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映画『サバイバル・オブ・ザ・デッド(2009)』のネタバレあらすじ結末と感想。無料視聴できる動画配信は?

映画『サバイバル・オブ・ザ・デッド(2009)』の概要:大西洋に浮かぶとある島では「ゾンビを殺すべき」、「ゾンビを殺さず労働力にすべき」と派閥による争いが起きていた。ある出来事から元州兵のサージはその島へと向かうこととなるのだが……。ゾンビ映画の御大・ロメロ監督の遺作でもある。

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映画『サバイバル・オブ・ザ・デッド』の作品情報

サバイバル・オブ・ザ・デッド

製作年:2009年
上映時間:90分
ジャンル:ホラー
監督:ジョージ・A・ロメロ
キャスト:アラン・ヴァン・スプラング、ケネス・ウェルシュ、キャスリーン・マンロー、デヴォン・ボスティック etc

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映画『サバイバル・オブ・ザ・デッド』の登場人物(キャスト)

サージ(アラン・ヴァン・スプラング)
前作『ダイアリー・オブ・ザ・デッド』に、主人公たちを襲う強盗として登場した脱走犯のリーダー格。階級は二等軍曹であり、「サージェント」の略で「サージ」と呼ばれている。
パトリック・オフリン(ケネス・ウェルシュ)
大西洋に浮かぶ孤島、プラム島にて、「ゾンビは殺すべきだ」と主張するオフリン族のリーダー。
ジャネット・オフリン / ジェーン・オフリン(キャスリーン・マンロー)
パトリック・オフリンの娘で双子。ジャネットは父の頑固な性格にうんざりとしている。

ジェーンは既にゾンビ化しており馬を乗り回している。

シェイマス・マルドゥーン(リチャード・フィッツパトリック)
オフリン家と主張を巡って対立している一族。「ゾンビは人間以外のものも食べさせることができれば労働力になるから生かすべき」をモットーにゾンビ不殺の信条を掲げている。
ボーイ(デヴォン・ボスティック)
サージ達の襲った集団で捕虜として扱われていたあどけなさの残る青年。パソコンは古いと言いスマートフォンを使いこなす現代っ子らしい一面を持つが銃器の扱いも心得ている。
トムボーイ(アシーナ・カーカニス)
サージ達の仲間で紅一点。気の強い軍人らしい性格だが、実はレズビアン。
フランシスコ(ステファノ・ディ・マテオ)
通称・シスコ。サージの仲間。度々トムボーイを口説くが相手にされず。フェリーを奪う際に海に飛び込んだ時にゾンビの血を吸い、ゾンビへと転化することに。ゾンビになる前に正気を持ったまま自害の道を選ぶ。
ケニー(エリック・ウルフ)
サージの仲間。パソコンを所持し、ネットで動画を見てははしゃいでいる。道中、マルドゥーン一派によって命を落とす。

映画『サバイバル・オブ・ザ・デッド』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)

映画『サバイバル・オブ・ザ・デッド(2009)』のストーリー(あらすじ)を結末・ラストまでわかりやすく簡単に解説しています。この先、ネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『サバイバル・オブ・ザ・デッド』のあらすじ【起】

『一番最近のデータによれば年間の死者は5300万人。1日だと15万人。つまり1分で107人。それが通常の数字だった――それが今、死んだ人間が蘇り、生きた人間を殺し始めた……』

その世界では動く死者、すなわちゾンビ達が溢れ返っていた。死者が溢れ始めるようになって6日後、デラウェア州沖、大西洋に浮かぶプラム島。ゾンビは殺すべきだと考えるオフリン一族と、ゾンビは生かしておくべきと考えるマルドゥーン一族が対立していた。マルドゥーン家には子供が2人おり、事故に遭い死亡しゾンビ化していた。2人を鎖で縛り殺さずに隠しておいたマシュー・マルドゥーン家にリーダーのパトリック・オフリンとその仲間達が銃を持って押し入る。子供の居場所を正直に吐かせようとしたがその家の妻に抵抗に遭い、やむなく妻を射殺してしまう。2階へと上がりゾンビ化した子供達を殺そうとした矢先、親戚でありリーダー格のシェイマス・マルドゥーンがそれを止めに入る。オフリンの主張は、人々が誇りを持って暮らせる島だった事実を守るためにゾンビどもは駆逐すべきだという。対するマルドゥーンの意見は同じ人間を殺すということに抵抗がないのか、というものだった。数の多さから言ってオフリン側の方が圧倒的に不利になり、その場で武器を置いて子供の射殺を止めざるを得なくなるオフリン。そして彼は、殺される代わりに島を追放されてしまうことになった。何人かの仲間は彼について行くが娘のジェーンはここへ残ると言う。

