映画『アンダー・ザ・シルバーレイク』のあらすじ・感想・評価(ネタバレなし) | MIHOシネマ

「アンダー・ザ・シルバーレイク」のあらすじ・感想・評価(ネタバレなし)

ロサンゼルスのシルバーレイクで暮らすオタク青年のサムは、失踪した隣人サラを探すうち、この街に潜む巨大な陰謀を解き明かすことになる。『イット・フォローズ』(14)のデビッド・ロバート・ミッチェル監督が放つ、新感覚のネオノワール・サスペンス!

アンダー・ザ・シルバーレイクの作品情報

アンダー・ザ・シルバーレイク

タイトル
アンダー・ザ・シルバーレイク
原題
Under the Silver Lake
製作年
2018年
日本公開日
2018年10月13日(土)
上映時間
140分
ジャンル
サスペンス
監督
デビッド・ロバート・ミッチェル
脚本
デビッド・ロバート・ミッチェル
製作
マイケル・デ・ルカ
クリス・ベンダー
ジェイク・ワイナー
アデル・ロマンスキー
デビッド・ロバート・ミッチェル
製作総指揮
ダニエル・レイニー
ジェフリー・コンビッツ
ジェフ・ジョフレイ
キャンディス・アベラ・ミカティ
アラン・パオ
ルーク・ダニエルズ
トッド・レミス
デビッド・モスコー
キャスト
アンドリュー・ガーフィールド
ライキー・キーオ
トファー・グレイス
ゾーシャ・マメット
キャリー・ヘルナンデス
パトリック・フィッシュラー
製作国
アメリカ
配給
ギャガ

アンダー・ザ・シルバーレイクの作品概要

長編監督作品2作目となるホラー映画『イット・フォローズ』(14)の大ヒットにより、世界中から脚光を浴びたデビッド・ロバート・ミッチェル監督の最新作。今度は、ロサンゼルスのシルバーレイクを舞台にしたネオノアール・サスペンスで世界を魅了する。主人公のオタク青年を演じるのは、第二次世界大戦時のアメリカ軍衛生兵デズモンド・T・ドスの実体験を基にした戦争映画『ハクソー・リッジ』(16)で、第89回アカデミー賞主演男優賞にノミネートされた実力派のアンドリュー・ガーフィールド。

アンダー・ザ・シルバーレイクの予告動画

アンダー・ザ・シルバーレイクの登場人物(キャスト)

サム(アンドリュー・ガーフィールド)
ロサンゼルスのシルバーレイクで暮らす33歳のオタク青年。大物になりたいと思っているが、無職のジリ貧状態。向かいに越してきた美しいサラに一目惚れする。
サラ(ライキー・キーオ)
サムのアパートの向かいに越してきたセレブな美女。サムとデートの約束をしたのに、忽然と姿を消してしまう。

アンダー・ザ・シルバーレイクのあらすじ(ネタバレなし)

セレブやハイセンスなアーティストたちが暮らすロサンゼルスのシルバーレイク。“大物になる!”という夢を抱き、シルバーレイクに出てきた33歳のサムは、大物どころか家賃も払えない無職のオタク青年で、冴えない日々を送っていた。

そんなある日、サムのアパートの向かいに、サラという美しい女性が引っ越してくる。夜のプールで泳ぐサラを覗き見たサムは、彼女に一目惚れ。意外なことに、サラもサムのことを気に入ったようで、2人はデートの約束をする。ところが、その直後にサラが失踪してしまい、サムの淡い期待は打ち砕かれる。

サラ失踪の秘密を探るため、もぬけの殻になった彼女の部屋を訪れたサムは、壁に書かれた謎の記号を見つける。最近、シルバーレイクでは不可解な事件が相次いでおり、サムはサラの失踪もそれらの事件に関係あるのではないかと考える。豊富なオタク知識を駆使して、調査を開始したサムは、謎の裏組織がこのシルバーレイクを操っているのではないかと思い始める。果たして、サムはシルバーレイクの闇を暴き、サラを見つけ出すことができるだろうか?

