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映画『写真甲子園 0.5秒の夏』のネタバレあらすじ結末と感想

映画『写真甲子園 0.5秒の夏』の概要:写真の町、北海道東川町で開催される「全国高等学校写真選手権大会」を題材に描く青春ドラマ。窮地に追い込まれた東京の写真部と、熱量高い関西の写真部を軸に、高校生たちの成長を追う一作。

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映画『写真甲子園 0.5秒の夏』の作品情報

写真甲子園 0.5秒の夏

製作年:2017年
上映時間:117分
ジャンル:ヒューマンドラマ、青春
監督:菅原浩志
キャスト:笠菜月、白波瀬海来、中田青渚、甲斐翔真 etc

映画『写真甲子園 0.5秒の夏』の登場人物(キャスト)

尾山夢叶(笠菜月)
関西学園写真部の部長。ハツラツとした性格で、責任感が強い。部員のさくらと未来を引っ張っていくが、円満に済ませたいという自分の本音に気付き成長していく。
久華英子(秋野暢子)
関西学園写真部の顧問。熱い指導で生徒からの支持率が高いが、ある一枚の写真が問題になり責任を取るため教師を辞める決断をしている。
椿山翔太(甲斐翔真)
真面目で写真一筋な高校3年生。受験を控えながらも、学業よりも写真を優先している。部員が一人となった写真部を守っていて、写真甲子園への出場を夢に動き出す。
高島晃(河相我聞)
翔太が所属する桜ケ丘学園写真部の顧問。前任の顧問が築き上げた部活の歴史を守り切れず、せめて翔太の活動に貢献しようとしている。

映画『写真甲子園 0.5秒の夏』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)

映画『写真甲子園 0.5秒の夏』のストーリー(あらすじ)を結末・ラストまでわかりやすく簡単に解説しています。この先、ネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『写真甲子園 0.5秒の夏』のあらすじ【起】

北海道・東川町で開催される写真甲子園、通称・写甲。全国から本戦出場を目指し高校生が奮起している。関西学園写真部の三人は日常でキラキラとした瞬間を収めたいと熱心になる。一方で、桜ケ丘学園で写真部として一人活動する翔太も写甲を目指していた。しかし、部室も与えられず校長に嫌味を言われる日々を送っている日々。写甲は最低3人揃わないと出場できないことから、親友の大輝にまず声をかけた。AO入試の点数稼ぎに有利であること、そして大輝が好意を寄せるボランティア部の霧島絢香も居るとネタを吹き込むのだった。実は翔太は、絢香には後追いで声をかけていた。

熱意に負けて承諾した絢香のおかげで何とか部員が3人揃い、外に撮影に出るようになった。しかし、ある日部室代わりに使っていたスペースが撤去されてしまった。仕方なく校舎裏に机を並べ、日が暮れるまで応募する写真を厳選するのだった。

関西学園の写真部3人は相変わらず町中で声をかけ、身近な人の写真を撮り続けていた。見事に入選した関西学園だったが、被写体となった中学生の親からクレームが入り問題となってしまうのだった。顧問の久華の説得で何とか辞退は免れ、無事に北海道へ向かうのだった。

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映画『写真甲子園 0.5秒の夏』のあらすじ【承】

なんと翔太達もブロック審査を通過した。昨年の優勝校や写甲の常連校が揃い、緊迫する会場の空気に圧倒される大輝。翔太も念願のチャンスを前に緊張して上がり切ってしまうのだった。

地元の家庭にホームステイさせてもらいながら、日ごとのテーマをこなしていく一回戦。顧問は一切手も口も出せないルールを前に、翔太たちの顧問・高島は悶々とする。一方で関西学園の顧問・久喜はドンと構え「写甲は予選を頑張ったご褒美だ」と高島にアドバイスするのだった。

初日のテーマは「自然」である。型にはまった写真を選んだ翔太たちと自分たちが楽しんでいる姿を選んだ関西学園。どちらもあまりいい評価は得られなかった。悔しい気持ちを晴らそうと、ひとり夕陽を見ていた関西学園の夢叶は偶然翔太と出会った。初めて言葉を交わした二人は、「最初で最後の写甲」に賭ける気持ちを語り合い一緒に過ごすのだった。

東川町をあげて行われる写甲は、地域の住民たちのバックアップの元成り立っている。ホームステイ先の主婦達は食事のサポートをしながら、生徒達の写真を楽しみにしているのだった。しかし、関西学園は挽回を図ろうと熱心になりすぎて意見が割れてしまった。時間が限られる中、夢叶はテーマも決まらず追い込まれてしまった。何とか乗り切ったものの、自分の意見がないことに気付かされた夢叶は、部長という責任に押しつぶされそうになるのだった。