それから3週間後、軍から脱走した元州兵のサージとその仲間達は生存者達から食料を奪ったりとまるで野盗のような生活を続けていた。そんな晩、サージ達はとある集団を急襲する。集団の中にいた捕虜・ボーイはサージ達に助けを乞い、仲間に入れてくれるよう頼みこむ。ボーイが鍵を盗み出し、彼らの持っていたトラックを盗み出す。トラックの中には大金が詰められていた。そこでボーイの提案で、「奴ら」ことゾンビの出ない南の島へ向かわないかと言う提案が上がる。ボーイが見せたスマートフォンから、「ゾンビのいない安全な島」のネット上での宣伝を見つける。サージはそんなもの詐欺だと言うが、仲間達は行ってみる価値はあるんじゃないかと促す。誰かに従うのはうんざりだと文句を垂れながらも、結局サージはケニーの説得により島へ向かうことに決定する。

映画『サバイバル・オブ・ザ・デッド』のあらすじ【承】

島へ向かうための港へと到着するが、島へ行くためのボートは全て有料でしかも「有り金全部を頂く」という制約付きであった。ちなみに島への船を提供しようとしているのは例の島を追い出されたパトリック・オフリン達であった。ボッタクリかと思い引き返そうとすると、数体のゾンビに襲われる一同。おまけに道には地雷が仕掛けてあり、引き返すのも難航しそうであった。サージの案で、車ごとフェリーに乗ることにする一同。サージがフェリーにまで泳いでゆき、船の方を動かしてくると言うが、船の操縦ができるというシスコが代わりに向かうと名乗りを上げる。サージが止めるのも聞かず、シスコは海へと飛び込んでいく。無事フェリーへとたどり着いたシスコ、内部にはゾンビが何匹が潜んでおり一体ずつ倒していく。同じく泳いで追いついてきたトムボーイの手を借りながら燃料の残っていたフェリーを動かしトラックとの合流を目指す。その間にもゾンビ達の手は休まることなく動き続け、オフリン達も襲い掛かられることとなる。サージがボーイの援護射撃を受けながらトラックを動かしフェリーと合流後、オフリンは犠牲になった仲間達を弔う間もなくダイナマイトでゾンビ達を爆破する。それから運良くトムボーイに拾ってもらえたオフリンはフェリーへと乗せてもらえることとなった。オフリンは島への案内をするが、サージと出会い頭に銃を向け合い険悪なムードに……と思いつつ、オフリンの開き直ったような態度にサージも「面白いオヤジだ」と完全に気を許してはいないものの絆されるような形で彼をフェリーに同乗させる。

一方フェリーの中ではトムボーイがシスコの様子が浮かないことに気付き、理由を問い詰める。「まさか海の中で噛まれたんじゃないの?」「いや、そんなことないよ。むしろ噛み千切ってやったくらいさ」と笑うシスコに、トムボーイは訝るような眼差しを向ける。「血を飲んではいない?」「水は飲んだが血は飲んでいないさ」――どこか腑に落ちない彼の説明だが、トムボーイは内戦で呼ばれ話に決着がつかない有耶無耶なままで話は一旦終わる。

フェリー内部のゾンビ達を一掃するサージ達。中には知恵をつけて車の運転までするゾンビまで出てくるが、それも葬り何とか船内のゾンビどもを退治していく。一息つきながらサージはオフリンの話を聞く。ネット上であんな詐欺まがいの広告を流すような怪しいジジイを信じる自分も自分だが、まあ他に手立てはない。聞けばオフリンは島から追い出されてしまったそうだが実際にその島は存在しているとのことであった。やがてトムボーイが島を見つけ、オフリンはフェリーではでかすぎるからと小型のボートで島へ入ることを提案する。しつこいゾンビを退け島への上陸を急ぐ一向。オフリンの話では他所者達を嫌い排他的に生きる島なのだと言う。じゃああんたはどうなんだ、と問いかけるサージに「それよりも厄介な存在だと思われてる」と話すオフリン。というもの、先にサージ達にもやったように高値で船を売りつけ他にも多くの人物を島に送り付けたらしい。支配者気取りのマルドゥーンにぎゃふんと言わせたい、とのこと。マルドゥーンとは元々島の墓地を拡大するかしないかで揉め始めたらしく、マルドゥーン家とオフリン家で土地が綺麗に分かれている模様だ。

