この記事では、映画『ティアーズ・オブ・ザ・サン』のあらすじをネタバレありの起承転結で解説しています。また、累計10,000本以上の映画を見てきた映画愛好家が、映画『ティアーズ・オブ・ザ・サン』を見た人におすすめの映画5選も紹介しています。
映画『ティアーズ・オブ・ザ・サン』の作品情報
上映時間:118分
ジャンル:アクション、ヒューマンドラマ、戦争
監督:アントワーン・フークア
キャスト:ブルース・ウィリス、モニカ・ベルッチ、コール・ハウザー、イーモン・ウォーカー etc
映画『ティアーズ・オブ・ザ・サン』の登場人物(キャスト)
- A・K・ウォーターズ(ブルース・ウィリス)
- アメリカ軍の大尉。命令を守ることを何よりも大切にしている。最初は自分の指示に従わないリーナに手を焼くが、ナイジェリアの悲惨な現状を目の当たりにし、リーナの考えを受け入れるようになる。
- リーナ・ケンドリックス(モニカ・ベルッチ)
- 国際救済奉仕団に所属している医師。夫を反乱軍に殺されている。国籍関係なく人命を救うために行動する、優しく逞しい女性。
- ビル・ロード(トム・スケリット)
- アメリカ軍の大佐。ウォーターズの上官。ナイジェリアにいるリーナの救出を、ウォーターズに命じる。
映画『ティアーズ・オブ・ザ・サン』のネタバレあらすじ(起承転結)
映画『ティアーズ・オブ・ザ・サン』のあらすじ【起】
ナイジェリアで内紛が起こった。最大の火種となったのは、イスラム教系フラニ族とキリスト教系イボ族の反目だった。フラニ族はクーデターに勝利し、散発的な武力行使を継続した。イボ族は数万人が虐殺された。殺戮を恐れたイボ族は、家を捨て安全な避難先を求めて彷徨った。ナイジェリアにいる米国大使館員達も、避難を開始した。
軍人のウォーターズ大尉は仲間を連れて、ナイジェリアの布教センターにいるリーナ・ケンドリックス医師、神父、尼僧2人の救助に向かうことになった。脱出ルートや交戦時の確認をビル・ロード大佐とした後、ヘリに乗ってナイジェリアに向かった。
ウォーターズ達は布教センターに辿り着くが、手術中だったため、リーナに同行を拒まれてしまう。仕方なく衛生兵のドクが縫合手術を行い、その間にウォーターズがリーナに逃走する手筈を話した。だが、リーナは70人ほどいる患者を置いていけないと、再び同行を拒否し、歩ける患者だけでも連れて行ってくれとウォーターズに頼んだ。だが、ウォーターズは命令以外のことはできないと、リーナの訴えを拒否した。2人の会話は平行線を辿った。ウォーターズはロード大佐と連絡を取り、患者を連れて脱出することを決める。だが、それはリーナを納得させるための嘘で、患者が乗り込めるヘリは用意されていなかった。
神父と尼僧の2人は動けない患者のために残ることを決める。ウォーターズ達は歩ける患者とリーナを連れ、合流地点に向かった。だが、脱出に手間取り、予定の時刻を大幅に遅れてしまう。ウォーターズ達は脱出を急いていたが、リーナの訴えがあったため、仕方なく30分の休憩を取ることを決める。だが、そこに敵兵が近づいて来てしまう。ウォーターズ達は皆を茂みに隠し、敵兵が通り過ぎるのを静かに待った。
最後尾を歩いていた敵兵に、リーナが見つかってしまう。ウォーターズが敵兵を刺殺し助けるが、前を歩いていた多くの敵兵が、仲間がいないことを不審に思って戻ってくるのは時間の問題だった。ウォーターズは仲間のレイクに、避難場所を探すよう指示を出した。リーナは目の前で人が殺されたことに恐怖心を抱き震えていたが、敵兵が布教センターに向かっている筈だとウォーターズに訴え、止めて欲しいと頼んだ。だが、ウォーターズは他所へ行く可能性もあると、真面に話を聞こうとはしなかった。

映画『ティアーズ・オブ・ザ・サン』のあらすじ【承】
ウォーターズ達は無事に迎えのヘリと合流を果たした。リーナはウォーターズが騙していたことに気づき、顔を殴って抗議するが、ウォーターズはリーナを無理矢理ヘリに乗せ離陸を指示した。ヘリに乗せてもらえなかった現地の人達は絶望し、泣き崩れた。ウォーターズ達は任務を全うしただけだが、苦い気持ちが胸に広がった。その時、敵兵の襲撃に遭った布教センターが燃やされ、多くの遺体が地面に転がっているのが見えた。ウォーターズはヘリを戻すよう指示を出した。
ヘリの定員は12人だったため、ウォーターズは年寄りや子供から乗せるよう指示を出した。リーナはウォーターズを抱きしめ感謝の気持ちを伝えるが、ウォーターズの表情は戸惑いで満ちていた。ウォーターズはリーナの腕をぎこちなく振り解き、急いでヘリに子供達を乗せるよう伝えた。仲間達はウォーターズの指示に驚きながらも、大人しく従った。