アンダー・ザ・シルバーレイクの感想・評価

オタク青年のサム

本作の予告編が始まった途端、「ピポッポッポポ、ポッポ」という聞き慣れた電子音が耳に入ってくる。そう、1983年に発売された不滅の大人気ゲーム『マリオブラザーズ』の「地上面BGM」だ。この冒頭部分を見ただけで、1人寂しくゲームをしている主人公のオタク青年サムに何となく親しみを感じてしまう。

そんなサムが美女サラと出会い、思いがけない恋の予感に胸をときめかせる。ところが、愛しいサラが煙のように消えてしまい、サムが彼女の行方を探し始めることで、物語が動き出す。サムは都市伝説や陰謀論が大好きなオタク青年なので、その調査方法は独特だ。豊富なオタク知識を駆使して、暗号や隠し言葉を解明し、仕掛け地図まで発見する。ただし、それがサムの思い込みによる的外れな推理なのか、本物の陰謀なのかは不明。そこが本作の面白いところなので、オタク青年サムの迷走ぶりを楽しみたい。

デビッド・ロバート・ミッチェル監督の挑戦

この夏、日本列島では『カメラを止めるな!』という1本のインディーズ映画が大ブームになっている。製作費300万円程度の超低予算映画が口コミで広がり、現在(2018年8月末)までに累計興行収入が約12億5000万円超えの大ヒット作に大化けしたのだから、それはお祭り騒ぎになる。現在も引き続き絶賛公開中ではあるが、一躍“時の人”となった上田慎一郎監督には、すでに次回作へのオファーが殺到していることだろう。

本作で監督・脚本を務めるデビッド・ロバート・ミッチェルも、前作の『イット・フォローズ』で、これと似たような経験している。『イット・フォローズ』は製作費2億円程度の低予算映画(アメリカ映画で製作費2億円はかなりの低予算)だったが、口コミで「面白い!」と話題になり、 製作費の10倍を超える興行収入を稼ぎ出した。この作品は斬新な設定と映像美が大絶賛されたホラー映画だったので、次もホラーで攻めてくるのかと思いきや、ミッチェル監督は新たなジャンル“ネオノアール・サスペンス”に挑戦してきた。本作を見た海外メディアは「ヒッチコックとリンチが融合した悪夢版『ラ・ラ・ランド』だ!」と聞き捨てならないコメントを残している。そこまで言われたら見るしかない。

シルバーレイクってどんな街?

カリフォルニア州ロサンゼルスの北西部に位置するシルバーレイクは、時代に敏感なアーティストやクリエイターたちが集まるおしゃれな街として知られている。最先端のファッションやグルメが楽しめるとあって、クリエイティブな若者を中心に居住区としても人気が高い。映画の都・ハリウッドにも隣接しているので、映画関係者も数多く暮らしている。そんな“スタイリッシュな街・シルバーレイク”を舞台にした作品で、主人公を冴えないオタク青年にするところが、ミッシェル監督の感性の面白さだろう。

そのサムを演じるアンドリュー・ガーフィールドは、小股走りやか細い声で、オタク青年らしさを表現している。アンドリュー・ガーフィールドではイケメンすぎるのでは?と思っていたが、予告編を見る限り、彼はちゃんとオタクに見える。さすがは実力派俳優だ。一方、ヒロインのサラを演じるライリー・キーオは、かの有名なエルビス・プレスリーを祖父に持つ本物のセレブ。母親がプレスリーのひとり娘で歌手のリサ・マリーなのだから、一般庶民には想像もつかないような環境で育ったはず。ライリーは、とてもナチュラルにサラを演じられたのではないだろうか。

アンダー・ザ・シルバーレイクの公開前に見ておきたい映画

映画『アンダー・ザ・シルバーレイク』の公開前に見ておきたい映画をピックアップしています。『アンダー・ザ・シルバーレイク』をより楽しむために、事前に見ておくことをおすすめします。

イット・フォローズ

女子大生のジェイ(マイカ・モンロー)は、最近できた彼氏のヒュー(ジェイク・ウィアリー)と結ばれる。その直後、ジェイはヒューに薬を嗅がされ、意識を失う。車椅子に手足を拘束された状態で意識を取り戻したジェイは、ヒューから「君に“それ”をうつした」と告げられる。“それ”は、様々な人に姿を変えてうつされた人の後をついてきて、その人を捕まえると殺してしまうらしい。にわかには信じがたい話だったが、ジェイはその日から自分にしか見えない“それ”に追われることになる…。