映画『サバイバル・オブ・ザ・デッド』のあらすじ【転】

島内に入って見れば、ゾンビ達が鎖で繋がれ労働力として働かされているのが目についた。マルドゥーン家は死者との共存を飽くまでも掲げており、ゾンビさえも郵便局員や巻き割りをさせて働かせているのだった。ふと、マルドゥーンの一派に教われ銃弾が飛んでくる。慌てて身を隠す一同だったが、ケニーがシスコを庇う。同時にシスコは肩を撃たれる。トムボーイが狙撃してきた犯人を仕留めたものの、ケニーは目を閉じたまま起き上がろうとしない。オフリンは躊躇うこともなくケニーの額を撃ち「こうするしかない、わかるだろう?」と彼が死体として起き上がらぬよう措置をした。怒り狂ったシスコがオフリンの胸倉を掴むが、そこへ馬に乗った美女が突如駆けてくる。「凄い美人だ」と漏らすボーイに「かつては私の娘だった」とオフリンが呟く。オフリンはかつてこの一帯が自分の農場だった筈が今じゃゾンビ達が横行していることに激高し、ゾンビ討伐反対を掲げるマルドゥーンを殺しに行くから銃をよこせとサージ達に頼む。しかしサージは代わりに自分がそいつを撃つと言う。「そいつに親友のケニーを殺され、シスコは肩を撃たれ俺も撃たれた。それを黙って見てられるか」と答え、オフリンは「この先に古い集会所がある、夜まで待て。かつての仲間を集めて夜には向かう」と合流するよう促した。サージ達から銃を受け取り島に横行するゾンビ達を殺しながら仲間集めに向かうオフリン。

一方で「ゾンビ不殺」の信条を掲げるマルドゥーン一派の人間達はゾンビ達を捕まえてきては家畜農場のような場所へゾンビを収容していく。生きたまま飼い慣らそうというのだ。とは言っても、ゾンビは襲い掛かってくるので己を襲う者には容赦なく弾丸の鉄槌を浴びせるしかない。マルドゥーン一派の男がマルドゥーンに言う、「ゾンビを殺さないようにしてきたがここ最近じゃあ殺す頻度が増えてないか?」。マルドゥーンは「それはここの土地の人間じゃあないからさ。自分のものは自分で守る義務がある。私のものは皆のものだ、私が皆に生きる糧を与えている。お前にケチをつける権利があるか?」と持論を述べ、更には「無法者だったお前を雇ったのは誰だ?」とパワハラじみた発言をするが、「俺が負かされたのは農場だった筈。それが世話しているのは家畜じゃなく死人どもだ」と異を唱えるが結局行く当てもない彼にはそうするしか道はない。マルドゥーンは「小屋のゾンビどもは使い物にならないから、今度は女のゾンビを捕まえるのはどうだ?馬に乗った賢い女だ」と微笑む。そう、オフリンの娘・ジェーンである。人間を食わないよう調教し、その見込みがあるとジャネットに目を付けたのだった。

集会所へついた一同であったが、そこで一同が荷下ろしをしている間にシスコが姿を消す。シスコを追いかけるトムボーイだが、シスコの様子がおかしい。追いかけてきた彼女にも銃を乱射し、酷く息切れした様子であった。シスコはゾンビの血を飲んでいたのが原因で、彼の身体は汚染が始まっていたのだった。「ここは綺麗な場所だ。俺が俺じゃなくなる前に……、いいだろ?みんなにお別れを言ってくれ」。手短に言い残し自殺を図ろうとするシスコに、自殺は駄目だと言い代わりにトムボーイが引導を渡す。立ち去り際、背後にいたマルドゥーンの一派に拉致されるトムボーイ。

映画『サバイバル・オブ・ザ・デッド』の結末・ラスト(ネタバレ)

一方、彼らの帰りを待つサージ達だがサージの方の具合が悪化し彼はその場で気絶してしまう。慌てたボーイが水を探しに外へと飛び出すが、銃を忘れたままであった。

オフリン達は仲間を集めサージ達との合流へ向かうが、途中馬で攫われるトムボーイの姿を見つける。トムボーイはマルドゥーン家に連れていかれ、食事を振る舞われる。マルドゥーンにここへどうやって来たのか、何人で来たのか問い詰められるが口を割らないトムボーイ。マルドゥーンは語る、何故彼が死者を生かしておく必要があるのかを。それは先祖代々受け継がれてきた儀式のようなもので、彼の先祖の写真は皆死後に撮られたものでどれも皆目を閉じたものばかりだった。そしてマルドゥーンはその務めを果たすため、自分も同じようゾンビ達を生かし続け、「共存することを望んで」いるのだと言う。それから、マルドゥーンはトムボーイに「君に手伝いをしてほしい」と言い出した。