ロード大佐は指示を無視したウォーターズに腹を立てていた。ウォーターズは現状を上手く説明できなかったため、ヘリ3機を迎えに寄越して欲しいことだけを伝えた。だが、敵の攻撃が激しかったため、救助のヘリが行けない状況になっていた。ウォーターズ達は自分達の手で脱出しなければならなくなる。
ウォーターズ達は同行者達に食料を分け与えながら、山を越えてカメルーンを目指した。だが、それに気づいた敵兵が、後を追って来ていた。ウォーターズはリーナに尾行される理由はないか尋ねた。しかし、リーナには追われる当てなどなく、問いには答えられなかった。
映画『ティアーズ・オブ・ザ・サン』のあらすじ【転】
ウォーターズ達は途中、村人を襲っている敵兵を発見する。迂回して逃げることは可能だったが、ウォーターズは7人の仲間と共に村人を救出することを決める。その村では多くの人が殺され、女性は乱暴されていた。そして、妊婦は子供を育てられないように、傷つけられていた。敵兵の中には少年の姿もあった。ウォーターズ達はあまりにも悲惨な状況に、言葉を失くした。
リーナはウォーターズの怪我の手当てを行った。その時、なぜアフリカに来たのか問い掛けられ、夫と奉仕活動のために来たことを話した。夫は反乱軍からリーナを守ろうとして、殺されていた。リーナは話を変え、良いことをしたと今日の行いを褒めるが、ウォーターズは素直に喜ばなかった。ウォーターズは何年も命令に従って行動していたため、自分の判断が正しいのか分からず苦悩していた。
敵兵は暗闇も進行を続け、ウォーターズ達の元に迫っていた。ウォーターズは同行者にスパイが紛れ込んでいると睨み、捜索を行った。すると、リーナの友人の現地人の1人が家族を人質に取られ、敵兵に情報を流していたことが判明する。しかも、敵兵がウォーターズ達を執拗に追っていたのは、大統領の1人息子であるアーサーが紛れ込んでいたからだった。“大統領一家は処刑された”と報じられていたが、本当は反乱軍に殺されていた。異変を察知した大統領が、息子と警護役のオケーズ大佐を逃がしていたのだ。そのことはリーナも知っていた。
映画『ティアーズ・オブ・ザ・サン』の結末・ラスト(ネタバレ)
ロード大佐がアーサーの情報を得て、ウォーターズに連絡を取ってきた。ウォーターズ達の行動は内政干渉と解釈され、アメリカの外交問題に発展する恐れがあった。ロード大佐は暗に、アーサーと同行者を見捨てるよう指示してきたのだ。腹を立てたウォーターズは、任務の遂行も行う代わりに同行者も守ると言い切った。ウォーターズは改めて窮地に追いやったことを仲間達に謝罪し、これからのことを相談した。仲間達もウォーターズと同じ意見で、同行者を救うことに同意した。リーナはアーサーの件をウォーターズに謝罪し、仲直りをした。
ウォーターズ達は追って来た敵兵と交戦した。ジー(ウォーターズの仲間)は肩を撃たれてしまうが、手当てを受けた後、再び立ち上がり戦いの場に向かって行った。リーナは激しい銃撃音に、悲鳴を上げて蹲った。攻撃が落ち着いた後、ウォーターズは気絶していたリーナに駆け寄り、急いで逃げるよう指示を出した。仲間のスローが腹を撃たれており、ウォーターズの腕の中で息を引き取ってしまう。その他にも多くの同行者と、オケーズ大佐が亡くなった。
ウォーターズ達は敵兵と戦い、同行者が逃げる時間を稼いだ。だが、逃げ遅れた女性を守ろうとして、レイク(ウォーターズの仲間)が撃たれ、フリー(ウォーターズの仲間)も弾に当たって死んでしまう。ウォーターズは自身も撃たれるが、爆撃によって気絶したリーナを抱えて逃走した。
銃が扱える同行者も必死に援護射撃を行い、皆で必死に逃げるが、ウォーターズの仲間の兵士が次々と亡くなってしまう。ウォーターズはリーナとアーサーを国境に逃がすと、仲間の元に戻った。敵が迫り絶体絶命の中、応援の戦闘機が現れる。ウォーターズは生き残った3人の仲間と共にリーナの元に戻った。助けられた同行者は、ウォーターズ達に感謝を示した。
ロード大佐は傷ついたウォーターズ達に手を貸し、手当てをさせるよう指示を出した。リーナはウォーターズを抱きしめ、一緒にヘリに乗り込んだ。
映画『ティアーズ・オブ・ザ・サン』の感想・評価・レビュー(ネタバレ)
ブルース・ウィリス主演のアクション映画。ナイジェリアで激化する内紛を受け、アメリカ国籍の医者を救出するよう命令を受ける特殊部隊の姿を描く。
