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映画『サスペリア(1977)』のネタバレあらすじ結末と感想

映画『サスペリア(1977)』の概要:「決して、1人では見ないで下さい」――嵐の中、ドイツのバレエの名門校へと転校してきたスージー。しかし立て続けに殺人事件に巻き込まれてしまい、少女は次第に学校に隠された闇の背景へと足を踏み入れてしまう……。

映画『サスペリア』の作品情報

サスペリア

製作年:1977年
上映時間:99分
ジャンル:ホラー
監督:ダリオ・アルジェント
キャスト:ジェシカ・ハーパー、アリダ・ヴァリ、ジョーン・ベネット、ステファニア・カッシーニ etc

映画『サスペリア』の登場人物(キャスト)

スージー(ジェシカ・ハーパー)
バレリーナを志し、名門校であるフライブルクバレエ学園へとアメリカからやってきた少女。転校初日から、立て続いて不可思議な出来事に巻き込まれる。
サラ(ステファニア・カッシーニ)
スージーと親しくなる友人。実は学校に関する謎について知っているようだ。
ブランク(ジョーン・ベネット)
校長が旅行中のために、その代理だという夫人。
タナー(アリダ・ヴァリ)
学校のバレエの講師。やや厳しめな印象で、体格もかなりいい。
ダニエル(フラヴィオ・ブッチ)
盲目のため、愛犬を連れ学校に足を運ぶ。生徒らのダンスのためにピアノを弾いている。
フランク・マンデル(ウド・キア)
サラの友人。精神科医で、かつてサラの神経症を診ていた。
パット・ヒングル(エヴァ・アクセン)
嵐の晩にスージーが出会う学校の生徒。謎めいた言葉を吐いて、そのまま去ってしまう。

映画『サスペリア』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)

映画『サスペリア(1977)』のストーリー(あらすじ)を結末・ラストまでわかりやすく簡単に解説しています。この先、ネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『サスペリア』のあらすじ【起】

嵐の中、スージーはバレリーナを志してドイツのエッシャー街にある名門校「フライブルクバレエ学園」を目指し、タクシーに乗っていた。学園へ辿り着くなり、女子生徒・パットが飛び出してきたかと思うと「秘密よ。扉の陰にアイリスが3つ。青を回して」と謎の言葉を吐き残し走り去っていく。スージーが学校の扉を叩くと、「覚えがないから出て行って」と固く扉を閉ざされてしまう。仕方がなくスージーはタクシーへと戻り、街へと引き返す。一方、恐怖に怯えた様子のパットは、豪雨の中、友人のアパートへと逃げ込んだ。パットは永久にあそこへ戻らない、と言い出し友人は退学でもするのかと尋ねる。しかしパットは理由を言っても信じてくれないから、と口を閉ざす。友人はそんな彼女に何があったのか真相を問い詰めるが頑なに話そうとしない。落ち着いたら話して、と言う友人は部屋を後にする。パットは部屋に1人でいたが、やがて窓際に何かを察知し近づいていく。すると窓ガラスに緑色の目が映り、直後ガラスが割れ、毛むくじゃらの腕が入り込んできたかと思うとパットの頭を押さえつける。ガラスが割れ外に放り出されたパットの胸や腹部を男の持ったナイフが執拗に突き刺し続ける。息絶えた彼女の身体は天窓を破り、血まみれの惨殺死体と化したまま宙吊り状態となって屍と化していた。そして犯人の手によってか、パットの友人もガラスでめちゃくちゃにされ死体となって転がっていた。

翌日、スージーが再び学校を訪ねると今度は快く迎え入れてくれた。教師の名はタナー、昨晩スージーを待っていたと言うが、入門を拒否されたことを話す。誰が対応したのか分からないが、失礼を詫びるタナー。旅行に行っているという校長の代わりに代理のブランクを紹介されるが、警察の対応に追われていた。昨晩起きた、パットの事件についてであった。そしてパットの姿を見たと話すスージー。身なりを聞かれ金髪で茶色のコートで、雨の中にいたことくらいしか知らない。その情報を伝え終えてから二階へと向かおうとすると召使いでルーマニア語しか話せないというパブロを紹介される。

