映画『旅するジーンズと16歳の夏』の概要:仲良し4人組が初めて離れ離れでひと夏を過ごすことになる。そんな4人をつないでくれるのは魔法のジーンズ。思春期を迎えた少女たちの成長と変わらぬ友情を爽やかに描いたアメリカの青春映画。
映画『旅するジーンズと16歳の夏』の作品情報
上映時間:118分
ジャンル:青春、ヒューマンドラマ
監督:ケン・クワピス
キャスト:アンバー・タンブリン、アレクシス・ブレデル、アメリカ・フェレーラ、ブレイク・ライヴリー etc
映画『旅するジーンズと16歳の夏』の登場人物(キャスト)
- カルメン(アメリカ・フェレーラ)
- プエルトリコ系で文才がある。幼い頃に両親が離婚し、離れて暮らす父親とは年に2回だけ会っている。
- リーナ(アレクシス・ブレデル)
- 両親はギリシャからの移民で、祖父母は今もギリシャにいる。美人だが大人しく内向的で、絵を描くのが好き。
- ティビー(アンバー・タンブリン)
- 鼻ピアスにブルーのヘアカラーをした反逆児。兄弟が多く、まだ幼い妹がいる。自主制作映画を作っている。
- ブリジット(ブレイク・ライヴリー)
- 自由奔放なブロンド美人。走るのが早く、将来有望なサッカー選手。うつ病だった母親が最近自殺した。
映画『旅するジーンズと16歳の夏』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)
映画『旅するジーンズと16歳の夏』のあらすじ【起】
アメリカのメリーランド州で暮らすカルメン、リーナ、ティビー、ブリジットの4人は16年来の大親友。母親同士がマタニティ教室で知り合ったのがきっかけで、生まれた時から一緒の4人は、幼い頃から喜びも悲しみも分かち合ってきた。そんな4人も16歳という思春期を迎え、今年の夏休みは初めて離れて過ごすことになる。
旅立ちの前。古着屋に入った4人は、そこで体型の違う4人になぜかフィットする不思議なジーンズを見つける。4人はこのジーンズに奇跡を感じ、これを一週間交代で使用するジーンズ同盟を結成して細かい規則を決める。
旅立ちの日。カルメンはサウス・カロライナの父親のところへ。リーナはギリシャの祖父母のところへ。ブリジットはサッカー合宿でメキシコへ。そしてドキュメンタリー映画を製作中のブリジットは地元に残ってバイト生活に入る。
一番遠方へ行くリーナが最初にジーンズを持って行く。ジーンズをはいて海辺で絵を描いていたリーナは海へ落ちてしまい、コスタスというアテネ大学へ通う青年に助けられる。12歳までアメリカで育ったコスタスは英語が堪能で、リーナをダンスに誘ってくれる。しかし内向的なリーナはそれを断る。後からコスタスとリーナの祖父同士が犬猿の仲であることもわかり、リーナは二度とコスタスには会わないと祖母に誓う。
映画『旅するジーンズと16歳の夏』のあらすじ【承】
ジーンズは手紙とともにリーナからティビーに送られる。大型スーパーでバイト中、ティビーはベイリーという少女が倒れているのを発見する。ジーンズは番地のよく似たベイリーの自宅に配達され、それをベイリーが届けに来る。ベイリーは小生意気な少女で、厚かましく家に入り込んでティビーの助手にしてくれと言い出す。ティビーはそれを断るが、ベイリーは強引に助手としてティビーにつきまとい始める。ベイリーは好奇心旺盛でその発想は確かに面白く、ティビーもベイリーを助手として認めるようになる。実はベイリーは白血病で、余命いくばくもない運命にあった。それを知ったティビーはベイリーとの接し方に戸惑うが、彼女の本音を聞いて多くのことを考えるようになる。
そんな日々を手紙に綴り、ティビーはジーンズをカルメンに送る。カルメンは初めて父とゆっくり過ごせる夏休みを楽しみにしていたが、父は再婚する予定のリディアと2人の連れ子と暮らしていた。父はリディアたちと作った新しい家庭にすっかり馴染んでおり、カルメンは強い疎外感を感じる。しかしカルメンはその怒りと寂しさを父に伝えられない。結婚式の準備のことでついにキレてしまったカルメンは、予定を切り上げて勝手に家へ帰ってしまう。カルメンはティビーに慰めて欲しかったが、ティビーは死と向き合っているベイリーのことを考えるとカルメンを慰める気になれない。そのことで2人は喧嘩をする。失意のカルメンは手紙とともにジーンズをブリジットに送る。
映画『旅するジーンズと16歳の夏』のあらすじ【転】
ブリジットはサッカー合宿でコーチをしている大学生のエリックに恋をする。コーチとの恋愛は禁止されていたが、自信家のブリジットはエリックに猛アプローチを開始する。エリックは積極的なブリジットに恐れを感じていたが、ブリジットは全く引かない。ブリジットはジーンズをはいてエリックを夜の海岸へ誘い、そのまま2人は結ばれる。しかしなぜかブリジットは不安に襲われ、すっかり元気を失くしてしまう。その気持ちを手紙に書いて、ジーンズはリーナに送られる。
リーナは自分の殻を打ち破り、コスタスと恋に落ちていた。しかしそのことで祖母にひどく怒られ、無理やり引き離されてしまう。ブリジットから届いたジーンズをはいてリーナは祖父に自分の気持ちを正直に話してみる。祖父はリーナを許してくれ、リーナは港へ走る。遠距離恋愛になるコスタスとリーナはその愛を確認しあうことができた。リーナはジーンズのおかげで幸せいっぱいだと手紙に綴り、ジーンズをティビーに送る。
