映画『探偵なふたり リターンズ』の概要:2015年公開の「探偵なふたり」の続編。新キャラクターのヨチを迎え、クォン・サンウ演じる推理マニアと、ベテラン刑事がタッグを組み不可解な殺人事件解決に挑む。
映画『探偵なふたり リターンズ』の作品情報
上映時間:116分
ジャンル:アクション、コメディ、サスペンス
監督:イ・オンヒ
キャスト:クォン・サンウ、ソン・ドンイル、イ・グァンス、ソ・ヨンヒ etc
映画『探偵なふたり リターンズ』の登場人物(キャスト)
- カン・デマン(クォン・サンウ)
- マンガ喫茶を営んでいた推理マニア。前作でとある事件を解決し、警察からの感謝状を誇りに、探偵事務所を一念発起で開業する。
- ノ・テス(ソン・ドンイル)
- 妻と双子の娘に頭が上がらないベテラン刑事。相棒のデマンには警察を辞めたと嘘をつき、探偵業を共に営む。警察の人脈を使い、事件解決への糸口を掴んでいく。
- ヨチ(イ・グァンス)
- 元テスの部下であり、サイバー捜査官の一人だったが警察を辞め、闇稼業を営んでいた。殺人事件解決のため、テスから依頼を受け二人に手を貸すことになる。
映画『探偵なふたり リターンズ』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)
映画『探偵なふたり リターンズ』のあらすじ【起】
本格的に探偵事務所を始めたデマンとジュンス。順調とは言えない経営状況に不安を抱える二人。ようやく客が来たかと思うと、昼食の出前営業だった。興信所の様な浮気調査や迷い犬探しは嫌だとプライドをひけらかすデマン。しかしテスは刑事を辞め、意を決して始めた探偵業だというのに、生活を圧迫し妻に嫌味を言われる日々に飽き飽きしていた。
テスは、元刑事らしく自分の足を使って法律事務所や知り合いの元を渡り歩いていた。一方でデマンが始めたのは警察署での営業活動。警察に相手にされず困っている市民にアプローチするというもの。そんなデマンに一本の電話が入る。それは以前経営していた漫画喫茶を売りつけた先輩からだった。探偵事務所を開いたことを妻に内緒にしていたため、漫画喫茶を手伝いに妻が来てしまったというのだ。急いで店へ向かうと、自分が経営していた時とは真逆の繫盛っぷり。自分が置かれた状況と比較し、落ち込む一方だった。
事務所に戻ると初めての依頼者が尋ねてきた。それは警察署で声をかけた女性であった。女性の依頼は、突然婚約者が姿を消した真相を探ってほしいというもの。とある夜、夜食を買いに出た婚約者が戻らないため、警察に届け出ても待つように言われ、職場でも連絡がないと言われただけで全く情報が掴めないというのだ。数日後、警察から「婚約者が電車に轢かれ死亡した」と連絡が入った。天涯孤独である婚約者の身元確認や火葬はすでに、育った施設に連絡し済まされているという。疑問を抱いた依頼者は、婚約者が忘れていったスマホを確認してみると、イ・デヒョンという人物から送られた「施設の出身者が何人も死んでいるから気をつけろ」とメールが残っていた。再度、警察に捜査依頼しに行くも相手にされないで途方に暮れていたところで、デマンに声を掛けられていたのだった。殺人事件だと確信した二人は、依頼者と契約を交わし捜査を始めた。
テスは警察時代の部下を使って、警察側の情報を探りだした。婚約者を轢いてしまった電車の運転手は「男性は一人だった」と証言しているという。さらに、警察もイ・デヒョンという男の正体を探ってはいるが、全くつかめていない様子であった。
映画『探偵なふたり リターンズ』のあらすじ【承】
独自の操作を始めるため、テスはサイバー捜査隊のエースだったヨチの元を訪ねる。成功報酬の10%を渡すという条件で、イ・デヒョンの携帯のデータを抜き取ることに成功する。GPSデータから居場所を突き止め、接触しかけたところでバイクを使い逃げられてしまうのだった。再びGPSを追ってとある廃墟にたどり着いた二人。ようやくイ・デヒョンを見つけたものの、何者かから逃げている様子のイ・デヒョンは「毒蛇め」と悔しがりながら事故で大けがを負うのだった。
