この記事では、映画『ザ・タウン』のあらすじをネタバレありの起承転結で解説しています。また、累計10,000本以上の映画を見てきた映画愛好家が、映画『ザ・タウン』を見た人におすすめの映画5選も紹介しています。
映画『ザ・タウン』 作品情報
- 製作年:2010年
- 上映時間:125分
- ジャンル:ラブストーリー、ヒューマンドラマ
- 監督:ベン・アフレック
- キャスト:ベン・アフレック、ジョン・ハム、レベッカ・ホール、ブレイク・ライヴリー etc
映画『ザ・タウン』 評価
- 点数:80点/100点
- オススメ度:★★★★☆
- ストーリー:★★★☆☆
- キャスト起用:★★★★☆
- 映像技術:★★★★☆
- 演出:★★★★☆
- 設定:★★★★☆
[miho21]
映画『ザ・タウン』 あらすじネタバレ(起承転結)
映画『ザ・タウン』のあらすじを紹介します。※ネタバレ含む
映画『ザ・タウン』 あらすじ【起・承】
アメリカで最も強盗が多い街、ボストン・チャールズタウン。
ダグ・マクレイ(ベン・アフレック)もまた、“タウン”と呼ばれるその街で生まれ、家業のように強盗を生業としていた。
ダグは幼い頃から付き合いのある3人の仲間とともに、綿密に計画を練った銀行強盗を実行する。だが、予定よりも早く警察が駆けつけることを察知した彼らは、支店長のクレア・キージー(レベッカ・ホール)を人質に取って逃走し、目隠しをした状態で彼女を解放する。
人質を取ったことが想定外だったダグは、クレアの監視を始める。だが、コインランドリーの店内まで尾行をした彼は逆にクレアから話しかけられてしまう。
ダグが自分を人質に取った犯人だと気づかないクレアは、彼と接するうちに徐々に惹かれていく。そしてダグもまた、クレアに惹かれていくのであった。
一方、この事件を担当していたFBI捜査官のアダム・フローリーは執念的な捜査の末に、ダグたちが犯人であることを突き止めつつあった。

映画『ザ・タウン』 結末・ラスト(ネタバレ)
その後も頻繁に会うようになったダグとクレアは、ついに結ばれる。そして、ダグは今までの人生と決別するため、クレアとともにタウンを出ることを決意する。
だが、タウンの大御所であるファーギーがそれを許さなかった。ファーギーはクレアに害を加えることを示唆しながらダグを脅し、次の大きな案件に加勢するよう命じる。
一方、ダグたちが犯人であることを確信していたアダムは、確実な証拠を掴むためにクレアと接触し、ダグこそが彼女を人質に取った犯人だと告げる。
クレアの無事を確かめるために彼女の自宅へ向かったダグは、真実を知った彼女に拒絶され、二度と目の前に現れないよう責められる。
クレアに真実を知られたことで覚悟が固まったダグは、クレアに害を加えないことと引き換えにファーギーの仕事を引き受ける。
だが、その情報をアダムが裏で入手していた。
計画当日。スタジアムの集金日に合わせて強盗に押し入ったダグ一行は、順調に計画を進め大金を手にする。
だが、残るは撤退だけとなったところで、ダグが異変に気付く。ダグたちはすでに、大量の警察官と特殊部隊に包囲されていたのだった。
仲間がおとりとなって突破するダグたちだったが、戦力が及ばず次々と命を落とす。そして遂には、ダグ一人となってしまう。
警察官に扮装したダグはなんとか追手から逃れ、大金の一部を手にタウンを後にする。
後日、ガーデニングをしていたクレアは、埋められた大金と手紙を見つける。その手紙には、ダグからの謝罪の言葉とクレアへの想いが綴られていた。
映画『ザ・タウン』 感想・評価・レビュー(ネタバレ)
映画『ザ・タウン』について、感想・レビュー・解説・考察です。※ネタバレ含む
監督としてのベン・アフレック
本作ではベン・アフレックが主演と監督を務めている。
『ゴーン・ベイビー・ゴーン』以来2作目となる監督作なのだが、彼の勉強熱心ぶりが窺えるほど安定した作品となっている。
安定しているが故に展開が先読みできて若干の物足りなさを感じるものの、ボストン訛りのならず者もきっちりこなしていて、主演・監督を両立させる彼のバランス感覚を見ることができる。
客観的に総体を見る監督としての仕事と、主観的に目の前の出来事を見る俳優としての仕事の両方をここまで器用にこなせるのはハリウッドではベン・アフレックくらいではないだろうか。
タウンという閉鎖的な空間で育った男が、慣習ではなく初めて自分の意志で行動する。そんな男の細かな感情の変化を、『ヒート』を彷彿とさせる銃撃戦を交えながら描き、なおかつ演じたベン・アフレックは今後もっと素晴らしい作品を生み出してくれるに違いない。
リアリティの追求