ティビーは入院したベイリーのお見舞いに行く勇気が出なかった。しかしジーンズを持ってベイリーのところへ行き、それをベイリーに渡して奇跡を祈る。ベイリーはティビーと出会えたことで魔法は効いていると語り、必ず映画を仕上げて欲しいと言い残して天国へ召される。
映画『旅するジーンズと16歳の夏』の結末・ラスト(ネタバレ)
カルメンはティビーのおかげで父親に本音を話すことができ、それを聞いた父はただカルメンに謝り続ける。ティビーは部屋に残されていたベイリーのビデオを見て勇気をもらい、「ベイリー」というタイトルの映画を仕上げる。帰国直前にベッドの下に落ちていたブリジットの手紙を読んだリーナは、すぐにアメリカへ連絡する。
合宿から帰っても落ち込んだままだったブリジットをカルメンとティビーが訪ねてくる。ブリジットは母が自殺した悲しみと向き合うことを恐れ、いつも元気でいようとしてきた。元気にしていれば母が生きているような気がするし、母のように落ち込むことが怖かった。初めて本音を話したブリジットにカルメンとティビーは優しく寄り添い、その日はブリジットの家に泊まる。
翌朝。飼い犬がジーンズをくわえて外へ出てしまい、ブリジットはそれを追いかける。犬を捕まえてくれたのはあのエリックだった。ブリジットとエリックは友達として抱擁し合い、ブリジットはさっぱりする。
ティビーとブリジットとカルメンは帰国したリーナを空港へ迎えに行き、そのまま嫌がるカルメンを乗せてサウス・カロライナへ車を走らせる。カルメンはジーンズ姿で父の結婚式へ出席する。父はカルメンの姿を見て結婚式を中断し、“自分の大切な娘です”とみんなに紹介してくれる。
この夏、4人は自然の流れで成長した。そんな4人の人生の転機を見守り、4人の心をつなぎ続けたのがジーンズの魔法なのだ。そして4人は改めてこの友情に感謝する。
映画『旅するジーンズと16歳の夏』の感想・評価・レビュー
自分がどんな人間で、これからどうなって行くかということは常に人生に付きまとうテーマだが、16歳という年齢は特に物事に敏感で繊細なお年頃である。タイプの違う4人組が魔法のジーンズを介してそれぞれの悩みや問題と向き合う姿は、友情の素晴らしさと、若さというパワーがどれだけ貴重なものだったかを思い出させてくれる。
アメリカ・フェレーラは演じる役によって全く違った表情を見せる。本当に魅力的で大好きな女優さん。家族との関係に悩みながらも素直になること、利害のない純粋な恋をして傷ついたりぶつかり合うことなど、友達と助け合ってこそより人生が豊かなものになると教えてくれる爽やかな映画。(女性 30代)
友情ありラブあり、青春の課題が盛り沢山なこれぞ青春映画。
16歳という見た目は大人だけど、中身は自分が思っているよりずっと子供という、あやうい不安定な女子が4人、それぞれ一歩成長する過程が描かれています。
とっくに通り過ぎてしまった青春ですがこの映画を観るとドキドキしたり、嫌な感情を思い出したりと、随分楽しめました。
4人ということが多くの人に共感される肝でしようか。
4人のうち誰かに感情移入しやすい。また、自分のこういう部分はこの子、別の部分はこっちの子と、共感しやすくて女子は特に楽しめる映画なのではないでしょうか。(女性 40代)
16歳という多感な時期に、色んな出来事が起こり、成長していく物語。赤ちゃんからずっと傍に居た親友と、少しの間と言えども離れ離れになってしまうのは不安だと思う。不思議なジーンズがあることで、親友達との繋がりを感じていられたのかなと思った。
初めて友達に本音が言えたり、父親に対して素直な気持ちが言えたり、彼女達にとってこの年の夏は大人になっても忘れられない年になったのではないかと思う。彼女達と同じぐらいの年に、見たかったなと思った。(女性 30代)
奇跡の幼馴染4人組が、バラバラに離れて暮らす中で成長していく、一夏の出来事が描かれています。4人ともそれぞれ悩みを抱えながらも、幼馴染のトラブルの前ではそれは二の次。オールフォアワンとは4人のためにある言葉だと思えるほど、素敵な友情が築けています。ベタでしたがティビーのお話はグッときました。病室での会話は泣けます。カーメンも最後の結婚式は良かったのですが、カーメン抜きでの食事シーンは撮らないで欲しかったです。カーメンは良く消化できましたね。トラウマものですよ…(男性 20代)
若いっていいなと感じる今作。自分が16歳の時何を考えていたか覚えていますか?当時は恋も友情も何もかも本気で悩んで苦しんでいたのだと思いますが、大人になってしまった今はもう「いい思い出」になってしまって、よく覚えていませんよね。
そんな16歳だからこそ感じられる豊かな気持ちを思い出させてくれるようなとても素敵な作品でした。タイプの違う4人がそれぞれ悩みを抱え、これからどうしよう、自分は何をしたいのか…と考えているので必ず誰かに共感出来、感情移入しながら見てしまうと思います。(女性 30代)
みんなの感想・レビュー