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映画『天使の恋』のネタバレあらすじ結末と感想

映画『天使の恋』の概要:友人達を言葉巧みに操り、援助交際、斡旋、恐喝をして荒稼ぎしているヒロイン。ある日、彼女は運命の男性と出会う。ヒロインは男性と恋仲になり束の間の幸せを満喫。しかし、彼は彼女の前から忽然と姿を消してしまう。命を懸けた歳の差ラブストーリー。

映画『天使の恋』の作品情報

天使の恋

製作年:2009年
上映時間:119分
ジャンル:ラブストーリー
監督:寒竹ゆり
キャスト:佐々木希、谷原章介、山本ひかる、大石参月 etc

映画『天使の恋』の登場人物(キャスト)

小澤理央(佐々木希)
今時の女子高生17歳。3年前にレイプ被害に遭い妊娠、堕胎をきっかけに、援助交際をするようになり荒稼ぎしている。美人でスタイルが抜群に良い。光輝に恋をする。
小澤光輝(谷原章介)
日本史専攻の大学教授35歳。脳に腫瘍を抱え、後遺症に怯える日々を送っている。人付き合いが苦手で不愛想。理央に惹かれる自分に抗うも、徒労に終わる。
鮎川友子(山本ひかる)
奈緒子に虐められていた地味なクラスメイト。理央に助けられ、友人になる。健気。
芝田奈緒子(加賀美早紀)
理央のクラスメイトで素行が悪く、虐め役をしていた。理央のことが大好き。母親の恋人に性的虐待を受けていた。

映画『天使の恋』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)

映画『天使の恋』のストーリー(あらすじ)を結末・ラストまでわかりやすく簡単に解説しています。この先、ネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『天使の恋』のあらすじ【起】

14歳でレイプ被害に遭い、妊娠と堕胎を経験した小澤理央は現在17歳。若く美しい彼女は、援助交際で荒稼ぎしていた。しかも、虐められている可哀想なクラスメイトを助け、友情を装って援助交際を斡旋。男を手玉に取り、大人を脅して更に金を巻き上げるのだ。

そうして稼いだお金で、友人達に高額なプレゼントを贈り、自分に引き付けておく。彼女は言葉巧みに、友人や男達を操る。友人達にとって、理央は孤高の存在だった。

そんなある日、現像を頼んだ写真屋の店員が、間違って同じ小澤性の見知らぬ男の写真を渡してくる。相手の名前は小澤光輝。理央は彼に直接連絡をつけ、写真の交換をするために待ち合わせの約束をした。

その日は雨。やって来た小澤光輝に一目惚れしてしまった理央は、傘を忘れたふりをして、彼と相合傘をする。びびっときた瞬間、何としてもお近づきになりたいと思ったのだ。

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映画『天使の恋』のあらすじ【承】

しかし、小澤光輝が突然、会話中に倒れてしまう。理央は彼に付き添い、思い出深い病院へ。心配でずっと待っていたが、看護師から帰っても良いと言われ、仕方なく仕事へ向かった。

仕事中に光輝から電話が入ったため、お客と別れ急いで病院へ戻った理央。自分がこんな行動をどうしてとってしまったのか、分からなかった。それでも、光輝と様々な話をすることができる。

光輝は日本史を専攻している大学教授だった。後日、彼の講義へ聴講に向かった理央。彼女は彼の教授室へ押しかけ、日本史を教えて欲しいと強引に頼み込み約束を取り付ける。だが、そこへ見知らぬ大人の女性が入室して来たため、理央はかっとなり怒って帰ってしまう。
友人達にあらましを話すと、彼女達は口を揃えて理央は恋をしていると言うのだった。

個人授業の日、熱心に歴史を語る光輝を見つめる理央。彼と密な時間を持つことにより、恋心が加速。次のテストで100点をとったら、デートして欲しいと光輝に願い出る。無邪気な理央の姿に、光輝の中でも心境の変化が起こり始めるのだった。

真面目で堅物な光輝を思い、援助交際をすることに罪悪感を覚えた理央は、友人達に事情を説明し仕事を辞めることにした。幸い、お金なら余っている。
その後は熱心に勉強を励んだ。そんな彼女の姿に心を動かされる光輝。

映画『天使の恋』のあらすじ【転】

歴史のテストが戻ってきた。だが、結果はなんと99点。理央はがっかりしつつ、光輝へと真面目に報告をした。すると、彼は間違えた問題と答えを見て、自分だったら丸にすると言い、答案用紙を100点に直す。そして、約束を守り彼女とデートすることにした。

デート当日。理央は光輝が行きたい所へ行きたいとリクエスト。すると、光輝は意気揚々と趣味である、歴史探訪の旅へ理央を連れて歩いた。2人はそこで初めて手を繋ぐ。
次の図書館デートでは、初めてのキス。浮かれた理央は彼にオーダーメイドのスーツを送り、一緒に映画館デートを楽しんだ。

気軽に光輝の自宅へ遊びに行けるようになった理央は、彼の部屋で数字が減るカレンダーを発見。なぜ数字が減るのかを聞いてみたが、光輝は寝てしまったのか何も答えない。
数字はどんどん減って行き、数日経った頃、急に彼の態度が冷たくなった。

