映画『探偵なふたり』の概要:カン・デマンは漫画喫茶の店長として働く傍ら、未解決殺人事件情報ブログの運営と警察の捜査の干渉に力を注いでいた。そんなある日、先輩の妻が殺される事件が起きる。犯人として逮捕されたのは、デマンの幼馴染の刑事だった。
映画『探偵なふたり』の作品情報
上映時間:120分
ジャンル:コメディ、ミステリー
監督:キム・ジョンフン
キャスト:クォン・サンウ、ソン・ドンイル、ソ・ヨンヒ、パク・ヘジュン etc
映画『探偵なふたり』の登場人物(キャスト)
- カン・デマン(クォン・サンウ)
- 漫画喫茶の店長。仕事にやる気はなく、未解決殺人事件情報ブログの運営と警察の捜査の干渉に力を注いでいる。妻は恐妻家で、尻に敷かれている。
- ノ・テス(ソン・ドンイル)
- 「人食いザメ」と呼ばれる伝説の刑事。無骨な人物。実は妻が恐妻家で、尻に敷かれている。
- イ・ジュンス(パク・ヘジュン)
- デマンの幼馴染。刑事。友人思いの優しい人物。ある殺人事件の犯人として逮捕されてしまう。
映画『探偵なふたり』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)
映画『探偵なふたり』のあらすじ【起】
カン・デマンは漫画喫茶の店長として働きながら、未解決殺人事件情報ブログの運営を行っていた。彼には妻もおり、子供もいた。しかし、家族や仕事のことなどそっちのけで、警察の捜査に干渉してばかりいた。ノ・テス刑事はデマンのことを疎ましく思い、今度現れたら逮捕すると伝えるようデマンの幼馴染であるイ・ジュンス刑事に話した。
テスは「人食いザメ」と呼ばれる伝説の刑事だった。2年前に暴力団を検挙したとき、素手で3人死なせていた。周囲の手に余る存在だったため、その事件を契機に左遷させられたのだ。
デマンは9年前に警察を目指していた。しかし、足の検査で引っ掛かってしまい、不合格となったのだ。デマンは刑事になれなかったことを悔しがり、ジュンスのことを羨ましく思っていた。デマンがジュンスと会っているとき、デマンは先輩のキム・ヨンギュから呼び出しがかかり、ジュンスは警察署から呼び出しがかかる。2人はそこで別れた。
デマンはヨンギュの家で目を覚ました。床に血痕があったため辿っていくと、ヨンギュの妻であるソヨンの死体があった。その後、警察が駆けつけ調査が行われた。犯人は顔見知りで右利きの人物。そして、左利きの犯行に見せかけたことが分かった。テスはヨンギュの犯行を疑った。しかし、犯行時間に飲み屋にいたという証言が出たため、アリバイが成立する。
ソヨンの手首になかった血液反応が時計の裏面から検出された。当初の推定通り、死亡推定時刻は腕時計の時刻と近い23時20分頃だった。血痕が付着したのは、犯人が時計を外して再び着けたか、鑑識のミスかどちらかが考えられた。犯人が着け直すのはおかしかったため、鑑識のミスだろうと結論づけられた。さらに、ソヨンの口座から1億5千万ウォンが引き出されていたことが分かり、用途が調べられることになった。
映画『探偵なふたり』のあらすじ【承】
ジュンスはヨンギュに多額の借金があったため、財産を守るためにソヨンに名義を貸していた。さらに、ジュンスの衣服で包んだ凶器が見つかった。ジュンスは犯行を否定するが、ソヨンを殺害の罪で捕まってしまう。テスはジュンスが犯人とは思えなかったため、ジュンスを捕らえた上司を殴りつけた。上司は2週間で状況を覆せたら自分が辞め、無理だったらテスが辞めるよう話を持ちかけた。テスはそれを受け入れた。