デビッド・ロバート・ミッチェルが監督・脚本を務めた2014年公開のホラー映画。全米4館のみで公開された低予算映画だったが、その怖さと面白さが口コミで広がり、最終的には1200館で拡大公開された。“それ”は感染者と性行為をした相手にうつり、新たな感染者を追い始める。“それ”は常に一定の速度で追ってくるので、ひたすら逃げ続ければ捕まることはない。しかし、感染者が死ぬまで“それ”の追跡は続く。感染者は性行為で他人に“それ”をうつせば、一時的に“それ”から解放されるが、相手が殺されると、“それ”は再び自分に戻ってくる。この斬新な設定が話題となり、「“それ”は何を意味するのか?」という議論が巻き起こった。様々な意見があるようだが、ミッチェル監督自身は「これは生と死と愛についての映画だ」と語っている。その言葉通り、本作には恐怖だけでなく、決して切り離せない生と死の関係性や生きるために必要な愛が描かれている。

詳細 イット・フォローズ

マルホランド・ドライブ

真夜中のマルホランド・ドライブ。黒髪の美女(ローラ・ハリング)を乗せた車が何者かに襲われて事故に遭い、女性はサンセット大通り沿いの植え込みに逃げ込んで意識を失う。翌日、目を覚ました女性は住人が旅行に出たアパートに忍び込み、女優になるためハリウッドの叔母宅へ越してきたベティ(ナオミ・ワッツ)と遭遇する。女性は記憶喪失になっており、咄嗟に自分をリタと名乗る。ベティはリタを叔母の知り合いだと思い込んで親切に看病してやり、2人でリタの過去を探っていくのだが…。

“カルト映画の帝王”として知られる鬼才デビッド・リンチ監督の9作目となる長編映画で、第54回カンヌ国際映画祭監督賞を受賞した。一応、記憶喪失になったリタの正体を探っていくというミステリーになっているのだが、現実と空想の境目がわかりにくく、真実が見えない。しかも、謎の登場人物が次々と現れ、観客をさらに混乱させる。内容を説明するのは不可能なので、鑑賞中の心の声を再現しよう。「え?何?誰?ええっ?何それ?あれ?うそ?えっ……………まじで?」。このように心は乱れ、頭は混乱し、気がつけばこの世界にどっぷりとハマっている。それがデビッド・リンチ作品の魔力なのだ。

詳細 マルホランド・ドライブ

三十九夜

ロンドンの劇場で、超人的な記憶力を持つ“ミスター・メモリー”の舞台を楽しんでいた外交官のハネイ(ロバート・ドーナット)は、銃撃事件に巻き込まれたアナベルという女性を助ける。アナベルは、イギリスの国家機密を巡って、あるスパイ組織から命を狙われているのだと告げた後、何者かによって殺害される。アナベル殺害の容疑者にされてしまったハネイは、スパイ組織の追跡をかわしながら、逃亡中に出会ったパメラ(マデリーン・キャロル)を連れて、事件の真相に迫っていく。

アルフレッド・ヒッチコック監督が1935年に発表したサスペンス映画で、初期の代表作。たまたま劇場に居合わせて事件に巻き込まれてしまった主人公が、殺された女性が口にしたわずかなヒントを頼りに、イギリスの軍事機密を盗もうとするスパイ組織の陰謀を解き明かしていく。映画の冒頭部分から、重要な伏線が巧みに張り巡らされ、終盤で見事に回収されていく。ヒッチコックらしいユーモアを盛り込んだサスペンスの傑作なので、見ておいて損はない。

詳細 三十九夜

アンダー・ザ・シルバーレイクのレビュー・評判・口コミ

随時更新予定

アンダー・ザ・シルバーレイクのまとめ

本作のオフィシャルサイトのトップ画面をじっくりと見て欲しい。水中に沈む美女の体から複数の水泡が発生しているのだが、よく目を凝らして見ると、人の横顔や人形や双眼鏡など、何やら怪しげな物体が次々と浮かび上がってくる。画面下のヤシの木の影には、不穏な表情をしたアンドリュー・ガーフィールドの顔が確認できる。隠し絵のようになったこの画像には、どんな意味があるのか?この謎が解きたければ、劇場で本編を見るしかない。

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