劇中で再現された密林での戦闘シーンは実際の戦場にいるかのような臨場感を味わえる。また、音声にも力を入れており、銃声や弾丸が飛び交う音は臨場感をより強くさせている。主人公・ウォーターズがリーナの意志を受け、命令違反を犯して難民達を救おうとする姿に胸を打たれる。(男性 20代)
内紛によって弱者が虐げられている状況が描かれており、何とも言えない苦しい気持ちになった。目に入る人を全員救えたら一番良いのだろうが、言葉にするほどそれが容易なことではないことに気づかされた。敵兵の追跡を躱しつつ逃げる姿には緊迫感があった。
多くの人を救えたのは良かったと思うが、ウォーターズの仲間の兵士達が次々と死んでいく状況は辛かった。映画という作られた映像&物語ではあるが、深く考えさせられる作品だったと思う。(女性 30代)
困っている人、苦しんでいる人を救ってあげたいという気持ちはあるのにそれが実行できないことがこんなにもつらい事なのだと思い知らされました。
ブルース・ウィリス主演のアクション映画ですが、難民や内戦など暗いテーマを描いているので派手な演出はあまりありません。しかし、それがとてもリアルで世界にはこのような苦しい状況に置かれている国も多くあるのだと改めて感じました。
人のために戦う勇気、誰かを守りたい、救いたいという強い気持ちを感じられる作品でした。(女性 30代)
戦争映画でここまで人間ドラマを深く描いた作品は珍しいと感じました。最初は命令に従い冷徹に任務を遂行しようとするウォーターズ大尉が、現地の惨状と医師のリーナに触れ、次第に変化していく姿に胸を打たれました。ナイジェリア内戦の悲惨さがリアルに描かれており、避難民の行く手を阻む残虐な現実に無力感すら覚えました。最後の脱出劇は緊張感が極限で、涙なしでは観られませんでした。(20代 男性)
医療活動を続ける女性医師と、命令との板挟みになる軍人たちのドラマに強く引き込まれました。リーナが現地の人々を見捨てない姿勢と、それに心動かされる兵士たちの変化が丁寧に描かれていて、とても感情移入できました。とくにラストで多くの兵士が命を落とす中、守ろうとした人々が救われたことで、犠牲の意味が伝わってきて涙が出ました。戦争を描きながらも、人間の尊厳を問う映画でした。(30代 女性)
ブルース・ウィリスが単なるアクションスターではないことを証明した一本だと思います。戦場の残酷さだけでなく、命令と良心の狭間で揺れる軍人の苦悩がしっかり描かれていて、戦争映画でありながら心に残る人間ドラマでもありました。中盤からの追跡劇はハラハラしっぱなしで、最後の銃撃戦では感情が爆発。派手さは控えめながら、メッセージ性と説得力のある作品でした。(40代 男性)
アクション映画として観始めたのですが、想像以上に重いテーマと深い感情がこもっていました。女性医師リーナがナイジェリアの人々と共にいることを選ぶシーンに心打たれ、ウォーターズが彼女に感化されて行動を変えていく展開も見事でした。戦闘シーンもリアルで、視覚的な緊張感がすごい。人間が持つ良心と使命のせめぎ合いが、深く印象に残る映画でした。(20代 女性)
国際情勢を背景にした骨太な作品で、ただの戦争映画とは一線を画していました。兵士たちがただ任務をこなすのではなく、自らの意志で命を懸けて住民を守る決断をするという展開に、強い感動を覚えました。リアルな戦闘シーンと、その裏にある人間の良心、希望が交差するラストは圧巻。重いテーマながら観終わった後に清々しさすら感じさせる力強い映画でした。(50代 男性)
この映画は、戦争という状況下で人がいかに人道的でいられるかを試される作品です。リーナが民間人を見捨てずに残るとき、それを無視できなかったウォーターズの変化には涙が出ました。命令よりも正義を選んだ彼の姿は、軍人としてというより一人の人間としての尊さが感じられました。悲しい犠牲も多かったですが、最後に多くの命が救われたことが心の支えになりました。(40代 女性)
派手な演出に頼らず、淡々と戦争の現実を描いているところにリアリティを感じました。兵士たちの表情や行動に、戦場の恐怖や葛藤がにじみ出ていて、静かながらも強烈なメッセージがありました。最後の山越えのシーンはまさに地獄で、彼らの勇気に自然と涙がこぼれました。重い内容ですが、観る価値は十分にある作品です。(30代 男性)
映画『ティアーズ・オブ・ザ・サン』を見た人におすすめの映画5選
ブラックホーク・ダウン
この映画を一言で表すと?