犯罪モノの映画ではリアリティが求められる。特にハリウッドではプロに見られても恥ずかしくないように徹底的に調査を行い、専門家を製作に招いて事実に基づいた映画作りが行われている。
本作も例に漏れず、かなりリアリティを追求した作品となっている。
本物の元犯罪者やFBI捜査官を招いて細かい設定を作り上げていき、さらには彼らを端役で出演させている。しかも元犯罪者に警官役をやらせたりしているから面白い。
彼らが作品に関わることで、重厚感のある画面にさらに説得力が加わっている。
たとえ架空の物語だとしても、観客を楽しませるためにはやはり本物も必要なのだと改めて実感させられる。
ベン・アフレックって頑張ってるのになかなか報われないちょっと可哀想な役が本当に似合います。今作も、今までの生き方とは決別し、愛する女とタウンを出ようと奮闘するのに全然上手くいかない。彼女にも拒絶されてしまい、とにかく可哀想です。
ラストの展開はハッピーなのかは分かりませんが、生きているだけマシでしょう。
個人的にはジェレミー・レナーが出ていたのがすごく良かったです。彼の男らしさはずば抜けていて、正直ベン・アフレックよりもかっこよかったです。(女性 30代)
ベン・アフレックが主演・監督を務めたこの作品、単なる銀行強盗映画かと思いきや、人間ドラマとしても非常に完成度が高かったです。主人公ダグの「足を洗いたい」という気持ちと、それを許さない過去のしがらみの狭間で揺れる葛藤が胸に刺さりました。特にクレアとの関係は切なく、彼女に真実を告げた後の展開には思わず涙。アクションとドラマのバランスが絶妙な作品でした。(30代 男性)
犯罪映画が好きで観ましたが、予想以上に感情移入してしまいました。チャールズタウンという町の空気感、仲間との絆、恋人との愛情、どれもがリアルに描かれていて、一人の男の再生への旅路に引き込まれました。特にラストの「もしも何か起こったら…」のメッセージには涙が止まりませんでした。ベン・アフレックの監督としての手腕にも感心。(20代 女性)
ザ・タウンは、クライム映画としても人間ドラマとしても秀逸。家族、仲間、恋人という相反する絆の中で苦悩する主人公の姿に、ただの犯罪者ではない深みを感じました。ラストの逃亡からの独白シーン、そしてクレアがベランダに置いた袋の中身には、静かな感動がありました。派手なだけでない、心に残る作品です。(40代 男性)
女性としてはちょっと怖いかな…と思いながら観たのですが、逆に切なさや人間の不器用な優しさに心を打たれました。特に、クレアが誘拐されていたのに、その犯人のひとりに恋していたと気づいたときの衝撃。普通なら許されない関係が、少しずつ信頼に変わっていく過程が美しかったです。リアリティと映画的ロマンの絶妙なバランスでした。(30代 女性)
ベン・アフレックってこんなに監督としても才能あるんだ…と感動。リアルな犯罪描写もさることながら、チャールズタウンという土地に生きる人々の運命に強くフォーカスしていて、ただの犯罪映画では終わっていません。強盗メンバーとの会話ひとつひとつにも深い意味があり、最後の展開は哀愁すら感じました。もう一度観たくなるタイプの映画です。(50代 男性)
ザ・タウンを観て、これは「犯罪」と「愛情」がどう交差するかを描いた傑作だと思いました。ヒロインとの恋愛要素があるからこそ、主人公の「抜け出したい」という動機が説得力を持ちます。でも、それを許してくれない町の空気。特にジェムとの関係性は痛ましかったですね。犯罪映画でここまで泣けたのは久しぶりです。(20代 男性)
息をのむような強盗シーンと、繊細な心理描写のギャップがすごい。クレアに対するダグの気持ちが少しずつ変化していく過程が丁寧に描かれていて、ただの犯罪者ではない”人間”としての温かさが感じられました。エンタメ性とテーマ性を両立させた、非常にバランスの取れた映画だと思います。女性にもおすすめできます。(40代 女性)
派手なアクションもありつつ、登場人物たちの人間関係が複雑に絡み合っていて、何度も観返したくなる映画でした。裏社会に生きる者の哀しみ、抜け出せない環境、その中でほんの一筋の希望を掴もうとするダグの姿が心に残ります。特にクライマックスのフェンウェイパークでの強盗シーンは圧巻の一言。緊張感に痺れました。(30代 男性)
最初は恋愛映画っぽいのかなと思って観たけど、実際には男たちの友情や裏切り、葛藤が深く描かれていて、まさに”男の映画”って感じでした。ベン・アフレックの苦悩の表情、ジェレミー・レナーの狂気的な演技も素晴らしい。途中の「一緒に来てくれ、理由は聞くな」っていうセリフ、あれは名言です。痺れました。(20代 男性)
映画『ザ・タウン』を見た人におすすめの映画5選
ヒート(1995)
この映画を一言で表すと?