翌日、学校をしばらく休んでいた奈緒子がナイフを持って登校する。彼女は友人へとナイフを振り回し、誤って理央を傷つけてしまう。奈緒子は恐慌状態に陥り、学校の屋上へ。
彼女は理央に自分の事情を話した。母親の恋人にレイプされていた奈緒子。母親は恋人にフラれ、その原因を娘のせいにした。彼女は自分の存在意義を失い、母親の恋人を殺してきたと言う。奈緒子は理央との触れ合いを唯一、心の支えとしていたのだった。

理央は必死に彼女を引き止めようとする。しかし、奈緒子は理央を思い、屋上から投身自殺を図るのだった。
このことがあって、理央は自分の考えを改める。彼女は友子に本当のことを明かした。奈緒子が友子を虐めていたのは、理央が命令していたからである。友子に援助交際をさせるためだった。当然、友子は激怒し理央の話を一切、聞かなくなってしまう。

その日の放課後、理央は光輝の家へ。中へ入ると彼の荷物が無くなっており、部屋にはゴミだけが残されていた。

映画『天使の恋』の結末・ラスト(ネタバレ)

翌朝、懲りずに友子へ声を掛けた理央だったが、意識を失い倒れてしまう。ストレス性の貧血だった。意識を取り戻した理央は、友人に光輝が姿を消してしまったことを明かす。理央は友人を苦しめた罰が当たったのだと言うが、友人達は理央を思い、光輝を探す手助けをしてくれるのだった。

理央の病室前に光輝の従妹が立っている。友人達は彼女を引き止め、理央と会うように説得。従妹は仕方ないという態度で、理央と会うことにした。
従妹は光輝の居場所を知っている。理央は光輝への恋心を赤裸々に語った。すると、従妹は彼女の本気を認め、彼の居場所を教えてくれる。

後日、友人達の助けもあり、光輝と会うことができた理央。彼と会って自分の過去を明かした。そのせいで随分と荒れた生活を送って来たが、光輝と出会い自分は変わることができた。しかし、光輝は彼女をやんわりと拒否。理央は彼の意を汲み、別れることを決意した。
だが、バスに乗り込み光輝を振り返ると彼が倒れている。理央はバスを止めて彼を病院へ搬送した。

同じ苗字であったため、病院で妹と勘違いされた理央。光輝の脳に悪性の腫瘍ができており、余命幾ばくもないことを医師に知らされる。
意識が戻り状態が安定した頃、見舞いに訪れた理央に光輝が自分の本心を語る。

彼は自分の死を受け入れ、静かに逝こうと決めていた。しかし、理央という誤算が生じる。彼女と初めて会った時から、光輝は理央に恋をしていたのだった。こんなはずじゃなかったと彼は呟く。理央は彼に手術を受けるよう話した。彼は悩みながらも、理央の説得に応じ、摘出手術を受けることに同意した。

それから1年後。理央は高校を卒業後、光輝へ会いに行った。
その日も雨が降っている。光輝は病院から出て来て、理央に会釈をして微笑んだ。手術を受けた彼は、理央との記憶の一切を失ってしまったのである。それでも理央は、初めて会った時と同じように相合傘で駅まで向かい、帰宅する彼を見送った。
涙が零れて止まらなかった。駅のホームへ出て雨に濡れながら、泣き続ける理央。そこへ、傘を差し出す人がいる。振り返ると不思議な表情をした光輝がいた。理央は思わず、彼に抱きついてしまうのだった。

映画『天使の恋』の感想・評価・レビュー

曲がった高校生活を送っていた理央が、光輝と出会った事により徐々に変わりだし、純粋な恋をしていく姿に感動した。理央を演じた佐々木希の可愛らしさや、少し毒を持った強めなイメージと、光輝を演じた谷原章介のおおらかで優しい人柄が全面的に出ており、吸い込まれそうになった。病気と闘い、理央に迷惑をかけず一人で生きていこうとしていた光輝の気持ちや、記憶が無くなっても光輝を支え続ける理央の気持ちが理解でき、同時に儚くなった。(女性 20代)


大人を騙し大金を得るという荒んだ生活を送っていた女子高生が、運命の人と出会って本気になるという流れはある意味王道で、加えて相手が余命幾ばくもないというのも王道と言えばそうだろう。この流れで感動しないはずがない。真摯な思いが報われないことほど、共感度を高める演出はないと思える。ヒロインを演じた佐々木希は、今作が初主演作にも関わらず違和感のない演技を見せている。原作は人気ケータイ小説でテレビドラマやソーシャルゲーム化もされている。女子高生が一生懸命、好きな人を追いかける様子は世の女性達からは高い共感を得る。かく言う自分もラストシーンでは涙した。反則だと思ったが、王道ストーリーに騙されないと思っていても騙されてしまうものなのだ。非常に切なく心を打つ作品である。(女性 40代)


レイプや自殺などかなり重い話なのですが、恋愛を上手く絡めていて雰囲気はそこまで暗くありません。恋に救われていく主人公や、黒いビジネスから足を洗う理央の姿は観ていて気持ちが良かったです。救いのある結末で本当に良かった、泣きました。ただ欲を言えば、やはり気になってしまうのは佐々木希さんの演技です。女優が本業ではないのは承知していますが、活舌はもう少し改善してほしかったと思います。谷原さんの演技が上手すぎるので余計に気になってしまいます。(男性 20代)

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