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映画『サマータイムマシン・ブルース』あらすじとネタバレ感想

映画『サマータイムマシン・ブルース』の概要:劇団ヨーロッパ企画の舞台を基にした2005年の青春コメディ映画。監督は踊る大捜査線の本広克行。タイムマシンで未来から遊びに来た青年がきっかけで起こるハプニングを描いた。

映画『サマータイムマシン・ブルース』 作品情報

サマータイムマシン・ブルース

  • 製作年:2005年
  • 上映時間:107分
  • ジャンル:青春、コメディ、SF
  • 監督:本広克行
  • キャスト:瑛太、上野樹里、与座嘉秋、川岡大次郎 etc

映画『サマータイムマシン・ブルース』 評価

  • 点数:75点/100点
  • オススメ度:★★★★☆
  • ストーリー:★★★☆☆
  • キャスト起用:★★★★☆
  • 映像技術:★★★☆☆
  • 演出:★★★★☆
  • 設定:★★★★★

[miho21]

映画『サマータイムマシン・ブルース』 あらすじ(ストーリー解説)

映画『サマータイムマシン・ブルース』のあらすじを紹介します。

大学のSF研究会に所属する5人は、今日も平凡な毎日を送っていた。
隣にある写真部の暗室では、2人の女性部員が、伊藤と柴田が活動をしている。

とある夏の日、偶然が重なってエアコンのリモコンが壊れてしまった。
本体にスイッチが無いため、それぞれ解決策を模索する5人。
部室に戻ると入部希望者のような青年、それからタイムマシンと思われる機械があった。
イタズラだと思ったが実は本物のタイムマシンで、青年は25年後の未来、2030年から来た田村と言った。

彼らがタイムマシンを使ってやり遂げようと考えた事はひとつ。
エアコンのリモコンを過去から持ってきて、部室を快適な空間に戻すのだ。

さっそく昨日に戻る小泉、石松、新美の3人は、過去を満喫し始める。
だが、SF研究会の顧問、保積の解説で、過去を変えると大変な事が起こると発覚。
慌てて過去に戻った曽我と甲本、それから田村は、過去でやりたい放題だった3人をたしなめ、動かしたものを戻して帰る事にする。

しかし一旦タイムマシンを隠そうとした曽我は、とんでもない時代に飛ばされてしまいリモコンも行方不明に。
田村の機転でリモコンも曽我も戻り、一緒にタイムマシンに乗って元の時代に戻る。
だが甲本だけ乗りはぐれてしまった。

昨日の面々が部室に戻り、逃げ場を失った甲本が取った苦肉の策は意外な方向へ。
そしてリモコンの行方は予想外の展開を見せる。

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映画『サマータイムマシン・ブルース』 感想・評価・レビュー(ネタバレ)

映画『サマータイムマシン・ブルース』について、感想・レビュー・解説・考察です。※ネタバレ含む

タイムマシンの無駄使いストーリー

SFのタイムトラベルといえば、過去や未来に飛んで歴史的な転機に関わったり、誰かの人生を変えたりという大きな目的がありがちだが、この映画は”エアコンのリモコン”という、くだらない理由で一貫されている。
タイムマシンの無駄使いしかしていないストーリーだが、主に「昨日」と「今日」の間を移動するだけなので、見ていてわかりやすい。
佐々木蔵之助演じる顧問のホセの解説が詳しくなされており、SF好きでなければ話を理解するのは面倒だ。
全て元の通りにしなければ全部消えてしまう、というホセの理論から若干ずれたストーリーになっている。

新美のシャンプー紛失の犯人は未来の自分という事や、曽我が99年前までタイムトラベルし、河童と間違えられ、更にはリモコンを忘れるがそれが地面から出てきて使えるようになる、というどんでん返しも含まれている。
それを「決められた枠に滑り込む」と、うやむやな理由締めくくっていて、99年前の電池が入っていても動くリモコンがあるのかというツッコミどころがある。
ストーリーはややこしい部分が多いが、設定は面白いものになっている。

舞台版に通じる遊び心

今作と同様に劇団ヨーロッパ企画の舞台を基にし、本広克行監督が手がけた2009年の映画「曲がれ!スプーン」にホセや田村が少しだけ出るなど遊び心がある。
曽我役の永野宗典、田村役の本多力、他にも未来のSF研究会の部員役に劇団のメンバーが出演していて、作品内に出てくる映画の名前などにも劇団ヨーロッパ企画の舞台の名前が使われている。

舞台が基なだけに、凝った映像やタイムマシンも近未来的な外見では無いが、設定やストーリー展開、ギャグが滑った時の空気感や凍りつくような発言の時の演出にこだわって作られている。
しかし、それらのギャグがつまらない場面が多く、やり場の無さが出てしまっている。

空気感にこだわるあまり、大どんでん返しになるような展開が見つけやすくなってしまっている。


面白いかと聞かれるとそうでも無いのですが、くだらなさは100点満点の作品でした。タイムマシンがあったら何に使うかなんていくらでも夢のある展開を考えられるのに、今作で描かれているのは、エアコンのリモコンを取り戻すというめちゃくちゃくだらないテーマ。
しかし、そのくだらなさが学生の夏のダラダラした気持ちや、のんびりとした雰囲気を醸し出していて、妙に共感できるような部分もありました。
くだらなくてバカなことを一生懸命やっている作品って意外とアツくて面白いかもしれないと感じさせてくれる作品でした。(女性 30代)

映画『サマータイムマシン・ブルース』 まとめ

青春の1ページを切り取ったような映画で、夏休みの学校はこんな感じだった、という懐かしさを思い出させる映画。
劇団ヨーロッパ企画の舞台「サマータイムマシン・ブルース」が基になっていて、脚本は舞台と同じく上田誠が手がけている。
監督の本広克行が手がけた「UDON」「曲がれ!スプーン」との共通点が多く、出演者や製作陣、細かいネタの使いまわしなども存在する。

ギャグが滑ったときの空気感が凍りつくような演出が面白く、台詞の後に犬の鳴き声が聞こえるという微妙な間があると吹き出して笑ってしまう場面が多い。
また、シャンプーにこだわるあまり、最後まで何が起こっているのかわからず仕舞いの新美役の与座嘉秋の存在も笑いを誘う。

上野樹里演じる柴田が未来から来た田村の母であり、将来の結婚相手が「田村」なので、どうやれば田村姓になれるかを真剣に悩む甲本役の瑛太の演技も面白い。

みんなの感想・レビュー

  1. 影山 美穂 より:

    電池を何年も入れたままにしておくと、「液漏れしてリモコン自体が壊れる可能性が高い」という前提で書かせていただきました。
    つまり、99年も電池を入れっぱなしにしてたら、例え電池を交換していたとしても、液漏れしてリコモン自体が壊れていたのでは?というツッコミの意味です。

  2. 匿名 より:

    電池は変えてるから