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映画『ザ・トライブ』のネタバレあらすじ結末と感想

映画『ザ・トライブ』の概要:ろうあ者が在籍する寄宿学校。そこには不良グループが女に売春をさせ金銭を稼ぐ等、悪行を行う者もいた。転校生のセルゲイは、不良グループと関わり次第に道を踏み外していく。

映画『ザ・トライブ』の作品情報

ザ・トライブ

製作年:2014年
上映時間:132分
ジャンル:ヒューマンドラマ
監督:ミロスラヴ・スラボシュピツキー
キャスト:ヤナ・ノヴィコヴァ、グリゴリー・フェセンコ etc

映画『ザ・トライブ』の登場人物(キャスト)

セルゲイ(グレゴリー・フェセンコ)
ろうあ者が在籍する寄宿学校に転校する男子。寄宿学校で出会った不良たちの影響を受け、彼らと一緒に売春業を行うが、商売道具としていたアナに対し次第に想いを寄せることとなる。
アナ(ヤナ・ノヴィコァヴァ)
セルゲイと同じ寄宿学校に在籍する女の子。不良グループの稼ぎ頭として自身の身体を売り物にしている。

映画『ザ・トライブ』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)

映画『ザ・トライブ』のストーリー(あらすじ)を結末・ラストまでわかりやすく簡単に解説しています。この先、ネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『ザ・トライブ』のあらすじ【起】

ろうあ者の寄宿学校に転入するセルゲイは学校へ向かう。途中学校までの道が分からなくなったためバス停にいた女性に場所を聞き、学校へ到着する。

教師に紹介されクラスに入ったセルゲイ。その後、昼食の時間。居場所がないセルゲイはクラスで虐められて孤立している男子の近くにいたが、そこへ別の男子に呼ばれる。

呼ばれた男子と共に荷物を取りに行ったセルゲイは、その後学校校舎裏で上半身裸にされる。

不審物を持っていないことを確認した男はセルゲイを寮の部屋へ案内する。だが、案内の道中男はわざとセルゲイを女性の部屋に入れ、セルゲイをからかう。女性たちから罵られ部屋を出るとようやく男はセルゲイを正しい部屋に入れる。

だが、そのあと部屋にやってきた不良グループの男子たちによって追い出されたセルゲイは仕方なく廊下に座り込む。そこへ1人の男子生徒が女生徒2人を連れ外に行く姿を目撃しセルゲイは後をつける。だが、外への扉は締め切られていた。

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映画『ザ・トライブ』のあらすじ【承】

外へ出た3人。その内女子生徒2人は車中で着替えていた。着替え終わった2人は外に出るとトラックが多く停車しているところへ行く。

先ほど一緒にいた男子生徒がトラック運転手から金銭を受領すると、着替えた女子生徒はトラック運転手と一緒に車の中に入るのであった。

翌日、学校に通学するセルゲイであったが不良グループに呼び出される。路地裏に連れて行かれたセルゲイは、多くの素行の悪い生徒に囲まれ、不良生徒3人相手に喧嘩を強いられる。必死に抵抗し不良生徒一人に怪我を負わせたことで喧嘩は中断される。

その日の夜、不良グループに連れられたセルゲイ。不良グループたちは買い物帰りの男性を襲い、購入品を奪う。奪った飲み物を一緒に飲むセルゲイは不良グループの一員として仲間に招かれた。

その後セルゲイは学校内で不良グループたちと一緒に生徒へかつあげを補助する係として同行していく。

不良グループで売春役としての役割を担っているアナと会話をする内に彼女との距離を詰めていくが、彼女は不良グループのリーダー格と男女の仲であった。その現場を目撃したセルゲイはショックを受ける。

映画『ザ・トライブ』のあらすじ【転】

ある日、グループ内で売春の斡旋役を担っていた男子生徒が事故に遭い亡くなってしまう。そこで斡旋役としてセルゲイが任命される。

仕事の詳細を聞いたセルゲイは指示されたとおりに売春の手引きを行う。だが、その現場を目撃するにつれ、彼自身も性への関心を持っていくことになる。

セルゲイはアナと関係を持ちたいという気持ちが湧く。路地裏で着ていた服を下に敷き、アナに金銭を渡すことでセルゲイは彼女と肉体関係を結ぶことに成功する。

その後、いつも通りアナを売春させるためキャッチをするようセルゲイは頼まれる。だが、すでにアナへの情にかられたセルゲイは売春の案内を拒否するのであった。

リーダー格からは反逆したとみなされ追いやられたセルゲイは、虐められている生徒たちのところに合流する。

一方のアナは妊娠を疑い、検査薬を使用する。結果は陽性であり妊娠していた。仕方なくアナは医者のもとへ行く。浴室にて苦痛に耐えながらアナは子供をおろすのであった。

映画『ザ・トライブ』の結末・ラスト(ネタバレ)

一方セルゲイは工作の授業に参加していた。授業内で学んだことを活かしハンマーを作成する。

その日の夜、セルゲイは授業で作成したハンマーを手に持ち外へ外出する。そして自宅に帰る教師の背後からハンマーで頭部を殴打する。教師の自宅に侵入したセルゲイは彼の部屋から金銭を奪う。

その後、アナのもとへ行き、教師から奪ったお金で再度売春を持ちかける。拒否するアナに対しセルゲイは強引に彼女を犯してしまう。

パスポートを入手したアナに対し、自分のところから離れることに怒りパスポートを奪う。止めにかかる不良グループたちを他所にセルゲイはパスポートを破いてしまう。

不良グループに水責めに遭うセルゲイ。あまりの強引な暴力にアナも止めようとするが、不良グループのリーダーは近くにあった瓶でセルゲイの頭部を殴打したことでセルゲイは気絶してしまう。

目が覚めたセルゲイは、部屋で眠っている不良グループたちのところへ行く。そこで椅子を用いて彼らの頭部を殴りつける。怒りを発散させたセルゲイは、一人廊下を歩くのであった。

映画『ザ・トライブ』の感想・評価・レビュー

思春期を迎えたろうあ者の子供たちの暗い側面にフォーカスした本作。全編手話という斬新な映画描写であるがそれに引けを取らないリアルな物語。実話ではないものの、舞台となる学校で行われていることは実際問題ある。

映画では身体に障害を持った人物を題材とする場合、そのハンディキャップに負けない、明るい物語が作成される傾向がある。だが、本作は終始ハンディキャップを抱えた人達の暗い側面が描かれている。

底なし沼の如く、間違ったレールから外れられない心情や葛藤。正直鑑賞して気持ちが良いものではない。だが、人が環境に左右される生き物であること、そして特定の狭いコミュニティに置かれた人においてはそれが顕著に表れる。ハンディキャップを抱える人たちを主軸にすることでより一層その現実を重く伝えているのではないか。軽い気持ちでおすすめできるほど優しい映画ではないので、映画好きでエッジが効いた作品を鑑賞したいという人は鑑賞してみると良いかもしれない。(MIHOシネマ編集部)


全て手話で描かれている今作は、その描き方だけでなくストーリーもかなり斬新で衝撃的な内容でした。施設の中で日常的に行われている暴力や売春。その描写は色々な作品で見てきたはずなのに、それを手話で描くというだけでとても新鮮なものに感じられました。
交流する仲間によって人格が大きく変わってしまったセルゲイ。仲間を選べなかったのかな…とも思いましたが、この場所で生きていくにはそうするしか無かったのかもしれないと感じました。(女性 30代)

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