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映画『スウィート ヒアアフター』のネタバレあらすじ結末と感想

映画『スウィート ヒアアフター』の概要:スクールバスの転落事故を巡り、正義感の強い弁護士の男が遺族を扇動して集団訴訟を起こす。しかし、貴重な生き証人だった少女の嘘によって、訴訟は台無しになってしまう。なぜ彼女は、嘘をついたのか。

映画『スウィート ヒアアフター』の作品情報

スウィート ヒアアフター

製作年:1997年
上映時間:110分
ジャンル:ヒューマンドラマ、サスペンス
監督:アトム・エゴヤン
キャスト:イアン・ホルム、カーザン・バンクス、サラ・ポーリー、トム・マッカムス etc

映画『スウィート ヒアアフター』の登場人物(キャスト)

ミッチェル・スティーヴンス(イアン・ホルム)
弁護士。正義感が強く、バス転落事故の遺族のために集団訴訟を起こす。娘のゾーイが薬物中毒で、エイズの陽性反応が出たことを知る。
ゾーイ・スティーヴンス(カーサン・バンクス)
ミッチェルの娘。薬物中毒で、エイズの陽性反応が出る。父に何度も電話をして、情緒不安定な様子を見せる。
ニコール・ブリュネル(サラ・ポーリー)
父のサムと一緒に、ロック歌手を目指す少女。サムとは、肉体関係がある。バス転落事故に巻き込まれ、車椅子での生活を余儀なくされる。事件の大事な生き証人。事故後、父の接し方が変わり、それを不快に思って裁判を台無しにしてしまう。
サム・ブリュネル(トム・マッカス)
ニコールの父。ニコールに才能を感じ、ニコールの夢を後押しする。ニコールと体の関係を持つ。事故で車椅子生活を余儀なくされたニコールに夢を感じなくなってしまう。ミッチェルの訴訟に協力する。
ドロリス・ディスコル(ガブリエル・ローズ)
スクールバスの運転手。子供達が大好きで、気さくなおばさん。子供達や親からも人気がある。運転技術は一流で、いつも安全運転を心がけている。事故後に、ミッチェルに色々と証言をする。
ビリー・アンセル(ブルース・グリーンウッド)
バスの整備士。夫婦でモーテルを経営しているリサと不倫をする。毎朝、自分の整備したスクールバスに息子を乗せ、安全確認のために学校までバスの後ろを車で追いかける。
リサ・ウォーカー(アルベルタ・ワトソン)
夫とモーテルを経営する女。ビリーと不倫関係にある。事故で子供を亡くし、一番最初にミッチェルと弁護士の契約をする。

映画『スウィート ヒアアフター』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)

映画『スウィート ヒアアフター』のストーリー(あらすじ)を結末・ラストまでわかりやすく簡単に解説しています。この先、ネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『スウィート ヒアアフター』のあらすじ【起】

ミッチェル・スティーヴンスがガソリンスタンドで洗車をしているとき、娘のゾーイから電話がかかってくる。ゾーイの様子は、情緒不安定だった。

洗車機が壊れていて、そこに閉じ込められてしまったミッチェル。びしょ濡れになりながら車を降りたミッチェル。そこには、一台のボロボロになったスクールバスがある。

スクールバスが、ある遊園地に停車する。そこから降りてきた生徒たちは、先生の指導のもと、ウサギ館へと入っていく。その遊園地にはニコールという少女がいた。彼女は、父親のサムと共にロック歌手を目指していた。

ミッチェルが訪れていた町では、かつてスクールバスの転落事故が起きていた。ミッチェルは有能な弁護士で、事故で亡くなった子供達の親を集めて集団訴訟を起こそうとしていたのだ。

ミッチェルが最初に訪れたのは、モーテルを営むウェンデルとリサ夫妻。ミッチェルはまず、彼らの弁護をする契約をする。その後、他に身の綺麗な遺族がいないかミッチェルは尋ねる。

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映画『スウィート ヒアアフター』のあらすじ【承】

スクールバスの運転手だったドロレスが、ミッチェルの前で証言をしている。彼女の首にはコルセットが巻かれている。彼女の話では、インディアンの養子を亡くしたハートリーとワンダのオットー夫妻だけが、いつも両親揃ってバスまで子供を送り届けていたという。