防犯カメラのおかげでデヒョンの事故の犯人ではないということが証明された二人。しかし、休職中のテスと一般人であるデマンが操作ごっこをしているのが目障りに感じている新しいチーム長は二人を追い払おうとするのであった。二人への協力を禁じられたテスの部下たち。しかしテスは部下たちに無理難題を押し付け困惑させた隙に、証拠となるイ・デヒョンの携帯とデマンの携帯を入れ替えていた。
事件の真相追及を諦めない二人。大けがを負って入院しているデヒョンの見張りをヨチに依頼し、デヒョンの家に乗り込むことに。そして、デヒョンが部屋に残した関連事件のメモを見つけたのである。早速、これまでの被害者たちが務めていたハナ食品へ捜査に向かった。その頃、デヒョンの見張りをしているヨチは、看護師にもらったサンドイッチを食べ意識朦朧としていた。その隙に何者かがデヒョンの命を狙っていた。ヨチからの連絡を受け、病院に駆け付けた二人。しかし、時すでに遅く唯一の鍵であるデヒョンは命を落としていた。事件に関連する人間の命を失ったテスは落胆し、飲み明かした。
翌日、デマンはとある一説を立てていた。正式に登録されている依頼者の婚約者の住所は、職場の寮ではなかった。ということは事故に遭い病院に搬送されたとしても、職場のキム部長が最初に連絡を受けるわけがないのである。そこでデマンは一連の事件の主犯はキム部長だと疑いを立てる。そんなデマンの推測に対して、「事件には流れがある」とアドバイスをするテス。一連の事件には「感情」が見えないというのである。デマンは事件の動機を探り始める。そうして、キム部長は金目当てで身寄りのない職員たちを殺めたのではないかと勘づく。
映画『探偵なふたり リターンズ』のあらすじ【転】
二人の予想は見事的中。殺された職員たちは、死ぬ前に保険を掛けられており、死亡保険金は全てキム部長が受け取っていた。そして妻の医療費に充てていたというのだ。部下たちと共にチーム長を説得し、犯人であるキム部長を逮捕することができた。見事に自白するキム部長であったが、その様子に何か違和感を覚えるテス。
一件落着ということで、家族にたくさんのプレゼントを持ち帰ったデマン。しかし妻は漫画喫茶を売ったことをようやく知り離婚届を突きつけられてしまう。一方でテスも妻との関係は修復できず、家族サービスをしても驚かれるだけで感謝はされないのであった。
自分たちが解決した事件のニュースを見ていた二人。犯人のキム部長は片手が義手であることにテスは気づく。一つの事件では4階まで壁を登り部屋に入っていたため、真犯人は他にいると察した二人。すぐに部下に連絡し、監視カメラやキム部長の当初のアリバイを再び確認してまわった。するとやはりキム部長にはきっちりとしたアリバイがあり、妻の入院費は払われ退院していた。テスは取り調べ中に覚えた違和感を思い出し、真犯人は施設長であると確信する。
翌日、施設長に事件の真相を追求するということで意気込んで起きたデマン。しかし、妻の姿はなく「好きに生きるわ」というメモが残されていた。仕方なく、赤ん坊を連れて施設長の元へ出向く二人。婚約者の遺品を渡すという名目で話を聞きながら、キム部長に以外に真犯人がいることに気づいていると諭すのであった。その夜、長男の迎えが遅くなってしまったデマン。ちょうど習い事の教室前に着くと息子が見知らぬ男の車に乗ろうとしていた。誘拐寸前のところで助けに入ったおかげで、家族の危機は救われたが事件に関連している様子であった。
その頃、ヨチは睡眠薬の出所を探っていた出先で、不法侵入として捕まってしまう。さらにテスも施設長の娘にハメられ逮捕されてしまった。唯一、身柄を拘束されていないデマン。単独で調べていた婚約者の血液型の結果がわかり、事件の被害者と婚約者は別人物であると発覚する。しかし息子の一大事を経て、デマンは妻に外出禁止にされていたため懇願し、事件の真相を探りに出る。息子はデマンの雄姿を見送り、おもちゃの銃を手渡すのであった。
