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映画『タップス』のネタバレあらすじ結末と感想

映画『タップス』の概要:バンカー・ヒル陸軍幼年学校は、学校そのものが時代錯誤だという世間の風潮に抗えず廃校の危機に瀕していた。生徒指揮官へ任命されたブライアンは名誉を守るため奮起し、夏休みに寮へ残った100名の生徒と協力して自分達の学び舎を残そうとする。

映画『タップス』の作品情報

タップス

製作年:1981年
上映時間:126分
ジャンル:ヒューマンドラマ、青春
監督:ハロルド・ベッカー
キャスト:ジョージ・C・スコット、ティモシー・ハットン、トム・クルーズ、ショーン・ペン etc

映画『タップス』の登場人物(キャスト)

ブライアン・モアランド(ティモシー・ハットン)
バンカー・ヒル陸軍幼年学校に通う学生。成績優秀で、学力や統率力、模範的人格を認められ、最上級生になるにあたり生徒指揮官=少佐へ昇進した。代々軍人一家であり、父親は経験豊富な軍曹。
ベイシュ将軍(ジョージ・C・スコット)
バンカー・ヒル陸軍幼年学校の校長。階級は将軍。部下によって相談もなく廃校を決定され、学校の存続をかけて戦うことを決意した矢先体調を崩してしまう。
アレックス・ドワイヤー(ショーン・ペン)
ブライアンと同室の親友。階級は大尉。籠城作戦にあたりベイシュの教えを妄信するブライアンと度々衝突するものの、彼に友情と敬意を抱いている。
ジョン・クーパー(ティム・ワーラー)
卒業を控える最上級生。階級は大佐。ブライアンの前任を務め上げた優等生で、ベイシュに見守られ彼へ職務を譲る。卒業後はウェスト・ポイント陸軍士官学校へ進学。
デイビッド・ショーン(トム・クルーズ)
ブライアンの同級生。階級は大尉。血の気が多く腕っぷしは強いが、暴走すると誰の手にも負えないのが難点。
J・C・ピアス(ジャンカルロ・エスポジート)
ブライアンの同級生。階級は大尉。長引く籠城作戦の中で事故に遭い、全身大火傷を負ってしまう。
エドワード・ウエスト(エヴァン・ハンドラー)
ブライアンの同級生。階級は大尉。ブライアンによる二度の降参の呼びかけに名乗りを上げ、賛同者を引き連れ投降した。
カービー大佐(ロニー・コックス)
学生達を鎮圧するため、大隊を率いてバンカー・ヒル陸軍幼年学校を包囲した陸軍大佐。

映画『タップス』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)

映画『タップス』のストーリー(あらすじ)を結末・ラストまでわかりやすく簡単に解説しています。この先、ネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『タップス』のあらすじ【起】

校長であるベイシュ将軍宅へ招かれたブライアンは、卒業を控えるクーパーを証人として、次期生徒指揮官に任命された。勲章を授与され大尉から少佐へと昇進した彼は、尊敬する将軍と慕っている先輩から激励され襟元を正した。宿舎へ戻り興奮冷めやらぬブライアンは、デイブの呼びかけで集った寮生達から祝福を受けた。

卒業式のセレモニーが終わり壇上へ上がったベイシュは唐突に「本校は閉鎖されることになった」と明かし、141年続いた学校の歴史が終わると言った。最上級生が卒業した後下級生が転校するための猶予として1年を用意されたが、ベイシュは「卒業生の尊い血で購入し支払ったこの土地は売却などできん」と本音を吐露。学校を守るために自分の使命を全うすると宣言した。

ベイシュの元を訪れたブライアンは、何故こんなことになったのか尋ねた。ベイシュは静かに「ペンの仕業だよ」と言うと、学校跡地にマンションを建てる計画があると明かした。

