映画『シャイニング(1980)』の概要:スティーヴン・キングの小説を原作とした、スタンリー・キューブリック監督・脚本・製作の1980年のホラー映画。ジャック・ニコルソンが、壊れたドアから顔を覗かせるシーンを使ったジャケットが有名な作品。
映画『シャイニング』 作品情報
- 製作年:1980年
- 上映時間:119分
- ジャンル:ホラー
- 監督:スタンリー・キューブリック
- キャスト:ジャック・ニコルソン、シェリー・デュヴァル、ダニー・ロイド、スキャットマン・クローザース etc
映画『シャイニング』 評価
- 点数:85点/100点
- オススメ度:★★★★☆
- ストーリー:★★★☆☆
- キャスト起用:★★★★☆
- 映像技術:★★★★☆
- 演出:★★★★☆
- 設定:★★★☆☆
[miho21]
映画『シャイニング』 あらすじ(ストーリー解説)
映画『シャイニング(1980)』のあらすじを紹介します。
山の中にある“展望ホテル”で、冬の5ヶ月間、雪によってホテルに閉じ込められる形での管理人職をすることになったジャック。
かつて管理人をしていたグレイディーという男が突然おかしくなり、妻と娘を殺害した後に自殺したという“1970年の悲劇”という事件が起こったという曰く付きの仕事でもあった。
ホテル閉鎖日、ジャックは妻ウェンディと息子ダニーを連れてホテルにやってきた。
コックのハロランという黒人男性は、ダニーが自分と同じ“シャイニング”、超能力を持っている事に気が付いて語りかける。
ダニーは自分の中にいる“トニー”から未来を見せられることが多々あったが、それらに関してはダニーとトニーだけの秘密だった。
237号室が気になるダニーはハロランに尋ねるのだが、近寄ってはいけないと注意をされるだけだった。
閉鎖中のホテルで小説を書き上げようとしていたジャックは次第に神経質になっていき、例年にない大雪で電話が通じなくなってしまったと気が付くウェンディ。
そんな時、237号室におびき寄せられたダニーはそこで亡くなった女性の幽霊に襲われ、危険を察知した休暇中のハロランは“展望ホテル”へと急ぐ。
やがて“1970年の悲劇”のグレイディーの幽霊に出会ったジャックは、ウェンディとダニーの命を狙い始める。
映画『シャイニング』 感想・評価・レビュー(ネタバレ)
映画『シャイニング(1980)』について、感想・レビュー・解説・考察です。※ネタバレ含む
原作とは別物で超能力はオマケ
大雪で交通手段が失われる間の、冬のホテルの住み込み管理人をしていた父ジャックがおかしくなり、妻ウェンディと超能力を持つ息子ダニーが脱出しようと画策するストーリー。
原作のスティーヴン・キングと監督スタンリー・キューブリックとの間に大きな確執が生まれた作品でもあり、原作とは全く違うストーリーになっている。
トニーという、ダニーの中の存在に関しては謎のまま終わってしまい、超能力もおまけ程度にしか使われておらず、どこか腑に落ちない作品。
ジャックはホテルの幽霊たちによっておかしくされたのか、それともダニーに怪我をさせた過去や「はずみだった」と言い訳している事から元々暴力的な一面があったのか、どっちつかずの中途半端なストーリーになってしまっている。
ハロランはホテルに駆けつけた後すぐにジャックに殺害されるので、後半に登場する意味がほとんど無い。
有名なジャック・ニコルソンのパッケージ
ミステリーなどに使われることもある、鏡に映すと意味のある言葉になるという「REDRUM」の原点でもあり、ダニーの書いた落書きが鏡に写って「殺人」という意味になった時の演出が絶妙に怖い。
ギネス記録にも残ったと言われる、100テイク以上かけて撮影されたジャック・ニコルソンの狂気に満ちた表情はパッケージにも使われているが、そのテイク数だけでも監督と出演者の気迫が感じられる。
ダニーを演じた子役のダニー・ロイド、幸薄で気弱な妻ウェンディを演じたシェリー・デュヴァルの、2人の緊張感に満ちた演技も引き込まれる。
不気味な雰囲気を漂わせる双子の少女が、一瞬だけ殺された直後の姿となって現れたり、237号室の美女が一瞬目を離した隙に死体に変わっているという、思わずドキリとするような怖がらせ方の演出はさすがとしか言いようが無い。
加えて、正気を失ってしまった父親ジャックから逃げなければならない、というのもスリルを味わうのには丁度良い。
忘れられないあの音楽と、血のエレベーターと、双子とジャック・ニコルソン。霊的なホラーと人間的なスリラーを融合させた恐るべき傑作。昔はパッケージの男が怖くて観れなかったが、時を経てニコルソンを知ってから初めて観た。こんな傑作ホラーもっと早く観ておけばよかったと後悔している。