絶望的な市街戦に挑む兵士たちの極限ドラマ。
どんな話?
1993年のソマリアで実際に起きた「モガディシュの戦闘」を基に、アメリカ軍兵士が過酷な市街地で孤立し、命を賭けて仲間を救おうとする姿を描く戦争アクション。激しい銃撃と混沌の中で、人間の尊厳と仲間意識が試される。
ここがおすすめ!
リアルな戦闘描写と緊迫感が圧倒的で、まさに“生き残りをかけたサバイバル”。『ティアーズ・オブ・ザ・サン』のように命の重みと軍人の葛藤がテーマとなっており、戦争の非情さと人間の勇気がストレートに伝わってきます。
ローン・サバイバー
この映画を一言で表すと?
最後の一兵になるまで闘い抜いた、実話ベースのミリタリーアクション。
どんな話?
アフガニスタンで特殊任務に就いたネイビーシールズの隊員たちが、想定外の敵包囲により壮絶な戦いを強いられる。実際に生還した兵士の証言をもとにした、極限の生存劇と兄弟愛の物語。
ここがおすすめ!
銃撃戦のリアリズムと兵士たちの絆がリアルに描かれており、観る者の心を強く揺さぶります。『ティアーズ・オブ・ザ・サン』同様、任務以上の「人間としての選択」が問われる展開に深く共感できます。
ホテル・ルワンダ
この映画を一言で表すと?
大虐殺の中、命を救い続けた“普通の男”の信念の物語。
どんな話?
1994年に起きたルワンダ虐殺を背景に、ホテル支配人ポール・ルセサバギナが、命がけで1,200人以上の難民を保護した実話を描く。権力も武器もない中で、勇気と知恵で人々を守る姿に感動が広がる。
ここがおすすめ!
戦争映画ではなくヒューマンドラマとしても秀逸。『ティアーズ・オブ・ザ・サン』のように、誰かを守るために命を懸ける尊さが貫かれており、心の深い部分を揺さぶります。忘れてはならない歴史を映す重要な一本です。
ハート・ロッカー
この映画を一言で表すと?
戦場でしか“生”を実感できない男の、孤独で緊張感に満ちた日常。
どんな話?
イラク戦争下、爆弾処理班の兵士たちが日々死と隣り合わせの任務に向き合う。なかでも主人公ジェームズは、常人では理解できない感覚で危険に立ち向かい、やがて戦場から離れられなくなっていく。
ここがおすすめ!
爆発寸前の緊張感が全編に張り詰めており、リアリズムの極みといえる作り。『ティアーズ・オブ・ザ・サン』同様、戦争の中で生まれる“使命感”と“葛藤”を鋭く描き、人間の本質を深く掘り下げた作品です。
ブラッド・ダイヤモンド
この映画を一言で表すと?
ダイヤにまみれた戦争の裏側で、生き方を問われる人々のドラマ。
どんな話?
内戦が続くシエラレオネを舞台に、元傭兵の男と家族を探す現地人、そしてジャーナリストが、血塗られたダイヤモンドを巡る壮絶な争いと救出劇に巻き込まれていく。資源と暴力が絡み合う現実を描く衝撃作。
ここがおすすめ!
アクションと人間ドラマのバランスが絶妙で、エンタメ性を持ちながらも強烈な社会性を兼ね備えた作品です。『ティアーズ・オブ・ザ・サン』が描いた“戦地の現実”を、別の角度から深掘りしたような力作です。
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