この記事では、映画『デフロスト』のあらすじをネタバレで解説しています。また、累計10,000本以上の映画を見てきた映画愛好家が、映画『デフロスト』を見た人におすすめの映画5選も紹介しています。
映画『デフロスト』 作品情報
- 製作年:2009年
- 上映時間:93分
- ジャンル:ホラー
- 監督:マーク・A・ルイス
- キャスト:ヴァル・キルマー、マーサ・マックアイサック、アーロン・アシュモア、カイル・シュミット etc…
映画『デフロスト』 評価
- 点数:20点/100点
- オススメ度:★★☆☆☆
- ストーリー:★★☆☆☆
- キャスト起用:★☆☆☆☆
- 映像技術:★★☆☆☆
- 演出:★★☆☆☆
- 設定:★★☆☆☆
[miho21]
映画『デフロスト』 あらすじ(ストーリー解説)
映画『デフロスト』のあらすじを紹介します。
一人の男がカメラの前に座り語り始めた“私はデビッド・クルーペン、犠牲とは何か?”カナダ北極圏バンクス島晩春、氷がほとんど溶けてわずかに残った場所で餌を貪るように食べている白クマを観察する一団がいた。その白クマへ向けて一人が銃を発砲し見事命中、麻酔で眠ったそのクマを調査のため拠点へと運ぼうとしていた。そこへ現地のガイドがあるものを見つけたと報告に来た、それは氷が溶けて露出したマンモスの頭だった。白クマはマンモスの肉を食べていたのだ。
白クマはその後死亡、その2日後3人の学生とクルーペン博士の娘エヴリンがそのキャンプを訪れた。だが誰もいない、電気も水もない・・何があったのだろうか。やっと電気が通った時一行が目にしたのは白クマの死体だった。同行していたヘリコプターのパイロットは悪ふざけでクマに手を置き記念写真を撮ってもらうがその時虫に噛まれてしまう。ダニだからそのうち治るよと言われ気にも留めずにいたのだが一向にかゆみが収まらない。それどころか出血までするようになった。それは彼だけでなく学生2人にも表れ始める。
一体博士たちはどこに行ってしまったのか、無線で必死に呼びかけるとクルーペン博士の妹ジェーンが応答した。ジェーンはクルーペンと仲間をショットガンで撃ってキャンプに戻ってきた、そしてこん睡状態で発見される。死の直前意識を取り戻したジェーンはエヴリンに“ごめんなさい・・行かせられない”と謎の言葉を残して絶命。その死に方に疑問を持ったエヴリンたちは部屋を閉鎖する事にしたのだが・・
映画『デフロスト』 感想・評価・レビュー(ネタバレ)
映画『デフロスト』について、感想・レビュー・解説・考察です。※ネタバレ含む
クルーペン博士の目的とは?
ヴリンの父親クルーペン博士は有名な環境学者で自然を守るためなら少々手荒なこともやってのける人物です。“人は変わる事ができない”という持論を持っているためこの太古の寄生虫を使ってあることを考えます。それは人々が地球温暖化を陰謀だとか幻想だと一蹴し目をそむける限りこの状況を変える事ができないと悟り、自らの体に寄生虫を入れてそれを人間の世界へ解き放つという一種の環境テロをしようとしていたのです。
その声明ビデオを観た娘のエヴリンはそれを必死で止めようとしますが博士の決意は固く娘達をそのキャンプに置き去りにして自分だけ救助ヘリに乗り込みます。それを阻止するためエヴリンはヘリに向かって発砲し小屋へと墜落させます。
その後救助された彼女は博士の研究を発表して人々に意識を変えるように呼びかけますが反応は様々です。この世の終わりだという人もいますが大抵はデマだとかペテンだというばかりで信じようとしません。やはり現実を突き付けない限り人々の意識は変わらないのかもしれません。キャンプで死んだ学生の一人は博士の行動は正しいと言い、エヴリンはそれは間違っていると言って対立しますが果たしてどちらが正しいのでしょうか。
「地球温暖化」について、かなりハードなメッセージを込めている今作。温暖化により氷漬けになっていたマンモスが溶けて現れ、その肉を食べた白くまは寄生虫に感染し死亡。更に、その白くまの死体を触った人間が寄生虫に感染し…という展開なのですが、博士の娘やその仲間でありながらかなり意識が低くて笑えます。これじゃ死んでも仕方ないなと。
博士は温暖化を軽く見ている人間たちへ、自らが寄生虫に感染し、温暖化が進むとこうなるぞと伝えたかったのでしょうが、なんともイマイチなラストでした。(女性 30代)
氷の中から発見されたマンモスと共に復活した寄生虫によって、次々と人が感染していく展開がスリリングでした。環境破壊と人類への警鐘をテーマにしていて、ただのモンスターホラーでは終わらない重さがあります。特に最後に明かされる博士の「人間こそがウイルスだ」という主張はゾッとしました。(20代 男性)
『デフロスト』は、感染系ホラーとしてしっかり怖い上に、環境問題への批判が込められていて深いです。娘が父親と意見の違いを持ちつつ、徐々に真実に気づいていく過程も丁寧に描かれていました。寄生虫の造形がリアルで、虫嫌いには厳しいシーンも多め。けど緊張感は最後まで持続します。(30代 女性)