初日のレッスン中、廊下を歩いていくスージー。ふと、廊下にはこちらを無表情に見つめる太った女性の召使と、ブランクの甥・アルベルト。太った召使はクリスタルを磨きながらじっとスージーの方を見つめている。突如そのクリスタルが輝き出し、スージーは眩暈を覚える。その背後では、可笑しそうに微笑んでいるアルベルト。それが原因なのか、スージーは突然体調を崩してしまう。タナーに練習を休みたいと言うものの、「初日なのだから力量を見ておきたい」と無理やり彼女を躍らせた挙句、スージーは倒れてしまう。運ばれた保健室にて、応急処置をされるスージー。鼻血で失われた分の増血のために赤ワインを飲むように言われる。その晩、スージーの部屋に尋ねてくるのはサラ。レッスン前、更衣室でも話しかけてくれた女子生徒だ。どうもサラとは部屋が隣同士らしく気も合いそうだ。

その晩、部屋でスージーが髪をとかしていると違和感を覚えたので手を止める。ふと、その手には蛆虫がついていたので慌ててそれを除ける。見れば蛆虫は櫛にも引っ付いているようで、上からもポトポトと降ってくるのだ。見上げると、天井には無数の蛆虫がびっしりと張り付いていた。スージーの部屋だけではなく、その階全てが蛆虫に侵食されており、あっという間に騒ぎは広がる。教師達が屋根裏へと向かうと、中には蛆まみれの木箱が1つ置いてある。中にはソーセージが詰められていたが、それらにも全て蛆虫が食らいついていた。

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映画『サスペリア』のあらすじ【承】

不幸中の幸いか、被害は屋根裏だけだったようで、今晩は緊急措置として稽古場を宿泊場所にすることとなった。広い稽古場、白いシーツで仕切りを作りそこにベッドを寄せ集め休むことになった女子生徒ら。そんな中で、寝付けないスージーとサラ。2人は何やら不気味な呻き声のようないびきを耳にする。サラはその声がどこから聞こえてくると思うか尋ねるがスージーはシーツの向こうにいる男子ではないかと言う。しかしサラは「校長は旅行に行っているなんて嘘よ。あれは校長のものだわ」と声を潜める。何故かと尋ねると、サラは「昨年、私寮の客間に住んでいたの。階段の上よ。ある夜誰かが寮にやってきて私の隣室に入ったの。そこから変ないびきが聞こえてきて……彼女はいるわ。そのシーツの向こうに」――閉ざされた赤い照明の向こう、眠る人影は誰なのか、呻き声の正体も何なのか不明のままで夜は明ける。

翌朝、無事消毒も終わった学校へ盲目のピアニストのダニエルが盲導犬を連れてやってくる。犬を外に繋いでおき、レッスンを始めるがやがて怒鳴りながらタナーが稽古場へと飛び込んで練習を中断させる。盲目のダニエルに向かい、「あんたの忌々しい犬がアルベルト坊ちゃんの腕に噛みついたんだよ!」と叫ぶ。有り得ない、というダニエルだが医務室へ行けば血だらけで泣いているアルベルトに会えると言う。しかしダニエルは断固としてそんなわけがないと怒り出し、「訓練された犬だ。子供が悪戯したんだろう」と主張し、タナーは今度学校へ連れてきたら殺してやると訴える。謝罪などしない、と言うダニエルにならば出て行けと叫び散らすタナー。ダニエルは「ああ出て行くさ、しかし覚えておけ。目は見えないが耳はいいんだ。忌まわしい場所とおさらばだ!」と出て行ってしまう。

その夜、貧血治療のためにと出される赤ワインにややうんざりした調子のスージー。ベッドでうとうととしているスージーの傍ではサラがいくつかの足音を聞く。教師たちのものだろうか。スージーはワインのせいもあってかやや眠たそうに「でも外に出て行くわけじゃなさそう。足音は校内よ」と答える。サラが「先生たちの行く先が分かるかもしれないわ。スージー、起きてよ!」と彼女を起こそうとするがサラは今にも眠りにつきそうだ。サラは教師たちの足音を数えメモを取り始める。そしてその足音が右に向かっていることを知る。

