映画『天使が消えた街』の概要:イタリアで英国人留学生が殺害された事件を実写化しようとする映画監督と、事件の取材を続ける記者の姿を描いたドラマ作品。2007年に実際に起きた殺人事件をモチーフにしていることで話題となった。
映画『天使が消えた街』の作品情報
上映時間:101分
ジャンル:ヒューマンドラマ、サスペンス
監督:マイケル・ウィンターボトム
キャスト:ダニエル・ブリュール、ケイト・ベッキンセイル、ヴァレリオ・マスタンドレア、カーラ・デルヴィーニュ etc
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映画『天使が消えた街』の登場人物(キャスト)
- トーマス・ラング(ダニエル・ブリュール)
- 映画監督で、元妻との間で娘の親権問題を抱えている。シモーンの本を読んで殺人事件に興味を示し、映画化しようとする。
- シモーン・フォード(ケイト・ベッキンセイル)
- 殺人事件を取材している記者で、15年間ローマに住んでいる。事件の取材を続ける傍ら、トーマスのリサーチの手助けをする。
- エドュアルド(ヴァレリオ・マスタンドレア)
- シモーンの知人の情報通。ブログで情報発信をしている。裏社会に通じており、ドラッグの密売にも手を染めている。
- メラニー(カーラ・デルヴィーニュ)
- シエナで暮らし、イタリア文学や文化について勉強している留学生。バーで働いていて、トーマスと出会う。
映画『天使が消えた街』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)
映画『天使が消えた街』のあらすじ【起】
トーマスがローマに降り立ち、カフェでシモーンと落ち合う。シモーンは英国人留学生の殺人事件を取材し、事件に関する本を出版していた。シエナで英国人留学生が刺殺される事件が起き、ルームメートの米国人留学生とその恋人のイタリア人青年が殺人容疑で逮捕されたのだ。メディアが米国人留学生の奔放な生活振りを興味本位に取り上げらために事件は注目を浴び、2人は有罪判決を受けていた。トーマスはその本が気に入り、事件の映画化を考えていた。
トーマスとシモーンは控訴審を取材するためにシエナに向かう。シモーンは道中、事件発生当時に英国人留学生が殺された自宅にまで取材に行き、容疑者2人にも声をかけていたことを説明する。トーマスとシモーンは検察官に会い、捜査の経緯を聞く。検察官は遺体には布団が掛けられており、女性が犯人だと確信したと説明する。そして米国人留学生とイタリア人青年の供述がマッチせず、検察は口論の末に米国人留学生とイタリア人青年がエリザベスを殺したと結論づける。
映画『天使が消えた街』のあらすじ【承】
トーマスは娘とネットで話をする。実はトーマスは元妻と親権問題を抱えていたのだ。その後、トーマスはシモーンの記者仲間との会食に参加する。記者達はそれぞれの見解を冗談交じりに述べるだけで、核心に迫るものはなかった。翌日に控訴審が開かれ、トーマスは初めて実際に米国人留学生の姿を目にする。
ロンドンに戻ったトーマスは映画関係者と企画の打ち合わせをする。そしてハロウィーンに再びシエナに戻り、資料映像を撮影する。その時にバーで働いていたメラニーと出会い、連絡先をもらう。トーマスはさらにシモーンと夜の街を探索し、偶然エドゥアルドと出会う。エドゥアルドは米国人留学生が犯人ではなく、警察がずさんな捜査をしただけだと主張する。その夜、トーマスはシモーンと関係を持つ。
トーマスはメラニーと連絡を取り、若者のパーティーに参加する。ドラッグに手を出したトーマスはエドゥアルドに殺人現場を案内される幻影を見て、気分を悪くする。トーマスは事件を単に再現するだけでなく、もっと精神的な深みがある作品を作りたいと考えるようになる。
映画『天使が消えた街』のあらすじ【転】
トーマスは脚本の執筆を始めるが、なかなかはかどらずにいた。さらにトーマスは米国人留学生の私生活がメディアの食いものにされていることに不満を抱く。トーマスはメラニーに売人を紹介してもらい、ドラッグに手を出すようになる。シモーンがトーマスに殺人現場の映像を渡す。そして2人は再び関係を持つ。しかし、トーマスがシモーンの仕事を批判したために、シモーンは気を悪くする。トーマスは凄惨な殺人現場の映像を見て、衝撃を受ける。
トーマスは再び映画関係者と会うが、トーマスの哲学的なアイデアが映画向きではないことに反発されてしまう。トーマスは脚本の執筆を続けるが、ドラッグの頻度も増していく。トーマスはエルドゥアンの紹介で部屋を借りることにする。そして、エドゥアルドの自宅に招待されて脚本を読んでほしいと頼まれる。しかし、書斎の引き出しに刃物を見つけたトーマスは動揺して逃げ出してしまう。
トーマスは傍聴していた控訴審で証拠の刃物が示されたのを見て、エドゥアルドのところで見つけた刃物に疑いを向けるようになる。再びエドゥアルドの自宅に行ったトーマスは刃物を盗み出す。
映画『天使が消えた街』の結末・ラスト(ネタバレ)
翌朝、エドゥアルドは盗んだ刃物が映画の小道具だとトーマスに説明する。しかし、それを信じないトーマスはエドゥアルドのことを殴ってしまう。トーマスの脚本執筆に腐心する。トーマスはシモーンと共に英国人留学生の元恋人と会い、英国人留学生がパーティー好きの普通の子だったとの話を聞く。トーマスはその話を自分の脚本に盛り込む。
控訴審の判決が下され、米国人留学生とイタリア人青年は無罪となる。米国人留学生は釈放され、英国人留学生の遺族は記者会見を開く。トーマスはその一部始終を見守る。そして娘や元妻とネットで通話した後、遺族に思いを馳せながら脚本の執筆を続ける。
トーマスはメラニーと共にダンテの墓を見学し、海岸を散歩する。トーマスは映画関係者から連絡を受けて、映画化の企画が流れたことを説明される。トーマスとメラニーはホテル泊まり、カードゲームに興じる。そしてメラニーが寝た後にトーマスは英国人留学生を追悼するかのように脚本を書き続ける。
映画『天使が消えた街』の感想・評価・レビュー
非常に捉えどころのない作品。殺人事件の再審、事件に群がる記者、映画制作者の苦悩とバラバラの要素を盛り込み過ぎて、焦点がぼけてしまっている。何より劇中の映画監督トーマスがマイケル・ウィンターボトム監督と重なり、自分よがりの作品を作っているだけにしか見えない。実際の事件をテーマにする必要があったのだろうか。ウィンターボトム監督の初期の作品には良質なものが多かっただけに、本作の仕上がりは残念だ。(MIHOシネマ編集部)
観衆の目を引くような過激な報道をしたがるマスコミと、エンターテインメントとして成功させたい映画プロダクションの意向が透けて見えて、何ともやるせない気持ちになった。現代社会には情報が溢れているが、「真実」を発信しているところは意外と少ないのかもしれない。主人公のトーマスは娘がいたからこそ、この事件に注目し、遺族の気持ちを想像することができたのかなと思った。
トーマスは元妻と親権争いしていたりドラッグに手を出したり、盛り込み過ぎの設定がちょっと邪魔だなと感じた。(女性 30代)
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