設定はB級映画っぽいのに、意外と考えさせられる内容でした。環境保護を訴える科学者が過激に走ってしまうというのは、現代にも通じる問題だと思います。寄生虫による感染描写がグロくて痛々しいのも印象的。最後のオチも、すべてを解決するどころか不安を残す締め方でリアルでした。(40代 男性)
気候変動というリアルな問題を題材にしたホラー映画は珍しいと思いました。環境を守るために一部を犠牲にするという思想は、危険だけど一理あるようにも感じてしまうのが怖いです。虫の映像はとにかく強烈!一見パニック映画ですが、倫理的なテーマも含まれていて、見応えがありました。(20代 女性)
シチュエーションは限られているけれど、緊迫感のある演出とテンポのよさで、最後まで飽きずに観られました。特に氷から見つかる未知の寄生虫というアイデアが秀逸。感染した人の変化や行動もリアルに描かれていて、不気味さが際立ちます。エコ思想が裏目に出るという皮肉が印象的。(50代 男性)
環境保護の名のもとに自ら病原体をばらまくという展開に、正直ドン引きしましたが、それが現代社会の矛盾をうまく表現しているとも感じました。ラストの“拡散”は静かで美しくもあり、逆に怖かった。単なる恐怖だけでなく、テーマ性が強くて印象に残る映画です。女性キャラの成長も良かったです。(30代 女性)
ホラーというよりも、SFスリラーに近い印象を受けました。未知の病原体によるパニックという題材は今の時代にマッチしていてリアル。特に父親が人類の未来のために“人類を間引く”という選択をするのは衝撃的でした。正義が人によって違うということを強烈に見せつけられた作品です。(40代 女性)
雪と氷の閉ざされた基地という設定が、『遊星からの物体X』を思い出させます。序盤の静けさから、感染拡大とともに狂気が加速していく展開が上手く、緊張感が持続しました。最後まで正解が見えない物語構成も好印象。賛否はあるかもしれませんが、意欲作として評価したいです。(30代 男性)
虫が人間の体内に入り込む描写がリアルすぎて、観ていてかなりキツかったですが、それだけに“自然に対する畏れ”が伝わってきました。主人公が父親の真意を知って葛藤するラストは切なかったです。善意が暴走するとここまで恐ろしい結果になる、という警告のような映画でした。(20代 女性)
映画『デフロスト』を見た人におすすめの映画5選
遊星からの物体X(1982)
この映画を一言で表すと?
極寒の孤立地帯で繰り広げられる“誰が敵かわからない”究極の心理サスペンス。
どんな話?
南極基地に現れた“正体不明の生命体”が、次々と人間を模倣して襲ってくる。極限状態の中で仲間同士が疑心暗鬼に陥り、サバイバルと正体探しが繰り広げられる名作SFホラー。
ここがおすすめ!
『デフロスト』と同じく寒冷地×感染系のテーマで、視覚的インパクトと心理戦が炸裂。圧倒的な特殊効果と張り詰めた空気感が、観る者を最後まで緊張させます。ホラー好きは必見です。
ザ・ベイ(2012)
この映画を一言で表すと?
“環境汚染”が生んだ未知の脅威、モキュメンタリー形式で描かれるリアルな恐怖。
どんな話?
メリーランド州の小さな湾岸の町で突如発生した奇病。正体不明の寄生生物が人間を蝕み、街はパニックに陥る。全編を通して記録映像スタイルで展開されるエコ・スリラー。
ここがおすすめ!
実録風の演出がリアリティを倍増させ、恐怖がじわじわと迫る構成が秀逸。『デフロスト』が好きな人には、自然災害・寄生・社会的メッセージという点で強く刺さるはず。
ザ・リチュアル いけにえの儀式(2017)
この映画を一言で表すと?
自然の奥深くで目撃する、人智を超えた恐怖と罪の償いの物語。
どんな話?
親友の死を悼むため、森をハイキングする4人の男たち。だが彼らはやがて、森の中に潜む古代信仰と、超自然的存在に巻き込まれていく…。罪と恐怖に対峙する北欧ホラー。
ここがおすすめ!
自然と人間の関係性を神話的に描く作品で、暗く冷たい空気感は『デフロスト』に通じるものがあります。緊迫感ある演出と、じわじわと迫る異常事態の描写が魅力。
アライバル -侵略者-(1996)
この映画を一言で表すと?
地球温暖化の真実を追い求める科学者が知る、世界を揺るがす陰謀の正体。
どんな話?
天文学者のゼインは地球外からの異常な信号を受信。それを追ううちに、地球温暖化の背後にある“とんでもない存在”の関与を突き止めていく。サスペンス要素の強いSF映画。
ここがおすすめ!
環境破壊と未知の脅威という軸で『デフロスト』と共通し、気候変動をテーマにしたストーリーは今見るとよりリアル。陰謀論的なスリルとSFミステリーが好きな人におすすめ。
アントラーズ(2021)
この映画を一言で表すと?
小さな町の奥深くに潜む、飢えた神話的存在がもたらす静かな恐怖。
どんな話?
アメリカの田舎町で、少年が抱える“家族の秘密”が教師によって明らかにされていく。その裏には、ネイティブアメリカンの伝承に登場するモンスター“ウェンディゴ”の存在が…。
ここがおすすめ!
閉塞感ある地方都市と、自然と人間の境界を曖昧にするストーリー展開が『デフロスト』に通じます。社会問題とホラーの融合が秀逸で、考察のしがいもある一本です。
みんなの感想・レビュー