映画『写真甲子園 0.5秒の夏』のあらすじ【転】

「つながり」というテーマでプレゼンをした夢叶。「個々の写真の方向性は違うものの、急がず焦らず軌道修正をして欲しい」と審査員の温かい言葉を受け、夢叶達は涙を流すのだった。団結を取り戻した夢叶達は翌日、久華に「ついてこないでください」と申し出たのだった。

伸び伸びと動き回る生徒達を見守る久華と高島。実は久華は問題になった写真の責任を取って退職することになっていると明かした。顧問として最後の写甲に悔いを残したくないという久華。一方で高島率いる桜ケ丘学園だったが、大輝が高熱で倒れてしまった。翔太と絢香だけでも写真を撮るように指示した高島。絢香は大輝の分もいい写真を撮ろうと、一度断られた椅子工房に頭を下げて写真撮影の許可をもらうのだった。

写甲が始まったばかりの頃、椅子工房の棟梁は一人の少女と出会ったと話を聞かせてくれた。その時は職人として勝手に撮影されたことが許せず、フィルムを抜き取って拒絶してしまったという。しかしその少女は、大会後すぐに命を落としてしまったと知った棟梁は、後悔から少女が持っていたカメラをずっと工房に置いているのだった。翔太と絢香は「今を切り取るしかない」と強く誓い、再び動き出した。

大輝に付き添って病院に行った高島は、校長から写真部の廃部について報告を受けた。その電話のやり取りを聞いてしまった大輝は、自分ことばかりでいっぱいだったと泣いて高島に謝るのだった。しかし大輝が居たことで写甲に出られた、と高島はお礼を言う。大輝は再びカメラを手に取り、翔太達と合流するのだった。

映画『写真甲子園 0.5秒の夏』の結末・ラスト(ネタバレ)

後輩や同じ地区で出場を諦めた同志の気持ちを背負い、別行動で写真に熱中する夢叶。しかし川での撮影中に負傷し、SDカードを落としてしまった。時間が限られる中、会場に向かうバスは目の前で出発してしまう。諦めきれない夢叶は、バスの走った道をひたすらに走り出した。その先で待っていた部員のさくらと未来は、最終のバスを見逃し夢叶の到着を待った。怪我をした夢叶は会場へと向かうと言い切り、二人を連れて走り出した。会場では久華が提出期限を延ばしてもらうよう交渉するも、限界を超えてしまう。写真選考の場に、夢叶たちが居ないことを翔太は気にかけるのだった。

何とか会場に着いた夢叶だったが、久華からSDカードの提出に間に合わなかった事実を聞かされ泣き崩れた。しかし、久華はこれまで撮った写真で勝負しようと背中を押すのだった。

最終プレゼンでは桜ケ丘学園、関西学園共にできる限りの力を発揮した。表彰式の前にようやく久華は教師を辞めることを伝えたのだった。表彰式の時間を迎え、なんと桜ケ丘学園は準優勝に選ばれた。高島は「ざまあみろ、校長」と叫び翔太たちと喜び合うのだった。

受賞できなかった夢叶だが、来年は運営に回る決心をしていた。盛大な花火で大会は終わりを迎え、それぞれの道を歩み始める。一学年下の絢香はもう一度、写甲への切符を得るために再びカメラを抱え町を駆け回るのだった。

映画『写真甲子園 0.5秒の夏』の感想・評価・レビュー

今や見たことがある若手俳優の顔ぶれが並ぶ鮮度ある一作であった。舞台となる北海道出身の菅原浩志監督が手がけた今作は、自然の力と住民の厚みを存分に活用した美しさで溢れていた。物語の軸となる写真甲子園に初めて触れる者には、大会の難易度が伝わりにくいのが少し勿体無いが、青春ドラマとして生徒も教師も共に成長する展開は胸が熱くなる。爽やかな余韻でエンドロールを迎え、過去の表彰作品を堪能できる時間は実に有意義であったように思う。(MIHOシネマ編集部)


写真の世界にも、こんなに胸が高鳴り、心が熱く燃えるような大会があるのだと初めて知りました。写真は趣味のものだと思っていたので、良い悪いは個人の好みだし、絶対に見る人の感情に影響されるだろうなんて考えていました。
しかし、ほんの数秒、ほんの数センチの切り取り方の違いで全く違う写真になることに本当に驚きました。一枚の写真に沢山の思いや、情熱が詰まっていて、言ってしまえばただの「写真」なのに見ているだけで心を揺さぶられ感動してしまいました。非常に斬新で新しい青春映画だと思います。(女性 30代)

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