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映画『TAP 完全なる飼育』のネタバレあらすじ結末と感想

映画『TAP 完全なる飼育』の概要:今作は、1999年に発表されて以来14年もの間続いてきた「完全なる飼育」シリーズ第8弾。松田美智子作「女子高校生誘拐飼育事件」を元に、落ちぶれた中年やくざ男と、女子高校生の恋愛を描いた監禁ラブストーリー。

映画『TAP 完全なる飼育』の作品情報

TAP 完全なる飼育

製作年:2013年
上映時間:106分
ジャンル:ラブストーリー、ヒューマンドラマ
監督:片嶋一貴
キャスト:前川伶早、西沢仁太、有森也実、高川裕也 etc

映画『TAP 完全なる飼育』の登場人物(キャスト)

安藤結(前川伶早)
女子高校生。やくざの愛人の娘だと言うことがクラスに知られ、いじめを受ける。
設楽優一(西沢仁太)
浅野会の組員。結の母親早苗と、過去に一度だけ体の関係を持ったことがあり、それ以来結を自分の娘だと妄想していた。
抗山悟(高川裕也)
浅野会の若頭。早苗とは愛人関係にあり、結に性的な虐待をする。
安藤早苗(有森也実)
結の母親。自宅で悪徳エステサロンを経営する。抗山の愛人だが、浅野会会長や設楽とも関係を持ったことがある。
谷田部恭二(竹中直人)
浅野会と敵対する光龍会の若頭。

映画『TAP 完全なる飼育』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)

映画『TAP 完全なる飼育』のストーリー(あらすじ)を結末・ラストまでわかりやすく簡単に解説しています。この先、ネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『TAP 完全なる飼育』のあらすじ【起】

安藤結は、浅野会若頭抗山の愛人の娘だった。そのことがある日、クラスメイトの知るところとなると、結はクラス中のいじめの対象となった。何度も顔や腹部を殴られ痣を作って帰ると、母親の早苗は結の心配を他所に、痣を化粧で隠して抗山と食事をさせる。

抗山は、テーブルで向かい合う結のスカートの中に自分の足を突っ込み、結に嫌がらせをする。母の早苗は、見て見ぬ振りをしていた。

教室の自分の机は落書きをされ捨てられ、家に帰れば母親は悪徳エステサロンを経営し、客に多額の金を浅野会から借りさせている。結は嫌気が差して部屋のクローゼットの奥にしまわれていた拳銃を持ち出し、クラスメイトのいるカラオケ店に向かう。

いざクラスメイトのいる部屋に押し入ろうとしたとき、結を遠目から見ていた中年男設楽に追いかけられる。結はやけくそになり、設楽に援助交際を持ち掛けホテルに行く。しかし、何もしない設楽に怒り散々殴ると、結はホテルを出る。

結を追ってきた設楽は、結に援助交際をやめさせようと説得するも拒否をされ、仕方なく結を気絶させ拉致する。自分が根城にしている山奥の廃ホテルに結を連れていく。

結に自分は抗山の部下だと告白し、更に自分が本当の父親だと嘘をつく。結のカバンから携帯電話を取り出すと、早苗に暫く帰らないとメールを送った。

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映画『TAP 完全なる飼育』のあらすじ【承】

次の日から、設楽は結をベッドに縛り付けて浅野会に赴き、帰宅すると結に総菜弁当を与え、髪を黒く染め直し、結を正しくしつけ直していく。

食事のあいさつ、食器の持ち方、人生において大事なことなどを結に話す。結はため息をつきながら、設楽にやくざに向いてないよと肩を落とした。

結が家出をしてから3週間が経ち、抗山は結が帰ってきていないことを知る。部下に結がいないことを伝え、見かけたら報告するよう念を押す。

設楽が浅野会に行っている間、結は縛られたベッドの上で何度も縄を外そうと体を揺らす。何度目かの挑戦の末に自力で縄を解くと、設楽に取り上げられた拳銃を棚から取り出す。その棚には、幼少の頃からの結の盗撮が収められていたアルバムが何冊もあった。

結は逃げ出さずに設楽の帰りを待ち、帰ってきた設楽に拳銃を向ける。設楽はやくざらしく死にたいから撃てと結に囁き、抗山のようにやくざでいたいんだと微笑んだ。

抗山が結を探していると言うと、結はそんな設楽のウソを簡単に見抜く。ため息をついてテーブルに拳銃を置き、皆イカレているよと落胆する。ベッドに力なく横になり、縛って良いよと設楽に呟いた。

