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映画『ザ・ダンサー』のネタバレあらすじ結末と感想。無料視聴できる動画配信は?

映画『ザ・ダンサー』の概要:実在した伝説的なダンサー、ロイ・フラーの著書を映画化。1892年、ブルックリンにて革新的なダンスを考案したロイ。彼女は後にフランスへ渡り、一躍スターの座へ。だが、新進気鋭のダンサーイサドラの出現により、才能の有無で苦悩することになる。

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映画『ザ・ダンサー』の作品情報

ザ・ダンサー

製作年:2016年
上映時間:108分
ジャンル:ヒューマンドラマ
監督:ステファニー・ディ・ジュースト
キャスト:ソコ、ギャスパー・ウリエル、メラニー・ティエリー、リリー=ローズ・デップ etc

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映画『ザ・ダンサー』の登場人物(キャスト)

ロイ・フラー(ソーコ)
本名はマリー=ルイーズ・フラー。オペラ座の女優になることを夢見ている。独自のダンスと衣装を考案し一躍、人気を得る。趣味は絵を描くことで、いかに自分のダンスが美しく映えるかを考え、照明と衣装にて革新的なダンスを考案する。
イサドラ・ダンカン(リリー=ローズ・デップ)
ダンサーの欠員を埋めるために入団してくる。サンフランシスコ出身でロイを尊敬している。才能溢れ金髪で美しく若いが、自己主張が強くわがまま。自らの肉体のみで全てを表現するモダンダンスを考案。ロイとは対照的。
ルイ・ドルセー伯爵(ギャスパー・ウリエル)
ロイのダンスに魅了された若きフランスの伯爵。米国の資産家である妻の財産管理をするだけの日々に倦んでいる。離婚後はフランスへ帰国し、ロイのパトロンになる。
ガブリエル(メラニー・ティエリー)
ロイの才能に逸早く目を付け、劇団に入れバックアップをする。劇団の経営からマネジメントまでを行い、ずっと傍でロイを見守る。
マルシャン(フランソワ・ダミアン)
フランスにて劇団を営む支配人。ガブリエルに説得され、ロイをダンサーとして雇う。その後は親身になってロイを支える1人となる。

映画『ザ・ダンサー』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)

映画『ザ・ダンサー』のストーリー(あらすじ)を結末・ラストまでわかりやすく簡単に解説しています。この先、ネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『ザ・ダンサー』のあらすじ【起】

米国の片田舎。フランス人で大酒飲みの父親に育てられたマリー=ルイーズ・フラーは、25歳で女優を夢見ていた。
その日の朝も酔っぱらった父親を連れて帰宅したマリーだったが、恨みを募らせた村人によって父親が殺されてしまう。マリーは父親を荼毘に付し、別れた母親を頼って旅に出る。

1892年、ブルックリン。禁酒同盟に参加する敬虔なクリスチャンである母親の元へ。一度も櫛を通したことのない髪を短く切られ、共に暮らすための厳しいルールを突きつけられる。

その後、マリーは女優を目指すべく、幾つものオーディションへと参加。そして、とある劇団へ端役で雇われる。催眠をかけられた女性の役で、セリフは一言もない。その日の内に出演することになるが、衣装のスカートが体系に合っておらず、スカートを手で押さえながら舞台へ。その際、たまたまスカートの端を持って回ったことで観客から歓声が上がる。彼女はこのことで、ある革新的なダンスを考えつくのだった。

マリー=ルイーズのルイーズからとって舞台名をロイと改め、衣装をベッドシーツで手作り。衣装が映えるダンスを考案し、幕間の休憩時間5分間でダンスを披露。身体を覆う長い衣装を使い、まるで蝶のように舞う彼女の姿は、当時の演劇界やダンサー界では見たことのないものであり、誰もがそのダンスに驚愕した。

たまたま観劇に訪れたルイ・ドルセー伯爵は、ロイのダンスに魅了され彼女と関係を持とうとする。だが、最初のコンタクトではロイにすげなく断られる。彼女は色を売り物にする今までのダンサーとは違うのだった。
フランス出身であるルイはロイに身体の関係を強要しなかったが、今の生き方に倦んでおり薬物に依存した生活を送っている。そんな彼と寄り添うような関係を築くロイ。