デマンはジュンスが捕まったことを知り衝撃を受けた。事件の調査を行うため、不審な男を目撃した女性の元を訪ねた。すると、テスもやって来た。テスが追い返してもデマンは諦めなかったため、2人で話を聞くことになった。女性は事件当夜、40代半ばで体格が良く、つり上がった眉毛をした不審な男がいたことを話した。女性は不審な男の車のナンバーをメモしていた。ジュンスはメモを確認すると火を点けて燃やした。そして、デマンに手を組もうと話を持ちかけた。デマンは激しく怒って嫌がった。
車の所有者はジャンホ・45歳。「WHO」というカフェの経営者だった。デマンは運転手としてテスと一緒にジャンホの家を訪ねた。ジャンホは3日前から仕事で中国に行っていて不在だった。帰国は2週間後の予定だった。
デマン達はジュンスと面会した。事件当日、ジュンスはソヨンと会っていた。離婚を回避する約束で名義を貸していたのだが、ソヨンはヨンギュと別れるつもりでいた。ジュンスはヨンギュへの手紙を託し、彼を支えるようデマンに頼んだ。
ジャンホの出国記録もビザ申請の形跡もなかった。デマン達はジャンホに話を聞いた。ジャンホは土地の売買でソヨンと知り合いだったことを話した。ソヨンにせがまれて渋々土地を売ったのだが、マンションを建てて大儲けしたため腹を立てて会いに行ったのだった。ジャンホがソヨンの元を訪ねたのは10時頃で、11時には人と会う約束があったので帰っていた。ジャンホは誰と会う約束だったか言わなかったが、デマンは誰に会っていたか分かった。カフェの従業員の女性と浮気をしていたのだ。ジャンホは事件当夜、帰る際に不審な2人の人影を見たことをデマン達に話した。
映画『探偵なふたり』のあらすじ【転】
テスとデマンには恐妻家という共通点があった。デマンはそのことを知り、テスに対して親近感を抱く。そんな時、マ刑事の妻であるヤン・ミナが殺害される事件が起こる。発見時、遺体は工房の窯の中にあった。しかも、犯人は被害者の携帯を使い、窯の中で燃える遺体の写真を撮っていた。時刻は午前1時5分だった。テスは現場を確認し、ソヨンの事件の犯人と同一人物だと推察した。犯人には共犯者がいる可能性が高かった。
デマンは今回の事件と関連がありそうな事件として、良才川殺人事件のことをテスに話した。良才川殺人事件では、遺体は川から道端に運ばれていた。遺体が長時間水に浸かっていると死亡推定時刻を特定することができないからと推察された。ソヨンの事件では被害者の時計の裏から血痕が見つかり、ミナの事件ではわざわざ写真が残っていた。つまり、犯人は全て犯行時刻を知らせていた。そこまでは分かっていたが、なぜ犯行時刻を知らせているのかまでは分からなかった。
良才川殺人事件の被害者レイナは、自殺と断定されていた。事件の2か月後にレイナの靴紐によって絞殺された少女の遺体が発見されていた。少女を誘拐したレイナが偶発的に殺害してしまい、悲観して自殺したのではないかと考えられていた。レイナの事件の容疑者の1人として、イ・ユノが考えられていた。ユノはマ刑事の検挙者名簿の中にあった1人だった。ユノは窃盗と婦女暴行の容疑で逮捕され、懲役7年のところを減刑されて出所していた。
ミナ殺害の容疑者が捕まった。ミナと関係があった男性だった。男性は殺害を否定し、マ刑事が商売女に入れ込んでいて借金があったことを話した。一方、ユノを探していたデマン達は、水とブレーカーを使って殺されそうになる。テスが銃を使ってコンセントを壊し、事なきを得る。テスは家族のことを考えて、手を引くようデマンを諭した。しかし、デマンは兄弟同前に育ったジュンスを見捨てる気はなく、捜査を止めるつもりはなかった。
映画『探偵なふたり』の結末・ラスト(ネタバレ)
