映画『桃(タオ)さんのしあわせ』の概要:家政婦として60年間同じ家族に仕えた女性が脳卒中で倒れてしまい、存在の大切さを痛感した雇い主の息子は介護に奔走する。実在の映画プロデューサーの経験を元に描かれた一作。製作の総指揮は主演のアンディ・ラウ。
映画『桃(タオ)さんのしあわせ』の作品情報
上映時間:119分
ジャンル:ヒューマンドラマ
監督:アン・ホイ
キャスト:アンディ・ラウ、ディニー・イップ、チン・ハイルー、ワン・フーリー etc
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映画『桃(タオ)さんのしあわせ』の登場人物(キャスト)
- ロジャー(アンディ・ラウ)
- アメリカ在住の映画のプロデューサー。10年ぶりに香港へ戻り、幼いころから世話になった家政婦の桃さんと暮らし始める。脳卒中により倒れた桃さんを、息子のように支える。
- 桃さん(ディニー・イップ)
- ロジャーの家族に13歳の時から使えていた家政婦。ロジャーが帰国し、再び一緒に暮らし始めるが脳卒中で倒れてしまう。生真面目で気の利く女性。
映画『桃(タオ)さんのしあわせ』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)
映画『桃(タオ)さんのしあわせ』のあらすじ【起】
使用人としてリョン家に預けられた桃さん。13歳から60年間一家に仕え務めあげた。そんな桃さんに物心ついた頃から世話になったロジャーは、10年ぶりにアメリカから香港へ戻ってきた。猫のカカも交え、再び桃さんと一緒にアパートでの生活を始めた。
映画のプロデューサーであるロジャーは日々忙しなく働いている。気難しい監督やスポンサーを相手に奮闘しているのだ。その日、ロジャーは桃さんに「最近牛タンが出ないね?」と好きな手料理の話をして家を出た。桃さんはロジャーの好きな料理を仕込みながら帰宅を待つのだった。
鍵を忘れて家を出てしまっていたロジャー。帰宅するも、桃さんの返事が無く管理人に鍵を開けてもらうと、桃さんが倒れていた。脳卒中の発作により、左半身に麻痺が出てしまった桃さん。化学療法で7割ほどは回復できると知ったロジャーは、付添人を雇い桃さんの面倒を見る覚悟でいた。しかし、桃さんは家政婦を辞め治療費も自分で払うと申し出た。
映画『桃(タオ)さんのしあわせ』のあらすじ【承】
桃さんのために施設を探し始めたロジャー。香港は高齢者施設の仲介業者による詐欺が横行していると知る。偶然にも、出向いた施設の経営者は昔からの友人であり、桃さんは優遇され入居できることとなった。
数少ない個室に入居できた桃さんだが、食事は口に合わず入居者同士の喧嘩も絶えない環境であった。トイレの清掃も行き届いておらず精神衛生上よいとは言えない施設だが、桃さんは忙しい中面会に来たロジャーに愚痴をこぼすことはない。
施設ではロジャーは「義理の息子」だと名乗った。施設には様々な背景を抱えた人たちが集っている。透析が必要となり娘が施設に入っている親子や、連絡が取れる娘よりも音信不通な息子を信用している女性、多趣味で仕切りたがりの男性など。その中で桃さんは少しずつ人にも慣れていった。
リハビリの成果で、徐々に動けるようになってきた桃さん。ロジャーは外食に連れ出したり、桃さんによく食事を用意してもらった旧友たちの声を聴かせたりと熱心に支え続けた。
映画『桃(タオ)さんのしあわせ』のあらすじ【転】
病状が回復した桃さんは、数日間ロジャーのアパートに戻った。ロジャーのために新たな家政婦を探そうと奮起する桃さん。まるでロジャーの嫁候補を選定するように厳しい目線で候補者を面接していくため、その日のうちには決まらなかった。
ロジャーの母親がサンフランシスコから桃さんに会いに来た。上品な装いの来客に興味津々な入居者たち。盗み聞きする者もいたがロジャーの母親の気遣いが嬉しい桃さんはもらった高級スープを分け与えるのだった。
年越しはアメリカで家族と過ごすというロジャー。桃さんはカカと一緒に施設で過ごすことにした。入居者たちが次々と家族の元へ帰っていく中、施設に残った桃さんにアメリカから電話があった。とても嬉しそうに話す桃さんだが、年越しの瞬間は施設の主任とひっそりと過ごすのだった。
ある日、桃さんが珍しく指輪をし、きっちりとお化粧をして一張羅の洋服を着て施設を出た。正装をしたロジャーに迎えられ、腕を組んで会場へ向かう。ロジャーがプロデュースした映画のプレミア上映会に招待されたのだ。
映画『桃(タオ)さんのしあわせ』の結末・ラスト(ネタバレ)
ロジャーの仕事を見ることができ、心の底から喜ぶ桃さん。しかしその夜、入居者の一人が突如亡くなってしまった。さらには、隣の部屋であった透析を受ける若い女性が転院したのである。二人と親しくしていた桃さんは気を落としてしまう。
桃さんは再び脳卒中の発作を起こしてしまった。施設で生活を続けることに希望を見出せなくなりつつあった桃さんは、手術を拒絶し静かに過ごすことを選択する。ロジャーの家族は続々とアメリカから帰国した。ロジャーの姉は、桃さんはロジャー贔屓だったと思い出話をする。桃さんが病院で診察を受けている間、ロジャーと姉は桃さんのためにできることを話し合うのだった。
衰弱していく桃さんはついに入院を余儀なくされた。医師から治療が限界であると知らされたロジャーは、本土への出張を前に延命措置の中止を決断するのだった。
桃さんはロジャーの出張中に亡くなった。ささやかな葬儀には施設で桃さんにちょっかいを出していた多趣味なキンさんも花を添えた。一人になったロジャーは、伝えきれなかった桃さんへの感謝を思い返すのだった。
映画『桃(タオ)さんのしあわせ』の感想・評価・レビュー
「死」を意識したときに始まる人生の終い支度。「終活」と称され、日本でもよく目にするようになったが、どこの国でも普遍的に溢れているテーマだろう。英題「Simple Life」が物語る、欲張らない桃さんの思考は見習う点も多かった。多くの映画賞を受賞している今作は、香港映画界で活躍する重鎮が多く友情出演をしているのも中々面白い点である。アンディ・ラウはノーギャラで出演し、今作のために尽くしている。(MIHOシネマ編集部)
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