そんなある日、ロイ宛にルイからシルクが送られてくる。衣装が重いと零した言葉を聞いて、手配してくれたのだった。しかし、そんな彼女の行動に業を煮やした母親がとうとう娘を折檻。淫らなダンサーなど悪魔の所業だとロイは数日、劇団を休む羽目になる。

映画『ザ・ダンサー』のあらすじ【承】

ようやく劇団へ出ることができた頃には、ロイのダンスは別の誰かが代わりを務めることになっていた。そのダンスは自分のものだと主張するも、支配人には受け入れてもらえず。彼女はルイに助けを求めた。しかし、米国では特許制度がなく、ロイの主張は認められない。だが、フランスに特許制度があると聞いた彼女は、ルイの金庫からこっそり金を盗んで1人、渡仏するのだった。

渡仏後、すぐに有名な劇団フォリー・ベルジェールへ。支配人のマルシャンはロイのダンスに見向きもしなかったが、ロイが考案した舞台装置や照明についての資料を目にした支配人補佐ガブリエルの目に留まり入団が叶った。

ロイはダンスを美しく見せる装置や照明、練習や衣装に対し、徹底してそれらを追求し、極みを目指した。ガブリエルはそんなロイを自らの地位を懸けて支える。そうして、初舞台。ロイの美しく革新的なダンスは大歓声を迎えることになる。

彼女のダンスは身体的にも多大な負荷を強いる。故に、ロイは初舞台で渾身の舞を見せ、舞台後に意識を失ってしまうのだった。
翌日、一気にスターダムへのし上がったロイは、どの新聞でも一面を飾り人気ダンサーへと仲間入りすることになる。

しばらく後、成功を収めた彼女の前にルイが姿を現す。彼は米国の資産家女性と別れ、フランスへ帰国。ロイが盗んだ金の返金を求めてやって来たのだった。ロイは彼が持つ全ての借金を返済しその代わり、ルイが所持する城をダンスの練習場として提供してもらうことにした。

映画『ザ・ダンサー』のあらすじ【転】

その後、ロイはダンサーを増やして城で教育を開始。その間にもルイの心の病は少しずつ進行する。死んだように生きる彼には、ロイがダンスへ傾ける情熱や信念が眩しく尊いものに見えているのだった。

舞台は次々に成功を収めるが、ロイの身体をも蝕んでいく。そんなある日、ルイの口利きでオペラ座から出演依頼が舞い込む。オペラ座で踊ることはロイにとっての夢であった。
その後、ダンサー欠員の補充として若く美しいイサドラ・ダンカンが新たに入団する。

オペラ座での出演について、食事会が催された。ダンサー全員が招待されたが、食事中にイサドラが別室にて勝手な行動を取っていると問題が起こる。彼女の元へ向かったロイは、肌が透けるような薄い衣装で妖艶に踊るイサドラの姿を目にする。彼女のダンスもまた革新的なものであり、才能を彷彿とさせるものだった。今で言うモダンダンスである。

オペラ座出演への準備が進む中、イサドラの才能を見出したロイ。彼女の才能は本物である。だが、対して自分のダンスは衣装や照明に頼ったものであることをまざまざと知る。そんな彼女の様子を見ていたルイは、ロイの努力を褒めることで彼女を慰めるのだった。

日本人舞踊団との共演を望んでいたロイだったが、オペラ座側では日本舞踊を受け入れてはもらえず、共演を断られてしまう。そうなると、チケットの売上も伸びず公演準備のためにかかった費用の支払いもできなくなる。ロイとガブリエルは急遽、イサドラを新進気鋭のダンサーとして持ち上げることにした。

城に舞台を誂え有権者を招待し、イサドラのダンスを披露。彼女のダンスは一部に受け入れられなかったが、それでもほとんどの人々に称賛を受けるのだった。
新人ダンサーであるイサドラはその後、徐々に人気を集めロイの不安は嫌増していく。