事故の日、ビリーという男がいつものように車でバスの後ろを走っていた。彼はバスの整備士で、自身の子供もバスに乗せていた。彼は毎日のように、子供の安全確認のためにバスの後ろを学校まで車で追いかけていたのだ。ビリーは車の中で、リサに電話をする。彼はリサと不倫をしていたのだ。

ミッチェルがオットー夫妻を訪れる。扉を開けたワンダは、悲壮感に満ちていた。家に入ったミッチェル。そこにはハートリーもいて、彼も悲壮感を漂わせていた。

ミッチェルは彼らに、子供を失った怒りを言葉に変えて、責任者と戦うと夫婦に伝える。ドロレスと戦うのかと尋ねるワンダ。ミッチェルは、戦う相手は他にいると答える。ミッチェルはその腐った根性を持った人間を叩きのめすためにやってきたのだと熱く語る。

映画『スウィート ヒアアフター』のあらすじ【転】

事故の前、ニコールはビリーに頼まれて子供達のベビーシッターをしていた。その頃、ビリーはリサと抱き合っていた。

ビリーが家に帰り、ニコールは迎えにきたサムの車に乗って帰宅する。その道中、二人は空き家に寄ると、そこで肉体関係を結ぶ。

いつも逢瀬を重ねていた部屋で、リサとビリーが話をする。リサは、事故の原因を究明するために弁護士を雇ったと言う。彼女は、ボルトに手抜きがあったのかもしれないと話す。それに対しビリーは、あれはただのアクシデントだと強く言い返す。整備した自分が一番分かっていると、ビリーは自信を持って言う。

バスの転落事故に巻き込まれたニコールは、一命を取り留める。しかし、車椅子での生活を余儀なくされてしまう。

ミッチェルがニコールを訪れる。大事な生き証人であるニコールに、事故当時のことを裁判で語って欲しいとミチェルは頼む。

夜中、ガソリンスタンドに停めてあった事故車をミッチェルが調べている。するとそこへ、ビリーが姿を現す。ビリーはよそ者のミッチェルのことを良く思っておらず、どこかへ行けとミッチェルを追い払おうとする。そんなビリーにミッチェルは、薬物中毒になってしまった自分の娘の話をする。

映画『スウィート ヒアアフター』の結末・ラスト(ネタバレ)

ゾーイから電話がかかってくるミッチェル。ゾーイは、エイズ陽性という診断を受けたと話す。

町民センターで、ドロリスが事故当時の様子を証言する。スピード違反はしておらず、ブレーキを踏んだが手遅れだったとドロリスは話す。

ビリーがサムの家を訪れる。ビリーはサムに、訴訟を取り下げてくれと申し出る。しかし、それは無理だとサムは断る。町民センターでの証言を明日に控えたニコールは、その様子を見ていた。その夜、サムはニコールに、事故があってからどこか心が離れてしまったみたいだと言う。ニコールは、事故前に二人で追いかけていた夢の話を始める。

証言場に現れたニコール。そこでサムを見つめたニコールは、ドロリスが猛スピードを出していたという嘘の証言をし、ミッチェルやサムの訴訟を台無しにしてしまう。証言が終わった後、ミッチェルはサムを非難する。そして、ニコールの嘘で裁判はもう終わってしまったと落胆する。

二年後、ミッチェルが再び町を訪れる。空港の駐車場では、ドロリスが元気に働いていた。この町には、人々が穏やかに暮らすための独特のしきたりのようなものがあるのだった。

映画『スウィート ヒアアフター』の感想・評価・レビュー

子供を亡くした遺族の深い悲しみと、事故によって身体に怪我を負った少女の心の傷が感じられる作品だった。ただ、全体的にのっぺりとした作品で、見ている途中で集中が切れてしまった。問題を抱える登場人物が多すぎたのも、個人的には微妙に感じた。誰か一人に的を絞った方が、個人的には見やすかったと思う。
ニコール役のサラ・ポーリーが、とても美しい人物だと思った。綺麗な目が印象的で、作品の中でも強い存在感を放っている。(女性 30代)


小さく閉鎖的なコミュニティの中で起きた事件は、想像もできない方向へと広がっていき、終始不穏な空気が漂った作品でした。
ただの事故かと思いきや、そこにはコミュニティの中にある闇が隠されていて正直こんなに胸糞悪い作品だと思わなかったので驚きました。
最後までモヤモヤした気持ちは残り、矛盾点も多々ありますがこの作品の見方としては、深く追求しないほうが面白いのかなと感じます。全く期待していなかった分、予想以上に楽しめた作品です。(女性 30代)

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