場面は変わり、とある町のビールハウスで、酒を片手にショーを楽しんでいる例のピアニスト・ダニエル。外に繋いであった愛犬を連れ店を後にすると、すっかり陽は沈んで夜の闇が辺りを支配している。帰路を辿っていると、突如愛犬が吠え出し先に進まなくなってしまう。家に帰ろうと諭すも、犬は吠え続けたままだ。「誰かいるのか?」と無人の闇に問いかけるダニエル。次第に不気味な気配が漂い始める。ダニエルが怯え竦んでいると、突如愛犬がダニエルの喉元めがけて食らいついてくる。喉笛を噛み千切られ、ダニエルは死亡したのであった。

映画『サスペリア』のあらすじ【転】

パットに続きダニエルまでもが亡くなり、生徒らは気味悪がり始める。スージーはブランクと2人で話がしたいと、パットについて問いかけてみた。犯人の情報が掴めたとのことだが、スージーはここへ辿り着いた時パットの奇妙な独り言を耳にしたと話す、「秘密とアイリスという言葉だけは覚えてます」。ブランクは「よく教えてくれたわ、意味は分かりませんが警察に言いましょう」と警察に電話し始める。

その晩、スージーはサラとプールで泳ぎながらパットについて話し始める。サラはパットと親しかったのだという。彼女は事件の日、更に何か話したかった様子で、だが怖くなったのかそのまま逃げてしまったらしい。そしてあの嵐の夜、インターホンでスージーを拒否した声を覚えているかと尋ねられ、その正体は自分だったのだと明かすサラ。パットは信じられないことが重なったせいで、それらを全てメモにまとめてあった。そしてパットから貰ったメモを親友のフランクに渡そうと思っている――今夜また話すわ、とそこで一旦話を切り上げるサラ。しかしその晩、ワインの効果かまたもや眠りの淵にまどろむスージーと、「メモが盗まれたわ」と慌てた様子のサラ。眠気との戦いで意識が朦朧となっているスージーを無理やり起こし、サラは「このメモ1枚しか残ってないの。何かわからない?先生たちの行く先を知る鍵よ。昨晩メモして残しておいたの。……あなた知ってる?魔女を」。問いかけるサラに、スージーはとうとう意識を手放し眠りに落ちる。サラは「1人にしないで」と訴え、天井から聞こえる足音に怯えた挙句慌廊下へと飛び出してしまう。真っ赤な照明で照らされた廊下を一心不乱に逃げ惑うサラ、どこかの部屋を開けようにも開かず、逃げ道が徐々に失われていく。サラはやがて屋根裏に上がり込み、身を隠そうとするが突如闇から現れたカミソリのような刃物で切り付けられ、慌てて別の部屋へと逃げ込んだ。必死で鍵を閉じるが、扉の隙間から急襲者は刃物を滑り込ませ鍵を破ろうとしてくる。サラは部屋の中で見つけた小窓に向かい何とか身を乗り出すも、その先で彼女を待っていたのは部屋中に敷き詰められた針金の海だった。抜け出そうともがけばもがく程に針金に身を絡めとられがんじがらめになってしまう。そんなサラの元に、男とも女とも判別ができない急襲者の手が襲い掛かる。急襲者の刃物は、サラの喉を無残にも引き裂いた――。

翌朝、スージーが目覚めると部屋の中が酷く荒れた状態になっていた。するとタナーが現れサラは荷造りをして今朝出て行ったのだと話す。そんな筈は有り得ないと言うスージーだったが、タナーは「泥棒みたいにコソコソとせず打ち明けてくれればいいのに」と彼女の失踪にあまり協力的ではない。

映画『サスペリア』の結末・ラスト(ネタバレ)

