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映画『天才スピヴェット』あらすじネタバレ結末と感想

この記事では、映画『天才スピヴェット』のあらすじをネタバレありの起承転結で解説しています。また、累計10,000本以上の映画を見てきた映画愛好家が、映画『天才スピヴェット』を見た人におすすめの映画5選も紹介しています。

この記事でわかること
  • 『天才スピヴェット』の結末までのストーリー
  • 『天才スピヴェット』を見た感想・レビュー
  • 『天才スピヴェット』を見た人におすすめの映画5選

映画『天才スピヴェット』 作品情報

天才スピヴェット

  • 製作年:2013年
  • 上映時間:105分
  • ジャンル:アドベンチャー、ヒューマンドラマ、コメディ
  • 監督:ジャン=ピエール・ジュネ
  • キャスト:カイル・キャトレット、ヘレナ・ボナム=カーター、ジュディ・デイヴィス、カラム・キース・レニー etc

映画『天才スピヴェット』 評価

  • 点数:85点/100点
  • オススメ度:★★★★☆
  • ストーリー:★★★★★
  • キャスト起用:★★★★★
  • 映像技術:★★★★★
  • 演出:★★★★★
  • 設定:★★★★☆

[miho21]

映画『天才スピヴェット』 あらすじネタバレ(起承転結)

映画『天才スピヴェット』のあらすじを紹介します。※ネタバレ含む

映画『天才スピヴェット』 あらすじ【起・承】

モンタナ州でコパートップ牧場を経営する、身も心もカウボーイの父テカムセ・E・スピヴェット、昆虫学者の母クレア、愛犬タピオカ、一刻も早くモンタナを出たいと考える姉グレーシー、二卵性双生児の弟レイトンと暮らすテカムセ・スパロー(T.S)。
レイトンは父のお気に入りで体格の良さ、T.Sは頭の良さを受け継いでいた。
しかし、レイトンはライフルの暴発で命を落とし、一緒にいたT.Sは大きなショックを受け、自分の責任だと思うようになる。
家族も同様にショックを受け、レイトンの話題はタブーのようになった。

天才科学者を目指すT.Sの発明が名誉あるベアード賞を受賞し、ワシントンで行われる式典でスピーチをしてほしいと頼まれる。
彼は喋ることのできない父の発明だと嘘を吐き、依頼を断るが、悩んだ末に単身ワシントンに向かうことに。

早朝、家を出た後に父の車とすれ違うが、T.Sを引き留めなかったことから彼の心にレイトンの死の責任がのしかかり、逃げるように貨物列車に飛び乗る。
ネブラスカ州で、別の貨物列車に乗っていた老人トゥー・クラウズと親しくなるT.S。
そして母から禁止されているホットドッグを買いに向かうと、自分が家出人として捜索されている事を知る。

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映画『天才スピヴェット』 結末・ラスト(ネタバレ)

シカゴに着いたT.Sだったが、イタズラ目的で線路に忍び込んだと勘違いされ、警察に追いかけられてしまう。
逃げる途中で肋骨を痛めてしまったT.Sは、ヒッチハイクをしてワシントンに向かう。
写真好きのトラック運転手リッキーに拾われ、目的地スミソニアンに到着したT.S。

電話をかけてきた女性ジブセンに追い返されないよう両親は死んだとウソをつき、自分の発明だと証明する。
スミソニアンで怪我を診てもらうと骨折していたが、スピーチをすることになる。
10歳の天才科学者スピヴェットのスピーチと、弟レイトンの死への懺悔は会場の涙を誘った。
そこには、隠れてT.Sを見守る母クレアの姿が。

ジブセンは、T.Sを金儲けや話題作りの広告塔として扱い始める。
トーク番組への出演も決まるが、そこにはサプライズゲストとして呼ばれた母クレアが。
レイトンの死は事故で、誰もT.Sを責めていないと説得されるとT.Sは家に帰る決意をする。
父も迎えにきており、家出をした朝に引き留めなかった理由を聞くT.Sだったが、運悪くT.Sの姿を見ていなかっただけだった。

やがてスピヴェット家には新しい家族が加わり、若き天才科学者T.Sは生まれてくる家族のために、新しい発明をするのだった。

映画『天才スピヴェット』 感想・評価・レビュー(ネタバレ)

映画『天才スピヴェット』について、感想・レビュー・解説・考察です。※ネタバレ含む

3Dじゃなくても十分ワクワクする世界観

一風変わった切り口で描く作風が有名な、ジャン=ピエール・ジュネ監督作品の初3D映画だが、もともと変わった演出と映像技術が売りだった監督なだけに、今更3D作品になっても驚くような映像は出てこない。
しかし、見るものを魅了する独特な世界観は、本作でも健在。

