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映画『サラブレッド』のネタバレあらすじ結末と感想

映画『サラブレッド』の概要:リリーとアマンダは育ちも性格も正反対の幼馴染だった。成長し再会した二人は、仲が深まるにつれて互いの凶暴性が露わになっていく。ある時、リリーが継父を憎んでいると知ったアマンダは、殺害という選択肢を提案するが…。

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映画『サラブレッド』の作品情報

サラブレッド

製作年:2017年
上映時間:92分
ジャンル:サスペンス
監督:コリー・フィンリー
キャスト:オリヴィア・クック、アニャ・テイラー=ジョイ、アントン・イェルチン、ポール・スパークス etc

映画『サラブレッド』の登場人物(キャスト)

リリー・レイノルズ(アニャ・テイラー=ジョイ)
お金持ちの家庭に生まれ育ったお嬢様。一見クールだが、実際は感情的でわがまま。アマンダの母から相談され秘かに報酬を貰い、彼女に勉強を教える。15歳の時に実父が亡くなり、新しくやってきた母の再婚相手は、人を見下す高圧的な態度で自分と接するため折り合いがつかない。
アマンダ(オリヴィア・クック)
風呂にもまともに入らないほど自分の見た目には無頓着だが、自他分析に長けており冷静沈着。他者に共感できず、感情の動きが一切ない障害を抱えている。リリーが母から金を受け取って自分に勉強を教えていることや、彼女が実際は学校を退学させられており、インターンシップをしていると嘘を吐いていることを見抜いている。
ティム(アントン・イェルチン)
未成年相手に麻薬を売りつける売人。大きな夢を語ってはいるが、実際には大した挑戦もせず介護施設で皿洗いのバイトをしている。23歳の時に高校生をレイプした罪がある。

映画『サラブレッド』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)

映画『サラブレッド』のストーリー(あらすじ)を結末・ラストまでわかりやすく簡単に解説しています。この先、ネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『サラブレッド』のあらすじ【起】

真夜中の馬舎で長年面倒を見て来た馬・ハネムーナーと向き合ったアマンダは、側にあったナイフに手を伸ばした。

勉強を教わるためリリーの屋敷に到着したアマンダは、エントランスで大金が入った封筒を見つけた。アマンダの母に雇われたリリーは彼女に勉強を教えるが、当の本人は進学せず起業したいと言い真面目には取り組まなかった。さらにアマンダは、自分には感情がないと打ち明けた。共感する能力が皆無である彼女は、善人でいるにも努力がいると語った。

次の勉強の日、二人がリビングの机に向かっていると、リリーの継父・マークがサイクリングへ行くと言いに来た。洞察力の鋭いアマンダはリリーがマークを嫌っていることを瞬時に理解し、それを指摘した。リリーは冷静に「良好な関係を築けるよう努力してるわ」と答えたが、アマンダは封筒に入った大金の話を持ち出し「でも機嫌はとらないとね」と核心を突いた。取り乱したリリーは面と向かってアマンダの悪口を吐き捨て、ようやく素直に率直な意見を言えた彼女は清々しい気持ちになった。

その夜、アマンダは浴室にある鏡の前でリリーの髪型と表情を真似た。

リリーは、アマンダを家へ招き二人で映画を観た。そこへ現れたマークは「話がある」と言ってリリーを連れ出そうとしたが、二人は咄嗟に阿吽の呼吸で彼の言葉尻を捉え反論、マークは諦めて自室へ戻って行った。アマンダは、マークの高圧的な態度を母親に相談してはどうかとリリーに提案したが、リリーは静かに「死ねばいいのに」と呟き俯くだけだった。そんな屋敷には、マークが二階で漕いでいるエルゴメーターの騒音が響き渡っていた。

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映画『サラブレッド』のあらすじ【承】

アマンダは、マークのワインを開けながら「殺したいと思う?」リリーに聞いた。リリーは「考えたことがない」と答えたが、アマンダは平然と「検討してみたら?」アドバイスし、呆れたリリーは彼女を帰した。

同級生達とのパーティに参加するため、リリーはドレスアップして母の車を借りた。会場となった友人宅には麻薬の売人・ティムが訪れており、過去に彼が未成年をレイプして捕まっていることを知っていた友人の一人は、ティムを殴って追い返した。

パーティを終えリリーが車に乗ろうとした時、ティムが彼女の車に寄りかかりハッパを吸っていた。ティムはパーティの最中から浮かない顔をしていた彼女に話し掛け、学校を辞めて好きに生きてはどうかとアドバイスした。

リリーは母から署名を貰うため、大学の再出願書を見せた。しかし、母は遠く離れた場所にあるブルクモアへ行きなさいと言う。さらに、そこへ現れたマークは既に入学金を支払ったと言う。一切の希望を認められず絶望したリリーは、同級生のザックが弁護士から手に入れたという「惨殺された馬の写真」を送ってもらい、アマンダにも転送した。