プロフェッショナルたちの美学と葛藤がぶつかる、究極の犯罪ドラマ。
どんな話?
ロサンゼルスを舞台に、完璧な強盗チームのリーダー(ロバート・デ・ニーロ)と、彼を執拗に追う刑事(アル・パチーノ)の心理戦と対立を描いた犯罪ドラマ。互いに認め合う男たちの静かな戦いが緊張感を生み出します。
ここがおすすめ!
アクション、人間ドラマ、心理戦が三位一体となった名作。デ・ニーロとパチーノの対峙シーンは映画史に残る名場面。『ザ・タウン』のような犯罪と人間性の交差を深く描いた作品を求める人には必見の一本です。
インサイド・マン(2006)
この映画を一言で表すと?
“完璧な銀行強盗”の裏に隠された衝撃の真実とは?
どんな話?
ニューヨークの銀行で発生した人質立てこもり事件。交渉人(デンゼル・ワシントン)と、緻密に仕組まれた強盗(クライヴ・オーウェン)の頭脳戦が展開される中、事件の裏には意外な目的が隠されていた——。
ここがおすすめ!
スパイク・リー監督によるスタイリッシュな演出と予測不能な展開が魅力。緻密な計画、心理戦、そして最後に明かされる真相の爽快さ。『ザ・タウン』のような知的で緊張感のある強盗劇が好きな方におすすめです。
ドライヴ(2011)
この映画を一言で表すと?
静寂と暴力が交錯する、美しくも危険なノワール作品。
どんな話?
昼はカースタントマン、夜は逃走専門の運転手。孤独な男“ドライバー”が、隣人とその子供のために危険な強盗計画に巻き込まれていく。愛のために取った選択が、彼の運命を狂わせていく静かな衝撃作。
ここがおすすめ!
ライアン・ゴズリングの寡黙な演技と、ネオンが彩る映像美、そして突然の暴力描写が強烈な印象を残します。『ザ・タウン』のように、裏社会で生きる男の葛藤や切ないロマンスに惹かれた方に響く作品です。
エンド・オブ・ウォッチ(2012)
この映画を一言で表すと?
リアルで熱い、警官たちの“生き様”を描いたバディムービー。
どんな話?
ロサンゼルスの危険地域をパトロールする警官コンビ(ジェイク・ジレンホール&マイケル・ペーニャ)が、麻薬カルテルと激しく衝突していく日常を、ドキュメンタリースタイルで描いた熱血刑事ドラマ。
ここがおすすめ!
圧倒的な臨場感と緊張感、そして2人の友情の深さが感動を呼びます。『ザ・タウン』のように、法と犯罪の狭間で生きる人々のドラマをリアルに味わいたい方におすすめ。ラストは涙が止まりません。
アメリカン・アニマルズ(2018)
この映画を一言で表すと?
実話ベースの青春強盗劇、狂気と後悔が交差する問題作。
どんな話?
退屈な日常に飽きた大学生たちが、貴重な書物を盗むという“完全犯罪”を企てる。彼らの計画は少しずつ歯車を狂わせていき、取り返しのつかない結末へと向かっていく——。
ここがおすすめ!
実在の人物たちのインタビューとドラマが交互に描かれる新感覚の構成が秀逸。理想と現実のギャップがリアルに突き刺さります。『ザ・タウン』のような犯罪に身を投じた若者の葛藤を観たい人にぴったりの作品です。
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