T.Sの荷造りの様子は見ていて遠足の前の日のようなワクワク感が得られるし、生まれてくる時代を間違えたカウボーイの父の部屋、壊れたトースターがずらりと並んだキッチンなど、個性的な家の様子も面白い。
しかしそんな家族の間に“レイトンの死”という壁ができていて、不自然なくらいにレイトンを象徴するものが存在しない。
だが、レイトンの死の瞬間をグラフで表して重くしすぎないようにしつつ、走り回る父や泣きじゃくるグレーシーとT.Sの姿を映すことで軽すぎない問題にしているのはさすが。

壮大な家出物語とこっそり入れられたアメリカ批判

レイトンの幻と一緒にスミソニアンを目指すT.Sの冒険は、ユニークで可愛らしい。
食べたかったホットドッグを頬張る子供らしいシーンもあれば、老人に松の木の生態を説くといった天才らしい一面もみられる。

子供目線では頭でっかちにしか見えない教師、家出の妨げの警察官が意地悪く描かれていたり、スミソニアンのジブセンの見栄っ張りな部分も、セリフ回しや動きが巧妙に作られている。

トーク番組で、「子供に銃を持たせるような親が悪い」と言い切る母クレアのセリフは、銃社会、アメリカ嫌いの監督の心がそのまま表れたようで驚かされる。
父、母、T.Sに比べて姉グレーシーの存在感が薄いようにも見えるが、テレビに出演するT.Sを見ながら電話ではしゃぐ姿は、よくあるティーンエイジャーの姿だ。


パッケージから、コミカルな物語なのかなと勝手に想像していた。もちろん笑える部分もあったのだが、それだけではなかった。家族の深い愛や天才的な頭脳を持つ自分への葛藤なども描かれており、自然と涙が滲んでくるような感動的な作品だった。スピヴェットは確かに誰よりも優れた頭脳を持っているが、心はまだ幼くて、10歳という少年の姿がリアルに描かれていたと思う。スピヴェット役のカイル・キャトレットの演技も素晴らしかった。(女性 30代)


優れた頭脳を持つスピヴェットは大人から見れば天才少年なのかもしれませんが、心はまだ子供でイタズラしたり、親に甘えたい気持ちもいっぱいあったのだろうなと思うと可愛くて仕方ありませんでした。
ジャン=ピエール・ジュネ監督作品ということで、面白くてちょっぴり不思議な世界観を存分に楽しむことが出来るでしょう。スピヴェットの大冒険に寄り添いながら、子供らしい悩みや天才ならではの葛藤など、スピヴェットの気持ちに寄り添ってあげたくなる作品です。(女性 30代)


10歳の天才少年スピヴェットが、ノーベル賞級の発明をしたことでスミソニアンから表彰されることになり、一人旅に出る物語。冒険譚と思いきや、実は弟の死と向き合う内面の旅でもありました。色鮮やかでファンタジックな映像とは裏腹に、喪失や孤独、家族の愛などを深く掘り下げていて、胸がじんとしました。特に最後のスピーチは、スピヴェットの心の叫びであり、涙なしには見られません。(20代 女性)


映像がとにかく美しい。まるで絵本の中を旅しているような世界観に引き込まれました。スピヴェットの成長物語としてはもちろん、科学的な知識が自然と織り込まれていて、知的好奇心もくすぐられました。ただ、弟の死に関する描写がかなり重く、ラストでようやくその“罪の意識”から解放されるまでの心の旅だったのだと気づき、ぐっときました。ジブリ作品が好きな人にもおすすめです。(30代 男性)


スピヴェットの一人旅は、単なる冒険ではなく、家族のなかで自分が「どう存在しているか」を問い続ける旅でした。母は昆虫学に夢中、父はカウボーイで無口、姉は女優志望で空回り、弟は突然死…。孤独な少年が、自分の価値を他人からの評価で確かめようとする姿が切なくて胸が痛みました。ラストで家族が少しずつ歩み寄るシーンには、涙が出ました。大人こそ観るべき童話映画です。(40代 女性)


前情報なしで観たけど、めちゃくちゃ良かった!色味とかカメラワークが独特で、最初から引き込まれた。小学生が1人でアメリカ横断とかぶっ飛んでる設定かと思いきや、弟を死なせてしまった罪悪感を抱えてるという背景が判明して、途中から泣けた。しかもスミソニアンでのスピーチが想像以上に感動的で、見終わった後しばらく余韻が残りました。映像も話も最高。(20代 男性)


ジャン=ピエール・ジュネ監督らしい、ファンタジックでユーモアのある世界観が全編に漂っていて、それだけでも見ていて楽しい作品。でもそれ以上に、スピヴェットという少年が抱えている“喪失感”と“自分の存在証明”にまつわるテーマが重く深く、思わず涙してしまいました。弟の死を誰にも話せず、評価されることでしか救われなかった彼の気持ちに、心から共感しました。(50代 男性)


絵本のような世界に、リアルな「悲しみ」が混ざっていて、とても印象的な作品でした。子ども向けのように見せかけて、実は“死”や“愛されたいという欲求”を真正面から描いていて、大人のほうが刺さる内容かもしれません。弟を事故で亡くし、その死の責任を一人で背負い込むスピヴェットの旅は、観ている私自身の心も浄化されるようでした。映像も音楽も美しくて、余韻が素晴らしいです。(30代 女性)


