映画『ザ・バンク 堕ちた巨像』の概要:インターポールのサリンジャー捜査官は、巨大銀行の不正を暴くため、血眼の捜査をしていた。ニューヨークのグッゲンハイム美術館、イスタンブールのブルーモスクなど世界各地を舞台に、世界に潜む闇に迫る。
映画『ザ・バンク 堕ちた巨像』の作品情報
上映時間:117分
ジャンル:サスペンス
監督:トム・ティクヴァ
キャスト:クライヴ・オーウェン、ナオミ・ワッツ、アーミン・ミューラー=スタール、ブライアン・F・オバーン etc
映画『ザ・バンク 堕ちた巨像』の登場人物(キャスト)
- ルイ・サリンジャー(クライヴ・オーウェン)
- 正義感が強いインターポールの捜査官。世界第5位のメガバンクIBBCの悪事を暴くため、執念の捜査を続けている。事件の核心に迫るうちに、彼自身にも危険が及び始める。
- エラ・ホイットマン(ナオミ・ワッツ)
- アメリカ刑事局の検事補。サリンジャーとの合同でIBBCの不正を暴くための捜査を始める。夫と息子の三人暮らし。
- スカルセン頭取(ウルリク・トムセン)
- IBBCの頭取。ミサイル誘導装置を購入し、闇社会の資金の流れを支配しようと企む。殺し屋のコンサルタントを雇い、内部告発をしようとした者を次々と殺害する。
映画『ザ・バンク 堕ちた巨像』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)
映画『ザ・バンク 堕ちた巨像』のあらすじ【起】
ドイツのベルリン駅。国際銀行IBBCの不正を追うインターポールのサリンジャー捜査官は、同僚が目の前で突然死するのを目撃する。警察は病死として処理するが、小さな注射痕に気付いた彼は、他殺の可能性を疑った。その後、同僚が死ぬ直前に会った証人も、謎の事故死を遂げてしまう。その証人は、IBBCが武器製造会社からミサイル誘導装置を購入するという情報を証言するはずだった。
ニューヨーク検察局のエラと合同捜査を組むこととなったサリンジャーは、ドイツ警察に協力を要請するが、警察はIBBCと癒着していて協力を得られなかった。独自で捜査をすることになった2人は、頭取スカルセンとの面会を求めるが、これも拒否される。
捜査は行き詰まったかと思われたが、サリンジャーはIBBCの取引相手である武器メーカーのカルビーニ社長との面会を取り付ける。早速イタリアのミラノに飛んだサリンジャーは、カルビーニ社がIBBCにミサイルの誘導装置を販売する予定であることを聞き出す。社長はIBBCの目的について、武器売買を仲介することで当事国を借金まみれにさせ、資金を支配するのが真の狙いであろうと、サリンジャーに話した。
映画『ザ・バンク 堕ちた巨像』のあらすじ【承】
サリンジャーの捜査に協力的なカルビーニ社長だったが、演説会場の観衆の面前で狙撃さる。サリンジャーは現場を捜査し、狙撃手は2人いて、そのうちのひとりが特殊な義足を付けていることを突き止めた。義足男の情報は空港の金属探知機の記録に残されており、サリンジャーたちは男の行き先であるニューヨークへ飛んだ。
ニューヨーク市警の協力を得たサリンジャーは、義足のヒットマン“コンサルタント”の住所を訪ねるが、すでに空き地となっていた。諦めかけたその時、目の前をコンサルタントが横切った。サリンジャーたちはグッゲンハイム美術館に入る彼を追い、館内に入った。
建物の中心部が吹き抜けで、螺旋状の通路に美術品が飾られているグッゲンハイム美術館は、どこからも全体を眺められる構造だ。コンサルタントはIBBCの幹部と館内で落ち合っていたが、オブジェ越しにサリンジャーと目が合うと、銃を構えて睨み合った。そこに、IBBCから新たに雇われた殺し屋たちが、コンサルタントの口を封じのために発砲する。美術館内で前代未聞の銃撃戦が始まった。
映画『ザ・バンク 堕ちた巨像』のあらすじ【転】