浅野会では他の組員から疎まれ、蔑まれ、サンドバッグにされて顔中痣だらけになるのが設楽の日課だった。顔を腫らしながら、設楽は結に黄色のバラの花束を渡す。結の18歳の誕生日プレゼントのつもりだったが、結はふざけるなと設楽に平手をする。

赤いバラを持ってきたつもりだった設楽に、結は黄色だよと教えてあげると、力なく笑い、もう逃げないよと言う。設楽は結から「おじさん」と呼ばれたことに歓喜し、喜びを表すタップダンスを踊った。

映画『TAP 完全なる飼育』のあらすじ【転】

結と設楽はホテルを出てバスを乗り継ぎ、船で島へ渡ると設楽の母のいる食堂を訪れる。結は設楽の娘の振りをして、もうすぐ組長になるんですよと愛想よく話しかける。設楽の母キヌエは、設楽の好物のおでんを振る舞った。

帰り際、しわくちゃになった1万円札を設楽に握らせ、娘に何か買ってやれと言い、元気にやんなと声を掛ける。ボートに乗って島から離れていく間、結はキヌエにずっと手を振り続けた。

夜、星を眺めながら草場に寝転がる結は設楽を抱きしめる。設楽に振り払われても、何度も抱きしめ、そして何度もキスをした。独りぼっち同士一緒にいると安心するよと言う結の言葉に、設楽はやがて結を受け入れ、2人はキスを繰り返す。

ぽつぽつと雨が降り出し、段々と大降りになっていく。結と設楽は夜の草場で全裸になり、一晩を共にした。

金はラブホテルの上納金を集めて回る。その途中、部屋の盗撮をして売っているという受付の少年から、盗撮ビデオを見せてもらうと、そこに設楽と結が映っていた。

金は、設楽の根城のホテルで薬を打ちながら設楽の帰りを待つ。抗山を裏切った設楽を何度も何度も殴り、設楽の身の危険を感じた結が包丁を持ち出し、背後から金を刺す。金が倒れ弱ったところを、設楽が止めを刺した。

泣き続ける結に、設楽は殺していないと優しく何度も諭す。2人は抱きしめ合い、慰め合った。

映画『TAP 完全なる飼育』の結末・ラスト(ネタバレ)

浅野会組員の相馬は、金の死体を事務所に運び、敵対している光龍会の仕業だと息巻く。設楽が自分に光龍会へ行かせてくださいと言い出し、浅野に頭を下げる。浅野は設楽に、大切にしていた銃を渡す。

目が覚めた結は、設楽が傍にいないことに気付く。テーブルの上には設楽の手紙と、通帳と印鑑が置かれていた。結の幸せだけをただ願っている純粋な設楽の手紙に、結は急いで抗山のいる事務所に走る。

設楽は武者震いをタップダンスで誤魔化す。光龍会の若頭谷田部に拳銃を向けるが、相馬に邪魔をされる。抗山が現れると設楽に銃を発砲し、谷田部を逃がした。次期組長の谷田部に取り入りたい抗山は、設楽の非礼を詫びて光龍会との和解を求める。

相馬や組員に追われている設楽は、商店街に逃げ込み相馬たちを撒く。銃で撃たれた傷を庇い、フラフラになりながら逃げ車道に飛び出すと、車に撥ねられてしまう。血だらけの設楽は、結の幻覚を見た気がして泣き、力尽きる。

やっと結が設楽に追いついたときには、設楽は絶命していた。結は、設楽のズボンに挟まっていた拳銃を手に取る。

自宅で早苗にマッサージをしてもらっている抗山に、結は拳銃を向ける。光龍会と戦争など起こす気のなかった坑山は浅野を暗殺し、自分が組長になっていた。

結は坑山に銃を発砲する。設楽のためを思って、抗山を殺さずに威嚇射撃だけした結は、拳銃を捨て部屋を出ていく。最後に早苗は結に、幸せになりなさいと声を掛けた。

結は島を渡り、キヌエの元へ身を寄せる。大きくなったおなかをさすりながら、キヌエの食堂を手伝う結は、黄色のバラを見て小さくタップダンスを踊った。

映画『TAP 完全なる飼育』の感想・評価・レビュー

『完全なる飼育』シリーズは結構好きでこれまでの作品も見ているのですが、個人的に今作はシリーズの中でもかなり好きな作品でした。タイトルのTAPとは何なのか、見ていくうちに分かりますがこれはタイトルに入れるほど特徴的な事なのかな…と漂うB級感にニヤッとしてしまいました。
竹中直人が出演していると言うのも、シリーズのファンにとっては嬉しい演出です。歪んだ愛の形がほんの少しだけ、美しく感じられるような作品です。(女性 30代)

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