翌朝アマンダを招いたリリーは、「馬の写真」の感想を彼女に求めた。アマンダは淡々と「塩酸ミダゾラムが作用すれば、もっと簡単に済んだのに」と答えた。殺された馬はハネムーナーという名前で、犯人はアマンダだったのだ。彼女は、安楽死用の薬が足りず苦しむハネムーナーの首をナイフで切断しようとしたと話し、それを聞いたリリーはマーク殺害の覚悟を決め「やりましょ」と彼女を誘った。冷静なアマンダは、やるなら完璧なアリバイが必要だと言ってティムを探した。

映画『サラブレッド』のあらすじ【転】

ティムの元を訪れたアマンダとリリーは、彼から薬を買うと、マーク殺害に協力するよう話を持ち掛けた。半信半疑でリリーの屋敷へついて行ったティムは、自分の生活とかけ離れた彼女の豪邸を前に言葉を失った。アマンダは強盗殺人に見せかけティムに計画を教唆したが、ずさんな手順を聞いて小心者の彼は怖気づいた。アマンダは、仕事を断ろうとする彼へ未成年のリリーに対する麻薬販売の音声テープを聞かせ、尚も首を縦に振らない彼を鈍器で殴り卒倒させた。

意識を取り戻したティムは、いよいよ二人が本気だと分かり条件を飲んだ。マーク殺害を実行する日は、リリーが母とスパ旅行へ行き、アマンダが心理療法プログラムを受ける三日後に決まった。

三日後、スパ旅行の日程を終えチェックアウトしたリリーと母の元へ、マークが迎えに来た。結局ティムは怖気づいたまま何もせず、計画は失敗に終わったのだった。

リリーは、ティムが自分の元へ復讐に現れるのではないかと怯え、殺される前に「わたしたちでやろう」とアマンダを誘った。しかし、彼女は「今の精神状態で決めないで。正当な理由がないと」と説得。取り乱しているリリーに、本当はリリーが学校を退学になっていること、インターンシップをしていると言うのは嘘だと知っていることを告げた。

マークが帰宅し、アマンダは包丁を手にして隠れた。キッチンに入ったマークは、リリーが吸っていた煙草を取り上げると、いつものように嫌味を言う。リリーは遂に「ママのためを思うなら離婚して」と意見した。マークは高圧的に「ブルックモアは全額払ったから通わせてやる」と言い放ちキッチンを去った。人が何を言われていても共感できないアマンダは、リリーが何かをされたわけではなかったためじっとしていた。

映画『サラブレッド』の結末・ラスト(ネタバレ)

アマンダとリリーは、いつものようにリリーの屋敷で映画を観ていた。リリーは、「ティムに生きる価値がないって言ったの覚えてる?自問したことは?」とアマンダに聞いた。生きる価値など考えたこともなかったアマンダは閉口した。そんな彼女の様子を見たリリーは、アマンダの飲み物に大量の睡眠薬を混ぜたと告白。リリーは、アマンダを眠らせてナイフで刺そうと考えていた。それを聞いたアマンダは飲み物を一気に飲み干し、「生きる価値ないから」と呟いて意識を失った。リリーは悲しみしばし狼狽したが、リビングを離れ二階へ向かった。

数分後、マークを刺殺し血塗れになったリリーがアマンダの元に戻って来た。彼女はぴくりとも動かないアマンダに寄り添って泣いた。

ティムは、皿洗いから出世してレストランのウェイターとして働き始めていた。そんな彼の姿を見つけ話し掛けたリリーは、大学の面接で彼のいるレストランを訪れたという。マークが死亡したニュースを見知っていたティムは、彼女にお悔やみを言うと「その後あいつと話した?」と聞いた。

アマンダは、警察の精神病棟に隔離されていた。アマンダはリリーへ手紙を出し、「空白の数時間の記憶」を取り戻すための治療を受けている近況を報告した。「この街にはサラブレッドしかいない」と溢す彼女は、ハネムーナーに跨る幼い自分とリリーの写真を見つめて僅かに微笑んでいた。そんな手紙を受け取ったリリーは、「読まずに捨てたわ」とティムに答えた。

映画『サラブレッド』の感想・評価・レビュー

外見も性格を正反対の女子高生二人が殺人を企てる、スタイリッシュでオシャレなサスペンス映画。

わたしにはアマンダがまともに見えて仕方なかったが、どうだろうか。リリーは品行方正なお嬢様の皮を被った悪人で、実は街にはそんな人々が沢山潜んでいるというラストが非常にぞっとした。

終盤で、マークを刺したリリーが意識を失ったアマンダの元に戻って来るシーンがあったが、『パラノーマル・アクティビティ』を思わせる緊張感があり堪らなかった。(MIHOシネマ編集部)


アントン・イェルチン目当てで鑑賞した今作。残念ながら彼の見せ場はあまりありませんでした。
なんて怖いことを考えるんだ…とヒリつきながら見てしまうような作品で若者と一括りにするのは間違っているかもしれませんが、彼らの心のどこかにはこんな思想があるのかもしれないと恐怖を感じます。
正反対のリリーとアマンダ。物語の序盤はアマンダの無表情で感情が無い様子が不気味で、ヤバいやつだと思っていましたが、ストーリーが進むに連れてリリーの狂った心が顕になり、いつの間にかリリーとアマンダに対する見方が逆転していました。
かなり重めの作品なので、軽い気持ちで見ると衝撃を受けるかもしれません。(女性 30代)

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