映画『ザ・ダンサー』の結末・ラスト(ネタバレ)

ロイは今までよりも熱心に練習へ励むようになり、強い照明のせいで目を傷め、心身ともにぼろぼろになっていく。
強い光を浴びたせいで、サングラスをかけなければ外を歩けず、ダンスを踊ることも立っていることも難しい。

独り立ちしたイサドラは、ロイほどに照明や装置を必要としない。彼女のダンスは衣装と身一つあれば、成立するダンスだからだ。しかし、イサドラはオペラ座と契約を結ばず先延ばしにしているようだった。ロイは彼女へ契約しなければ、舞台へ出さないと告げる。当然、イサドラは激怒。2人のダンサーは反目してしまうのだった。

才能の有無に苦悩するロイ。彼女は不安の捌け口としてルイを利用した。それまでずっとロイを支え続けてきたルイだったが、肉体関係を結んだことはない。彼女は自分のダンスに夢中であったし、ルイのことを顧みないことがほとんどだったからである。故に、彼の苦悩を知る由もなかった。

イサドラと反目してしまったため、共演の話がなくなってしまうと思ったロイ。彼女は自らを飾り立てイサドラが望むものを与え、和解しようとする。公演の成功を願うロイは、自らを曝け出しイサドラに身体を売ろうとまでする。そんな彼女にイサドラは笑いながら時間は余るほどにあると言葉を残し、去って行くのだった。

後日、ロイの元にユリの花籠と手紙が届く。1万ドルの契約金だけでは契約できないため、米国へ帰国するとのことだった。
共演の話は無かったことになり、ロイと劇団はオペラ座から更に違約金を請求されることになる。

イサドラの裏切りにより失意に落とされたロイは、目に見えるほどに落ち込んでしまう。今まで傍にいて彼女を見守ってきたルイでさえ失望し、怒りをあらわにする。
出演当日、ガブリエルとマルシャンに無理矢理連れ出されたロイ。ルイは身を持ち崩した彼女に見切りをつけ、ロイを見送った後に自らの命を絶ってしまう。
同じ頃、念願のオペラ座へ来たロイ。彼女はぼろぼろの心身を引き摺りながら、それでも舞台へと立つのだった。

弱り果てた体のどこにそんな力が残っているのか。彼女のダンスは激しくも美しい。恐らく、これが最後の舞台となるだろう。しかし、ダンスの途中で照明が破裂。その反動で彼女は立ち台から落下してしまう。それでもロイは観客の前に姿を現し、称賛の声と拍手を送られるのであった。

数年後、ダンサーを引退したロイの元にガブリエルが一通の書類を持ってくる。彼女はロイのダンスに特許が下りたことを知らせに来たのだった。

映画『ザ・ダンサー』の感想・評価・レビュー

ダンスシーンがとにかく美しい今作。華やかで芸術的なダンスの裏で起こる決して華やかでは無い世界に驚愕しました。モダンダンスと聞いてもよく分かりませんでしたが、今作の主人公ロイ・フラーが作り出した芸術的で魂のこもったモダンダンスはとにかく素晴らしかったです。ライバルを演じたリリー=ローズ・デップもロイを裏切るという難しい役どころでありながら、女の強さや怖さを真っ向から演じていて物凄くかっこよかったです。
ダンスに興味が無い人にもぜひ見てほしい作品です。(女性 30代)


実在した伝説のダンサーの栄転と苦悩を描いた作品。
モダンダンスという新たなダンスを作ったロイ・フラー。彼女のダンスは誰でも真似できるものだったが、極めることで彼女にしか踊れないダンスへと変革させる。そこまでの徹底した情熱と行動は凄まじいものだったのだろうと思う。誰をも魅了させるダンスというのは、ダンサーの魂の声であり命そのものなのだと感じさせられた。ダンスに関しては妥協を許さない姿勢は観ていても恐ろしいほどで、それ故にとても美しい。そして、舞台での華やかさと打って変わって私生活はとても孤独で栄光に縋る姿は酷く痛ましかったが、とても胸に響く作品だった。(女性 40代)

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