スージーは例のサラの友人だというフランクに電話をかけてみることにした。何とか彼と会う約束を取り付けることに成功し、スージーはビル前でフランクと合流する。サラの居場所を知りたいスージーに、フランクは彼女の父に連絡したそうだが今日から旅行だったため不在だという。サラを心配するスージーだったが、フランクは彼女の父が月曜には帰るそうだからそれを待つべきだと言う。もしかすると、サラも共にいるのかもしれないからと。その後フランクの口から語られた話によれば、実はサラは3年前、母の死を境にして精神を病んでおりフランクは彼女の医師だったようだ。治療後もフランクとサラの交流は続き、サラは友人から何やらおかしな話を聞いたという――1895年に学校を創立したヘレナ・マルコスがギリシャ移民の魔女だという話を。そしてサラはそれを信じていた。19世紀の初め、マルコスは人々を惑わす妖術を使っていたせいで欧州諸国から追放される。彼女には熱心な信者も多数おり、「黒の女王」と呼ばれていたそうだ。この地へ来てからもその噂は広がり、やがて資金を稼いで学校を創立した。バレエとオカルト、すなわち秘術や妖術等を扱う学校だったそうだが、その学校は10年しか続かなかった。あらゆる迫害を受け火事に遭い女王が焼死してしまったのだ。魔女の話はここでお終い。残った弟子が後は学校を立て直し、オカルトの部分だけが排除されバレエで有名な名門校となったのだという。魔女とはどんな存在なのかと尋ねるスージーに、フランクは精神科医らしく魔女やオカルトの類いは心の病の現れだと言ってのける。そこで、フランクは自分に代わりミリウスという教授を紹介する。白髪頭のミリウスは、『偏執病と魔術』の著者としても有名なのだとか。約束があるからと立ち去ったフランクに代わり、ミリウスがスージーの隣に腰かけた。スージーが魔女とは何かを訪ねると、ミリウスは「魔女だった女性を知っている」と言う。簡単には信じられないが、魔女はオカルトの専門技術で生じさせた魔力を扱い、世界や人々を陥れる――彼女らは物質的優位を追求し、そのために他人を傷つける。苦痛や病で邪魔な人間を死に至らせる……そしてミリウスは尋ねる、「何故魔女に興味が?」。スージーは、「友人に聞いたり本で見たからです」と答え、それから先の「ヘレナ・マルコス」についても追及する。ミリウスは「黒の女王ですね」と即答する。彼女は悪の才能に恵まれた伝説的な魔女だったという。魔女の結社などはないのかと聞くと、そういう「集会」はあるらしい。女王は集会で百倍の信奉を集める。現代人は笑うかもしれないが、魔法は確かに存在しているとミリウスは熱弁を奮う。