恐怖を引き出すカットに不気味な演出を存分に楽しめること間違いない。ホラー映画なのだがどこかオシャレさもある。スタンリー・キューブリックの作品は癖もの揃いでどの作品も独特で好きだ。(女性 20代)
観れば分かる名作。ホラー映画の金字塔扱いも納得の面白さ。
スティーヴン・キングとスタンリー・キューブリックの良さが、あの不気味で狂った世界観の中で見事にマッチしているし、ジャック・ニコルソンの演技はやっぱりすごいな~と思わざるを得ない。鑑賞中あの有名な扉から顔を出すシーンが来たときは感動すら覚えた。
鑑賞前からこの知っていたこの顔が、鑑賞後にはまったく別の印象になったのが個人的には面白かったポイント。(女性 30代)
全体を通してあまりいい評価はできない。
1980年の作品だからか、終始カメラワークが特殊だった。ダニーが驚くシーンや迷路シーンは特に古典的だったが懐かしさを感じた。
また、効果音を用いた驚かせ方や盛り上げ方がおかしい。今主流なのは、シーンとして進展があった際に効果音やBGMでインパクトを与えるが、何もないシーンで同じことをやっているから無駄に疲れる。設定が曖昧なのか最後までグレーディ達がジャックの幻想なのかホテルに憑いた悪霊なのか理解できないまま終わった。(男性 20代)
クールで不思議な雰囲気にひかれて、怖いのに何度も観てしまう作品です。
ただ驚かせたりショッキングな場面を見せたりして怖がらせるのではなく、観ている人の想像力をかき立てる演出が魅力的。じわじわと心の中に広がる恐怖を味わえます。
ホテルの内装はどことなくおしゃれで、巨大迷路を俯瞰した映像やジャックがタイピングした文章の羅列などにセンスを感じます。
静まり返ったホテルで5ヶ月も暮らすことや、霊の存在も恐怖ですが、いちばん怖いのはジャック・ニコルソンの怪演。人の狂気ほど恐ろしいものはないと思いました。(女性 40代)
映画好きなら1度は見たことがあるであろう今作。私も大好きな作品で何度見たか分かりません。結末を知っていても面白いし、ストーリーが分かっているのにドキドキしてしまう。そんな作品なかなかありませんよね。
この作品は1度見ただけでは全ては理解できないと思います。鑑賞後にどういうこと?と感じた疑問を考察を読んで解決するのが正解です。
REDRUMがMURDERだと分かった時、ダニーがこいでいる三輪車のキコキコ音と共にこの作品の世界観を思い出すでしょう。(女性 30代)
30年経った今でも有名なホラー作品。このパッケージを目にしたことがある人は多いのではないだろうか。あらゆるサイトで高い評価を得ている為期待を胸に観賞したが、個人的にはイマイチであった。サスペンスやサイコホラーのような作品だと思い込んでしまっていた為、心霊要素には違う意味で驚かされた。とはいえ、ホテル内の薄い空気、不気味な雰囲気はトラウマものである。
なんとも謎の多い作品で、スッキリというよりはどこかもやっと感が残る。見返せば見返す程面白さに気付けるのかもしれない。(女性 20代)
映画『シャイニング』 まとめ
洋画ホラー映画の定番ともいえる作品のひとつで、スタンリー・キューブリック監督の知名度を上げた映画でもあります。
不名誉なことに、アカデミー賞授賞式の前日に行われている、最低な賞を決める第1回ゴールデンラズベリー賞を受賞した作品ですが、今では評価が高い作品になっています。
終盤で映されたホテルが創立された年の記念パーティーにジャックと同じ人物が映っている事から、ジャックがホテルに取り込まれた可能性、生まれ変わりという可能性、そして全てジャックの妄想だったという可能性も考えられるという、見る人それぞれに違った解釈を与える作品になっています。
原作者のスティーヴン・キング脚本・製作総指揮で1997年に作られたドラマ版もあり、そちらではダニーの超能力“シャイニング”やハロランの活躍も描かれ、トニーの正体にも触れられていました。
関連作品
次作 ドクター・スリープ
みんなの感想・レビュー
記事のほうご覧いただきありがとうございます。
また、嬉しいお言葉をいただきまして大変恐縮でございます。
スペルのほう修正致しました!
ご指摘ありがとうございました。
こんにちは!
記事を楽しく読ませていただきました。
ただ、「RED RAM」のスペルは、正しくは「RED RUM」です。
もしよかったら、修正お願いします。
追記~
mihocinemaさんがまだ『スティーブン・キングのランゴリアーズ』をオススメしますよ。
っても、観るにはケビン・コスナー級の忍耐(笑)が必要ですけど。
私が観たのは10数年以上前の年末のNHKだったかな?大好きデヴィッド・モースが大活躍していて面白かったですぅ。
こんにちは。
キングさんはクーブリック(SCREEN表記)さんは怒っちゃったから自分で作ったんですよね。そっちの方は観ていないんですが、是非今度観ようと思います