映画『探偵なふたり リターンズ』の結末・ラスト(ネタバレ)
デマンの気づいた真相は、施設長の企みは臓器移植だということ。しかし婚約者のみは事件の様子が違うことから、まだ生きていると推測した。事故現場に残された結婚はA型。しかし婚約者はA型のRH-なのである。ヨチは施設長の部屋へ侵入した際に、カレンダーに書かれた出発時間と飛行機の便名を覚えていた。婚約者の臓器移植の手術は数時間後に迫っているとわかり、チーム長は逮捕していたテスとヨチを解放。空港と施設長の元、二手に分かれるのであった。
デマンとヨチは空港で施設長の娘を探しに出た。予想は的中し、施設長の娘は弱った男性を何者かに引き渡していた。その頃、施設長の元へ詰め寄ったテスは仇討され、どこかへ連れ去られる。連絡がつかなくなったテスを心配し、勘を働かせるデマン。キム部長と施設長が口にした修道院を思い出し、ヨチにバイクを走らせた。デマンの予想は的中。臓器売買をする組織のアジトになっていた。
施設長が手術に取り掛かろうとしていた矢先、ヨチのバイクに乗り強行突入する二人。なんとかテスを助け出し、施設長を探そうとしたところで、施設長の娘に襲われてしまった。なんとか切り抜けた3人。不思議な扉を見つけ、進んだ先にはデマンの息子を誘拐しようとした男が立ちはだかっていた。咄嗟にデマンの持っていたおもちゃの銃を使い威嚇するヨチ。ヨチの計らいで何とかピンチを切り抜け、施術室へたどり着いたデマンとテス。しかし施設長は本物の銃を持っており、危機は続く。テスに向かって威嚇射撃をした施設長。なんとデマンは助けるために代わりに撃たれてしまう。咄嗟に施設長に飛びかかったテスは、何度も殴り主導者である施設長の暴走を抑えるのであった。その頃、ヨチは警察を引き連れ助けに向かっていた。デマンも命に別状はなく、事件は無事に一件落着を迎えるのである。唯一、ヨチだけは相棒のバイクを失い、泣き崩れていた。
デマンの入院先で、依頼者夫婦と対面した二人は依頼金を返金するのである。その様子を盗聴していたヨチは不服そうな表情で聞いていた。しかし、実は保険金詐欺を解決したお礼に、テスとデマンは多額の謝礼を受け取ることができるのである。実はテスの洋服にも盗聴器を仕込んでいたヨチは、多額の謝礼の事実を知りニヤリとしながら自転車で走り出した。
後日、難事件を解決した探偵として名を広めた二人の元に、新たな依頼者が訪ねてきた。それは行方不明の猫の捜索依頼だった。
映画『探偵なふたり リターンズ』の感想・評価・レビュー
実にユーモラスな一作であった。韓国コメディならではの軽快でリズミカルな展開。コミカルさのバランスもいい塩梅でくどくない。探偵が中心となる物語ながら、男臭さは一切感じないので、老若男女問わず楽しめるのではないかと思う。また、一作目を見ていなくとも掴めるキャラクター設定がとても良心的。人間味溢れる「二人」と新キャラクター・ヨチの掛け合いは記憶に残したいものであった。(MIHOシネマ編集部)
1作目で事件解決に貢献した2人。気を良くしたデマンは遂に探偵事務所を始めます。前作を見ていなくてもわかるストーリーで、個人的にはかなりクオリティが上がっているように感じました。
前作はテンポが悪くて長いなと感じてしまいましたが、今作はテンポが良くてとにかく分かりやすいです。キャラクターの設定がはっきりしているのですんなりと作品の雰囲気に入り込めました。
劇場で見るような作品では無いので、おうちでのんびりしながら見るのがちょうど良いかなと思います。(女性 30代)
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前作 探偵なふたり
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