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映画『チチを撮りに』のネタバレあらすじ結末と感想

映画『チチを撮りに』の概要:幼い頃、父が浮気をして別れて以来、母親と3人暮らしの姉妹。余命少ない父親に会って、写真を撮って来て欲しいと母親に言われる。実家へ向かうも父親はすでに他界。葬儀に出席した姉妹だったが、そこで人間の裏側をも垣間見てしまう。

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映画『チチを撮りに』の作品情報

チチを撮りに

製作年:2012年
上映時間:74分
ジャンル:コメディ、ヒューマンドラマ
監督:中野量太
キャスト:柳英里紗、松原菜野花、渡辺真起子、滝藤賢一 etc

映画『チチを撮りに』の登場人物(キャスト)

東村佐和(渡辺真起子)
夫正高の浮気により、娘2人を連れて離婚。以来、正高とは一切会わず、娘たちにも会わせていない。頑固で気丈な面を持ち、竹を割ったような性格。
東村葉月(柳英里紗)
佐和の長女で20歳。昼キャバでバイトしている。可愛い系で売っているも、実はしっかり者。意外に手が早く、乱暴者な面がある。
東村呼春(松原菜野花)
佐和の次女。女子高生のぼんやりさんでマイペース。末っ子故に甘えん坊な面がある。言いたいことを言わないと、腹痛を起こす癖がある。
西森徹二(滝藤賢一)
正高の弟。兄の良き理解者で、人が好い。葉月と呼春を歓迎する。
西森正高(二階堂智)
佐和の元夫。浮気相手に子供ができたことで、佐和と離婚。娘たちに会いたいと約束をもらおうとするも、佐和に断られる。頑固者で無口だが、マグロが大好き。娘たちには良い父親だった。
西森千尋(小林海人)
正高の息子で10歳。礼儀正しくしっかり者。母親は7年前に家出しており、父親の死により、身の置き所がなくなってしまった不安を抱えている。

映画『チチを撮りに』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)

映画『チチを撮りに』のストーリー(あらすじ)を結末・ラストまでわかりやすく簡単に解説しています。この先、ネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『チチを撮りに』のあらすじ【起】

夏のある日、東村佐和の元に別れた夫の弟、西森徹二から電話が入る。夫とは別れて十数年になるため、今更連絡を寄越されても困ってしまう。電話の内容は元夫、西森正高が病気で余命間近だということだった。

佐和には娘が2人いる。長女の葉月は20歳。フリーターで貯金中。葉月はお金が貯まったら家を出て、一人暮らしをすると言い張っていた。次女の呼春は17歳の高校生。末っ子のためか甘ったれた面があるも、どちらかと言うとぼんやりしておりマイペース。
女ばかりの3人家族は仲が良く、娘たちはシングルマザーである母親の手伝いを良くする優しい子達だった。

数日後、佐和は2人の娘に死にゆく父親へ会いに行き、別れを告げるついでに顔写真を撮って来て欲しいと頼む。
翌日が休日であるため、ちょうど良い機会である。娘たちは文句を言いつつ、母親の言いつけに従うのだった。

翌日。葉月はスーツ、呼春が制服を着て母の前に立つ。佐和は娘たちに、お見舞い用の大きなフルーツの盛籠を持たせ、出発させた。

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映画『チチを撮りに』のあらすじ【承】

母親の車が去った後、葉月と呼春はトイレで私服に着替える。たかが見舞いにスーツと制服なんて恥ずかしい。楽な恰好が一番だ。問題は盛籠である。大き過ぎてコインロッカーに入らなかったため、仕方なく持って行くことにした。2人の娘はおしゃべりに花を咲かせながら、のんびりと電車に揺られて行く。

その頃、佐和は自宅で気ままに家事をしていた。訪問チャイムが鳴ったため、玄関へ向かうと少しの間、付き合っていた米屋の若者が未練たらしくやって来る。復縁を迫られている最中に家の電話が鳴った。幸い留守電になるも、電話の相手は徹二である。しかも、内容は昨日の早朝に正高が息を引き取ったというものだった。

慌てて電話に出た佐和。詳細を聞くと今日が葬式だと言う。彼女は娘たちがそちらへ向かっていることを徹二に伝え、自分も支度に走った。

父親の実家がある最寄り駅に到着した姉妹。そこで、佐和から携帯に着信が入る。父親が亡くなったこと、今日が葬式であること、迎えが行くから待っていろと言われるのだった。

幼い頃に別れた父親。小さかった姉妹には、あまり記憶がない。父が亡くなったと知っても、さほど動揺もせずに駅で迎えを待っていると、小さな男の子が声を掛けてきた。
少年は西森千尋と名乗り、正高の息子だと言う。姉妹は驚きを隠せなかった。

映画『チチを撮りに』のあらすじ【転】

3人は重い盛籠を交代で持ちつつ、家へと向かう。千尋は小学4年生の10歳。礼儀正しく大人しい子だった。
父親の実家へ到着した葉月と呼春だったが、今になって着替えなければ良かったと肩身の狭い思いをする。だが、現れた叔父徹二も祖母も歓迎してくれ、父の顔も見せてもらった。

葉月には微かに正高の記憶があるが、呼春には父親の記憶が無い。呼春は千尋に父親の印象を聞いてみる。正高は頑固な人で、どちらかと言うと無口。時々、笑顔を見せてくれたらしい。そして、極めつけはマグロが大好きで、いつもマグロを食べていたと言う。マグロ好きと言えば、呼春である。彼女はとにかくマグロが好きで、そればかりを食べてしまう。これは父親譲りだったのだ。