一般人を巻き込みながら、グッゲンハイム美術館内を銃弾が飛び交った。多くの負傷者が出て、刑事も殺し屋も死んだ。壁は穴だらけとなり、天井から吊り下げられた巨大オブジェは、1階まで真っ逆さまに落下した。サリンジャーは負傷したコンサルタントを抱きかかえて美術館を脱出。真相を聞き出そうとしたが、コンサルタントは息絶えてしまった。
サリンジャーとエラは、コンサルタントが死ぬ直前に会っていたIBBCの側近と面会する。その男は東ドイツ時代に秘密警察に所属していた大佐であり、裏社会に通じていたため、IBBCで用心棒を務めていたのだった。側近はサリンジャーにある忠告をする。それは、国や武器メーカー、多国籍企業が複雑に絡む国際社会では、IBBCのような銀行が必要であり、もし裁きたければ法律の枠を超えた方法で決着するしかない、というものだった。
これ以上の捜査は危険だと察したサリンジャーは、単独で捜査をすることを決意。家族がいるエラを捜査から外すことにした。
映画『ザ・バンク 堕ちた巨像』の結末・ラスト(ネタバレ)
サリンジャーはまず、カルビーニの息子兄弟を訪問し、父親を暗殺したのはIBBCだと伝えた。彼らはサリンジャーに感謝し、IBBCとの武器の取引を破棄することを決め、IBBCの弁護士を殺害した。IBBCではカルビーニ社からミサイル誘導装置が入手できない代わりに、そのライバル会社から購入することを決めた。スカルセン頭取が取引場所であるトルコに出発し、サリンジャーと側近もイスタンブールへ飛んだ。
頭取はブルーモスクで取引相手に会い、地下宮殿を歩きながら商談を始める。サリンジャーはその様子を録音しようと近づくが、護衛に見つかり連れ出されてしまった。商談を無事に終わらせたスカルセンだったが、側近が殺されているのを発見して青ざめる。サリンジャーは彼を追跡。スカルセンは街並みを歩いてグランドバザールの屋上通路へと逃げたが、道は途中で途切れてしまった。
バザールの屋上通路で、スカルセンとサリンジャーは向かい合った。サリンジャーはインターポールには逮捕権がないため、この手で決着を付けるしかないと思っていた。彼は「正義の裁きだ!」と、頭取に銃を向けるが、そこに別の男が現れて、サリンジャーより早く発砲する。それはカルビーニ兄弟が雇った殺し屋だった。頭取は撃たれて死亡。男はサリンジャーに手間が省けたことの礼を言うと、その場を立ち去った。サリンジャーは突然の幕切れに声も出せず、呆然と立ち尽くすのだった。
映画『ザ・バンク 堕ちた巨像』の感想・評価・レビュー
サスペンスを中心に活躍する硬派俳優クライヴ・オーウェン主演。巨大銀行の闇を暴くという骨太のストーリーを軸に、世界各地の観光名所が舞台となっているのも見所の一つ。頭取が商談をする地下宮殿は、トム・ハンクス主演の『インフェルノ』でも登場した幻想的な漲水池。主人公が犯人を追い詰めるグランドバザールの屋根通路も、『007 スカイフォール』などで有名だ。
最大の見せ場は、ニューヨークのグッゲンハイム美術館での激しい銃撃戦。アクションシーンは巨大なレプリカで撮影されているが、その他のシーンは2日間の撮影許可が下りて現地で行ったそうだ。有名な美術館で殺戮が行われるというのは、大胆でなんとも罪深い気がした。(MIHOシネマ編集部)
かなり硬派で正統派なサスペンス作品なので、好きな方は大満足でしょう。しかし、サスペンス慣れしていない人にとっては銀行の存在が巨大すぎでイメージが出来ず、なんだかよく分からないまま置いていかれてしまうかもしれません。
正しいことをしていれば必ず勝てるということではないのだと感じさせられます。自分の行動が正しいと分かっていても、巨大すぎる銀行に挑むなんてバカだと思いますよね。これは必要悪なんだと感じさせるような銀行のやり方は恐怖でしかありませんが、実際にも私たちの知らない裏側ではこんなことが起きているのかもしれません。(女性 30代)
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