運ばれてきた食事を、怪しんで手を付けないスージー。廊下へ出てみるがどうも自分以外の生徒がいない。ステンドグラスの前にいる太った召使に皆の行方を聞く、ボリショイバレエの初日に出かけてしまったという。何故自分だけが置いて行かれたのか不思議なまま、フランクと再び連絡を取るスージー。しかし、雷雨のせいで通話が途絶えてしまう。スージーはその日の食事をトイレに流し、ワインも捨ててしまう。その時、洗面所の窓に飾られたステンドグラスの向こう側に謎の赤い光が見える。不審に思いスージーが窓を開けると、突然飛び出してきたコウモリに襲われる。必死に振り払うと、今度は床を這いながらスージーににじり寄ってきた。おぞましさからスージーはコウモリにタオルをかけ、更に椅子を振り被り上から何度も何度も叩き潰す。タオルの上に広がる鮮血。疲弊したよう、スージーは部屋でサラの残したメモを読みながらぼんやりとしていた。ふと、そんな彼女の脳裏に浮かんだのは「足音は外に出ていない、玄関は左だが右へ向かっている」ということ。ならば足音を数えれば行き先が分かるとスージーは廊下へと出るなり、サラのメモ片手に突き当りの扉を開く。足音を数えながら、太った召使の目を掻い潜り、足音の消えたその部屋へと辿り着く。ここで足音が消えたとして、他に出口がある筈だと周囲を見渡す。そして思い出す、ここへ来たあの嵐の夜にパットが叫んでいた独り言を。「扉の陰にアイリスが3つ。青を回して」――スージーはすぐさま、アイリスの模様を見つけ青色に手をかける。すると壁が割れ、新たな部屋が出現した。青いベルベッドのカーテンが掛けられた向こう側にはさらに道が広がっており、スージーは恐る恐る足を踏み出す。壁には何かラテン文字のようなものが刻まれており、スージーは人声のする方向へと足を忍ばせる。覗き込むとそこにはブランク夫人が椅子に腰かけており、「あのアメリカ娘は厄介だわ。消すべきよ」と話し込んでいる。彼女を囲むのはタナーやアルベルト、パブロ、あの太った召使達のようだ。これがミリウスの言っていた「集会」というものなのだろうか?ブランクは「彼女は殺さなければ!殺すのよ!」と何度も叫び、タナーが何かグラスのようなものを差し出した。それを受け取ったブランクが「ヘレナ、力を与え給え――あらゆる呪いと災いを!」とその中身を飲み干し立ち上がる。思わず慄いて後ずさったスージーだったが、何かにぶつかり振り返る。そこにあったのは、サラの無残な遺体だった。両手を釘で打ち付けられており、更には眼球にピンが刺さっているのが分かる。悲鳴を押し殺すスージー。物音に気付いたパブロがこちらを探りに来たので慌てて引き返すと、また別の部屋へと辿り着いたらしい。部屋の中ではいつか聞いたあの呻き声が聞こえる――部屋の奥に置かれたベッドと、仕切りの向こうにはベッドに横たわる人影が見える。人影は呻き声と共に、やけにしわがれた声で話し出す――「待っていたよアメリカ娘、いつかは来ると思ってた。この私を殺したいのかい、このヘレナ・マルコスを!」。スージーは咄嗟に、砕け散った置物の破片を手にしベッドへと向かうがベッドの中には誰もいなかった。「死が近づくよ!お前はすぐ死に会うよ、扉の先は地獄だ!」――叫び声の後、背後にあった扉が開いたかと思うと何とサラの遺体が起き上がりこちらに向かって歩いてくる。スージーは怯え竦むが、ふと背後のベッドに浮かび上がった影を見つけ、それこそがヘレナ・マルコスの本体だと思い手にしていた突起物で影の輪郭を突き刺した!途端、ミイラのような外見をした皺くちゃの女がはっきりと姿を現し倒れ、起き上がっていたサラの遺体も消え去った。魔女の崩壊と共に学校もろとも崩れ始め、魔女の一味だと思われるブランク達も苦しみ始めた。その隙に、壊れ始めあちこち炎上し始める学校から逃げ出すスージー。外は初めてやってきたあの日と同じ大雨だ。安堵からスージーは微笑を浮かべた表情のまま、雨の中を1人歩いてゆく――。

映画『サスペリア』の感想・評価・レビュー

美少女虐めと来たらこの人、というところでニッチな人気のあるアルジェント監督の変態的美学が随所に感じられる由緒正しきスプラッターホラー。色彩の鮮やかさは言うまでもない美しさで、ゴブリンが担当した不穏なBGM達も皆今更私が語る程ではないくらい有名だ。やはりホラーには美少女、美少女には血しぶき、王道を行く。それが良い。余談ではあるが両親が結婚前、付き合いたての頃に見た映画がコレだったとか……血は争えないと思ってしまった。(MIHOシネマ編集部)


見た時の心境や年齢によって恐怖の感じ方が大きく変わる作品ではないでしょうか。鮮明な赤を基調とした今作は古さや昔っぽさを感じるシーンはあるものの、非常に芸術的で美しいホラー作品となっていて怖さの中にも、お洒落で可愛らしい雰囲気を感じました。
しかし、それは大人になって鑑賞したからこう思えるのであって、子供の頃やもっと若い時に見ていたら芸術性よりも恐怖を強く感じたでしょう。照明や効果音の使い方も秀逸で観客を怖がらせ、驚かせようとしてくるのが凄く好きでした。(女性 30代)

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