺したはずのヒトラーが現代のドイツにタイム・スリップしてきたらどうなるかという奇想天外なストーリーが大きな話題となり、本国のドイツでベストセラーとなった。2015年に公開された映画では、あえて無名の舞台俳優だったオリヴァー・マスッチをヒトラー役に抜擢し、リアルさを追求している。この映画を見ていると、なぜかオリヴァー・マスッチの演じるヒトラーに魅了されていく。コミカルな設定に笑いながらも、ヒトラーを支持してホロコーストに加担した大衆心理が何となく理解できて、背筋がゾッとするのだ。

詳細 帰ってきたヒトラー

博士の異常な愛情

冷戦の時代、アメリカ空軍の司令官が精神を病み、北海上空を警戒飛行中だった核搭載型爆撃機にソ連への攻撃命令を出してしまう。この非常事態を受け、アメリカ国防省の作戦室では緊急会議が開かれ、ソ連側と協力して解決策を模索し始める。ソ連が密かに開発した地球を死滅させる規模の核兵器は、自国への攻撃を確認すると自動的に爆発するシステムになっており、刻一刻と世界滅亡の危機が迫ってくる。

巨匠スタンリー・キューブリック監督の有名なブラック・コメディで、政治家や軍人の無責任さを痛快に風刺しつつ、核戦争の恐怖を暴いていく。キューブリック監督は、精神を病んだ司令官のいるアメリカ空軍基地、そこからの命令を受けて攻撃準備を進める飛行中の爆撃機の機内、アメリカ首脳陣が集まった国防省の作戦会議室の3カ所を行ったり来たりしながら、緊張と緩和の絶妙なバランスを保って物語を進めていく。音楽や映像センスなども素晴らしいが、個性的なキャラクターが繰り広げる人間ドラマが最高に面白いブラック・コメディの傑作なので、多くの人にオススメしたい。

詳細 博士の異常な愛情

マルサの女2

通称「マルサ」と呼ばれる東京国税局査察部で査察官をしている板倉亮子(宮本信子)は、宗教法人を隠れ蓑にして巨額の脱税をしていた地上げ屋の鬼沢鉄平(三國連太郎)を追い詰めていくが、彼の背後には大物政治家という巨大な黒幕がいた。伊丹十三監督が脱税を取り締まるマルサの活躍を通して、地上げ屋や政治家たちの冷酷さと欲深さを暴いていく。

お葬式』(84)で映画監督デビューを果たした伊丹十三監督は、常に斬新な切り口の映画を作り、邦画の世界に新しい風を吹き込んだ。『マルサの女』(87)の大ヒットを受けて製作された『マルサの女2』(88)では、新興宗教の胡散臭さや地上げ屋の卑劣なやり口、そして、彼らを利用して私腹を肥やす悪徳政治家たちの姿が赤裸々に描かれている。日本では、身近なネタを題材にしている人情コメディや漫画原作の青春コメディなどが主流で、『スターリンの葬送狂騒曲』のような壮大なブラック・コメディがなかなか見つからない。しかし、伊丹監督は『あげまん』(90)や『ミンボーの女』(92)でもタブー視されている世界に切り込み、日本人離れした作品を残している。伊丹映画は、邦画には珍しい大人向けのブラック・コメディが多いので、この機会にぜひ鑑賞してみて欲しい。

詳細 マルサの女2

映画『スターリンの葬送狂騒曲』の評判・口コミ・レビュー

映画『スターリンの葬送狂騒曲』のまとめ

スターリンやヒトラーという独裁者には、凄惨な大虐殺や拷問といったイメージがつきまとうので、どこまでを笑いにしていいかが難しい。この作品も、スターリンの母国であるロシアでは、ブラックすぎて上映禁止になっている。つまり、ロシア政府にとってはシャレにならない内容だったのだろう。しかし、物議を醸すぐらいの過激さがないと、実話を基にした政界コメディ映画なんて面白くも何ともない。その点、この『スターリンの葬送狂騒曲』は満点に近い超問題作らしいので、ブラックな笑いを求めている人は必見だ。

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