まさに“詩のような映画”。スピヴェットの語り口がユニークで、観ていて自然と彼の内面に引き込まれていきました。ユーモアがありつつ、深い悲しみが根底に流れているのが印象的。特に、スミソニアンで大人たちに囲まれて本心をぶつけるシーンは圧巻でした。子どもの孤独や、自分の声を聞いてもらえない苦しさを描いていて、大人として反省させられる部分も多かったです。(40代 男性)


天才少年の物語というと、明るくてワクワクするような展開を期待していたのですが、実際は「死」と向き合うかなり重めの内容で、いい意味で裏切られました。スピヴェットが持つ複雑な感情、特に自責の念がひしひしと伝わってきて、観ていて何度も胸が締めつけられました。最後に家族の愛に触れるシーンでは、本当に涙が止まりませんでした。家族って、やっぱり大事ですね。(50代 女性)

映画『天才スピヴェット』を見た人におすすめの映画5選

累計10,000本以上の映画を見てきた映画愛好家が、映画『天才スピヴェット』を見た人におすすめの映画5選を紹介します。

アメリ(2001)

この映画を一言で表すと?

色彩と遊び心が溢れる、心がふわっと温かくなるファンタジック・ラブストーリー。

どんな話?

パリのモンマルトルに住む内気な女性アメリが、人知れず他人の幸せのために奔走しながら、やがて自分自身の愛を見つけていく物語。ユニークな演出と独自の世界観が観る者を魅了します。

ここがおすすめ!

『天才スピヴェット』と同じジャン=ピエール・ジュネ監督作。色彩やカメラワーク、登場人物の温かさなど、通じる魅力がたくさんあります。観終わった後に優しい気持ちになれる作品を探している方にぴったりです。

リトル・ミス・サンシャイン(2006)

この映画を一言で表すと?

ダメな家族が繰り広げる、笑って泣ける感動のロードムービー。

どんな話?

ビューティーコンテスト出場を目指す少女オリーヴと、崩壊寸前の家族が、ボロボロのバンでアメリカ横断するハチャメチャな旅の中で、少しずつお互いを理解し、絆を深めていく物語。

ここがおすすめ!

家族の歪みや不器用な愛情、個々の抱える問題をコミカルに、かつ温かく描いている点が『天才スピヴェット』と共通しています。心に残る名言やラストシーンは、きっとあなたの記憶にも刻まれます。

ヒューゴの不思議な発明(2011)

この映画を一言で表すと?

機械仕掛けの世界に秘められた、少年と映画の魔法をめぐる大冒険。

どんな話?

1930年代のパリ駅を舞台に、孤児の少年ヒューゴが亡き父の遺した機械人形の謎を解くために奔走する物語。やがてそれは映画の起源と深くつながっていきます。スコセッシ監督による愛とロマンの詰まった一作。

ここがおすすめ!

美しい映像と丁寧な美術、少年の冒険を通して描かれる「過去との対話」が『天才スピヴェット』と重なります。孤独を抱える少年が、世界と繋がっていく物語に胸を打たれます。映画愛に溢れた作品です。

ムーンライズ・キングダム(2012)

この映画を一言で表すと?

“変わり者”たちの純粋すぎる逃避行が、世界をちょっとだけ優しくする物語。

どんな話?

1960年代の小さな島で起こる、12歳の少年と少女の駆け落ち騒動を描く。周囲の大人たちを巻き込んだドタバタ劇が、やがて思わぬ感動を生む、ウェス・アンダーソン監督らしい美術とユーモアが詰まった一作。

ここがおすすめ!

『天才スピヴェット』同様、子どもの視点から大人社会を見る構図が魅力。独特な映像とユニークな登場人物たちが織りなす、切なくも愛おしい世界観に浸れます。センスの光る青春映画を観たい人に。

ネブラスカ ふたつの心をつなぐ旅(2013)

この映画を一言で表すと?

人生の終盤に交わされる、父と息子の無骨で優しい再会の旅。

どんな話?

「懸賞で100万ドルが当たった」と信じ込む老父と、その父に付き添う息子が繰り広げるアメリカ中西部のロードムービー。途中で立ち寄る故郷では、意外な真実や家族の歴史が浮かび上がる。

ここがおすすめ!

静かなモノクロ映像が心に染みる傑作で、『天才スピヴェット』の“旅を通して心が変化する”テーマと通じるものがあります。親子の絆や世代を超えた理解に触れたい人にぜひ観てほしい一本です。

この記事の編集者
影山みほ

当サイト『MIHOシネマ』の編集長。累計10,000本以上の映画を見てきた映画愛好家です。多数のメディア掲載実績やテレビ番組とのタイアップ実績があります。平素より映画監督、俳優、映画配給会社、映画宣伝会社などとお取引をさせていただいており、映画情報の発信および映画作品・映画イベント等の紹介やPRをさせていただいております。当サイトの他に映画メディア『シネマヴィスタ』の編集長も兼任しています。

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