サージが再び目を覚ますと、そこにいたのはゾンビになっていた筈のオフリンの娘・ジェーンの姿があった。しかし彼女はゾンビではなく普通の人間の姿をしており、どうもゾンビになったのは双子の方であり自分の名はジャネットだという。ジャネットはサージの治療を済ませると、「父は最低の人間なの。というより自分の意見が絶対で人の言葉に耳を貸さない。マルドゥーンも同じ。どっちも最低よ」と怒りを露わにする。そこへ戻ってきたオフリンだったが、ジャネットには「お前は来るな。見ているだけでいい、我々の戦争だ」と告げる。そしてトムボーイが捕まっていることも知らせ、サージ達は動き出す。その途中ジャネットはオフリンを引き止め、オフリンが島を追放された時彼がオフリンを撃たなかったのは自分の説得があったからだと言い出す。そして今まで家を守ってきたのは自分で、しかしオフリンはジェーンばかりを可愛がっていたと訴える。オフリンは「お前はわしに似て頑固者だ。だが私はお前もジェーンと同じように愛していた。何故ならわしの分身だからだ。……家に帰っていなさい、会えたらまた後で」。そう言い残しその場を去るオフリン。

マルドゥーンの元へと辿り着いた一同だが、サージはボーイに「金を守れ」とフェリーの鍵を渡す。マルドゥーンのいる先では、トムボーイが縛られ、周囲にはゾンビ達が鎖で繋がれマルドゥーンの指示一つでその拘束が外され彼女が襲われようとしていた。銃を置き、大人しく言われた通りマルドゥーンの元へ向かう一同。その先ではゾンビと化したジェーンが、農場の中で馬を食うように仕向けられていた。人間とゾンビが共存するには人間以外を食う必要があるからである。そこへ、先程のボーイがジャネットを連れ銃を持って戻って来る。これで抗争状態になった一派達、マルドゥーン側を裏切ろうとする者も現れるが彼がそれを許さない。やがてゾンビになったジェーンが何かを求めるようにして呻き始めた。双子のジャネットが何かを感じ取ったよう「私を求めているのね?」と近づいていくが既に正気のないジェーンに噛り付かれてしまう。オフリンは「全てお前のせいだマルドゥーン」と彼を撃ち銃撃戦が始まる。マルドゥーンに不審を抱いていた1人がゾンビ達の収容された農場の鍵を撃って壊し、ゾンビ達が溢れ出してくる。かくしてゾンビ対人間対人間の抗争が行われ、阿鼻叫喚の戦場が始まる。オフリンの弾も残り1発、マルドゥーンの弾も残り1発という状況になり最後の決着がつけられようとしていた。その矢先、ジャネットが「父さんを失いたくない」と話し始め、オフリンはマルドゥーンに「少しだけ娘を話す時間をくれ」と申し出た。その矢先に容赦なくオフリンを撃つマルドゥーン。倒れながらオフリンも隠し持っていた銃でマルドゥーンを撃ち、共倒れになってしまう――互いのリーダーを失い、かくしてその戦争が終わった。辺り一面にはゾンビと人間の死体が大量に転がっていた。撃たれたかと思われていたオフリンだったが致命傷が免れたのが生きており、先程噛まれたジャネットの始末もつけたのであった。

かくしてサージ達は金を持ち、島を去ることに決めた。しかしサージの中には疑問が残り続けている。もしマルドゥーンの言う通り、ゾンビが人肉以外を食べるのだとしたら彼の間違いもあながち無駄とも言い切れなかったのではないか?と。

ラスト、お互いゾンビと化したオフリンとマルドゥーンが銃を向け合うショットを映して物語は終わる。

映画『サバイバル・オブ・ザ・デッド』の感想・評価・レビュー

ゾンビ映画とくれば低予算、低俗、不必要なエログロ、B級映画というイメージが強い中で、真摯に人間とゾンビとの共存や危機的な状況下における人間の愚かさというものを描いているのがこのロメロという監督だ。本作を撮っていた時にはもう御年80くらいだったと思われるがホラー映画あるある水増しのエロ場面を描かず真面目にゾンビと向き合う姿勢には恐れ入る。ひょっとしたら監督もゾンビのようにひょっこり蘇ってくれないかと切に願わずにはいられない。(MIHOシネマ編集部)


ゾンビ映画と言えばこの人と言っても過言ではないジョージ・A・ロメロ監督の遺作である今作。数多くの作品を生み出してきた巨匠の最後の作品はゾンビ映画でありながらも、人間の闇や弱さを浮き彫りにする展開で、かなり深いストーリーでした。
ゾンビを殺すか、労働者として生かしておくか人間たちが対立しているので、せっかく上手く行きそうになっても意見が合わずに結局ダメになってしまう展開は人間の悪い所が物凄く出ていました。
彼の作品としては面白さに欠ける気もしますが、最後まで楽しめました。(女性 30代)

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