デマンはレイナとマ刑事が被害者全員と接点があったことから、マ刑事とユノが共犯ではないかと推察した。しかし、テスはそれを否定した。ミナ殺害事件で犯人らしきDNAが採取されたのだが、犯罪者データーベースにないAB型の人間だった。ユノでもマ刑事のものでもなかった。さらに、ユノは電子足輪を着けていた。それにより、ユノが犯行時刻に現場を訪れていないことが分かった。
ジュンスの公判が行われ、懲役30年の刑が言い渡される。デマンはマ刑事の検挙者名簿を見直し、もう1人殺されると予測する。その人物とは、ハン・テウンという男に暴力を振るわれている妻だった。デマンはマ刑事の主導の元、交換殺人が行われていると考えた。犯行時刻を分かるようにしたのは、アリバイを明確にするためだった。ユノ、テウン、ジャンホはマ刑事の仲間だと考えられた。しかし、テスはデマンの推理に納得ができなかった。ソヨン殺害時にアリバイを作るはずのジャンホが現場に来ていたからだった。
テスはユノに殺されそうになるが、反撃して捕らえた。デマンはテウンの妻を救おうとして、酷い怪我を負った彼女を見つける。そこには、マ刑事と共にヨンギュの姿があった。マ刑事の仲間はジャンホではなくヨンギュだった。ヨンギュは妻がジュンスと不倫していると誤解し、犯行に加担したのだった。デマンはマ刑事に襲われながらも、ジュンスからの手紙をヨンギュに見せた。そこには、「闇金を告発するには~、きっと解決できる」とヨンギョのことを心配するジュンスの気持ちが綴られていた。ヨンギュはデマンを殺そうとしたマ刑事を止めようとして撃たれてしまう。デマンも撃たれそうになるが、テスに助けられる。
テスは刑事を辞めて探偵事務所を開くことを決め、デマンに一緒にやろうと話を持ちかけた。デマンはテスの話を受け入れ、妻を説得することにした。しかし、妻のミオクは離婚を考えていた。デマンは市民賞を授与され、テレビで報道された。インタビューを通じて家族に愛を伝えた。周囲が立派な旦那だと褒めるため、ミオクは複雑な思いをする。
映画『探偵なふたり』の感想・評価・レビュー
登場人物が多く事件も多いため、少し回りくどい印象を受けた。しかし、テス刑事とデマンのデコボココンビがおもしろく、飽きずに最後まで見ることができた。始めは怖い印象しかなかったテス刑事だが、実は妻の尻に敷かれていてデマンとあまり変わらないことが分かって一気に親しみやすくなった。デマンはもの凄いダメ男だが、家族のことをきちんと愛していて憎めないところが可愛かった。ヨンギュが犯人だったことは残念だったが、最後に改心してデマンのことを助けようとしたところが良かった。(MIHOシネマ編集部)
本作は、テス刑事とデマンが未解決殺人事件を解決する様子を描いた韓国コメディーミステリー作品。
強面のテス刑事と漫画喫茶店長で探偵オタクのデマンのコンビネーションが良く、2人とも恐妻家持ちな点と段々2人の息が合っていく姿が面白くて気軽に楽しめた。
また、コメディーだが物語の軸となっている事件もしっかり解決に向かっていくのでミステリーとしても見応えがあった。
そして、第2弾に続くような結末となっているので、次作の『探偵なふたり リターンズ』と合わせて楽しめる作品となっている。(女性 20代)
バディムービーにありがちな、性格の真逆な凸凹コンビなのですが恐妻家で尻に敷かれているという共通点があり、クスッと笑いながら見られました。登場人物が多く、正直いらないシーンも多いので若干の中だるみはありましたが、要所要所で見どころや笑えるシーンが入ってくるので何とか最後まで見られました。
クォン・サンウが尻に敷かれるというのが面白すぎて、個人的にはそれだけで見る価値がありました。続編もあるようなので続けて鑑賞してみたいなと思います。(女性 30代)
関連作品
次作 探偵なふたり リターンズ
みんなの感想・レビュー