生徒達が俄かに混乱する中、卒業生のプロムが開催された。学校の前には近所の不良少年達が押しかけ、卒業生が連れているパートナーの女の子達を下品に品定めした。門番役を務める生徒達と不良達が睨み合い一発触発状態になったため、ブライアンは制止に向かったが、不良のリーダー格であるアンドルースが手を出したことで乱闘騒ぎになった。教官らをはじめベイシュも騒ぎを止めに駆け付けると、興奮した不良の一人がベイシュに飛びかかり、彼の腰から銃を抜いてデタラメに発砲。銃弾はアンドルースの腹を撃ち抜いた。

通報を受けた警察はベイシュを連行した。残された上級生達はパトカーの無線を傍受し、車内で体調を崩した彼が病院へ行くと知った。

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映画『タップス』のあらすじ【承】

学校は翌日から夏休みを迎え、帰省する生徒達は準備に追われていた。寮に残るブライアンはペンが倉庫から全ての銃火器を搬出しようとしているのを不審がり、夏季訓練はどうなるのか尋ねた。ペンは訓練の中止を告げ、さらに、ベイシュ将軍の容態は悪く今夜が山らしいと言った。

寮に残った生徒達がスタートレックの再放送を見ていると、一人の下級生が慌ててやって来てニュースに変えるよう頼んだ。ニュースではアンドルースが死亡したと報じられ、ベイシュ将軍は犯人に仕立て上げられていた。さらに、この事件を受けて校内の全ての武器を警察が押収するばかりか、学校の即時閉鎖が決まったと知った上級生はどよめいた。ブライアンは混乱する生徒達へ、交渉のための籠城作戦を提案した。

翌日、ピアスやデイビッド、アレックスなどの大尉らは下級生を従えて、2台のトラックを用い大量の食料を調達した。しかし、帰り道でピアスの運転する先頭車がエンストしてしまい、そこへアンドルースの仲間達が近寄って来た。あわやリンチを受ける寸前でデイビッドが威嚇射撃をし、ピアス達を乗せパトカーと衝突しながらも学校へ戻った。

ブライアンは、武器を押収するため倉庫へやって来た警官らの前に姿を現した。彼は、武器と引き換えに理事会と話し合う場を設けるよう条件を提示した。

警官らを乗せた1台のパトカーが去った後、学校はまさに要塞と化した。実践さながらに武装した生徒達は上級・下級生の垣根を越えてブライアンの指示に従い、警察からの返答を待った。しかし、十数台のパトカーを従え学校へ戻って来た州警察のハンソン警部補は、ブライアンの要求を呑むことなく膠着状態に陥った。

翌朝、警察から「少佐と交渉する」との一報が入り、ブライアンをはじめ幹部生徒達は歓喜した。しかし、喜んだのも束の間、話し合いの相手は理事会ではなく保護者の代表団であり、その責任者はブライアンの父であるモアランド軍曹だった。

映画『タップス』のあらすじ【転】

久々に息子との対面を果たした軍曹は、彼の成長した姿へ喜びを隠せなかったが、自分と同様に我が子を心配する口うるさい保護者達に代わって武装を解除し投降するよう言った。二人の対話によって「生徒達は強要されて立てこもっているわけではない」ことは明らかにされたが、学校の廃止について話し合う機会は与えられなかった。軍曹は、代々軍人一家の中で初めて士官を約束された息子の将来を案じ、彼へ拳を振るったが、ブライアンは「名誉のために戦う」と意志を曲げなかった。

中庭に生徒を整列させたブライアンは、「自分の行動に確信を持てない者は前に出ろ」と言い親元へ帰る機会を与えたが、誰一人リタイアする者はいなかった。その夜、アレックスはベイシュを妄信するブライアンへ「彼も自分達の父親と同じ人間だ」と窘めた。一方その頃、見張りをするデイビッドの小隊は重装備の自動車縦隊を確認、いよいよ本物の軍隊が出動する騒ぎになっていた。