姉妹は千尋の母親が見当たらないことに疑問を抱く。徹二に聞くと、7年前に出て行ったきりらしい。残された千尋も親族間で余され、身の置き所がなさそうだった。
そんな時、徹二の妻に声を掛けられた姉妹。話を聞くと正高の遺産が目当てで来たのだろうと言われる。全くそんなつもりがなかった姉妹。葉月は腹を立てて言い返してしまう。そして、姉妹は遺産相続放棄の一筆にサインしてしまうのだった。

その頃、佐和は喪服に身を包み、正高の実家へと向かっていた。急遽、風邪だと偽り、仕事を休む。最寄り駅に到着したところで、呼春からメールが入った。遺産を放棄したらしい。佐和は思わず笑ってしまった。母親がいなくても、娘たちはもう立派に大人だ。佐和は帰る電車に乗り込み、仕事に行けると会社に電話をした。

父親の出棺の様子を遠目から眺める姉妹。親族は皆、涙ながらに別れを告げる。たった1人、残された幼い千尋を見捨てるようで申し訳ないが、姉妹は出棺を見送って帰ることにした。徹二は最後まで見送って欲しいと粘ったが、結果的に父親を今でも恨んでいるのだろうと酷い言葉を投げつけられてしまう。

映画『チチを撮りに』の結末・ラスト(ネタバレ)

叔父に思ってもみないことを言われた姉妹。帰りの道すがら、ちょっとした言い合いになる。葉月も呼春も決して父親を恨んではいない。それなのに、あんな言い方はない。きっと母親もそれを言われたくなくて、来たくなかったのだと気付く。姉妹は考え直し、父親の火葬場へ向かうことにした。

近くの農家さんに火葬場まで送ってもらったが、遺体はすでに火葬が始まっていた。姉妹は急いで別れの言葉を口にする。すると、その姿を徹二が見止め、火葬を止めて欲しいと火葬場の職員と一悶着。姉妹は火葬が終わるまでの間、千尋とおにぎりを食べた。

正高は最後の最期まで、娘たちと会いたがっていたと言う。それを知っている徹二は、何としても姉妹に兄を見送って欲しかったのだ。
納骨時、呼春が突然、デジカメを構え驚きながらも皆で写真を撮った。

いよいよ、帰る時。千尋が寂しそうに姉達を見送る。少年とて肩身の狭い思いをしている。彼は幼いながら、それに耐えているのだ。葉月は千尋が耐えられなくなった時のため、逃げ道になると約束し、自分の連絡先を書いた名刺を少年に渡す。すると、千尋は大粒の涙を零し、笑顔を見せるのだった。

スーツと制服に着替えた姉妹は、佐和の職場へ。母親は宝くじ売り場の販売員をしていた。徹二の妻に金融のエリートだと言い切った葉月。ある意味、金融のエリート販売員である。
佐和の仕事が終わるのを待ち、川原へ集まった東村家。佐和は娘たちが撮った画像を見せてもらった。
そして納骨時、葉月が密かにいただいてきた正高の骨を渡す。佐和はかつて愛した夫を偲び、号泣。本当は会いに行きたかったに違いないのに、自分が決めたことを貫き通す佐和も頑固者である。

佐和は正高の骨を貰い受け、目の前の川へ投げ捨てる。魚に食われてしまえと笑っていた。川に浮いた骨を見ていると、何かが骨をつついている。魚であることは間違いない。3人は息を潜めじっと見ていると、なんと正高の骨を狙い、巨大なマグロが飛び跳ねるのだった。

映画『チチを撮りに』の感想・評価・レビュー

赤という色が印象的。
子供だけで、不倫して出ていき危篤となった父の写真を撮りに行かせる勇気は私にはないなあと違和感を感じつつも、さっぱりとしたこの母親ならありかと納得。
親の身勝手に振り回されながらも成長していく姉妹がいじらしい。
宝くじ売り場の販売員の母を「金融界のエリートですから」という台詞がいい!
観終わった後、ほっこりした気分に。(女性 40代)


構えるほど長い映画ではなく見やすさは抜群の作品です。
特に大きい展開は無くいい意味で平坦な映画でしたが、見た後は良い映画を観れたなという気持ちになります。
父親は父親だけど遊んだ記憶もない人が亡くなった反応としては姉妹達は正しい反応だよなと思って見ていました。
父親の葬儀に出たときに親族が遺産を目当てに姉妹がきたと思い色々言う場面や、父親に会えと訴えている父親の弟を見ていると理不尽な人間はどこにでもいるんだなと思いました。(女性 20代)


余命間近の元夫に会いたいけれども会いたくない。でも娘達には最後に会わせてあげたいという母、佐和の気持ちがきっと顔写真を撮って来いという指令に繋がったのだと思う。ところが、佐和が逡巡している間に元夫が他界したことで、親族からの対応が変わってしまう。姉妹に対して親族が心無い言葉を浴びせてしまうのも頷ける心情だが、葬儀中にそういったことを口にしてしまうのを不謹慎だと思えない人の方がよほど醜悪に見える。そこで強気に言い返す姉妹には、良く言ったと褒めてやりたかった。元妻家族と元夫家族のどちらの気持ちも分かるよう描かれているため、なかなか秀逸で面白い。10歳の異母弟が姉妹と共に健やかに育つことを願ってしまうが、きっと大丈夫だろう。そんな終わり方で良かったと思える。(女性 40代)


このお母さんと、優しかったお父さんの子だからこんなに素敵な娘たちに育ったし人のことを思いやれる性格になったのだろうと作品を見ただけでは分からない内面的な部分まで考察してしまうほど、感情移入しながら見てしまいました。
母にとってはいい夫ではなかったかもしれませんが、娘たちにとっては優しくていい父親で、母もそれを理解していて会いに行かせる決断をするというのが本当に強くて優しくて、これこそが愛なのだと感じました。
見終わった時にほっこりできる、本当に素敵な作品です。(女性 30代)

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