学生達の鎮圧のため大隊を率いてやって来たカービー大佐は、翌朝ブライアンとの交渉に臨んだ。大佐は、ブライアンが世間からテロリストと呼ばれていることを伝え、優等生の行いではないと説得した。さらに、昨夜の内に逃げ出した11名の生徒を保護した大佐は「少年が夜中に壁を越えて逃げるのを見たくないんだ」と訴えた。それでもブライアンの意志が揺らぐことはなかった。

緊急招集を出して生徒達を集めたブライアンは、再び全員へ親元に帰る機会を与えた。ウエスト大尉は遂に名乗りを上げ、それにつられて多くの生徒が学校を出る決心をした。ブライアンとデイビッドは、予期せぬ友人との別れに衝撃を受けた。

映画『タップス』の結末・ラスト(ネタバレ)

翌日、学校の水道が止まった。アレックスは尚籠城を続けるブライアンやデイビッドを非難し、ブライアンを「反乱軍隊長」と揶揄した。二人が殴り合いの喧嘩をする最中、遂に電気も止められてしまった。

緊張が走る中、発電機を稼働させようとしていたピアスは不注意で大火傷を負い、外にいる救護班に保護された。大佐は、事故の責任はブライアンにあると言うと、彼へ「知事が間もなく実力行使へ踏み切る」と警告した。大佐は「苦境を乗り越え生き残る人間を兵士と呼ぶんだ、お前は死を望んどる。何者かがお前たちに死を吹き込んだ、死を美化し憧れを植え付けたんだ」とブライアンへ怒鳴り、彼の気持ちが心に響いたブライアンは、ベイシュと会って直接命令を受けると言った。しかし、ベイシュは昨夜亡くなっていたと明かされた。

ブライアンはベイシュの追悼式を行った。その日の夜、怯えて逃げ出した下級生が銃を落とし暴発、緊張状態にあった生徒達は反射的に発砲し、逃げた同級生を助けようと塹壕から飛び出したチャーリー少年が犠牲となった。動かないチャーリーに寄り添うブライアンは、彼が無言のまま救急車に乗せられて出て行くのを見送った。大佐は犠牲者が出たことを大いに嘆き、翌未明に学校を占拠すると告げた。

チャーリーの死を悼むブライアンを心配したアレックスは、校長室で放心していた彼へ声をかけた。ブライアンは「ベイシュの教えには何かが欠けていた。名誉なんて役に立たない」と涙ながらに語り、自らの行いを悔いた。アレックスは勝利を宣言して家へ帰ろうと語りかけ、全員での投降を促した。

しかし、デイビッドだけは二人の呼びかけに応えなかった。彼は窓辺から大佐へ発砲し、現場は軍隊とデイビッドの激しい銃撃戦となった。ブライアンとアレックスは笑いながら発砲するデイビッドを止めに向かい、ブライアンは戦車の砲撃から彼を庇おうと飛びついた。砲撃が止み、防弾チョッキのお陰で無事だった大佐が彼らの元へ駆けつけると、アレックスは倒れて動かないブライアンとデイビッドの側で涙を流していた。アレックスは、ブライアンの遺体を抱えて学校を後にした。

映画『タップス』の感想・評価・レビュー

ラストシーンが大変印象深い良作。出演は、若き日のショーン・ペンやトム・クルーズ。

何が正しくて何が間違いか、名誉とは誰にとってどのように大切なものなのか、ブライアンとカービー大佐双方の視点で全く見え方が異なるテーマに思える。本当は、根本は同じ純なものであるのに。

それはさておいても、保護者の代表団が交渉に訪れた場面には苛立った。軍学校へ子供を入学させておいて、自分は軍の規律を理解していないなどあり得るのか?と疑ってしまった。我が子可愛さに規律を蔑ろにする大人達へ、甚だ嫌気がさしてしまった。(MIHOシネマ編集部)

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